読みたい本は山ほどある(伍百萬語報告)

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[報告] 827. 読みたい本は山ほどある(伍百萬語報告)

お名前: 間者猫 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/6250/
投稿日: 2004/2/28(10:05)

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間者猫です。
先日(2月26日)、500万語通過しました。
以下、長いのでお茶でも飲みながらごゆるりとどうぞ。

通過本は
MIchael Connely,”The Black Echo”です。
これ渋いです。文体がなんともカッコよくて好きです、暗くて重くて(笑)。
今回は、正月休みのおかげで100万語/約2ヶ月での通過となりました。

■ペーパーバック雑感■
この100万語は大半がペーパーバックです。本当にうれしいです。
反面、”あんまり読めてないんやけどこれでええんかなあ?”と不安になったり
”もうちょっと分かればもっと面白いのに!”とちょっとイライラしたりします。
そういう時は、
”ペーパーバックはあらすじだけ分かればいいんだから”
”読んでいるうちにきっと鮮明になってくるはず”
と自分に言い聞かせて読んでいます。
とにかく”ざーっと読む”、これを大事にしています。
John Grisham,”The Pelican Brief”の29章を読んだ時に、
流れるように読んでいて、そういう自分にぞくぞくしました。
”読めてるって、きっとこんな感じや!”
こういう感じを忘れないようにしたいと思います。
分速はたぶん200語/分ぐらいだと思います。なんか知らん間に上がったような気がします。

■500万語を振り返って■
ずーっと最初の100万語が一番しんどかったなあと思っていたのですが、
今考えてみると、”児童書が苦手です!”といってた時期が一番しんどかったのかも?
ペーパーバック早く読みたいという気持ちはあまりなかったのですが
(続けていればいつか必ず読めると確信していたので)
児童書を読まなければならないというコンダラになっていたのかも?
無理せずマクミランのGR(upper)あたりを読めばよかったかなと今は思います。

■講演会雑感■
先日、大阪YMCAでの酒井先生の講演を聞き、
自分は英語が全然聞き取れてない(たまに単語が分かる程度)ことを実感しました。
でたらめ音読のせいか、単にヒアリングをほとんどしていないせいか分かりませんが。
このまま読みつづけて、自然に聞き取れるようになるには
どのぐらい読めばよいか実験してみようと思います。
1000万語まで読んで変わらなかったら、ちょっと考えます。
やっぱり映画を字幕無しで見たいもんね。

■児童書は苦手■
前回の報告で”児童書は苦手!”と書いたのですが、
会話文が主体の作品は、児童書・一般書に限らず苦手なようです。
リズムが悪くなるっていうんですかね。
どうも、短めの会話文は読んだ瞬間に日本語に訳しているようです。
全体的に児童書のほうが読んでいてしんどいです。
児童書が苦手なのは、小さい頃
ほとんど本を読んでいないからだろうという気がしますが。

■情けなかったこと■
まりあさんに言わせると児童書が苦手な人は受験英語をがんばって勉強した人らしいです。
が、自分自身の学習歴を振り返って、とてもじゃないですけどそう思えません。
というのも、先生が講演会でおしゃっていたStephen King,”The Body”の一節
”It should have been you”が仮定法だと知りませんでした。
私、仮定法は”would have 過去分詞(だったかな?)””I wish I were”
ぐらいしか知らなかったんですから。
あとジュンク堂本店でのマリコさんの講演のときに
”Graded”が”グレイデット”と発音するのを知りました。
私の英語学習で養われたものってこんなもんです。あー書くのが情けないです(恥)。

■分からない単語は意外に少ない■
先ほど書きましたJohn Grisham,”The Pelican Brief”の29章(読めている例として)で
分からない単語を数えてみました。これ結構しんどいです。
総語数が1990語で、分からない単語89語ありました。
つまり知らない単語率約5%です。
単語は分からなくても前後で大体の意味のとれる単語もあるので
もうちょっと下がります。しかし、少ないなあ。嘘やろ?
感覚的には20%ぐらいはあるだろうと思ったのですが。
”読めた!”という感じでこれです。なんか納得いかん。
で、本題はこちら。
酒井先生に”Shoeless Joeを読めたのはあなただけ(本当かな?)だから調べてみて”と
言われたので、これも数えてみました。
これは適当に(無作為に)10ページ選んで数えてみました。
総語数が2800語で、分からない単語127語ありました。
つまり知らない単語率約5%です。あんまり変わらん?????
この作業中に1ページ20語近く分からないとしんどくなることが分かりました。
ちなみに”Shoeless Joe”は映画も邦訳もかなり前ですが読みました。
しかもなんか読みやすくなっているような気がしました。

ところで、この宿題を受けた時は、
先生がおっしゃている
”英語は単語の集合で成り立っているのではなく、最初に文章がある”
ということと矛盾するのではないかと思ったのですが、
数えながらやっぱり最初に文章があるのも知れないという思いを強くしました。
(先生が言う所の物語の力ってやつですかね?)
自分の感覚としてはもっと分かっていないだろうと思っていたのですが。

そう考えると自分自身のストーリーを掴む力が
重要な役割を果たしてるということだろうと思います。
読解力というか、経験に基づく推理力というか
そういうものではないかなと思います(それがたまたま英語だったと)。
単語の意味が分かる分れへんというのは
重要なファクターではあるけれども
副次的な産物かもしれないと今は思います。

■英英辞典って面白い■
Julieさん紹介のオンライン英英辞典使って、
Aloneとlonely 引いてみました。
ほー、なるほど。為になります。結構癖になりますね。
だけど、Allyさんの3原則は守ります。
先生も”辞書に依存するな!(英語で)”って言ってはりましたし。
それに、たまりにたまったストレスを一気に解消するほうが覚えが早いですから。

■読んだ冊数や費用その他■
読んだ本は11冊で、GRが1冊、児童書が2冊、残り8冊がペーパーバックです。
費用は1万円です。約5千円/月です(実は300万語以降は約5千円/月です)。
だんだん未読本が増えてきて300万語以上はあるだろうと思います。
また書棚整理しないといけません(泣)。

■読んだ本のレビュー■
”The Street Lawyer”, John Grisham ☆☆☆ Level8 107000(書評済み)
読み始めは”グリシャムにしては粗いなあ。イマイチやなあ”なんて思いましたが
30章以降グリシャムらしさで一気に読ませてくれました。
最後ちょっと、じ〜んときました。社会的弱者に対する眼差しが優しいよね、グリシャムは。
あとがきでも述べてますが、これまで感心のなかったホームレス問題を取り上げ、
より社会と関わろうとしている意欲を感じました。
単語(法律用語?)が難しかったですが、文章自体は読みやすかったです。
これって矛盾してるかなあ?
総語数は10×30×449×0.8=107,000で計算しました。(2004.12.30)

”Secret Window, Secret Garden”, Stephen King ☆☆☆☆ Level8 52000
”Four Past Midnight”に収められている作品です。
作家のMorton Raineyは、ある日、John Shooterから”おれの作品を盗んだ”と
言われます。その後、Morton Raineyの周りでは飼い猫が死に、家が焼かれ、
友人が惨殺され(この描写はきつかった)、様々な事件が起こります。
これはJohn Shooterの仕業なのか? また、John Shooterとは何者なのか?
エピローグが読みこなせればもっと面白かっただろうと思います。まだまだ力不足です。
総語数は10×45×145×0.8=52,000で計算しました。(2004.1.2)

”The LIbrary Policeman”, Stephen King ☆☆☆☆☆ Level8 70000
”Four Past Midnight”に収められている作品です。
スピーチネタ探しの為に借りてきた本をSamはちょっとした手違いから紛失してしまい、
謎の図書館司書Ardelia Lortzから”図書館警察を思い出しなさい”という電話を受ける。
そう、あの借りた本を返さないとやってくる図書館警察だ。
ずーっと心の中に封印し続けていたあの忌わしい過去がついに蘇ってくる。
Samは図書館警察から逃れる事ができるのか?
ところで、主要な登場人物SamとDave、二人合わせてSam&Daveなんですね。
ちょっとにやっとしました。どうもR&Bって感じじゃないけど、いいかもしんない。
総語数は10×45×196×0.8=70,000で計算しました。(2004.1.3)

”Twelve Angry Men(Yohan5)”, Reginald Rose ☆☆☆☆☆ 16000
”The Firm, John Grisham”読む前に読んでおこうと思い読みました。
御存じ”12人の怒れる男”のGRです。写真も豊富で映画好きにはたまんないです。
中学生の頃かいつか忘れましたが、夜中に観て、”すごい映画や!”
心に残る映画になりました。それをレベル5のGRで読めるなんて。
しかも脚本になっているので”舞台でやったら面白いだろうなあ”って思いました。
テープがあれば是非聞きたいです。一度投げた本ですが今回楽に読めました。
総語数は10×34×79×0.6=16,000で計算しました。(2004.1.4)

”The Firm”, John Grisham ☆☆☆☆☆  Level8 148000
よく分らなかった所もありますが面白かったです。最初から最後まで眼が離せません。
特に最後の100ページは手に汗握る展開、ドキドキしました。
読み手に余韻を残させる終わり方、グリシャムは本当にうまいですね。
先に読んだ”The Street Lawyer”よりも読みやすく感じました。(2004.1.8)

”Going Solo”, Roald Dahl ☆☆☆☆☆ Level7 48000
最初の”The Voyage Out”が読みにくく感じましたが、その後はそうでもなかったです。
Boyよりもちょっと難しかったです。しかしダールは修羅場くぐってますね。
”Palestine and Syria”では中東情勢が窺える一端があり、考えさせられました。
ダールが生きてイギリスへ帰り、お母さんに電話する所から後、涙でなかなか進みませんでした。
これが戦争の本当の姿なんですね。
どんな正当性があろうとも為政者が声高に叫ぼうとも戦争は絶対イヤです。
総語数は10×33×210×0.7=48,000で計算しました。(2004.1.10)

”The Pelican Brief”, John Grisham ☆☆☆☆☆ Level8 107000
政・官・財の癒着を一人の法学生とジャーナリストが暴いていく、
なかなかスリリングな展開。面白かったです。結構好きな話です。
最初の2人の判事が殺害される所は結構エグかったです。
”The Street Lawyer”、”The Firm”よりも少し難しく感じました。(2004.1.17)

”Switch Bitch”, Roald Dahl ☆☆☆ Level9 35000(書評済み)
”The Visitor”,”The Great Switcheroo”,”The Last Act”,” Bitch”の4編からなる
アダルト向け(Playboy掲載)の作品です。
”The Visitor”, ”Bitch”には”My Uncle Oswald”でお馴染みの
Oswald Hendryks Corneliusが登場します。
総語数は10×38×134×0.7=35,000で計算しました。
”The Visitor” ☆☆
Uncle Oswaldの車が砂漠で故障し(させられ)、あるアラブの大金持ちの家に1泊する話です。
その豪邸には美しい妻と娘がおり、あまりにも魅力的。
皆が寝静まったその夜、Uncle Oswaldの部屋にそーっと一人の女性が忍び込んできます。
その女性は誰なのか? Uncle Oswaldはホストにはバレずにコトをいたすことができるのでしょうか?
最後に鮮やかな(?)オチが用意されています。
読後少し悲しい気持ちになりました。
”The Great Switcheroo” ☆☆☆☆
あるパーティーで自分と背格好も良く似た男に、”1晩夜の生活を交代しないか”と持ちかけます。
しかも絶対お互いの妻にはバレない方法で。さてその結果やいかに?
結末は人によって評価が分かれるだろうなと思います。
”The Last Act” ☆☆
結婚20周年を迎えたばかりのにAnnaに夫の事故死という悲劇が当然襲いかかります。
傷心の日々を過ごすAnnaにある日友人が訪ねてきて、仕事を手伝うように頼みます。
その仕事はあまりにも忙しく、悲劇が過去のものになりつつあったのですが・・・。
結末はあまりにも暴力的であまりにも残酷です。
ダールは”医者にはなにも治す事ができないんだ! 傷つける事ばかりなんだ!”ということを
言いたかったのかな?
” Bitch” ☆☆☆☆
Uncle Oswaldが匂いの専門家Henry Biotteと組んで強力な媚薬を開発します。
これを大量に売り捌けば大金持ち間違いなし。
試作品も完成し実験も成功したのですが、Henry Biotteが急死してしまいます。
世界にたった1ccしか残っていない媚薬をUncle Oswaldは
あのアメリカ合州国で最も有名な男に使おうとしますが・・・。
なんともばかばかしいお話ですが4作品の中で最も難しく感じました。(2004.1.24)

”Jurassic Park”, Michael Crichton ☆☆☆☆ Level8 135000
そんなに読みにくいと思わなかったのですが、単語が難しかったです。
最初の2章までは”よー分らんなあ”と読んでいたのですが、
それからは結構面白かったです、最後ちょっとだれましたが。
最初は遺伝子組み換え技術に対する批判として読んでいましたが、
途中からカオス理論(?)の一例として書かれているんだなと思いました。
専門化するテクノロジーに対する批判としても面白く読みました。(2004.2.2)

”The House at Pooh Corner”, A. A. Milne ☆☆☆ Level5 36000
そろそろ児童書も楽に読めるかな? と思い読みました。
かなり読みやすく感じました。でもやっぱり児童書は苦手です。
こう言い切ってしまうとイカンなあと思うのですが(本の選択ミスかも?)。
しかし家で読んでいる”The Black Echo”, Michael Connellyの方が
読みやすいのはどういうわけだろう? (2004.2.5)

”Early Autumn”, Robert B. Parker ☆☆☆ Level8 60000(未書評)
最初の1章だけは???でしたが、
各章が短く読みやすかったです(会話で繋いでいくストーリーは苦手ですが)。
読後、”必殺仕事人”みたいな感じを受けました。
10万語を超えるPBは”まだ、しんどい”という方はちょうどいいかもしれません。
裏表紙に犬を連れた著者の写真が掲載されているのですが
私は見た瞬間、”土佐犬を連れた梶原一騎や!”と思いました(笑)。
総語数は10×35×217×0.8=60,000で計算しました。(2004.2.13)

”The Sun Dog”,Stephen KIng ☆☆☆ Level9 55000
”Four Past Midnight”に収められている作品です。
一度投げた本です。残しておくのもなあと思ったのでちょっと無理しましたが読みました。
9章の半分ぐらいまで結構難しかったですが、それ以降はそうでもなかったです。
あらすじは分かったと思うのですが、細かい所が分からず、ちょっと悔しいです。
書評をあげたいので邦訳で確認しておこうと思います。(2004.2.22)

”The Black Echo”, Michael Connelly ☆☆☆☆☆ Level8 137000
これはとても哀しい物語です。Michael Connellyええわ。
とにかく文体がかっこいい、渋い。Michael Connelly全部読みたい。
もうちょっと分かればもっと面白いだろうと、ちょっと歯がゆかったけど、
とにかく面白かった。今はそれでいい。(2004.2.26)

長々とここまでお付き合い下さりありがとうございました。
では、また。


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