暗中模索読みで800万語/長くてゴメン

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/6/29(17:02)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

[報告] 6258. 暗中模索読みで800万語/長くてゴメン

お名前: けん
投稿日: 2005/8/10(20:02)

------------------------------

 みなさんこんばんは。けんです。8月8日、800万語を通過しました。最近は、中身をよく読みとれない本ばかり読んでいるので、ちょっと変な表題になりました。以下の報告、長くなりましたので読まれる方は適当に読み飛ばして、何かの参考になることがあれば幸いです。

■多読歴と英語歴

 まず、多読歴を簡単に紹介します。多読を始めたのは2002年10月。初めの一年間で約350万語、二周年で630万語強読みました。そして今、あと2ヶ月で三周年を迎えます。

 学校卒業は遙か昔。英語歴としてはコンピューターを自作したときに辞書を片手に部品のマニュアルを何とか読んだ程度で、英語はもともと専門でもなく仕事にも使いません。訳あって2000年夏から英語学習を始め、それからの2年間はTOEICを目安にやってきました。でも多読を始めてからは対策本は全く読む気がせず、時々受けるTOEICも試験会場でPBばかり読んでいて、普段も当日も試験対策はしていません。

 多読とTOEIC点数との関係は、グラフにもしてみたのですがはっきりとはしていません。多読を始めると、いったんTOEICの点が下がるのは私も経験しました。現在の点はT835ですが、そのうちLが470、Rが365なので、Rを何とかしたいという思いが正直なところです。Lは英語再学習を始めた当初から、毎日3時間ぐらい何らかの英語を聴いているので、その結果でしょう。来年からTOEIC試験形式が変わるので、その前後にまた受けてみたいな〜、なんて思っています。

 ま、TOEICの点数だけでは英語の力はわからないという意見に私も賛成です。点数は自分の変化を知る一つの目安だと思っています。現実に「800点とれない」という人でも私よりはるかに淀みなくしゃべっている人を何人も知っていますので・・・。いちおう私の目標としては、自分の専門分野の仕事の話で外国人とやりとりができること。それに自由に文献も読めることです。・・・これはあと三年ぐらいかけて2008年までに達成させたいです。そのくらい時間をかければできることだと思っています。

 今回、多読を始めた最初の頃の記録を見たのですが、懐かしいです。初めは200語、300語レベルの本を読んで、「さあこれからだ」と大海に漕ぎ出すボートのようだったと思います。もっともその未知の海の向こうには大陸があることがわかっていたので、どんどん読み進んだのですけれど。今は大陸に来たのかというと、島なのか半島なのか、それとも大陸への入り口なのか、ともかく何処かへ来ていることは確かです。

■読み方について

 さて、表題の「読み」ですが、今までの読みを振り返ってみると

スタート2002/10/12    通過日 冊数  累計 日数
-------------------------------------------------------
 0   〜100万語 2003/1/31 125  125  111
100万語〜200万語 2003/6/15 144  269  135
200万語〜300万語 2003/9/7  71  340   84
300万語〜400万語 2003/12/25 135  475  109
400万語〜500万語 2004/4/30 120  595  127
500万語〜600万語 2004/8/27 109  704  119
600万語〜700万語 2005/1/11  23  727  137
700万語〜800万語 2005/8/8  18  745  209

というように、600万語までは、GRや絵本がかなり入っていて冊数が多かったのですが、その後はPBがメインになり、急に冊数が少なくなりました。GRや絵本だって嫌いというわけではなく、むしろ読みたいのですが、PBで面白そうなものがあると、ついそちらに手が出てしまいました。この時期SEG-WESTのブッククラブを辞めてしまったのも原因の一つで、またいずれ復帰したいです。

 700万語以降読んだ本は後で紹介します。読み始めたもののひどく難しくて止めてしまった本もこの間2〜3冊あります。その他は内容にひかれて読むので、例えば300語読む間にわからない単語が10個以上出てくる場合もありますが、そんな本でも章によっては読みやすいところがあるので、なんとか最後まで読み進んでいます。これが暗中模索読みということです。

 難しい単語が続くとき、「こんなんでいいのかな〜」と思うことも度々ですが、そんな時は

1)そのまま無視して読み進む。
2)全く想像がつかない単語を(密かに辞書を覗く気持ちで)調べてみる。
3)気になる単語だけ辞書で調べてみる。

のどれかですが、私は1)が多いです。先輩達が言っていたように、辞書が面倒というようになりました。ときどき辞書を引いていた頃には、「めんどうだから引かない」という話を聞いたときに、「え〜!? 面倒くさがりなんだなぁ〜」なんて内心思っていましたけど、だんだん自分もそうなりました。

 2)3)の場合は英英を引くようにしていますが、専門用語は日本語ではなんて言うのかジャンプすることも多いです。

 でも電子辞書は便利なので、一回引くと、引きぐせがついてしまうのが難点です。そういう時は「これらの単語がわからなくたって、他の部分は簡単な文章なんだから、無意識のうちに吸収しているはずだ。よく分からないまま読んでいても半分は身に付くだろう」なんてかってに思っています。つまり「今なら800万語だから、少なくとも400万語分は身に付いているはずだ」ってね(400万語でも十分にすごいところへ来ていると思っているので、もちろん大満足です)。語数も目安ですね。

■よくわからないまま読んだ最近の本たち

--------------------------------------------------------
◇ 700万語〜800万語/18冊 ・・・1日5,000語程度のペース
--------------------------------------------------------

=物語=

Painted House, A /John Grisham YL8
 アメリカ南部の綿畑のようす、メキシコからの季節労働者たちの暮らしぶりなどをかいま見た感じ。negro spirituals の「綿つみ歌」という歌のイメージが広がったので良かったです。

The Endless Steppe: Growing Up in Siberia YL 5.5
 とてもよかったです。第二次世界大戦末期、財産をとられ家畜列車に乗せられシベリア送りになった家族の物語。シベリアの厳しい暮らしの中で庶民のつつましい生活と暮らしを守る姿が描かれています。戦争の惨禍が身につまされます。Number the Stars といっしょに読みたいです。

Make Lemonade / Virginia Euwer Wolff
 まあまあ。単語は簡単なのに文意がくみにくかったです。でも同著者の他の本も読んでみたら何かわかるかも。

=お勉強モード=

Putting It in Writing (Scholastic Guides)
Writing With Style (Scholastic Guides)
 ともに 15,500w くらいの小学生向けの作文作法の本。中身も教え方も参考になります。お菓子の製造会社へ自分の感想と要求を書く例なども取り上げられていますが、こういうところにも自主的・自覚的な市民を生み出そうとする色々な場面で心がけている姿を感じます。日本で足りないところですね。

=社会もの=

Globalization /A Very Short Introductionシリーズ
 このシリーズは今迄にも紹介されていますが岩波新書みたいな本です。単語はいっぱいわからなかったのですが大事な話だからと思って読みました。(意地!)これを気に中東のCNNやBBCにも匹敵するというAl-Jazeera[url:http://english.aljazeera.net/HomePage]も覗いてみたりしました。

The Exception To The Rulers
 いつも聴いている Democracy Now![url:http://www.democracynow.org/] のアンカーパーソン Amy Goodman が弟と一緒に書いた本。中身は Exposing Oily Politicians, War Profiteers and the Media That Love Them というものです。現代社会の平和の問題を考えるのにおすすめの一冊。

No Place To Hide 現在途中 52,019語/107,625語
 これは映画のマトリックスに負けず劣らないアメリカの情報社会というか、監視社会の実態をレポートしたものです。本文の中に「Big Brothers」なんて出てきますから、『1984年』を読んでいたので嬉しくなりました。でも内容は『The Exception To The Rulers』もそうですが大変な問題で、全然嬉しくなりませんが。

=自閉症関連=

The Curious Incident of the Dog in the Night Time YL4.1 61,805w
 主人公の男の子は自閉症。彼の視点から書かれています。自閉症理解にとても良いと思います。第一のお薦め本。それにとても読みやすいです。朗読CDがあることもわかり買ってしまいました。主人公のイメージがちょっと違っていましたが、とても聞きやすくいい感じです。何回も何回も聴きました。お薦めです。この本に出会ったおかげで、次の3冊も続けて読みました。

Nobody Nowhere 77,436w
『自閉症だった私』という邦訳で有名です。でも文章は易しいようで、よくわかりませんでした。文体が変なのかな?とか思いました。で、知らない単語は平気で無視して「わかりにくい文体だ」と文句を言いながらも読みました。

A Man Without Word 50,000w good
 耳が聞こえなくて大人になるまで言葉というものを持たなかった人に、どうやって言葉を獲得させていったか、というお話です。計り知れない人間の可能性、特に学習する力を感じました。

An Anthropologist on Mars 92,840w
 邦訳『火星の人類学者—脳神経科医と7人の奇妙な患者』も買いました。先に邦訳を読もうと思いましたが、結局、原文をわからないながらも読んでしまいました。単語は脳神経や心理学の専門用語がいっぱいで読むのは大変です。でも普通の人物描写などはそんなに難しいわけではありません。人間の計り知れない能力と不思議さを十分に示してくれる本です。

=その他=

Open Season / Linda Howard YL6
 知らない単語たくさんありました。まあまあだと思ったが、どんな話だったか思い出せない、ははは・・・忘却!(^^;)

Peter Pan
 簡単な話だと思ったのですが、なかなか文体に馴染めず、半分くらいはまではよくわからなかった。子どもの本なんでしょうねぇ〜、ああいやだ。

On Writing: A Memoir of the Craft / Stephen King
 これもほとんどわからないのに読んだ一冊。それでも最後に読んだ気になるから、あら不思議(^^;

Old Man and the Sea, The YL7.5
 猫さんが貸してくれたので、名作だと思って張り切って読み始めたのですが・・・・よくわからんかった(x_x)、雰囲気はわかったけど(言い訳)

Love That Dog
 詩の本ですが、私には「ふ〜ん」といった程度で特に感銘を受けたりはしなかったのです。でも詩が分かっていないからかな〜と反省の一冊。

The Spy Who Loved Me (James Bond 007) / Ian Fleming 44,000w
 たまたまバーゲンで買った本です。堅い本ばかり続いたので一冊ぐらい娯楽ものも読もうと思って読みましたが、・・・やっぱり娯楽でした。でも作品が古いからか、最近のものと違って描写がおとなしいと思いました。

■現在の英語の状態

=やっていること=
 仕事のため通勤時間が中心の読みですが、平均して5000語くらいをなんとか毎日読んでます。本当はもっと読みたいのですが、これ以上は無理です。自治体主催の英会話教室に週に一回行っていたのですが、忙しいのでとうとう一学期で辞めました。でも英語に役立ちそうな研修や講演会には目を光らせていて、なるべく参加するようにしています。
 リスニングだけはいつも細切れ時間を見つけてはmp3プレーヤーで聴いていますが、中身は色々で、何日か聴いて飽きるとファイルを取り替えています。インターネットから無料のものを録音したりダウンロードしたりできるのでとても便利です。

 そんな中で、最近よく見るようになった番組が二つあります。一つはNHK教育TVの金曜深夜(土曜朝0時50分〜)やっている「ウイークエンド・ジャパノロジー」という番組です。これは英語で日本のことを紹介しています。面白いのですが眠いのでビデオに録って翌日見ています。
 もう一つは、Learner.org の語学番組 Connect With English [url:http://www.learner.org/resources/series71.html]です。一つのドラマが10分くらいのリアルプレーヤーのファイルで観れます。それに毎回ドラマの後に、英語の苦手な移民してきた人達がディスカッションもしています。
 このドラマは聞きやすく、中身も色々深刻な問題も含めアメリカの生活をよく反映していてとても興味深いです。観たことのない方はぜひご覧下さい。とってもお薦めです。

 その他のことはあまりできていません。シャドーイングは相変わらず気が向いたときだけですし、作文はHPに時々書くくらいです・・・。ま、気長にやりますけど。

=嬉しい出来事=
 先日、60年目の広島原爆記念日に立命館大平和ミュージアムに行きました。2階の展示室はほとんど人がいなくてとっても静かでした。しばらく見ていると後ろに背の高い外国人男性がじっとハーグ平和アピール[url:http://www.haguepeace.org/]の展示を見ていました。
 ちょっとためらったのですが、せっかくだからどこから来たのか声をかけるとUSAからとのこと。そこで「ハーグアピールはUSAで知られているか」と尋ねてみると、「ほとんど知られていない」「大部分の人は自分の生活のことしか考えていない。無視している」と答えてくれました。私も「日本でも状況は同じ」ということと、「ハーグアピールが“これからの世界の見本”と指摘してくれた日本国憲法第九条を日本国内で取り除こうとする動きがある」などと話しました。すると「日本の人々は第九条をどのくらい支持しているのか」とか、「どんな勢力がこれを取り除こうとしているのか」とか質問されました。また、「戦争の推進力はアメリカでも、そしていつでも大会社の経済的な理由だ」なんて話してくれました。また「ここはいいミュージアムだ。Nice to meet you.」とも最後に言ってくれました。
 なんとか英語が使えるようになってきたのも嬉しかったですが、それ以上に話の中身が嬉しかったです。普通の人々の連帯の輪を広げなくてはいけないなぁと思いました。世界は「徐々にではあるし時間がかかるが、少しずつ向上している」とあるイギリス人の先生が言っていたけど、ほんとにそれを感じた出会いでした。

■最後に

 長い文を最後まで読んで下さって本当にありがとうございます。何かまだ書き足りない気もしますが、くたびれたので、これでやめます。何か参考になるところがあれば幸いです。

 それでは皆様も、気長に Happy Readin!


▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.