「私の300万語」その1

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6081. 「私の300万語」その1

お名前: ウルトラQの母
投稿日: 2005/7/5(01:29)

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以下、趣味のHPに掲載する予定のものの転載です。ここ向けに書いたものじゃないので、話しが?の部分もあるかもしれないし、長いので申し訳ないのですが・・・。

英語快読 300万語(1)−また新しいスタートです

100万語からほぼ6ヶ月かかって200万語通過しました。100万語の時は、語数を稼ぐことにあんまり熱心じゃなかったので、語数が分からないPBは面倒なので10万語ぐらいはあったかもしれないものも一律5万語にしてしまったり、今思えば1万語くらいはあったと思われる児童書もゼロに換算してしまったりしていたので、実際にはもっと短期間で通過してたのかもしれないんですが、1年近くかかりました。読む速度が2倍になったってこと?(>んな訳ないが)

読んだ冊数は68冊。

GRについては
レベル0:17冊
レベル1:8冊
レベル2:10冊
レベル3:6冊
レベル4:3冊
レベル5:10冊
レベル6:6冊

PB:4冊(ただし1冊を再読したので実際には3冊)
児童書:4冊(ぜ〜んぶジャクリーヌ・ウィルソン)

100〜200万語は以下のような感じでした。

(1) CERの5〜6の未読のものを中心に読み、CERについては1冊を残し、出版されているものは全部読んだ。気に入っていたCERを読みつくしてしまったので気が抜けてしまった。早くどんどん新作を出版してほしい。
(2) キャサリン・グレアムのバーナビー警部のシリーズの1作目を2回読んだ。でも、今の私の英語力だととても消化不良でしかも読後にとても疲れる。好きな作品で映像もあるので早くこれがラクに読めるようになりたい。原作と映像の比較も面白い。
(3) 久しぶりにシドニー・シェルダンを読んだ。やっぱり面白いし、文章が上手なので(>ずいぶんと失礼な言い方かもしれないが)、OBW3の読みにくいものよりラクに感じたりする。
(4) ジャクリーン・ウィルソンに出会った! スピード感をもって読めるし、人生について色々考えさせられる。
(5) 「100万語」の時はちょっと重たく感じたCER5〜6がかなりラクに読めるようになった。でも、「英語力が上がってる」という実感は今一つかな?

「英語力を上げる」も私が「多読」をやってる一つの「目的」ではあるが、200万語の最後の方でジャクリーヌ・ウィルソンに出会ったことで、「読書」の「原点」に立ち返ったような思いがしています。本は英語であれ日本語であれ、「読書」という「目的」のために読むのがいいのかも…。「面白い!」「好き!」あるいは「○○について知りたい!」など。

…ということで、「300万語」は「イギリスについて物知りになる!」というのを目標にOFFを中心に読んでみようかな…と思っています。

1.2005年1月8日:The Railway Children:OBW3:レベル3:10000語:10000万語:☆☆☆☆:これ、ジャクリーヌ・ウィルソンの本の中に出て来たの。どれだったかな? 主人公の愛読書の一つとして。で、「へぇ、やっぱGRに入ってるリトールドものってのは、現在イギリスで読み継がれている「ちゃんと生きてる」古典なんだね」と思い読んでみました。
 主人公は3人の子ども。裕福に幸せに暮らしていたんですが、ある日の夜遅く父親のところに来客があり、翌朝から父親は「仕事」」のために不在に。母親と3人の子どもは線路のそばの郊外の家で暮らすことになります。

2.2005年1月9日:The Children in the New Forest:OBW2:レベル2:6621語:16621語:☆☆☆☆☆:ピューリタン革命の時代が舞台。昔、『在日外国人』(岩波新書)を読んだ時、伊藤博文が当時お札の肖像画に描かれていたことを「信じられないほどの無神経」と言うようなことが書いてありました。つまり、伊藤博文は「日本史」では日本の近代化に貢献した首相だったかもしれないんですが、北朝鮮・韓国の人から見れば、朝鮮半島植民地化の悪の権化。彼は初の朝鮮総督だった訳ですから。実際に日本の国内に朝鮮半島出身の人々が住んでいるというのに、そういう人物をお札にしていることの無神経さ…。実は、私はこの本を読むまでは、伊藤博文が「初の朝鮮総督」であったことは知っていても、そのことが、朝鮮半島の人々や「在日」の人々の心に起こす「波紋」ということには、まったく無知でありました。
 で、クロムウェルも、まぁ、色々と「行きすぎ」はあったにしろ、日本の「世界史」で習う時には、「王の横暴」より「議会」が優先する…という「イギリス民主主義」を進展させた「ピューリタン革命」を推進した人物ではある訳です。しかし、このクロムウェルについては、英会話学校で「アイルランドに行ったら口にしないように」と言われたことがあるのです。つまり、この時、クロムウェルはアイルランドがカソリックであることを口実にアイルランド征服をし、非常に残虐に大量の人を殺しているんです。(>しかし、クロムウェルはケンブリッジ大学の出身なので、以前仕事でケンブリッジに行った事があるんですが、ケンブリッジの町では「英雄」扱いみたいでした)
 「革命」は「国民同士」が「主義主張」「思想信条」のために命を賭して争い、闘うものです。主人公はクロムウェルに両親を殺され、残された子どもたち。この時期の、血で血を洗う、緊迫した雰囲気がよく分かります。

3.2005年1月9日:Who Sir? Me Sir? : OBW3:レベル3:10296語:26917語:☆☆☆☆:主人公は貧しい子どもたちの通う公立校の生徒。担任の先生は、やる気のない生徒たちにやる気を起こさせようと、近くのお坊ちゃん学校の子たちと、トトラアスロンの試合をさせようとします。その、「しかけ人」の先生が途中でサポートを投げ出してしまったりするんですが(>おいおいって感じです。子どもの方は「大人ってやつはいつもこれだよ」とさめてるんだけど)、子どもたちは最後まで頑張る。子どもたちを最後まで応援してくれた大人もいました。
 お坊ちゃん学校の子たちは、「ちょっとヤバいかも」となるとアンフェアな手を使って来たりする。それに対して、主人公たちも、同じようにアンフェアな手を使う。「だって向こうも使ったんだし」というのが、その理由なんだけど。で、両方アンフェアな手を使ったので、最後、勝負は持ち越し…となるのだが、でも、イギリスの「フェアプレイの精神」ってこういうことも含めてのことなのかな? 階級制度の壁っていうのも、やはりすごいですねぇ。(>少し前の時代の話だけど)

英語快読 300万語(2)−イギリス史の語り口

イギリス史は、我々にとって「外国史」だけど、やっぱりそれは「人々の過去の経験」であって、「生身の人間」がやったこと、感じたことの集積な訳です。だけど、「歴史を語る」時に「何を」重視して語るか…というか、そういうのの重点が、日本人の書いたイギリス史とイギリス人の書いたイギリス史とは「何となく」違うような気がします。

イギリス人の書く歴史は、ちょっとしたエピソードや、その時々の「人の気持ち」やその出来事についての「著者のスタンス」が、日本人の書くイギリス史(>の入門書)よりも、「強く」出ているような気がします。

そこに、「人」が登場するというか、「登場人物」が固有名詞で語られる度合いが高いというか…。それによって、歴史がより「立体的」に感じられるというか…。

4.2005年1月10日:Titanic! OFF1:レベル1:3200語:30117語:☆☆☆☆:昨夏、イギリスでタイタニックのエキジビションを見た。海に沈んでいたタイタニックからひきあげたさまざまな乗客の遺品などが展示されていた。それらの遺品は乗客たちのそれぞれの人生の断片だ。現在とは異なり、レーダーやら、24時間の無線の体制などがない中で、「なにもここまで」というくらい、さまざまな「不運」が重なって、あそこまでの惨事になってしまったのだなぁというのがよく分かった。

5.2005年1月25日:Food and Drink in Britain:OFF3:レベル3:5600語:35717語:☆☆☆☆☆:『イギリスは美味しい』という本が流行ったことがある。イギリスは「美味しい」のか「不味い」のか? 
 私はイギリスは「素材」は美味しいと思う。野菜なんかは日本の野菜より、「味が濃い」という感じがする。肉も「肉くさい」けど、味がしっかりしている。食パン(>とくに茶色いやつ)なんかも美味しい。だけど、「パンもハムも美味しいのに、そのパンにハムをはさんだだけのサンドウィッチがなんでこんなに不味いの?」というような出来事にもよく出会う。
 息子は保育園の給食が不味くて、それまで、何でも良く食べてくれて、食事で苦労したことなかったのに、すごく「食わず嫌い」になってしまった。まぁ、「マッシュポテトのカレーソースがけ」なんかは、たしかに見ただけで食べたくないかも…(>好きな人は好きなんだが)。ライスプディングも好きな人は好きだが、息子は「米が甘い」というのが許せなかったらしく(>息子は米は米だけで食べられるくらいのご飯好き)、不味いものの筆頭にあげていた。サンドウィッチも「保育園の給食でよく出た」というのがトラウマになっていたのか、ずっと食べたがらなくて、小学校高学年になってからようやく食べられるようになったぐらいだ。でも、今でも、お弁当サンドウィッチにしていい?というと、絶対ダメと言う。
 息子がイギリスでサバイバル出来たのは、魚が好きだったのと、イモが好きだったおかげだ。保育園の給食でもチップス(>ポテトフライ)はOKだったみたいだし。外食の時はたいていフィッシュ&チップスでしのいだ。 日本に帰って、家では「食べたことのないもの」を食べたがらない日々が続いたが、日本の保育園と小学校の給食のおかげで、ずいぶんと「食わず嫌い」が治ってきた。
 食べることが大好きな息子の食生活の幅を、2年間のイギリス生活のために「犠牲」にしてしまったのは、心が痛む。イギリスに行く前はカニが大好きだったのに帰国してからは、「いらない」と手を出さず、最近になって食べるようになって「え〜! こんなに美味かったのか〜!」と恐がってカニを食べずに過ごした「失った日々」を惜しんでいる。
 私はと言えば、「ソーセージ&チップスのグレービーソースかけ」なんてのもけっこう好きで、「イギリスは不味い」派からは白い目で見られていたりする。イギリスの素朴なビスケット類なんかも私は好きだ。
 
6.2005年1月22日:Animals in Danger:OFF1:レベル1:3200語:38917語:☆☆☆:絶滅の危機にある動物についての本。また、それを防ごうとする人間の努力についても触れられている。私は文科系なので、こうやって理科系の知識を英語で入れていくのもいいなぁと思う。

7. 2005年1月22日:Kings and Queens in Britain:OFF1:レベル1:3200語:42117語:☆☆☆☆☆:イギリス史のおおまかな流れが分かります。概説は概説なんだけど、あんまり「お勉強」くさくなくて、楽しく読めます。日本語で書かれた、イギリス史概説の類も読んだことはあるのだけれど、それよりも、使っている語彙も語数もずっと少ないのに、生き生きした感じがあります。それは、「感情」が描かれているからなのかな? たとえば、ローマ皇帝がイギリス侵略を試みようとした時、日本語の本だったら、「ローマ皇帝クロウディアスはイギリス全土をその領土とすべく」という感じで書くところを、「ローマ皇帝クロウディアスは、イギリス全土の皇帝となりたかった」と、クロウディアスの「なりたかった」感情を書く。あるいは、日本語の歴史では、あんまり語られないけど、多分イギリス史の中ではヒロインであろう、これに対抗した女性、ボディシアについての記述も、「ローマの兵士たちは、「女のお前に何が出来る!」とせせら笑った」(超意訳)という感じに書かれているので、話に引き込まれていきます。あと、そういう人物にまつわる銅像なんかがどこにあるかが書かれているのもいいです。ハイドパーク・コーナーにボディシアの像があるそうです。私はハイドパークは何度も行ってるし、この像も見たり説明も読んだりはしたことがあるんだろうけど、印象に残ってなくて、次回、ロンドンに行ったら、是非、この本に出て来た銅像を見て回ろう!と思っています。

英語快読 300万語(3)−胸が痛くて休み休みじゃないと続きが読めない・・

「200万語」の最後の局面で、ジャクリーヌ・ウィルソンにすっかりはまった私…。「300万語」でも、彼女の作品を引き続き読もう!と思ったのですが、8のThe Story of Tracy Beakerは、胸がつまって、途中で何度も本を置きました。辛くて先が読めなくなる・…。

私には、かなり「重たい」本で、英語の問題というよりは、ストーリーのシリアスさ、リアリズムのすごさに、休み休みでないと読みとおすことが出来なかった。もちろん、とてもユーモラスに書かれてはいるんです。むしろ、「コメディ」なのかもしれないです。

だけど、映画『グッバイ・レーニン』がそうであったように、喜劇は悲劇であり、悲劇は喜劇というか、あまりの悲しさの中には突き抜けた「おかしさ」があったり、あまりのおかしさの中には、どうしようもない「かなしさ」があったりする。

ジャクリーヌ・ウィルソンは、児童文学界のリアリズム作家ということになってるらしく、こないだ英文学を専門にするイギリス人に「ジャクリーヌ・ウィルソン読んでるの」といったら、「おぉ、リアリズムね!」と言ってました。たしかに「リアリズム」だ…と思う。

私の精神年齢はまだ8〜12歳くらいなのか、そのあたりの年齢の子が主人公の話の方が読みやすい…というのも、ちょっとした発見でした。

いや、これは英語のレベルの問題かな? 中学生が主人公の話も読みかけたのですが、なんとなくすんなりと話に入っていけず、そのままになってしまったので、「捨て技」を使い、また、小学校中・高学年(>イギリスだとどういうことになるのかな? コンプリヘンシブ・スクール入学前? つまり、11歳までって感じ?)が主人公の話にもどってきてしまいました。

とりあえずは、主人公の年齢がこのあたりのジャクリーヌ・ウィルソン本を狙って読んで行くつもり。

中学生以上の子が主人公のものだと、読書のスピード感が落ちるんですよね。今の私には児童書だったら、小学校4〜5年生向きっていうのが、英語力の上でも精神年齢の上でも合ってるのかな? 

8.2005年1月22日:The Story of Tracy Beaker:児童書:Y.L.5.5: 25000語:67117語:☆☆☆☆☆:トレーシーは施設で暮らしている。母親は目下、トレーシーを施設に預けたまま、行方知れずだ。トレーシーは、「母は女優で今ハリウッドで撮影に忙しいから、だから私を迎えに来られないんだ。でも、いつか母がきっと迎えに来てくれて超豪華な暮らしをするんだ」、と思いながら暮らしている。本当は施設じゃなくて、誰かにフォスター・ペアレントになってもらって、一般家庭で暮らしたいと思っている。でも、トレーシーみたいに10歳にもなった子を引き取ってくれる家庭はなかなかない。トレーシーは自分を「セル・バイ・デートを過ぎた」と表現する。つっぱって生きているが、本当は、「誰か私を受け入れて!」と心の中で叫んでいるトレーシーが痛々しい。
 トレーシーは時に同じ施設の子ども達とケンカもする。トレーシーの「論理」に立ってみれば、トレーシーの行動は「もっとも」なことだ。乱暴だったり、他の子どもにすぐ手を出してしまう子どもは、その子どもの「論理」をきちんと聞いてやることが出来れば、きっと、「なるほど、もっともだ」と思うことだろう。ただ、現実には、大人たちには一人一人の子どもに対し、そこまで目線を下げて相手をしてくれない。だから、たまたま親に気持ちの余裕がある家庭に生まれれば、自分の中の粗暴な気持ちややるせない気持ちを「抑制」することを覚えていけるけど、そうじゃない家庭に育つと「乱暴な子」になってしまう。そして、自分の子にさえ余裕をもって接することが出来ない大人たちは、よその家の「乱暴な子」の横にしゃがみこんで話を聞いてやる余裕はない。せめて、自分の子どもが「乱暴な子」の被害を受けないように、と予防措置を取るくらいだ。で、「乱暴な子」は、そうやって「避けられる」から、ますます「乱暴」になっていくのだろう。
 イギリスでは要保護の子どもたちに「担当ソーシャルワーカー」がつく。トレーシーにも「担当」の人がいる。トレーシーは彼女たちが、自分たちのような子どもを世話することで「お金をもらう」ということを知っている。また、もしフォスター・ファミリーの世話になるとしても、その家庭が「支払い」を受けることも知っている。
 最初、「だって、あの人たちは私の世話を見ていることでお金をもらってるんだし」とトレーシーが思うこと、「自分の世話」を「他人」が見てくれるのは、「愛」のため「のみ」ではなく、「金」のためだ、と知っていることが痛々しく感じた。しかし、これは、大事なことなのかもしれない。つまり、「愛」のような「うつろいやすい」ものじゃなくて、国や地方自治体から支払われる「費用」によって自分が養われていると「知る」こと、そのことが、要保護の人に「プライド」を与えるのかもしれない。「愛」のみで世話をしてくれる自分より「強い」相手に、弱者はこびへつらわねばならないかもしれないからだ。
 友人が障害者のボランティアをしているのだが、障害者への金銭的援助は「家族」へではなく、「本人」に支払われるべきだと主張していた。そして、障害者自身がそのお金を使って、自分の気に入ったボランティアさんを「雇う」。そのことによって、自分は「権利」として「補助」を受けている、という「プライド」が保てるのだと。「助けていただいている」みたいな卑屈な気持ちにならなくてすむのだと。
 だから、10歳の子どもでも、「あんたは、お金もらってるんでしょ!」というようなことを思ったり出来るってことは、すごく痛々しくも感じるが、他方で、さすが福祉国家!とも言える。
 トレーシーの心の中の葛藤が見事に描かれていて、人生というのはなかなかに辛いものだ、生きにくいものだ…と思わされる。大人が、自分の子どものみでなく、子ども全体にどんな風に接していくべきなのか…ということについても、考えさせられる作品である。

9.2005年1月31日:Moondial:OBW3:レベル3:11000語:78117 語:☆☆☆☆:幻想的なお話。おばさんの家に行った主人公は、庭にある日時計(月時計?)にさわるとタイムトラベルできる。そして、それぞれ別の過去の時代で1人の男の子、1人の女の子に出会う。一方、主人公の母親は交通事故で意識不明に。主人公は母親に自分のタイムトラベルの経験をテープに吹き込んで聞かせる。

10.2005年2月7日:The Dare Game:児童書:Y.L.5.5:40000語:118117語:☆☆☆☆☆:ジャクリーヌ・ウィルソンの8の作品の続編。前作で、「どうなるのかなぁ」と気をもませましたが、結局トレーシーは、里親のもとで暮らすことに。里親はつましい暮らしをしており、トレーシーの希望どおりにはいかないのだけれど、2人は仲良く折り合いをつけながら暮らしています。でも、新しい学校はあまり好きじゃない。で、トレーシーは時々学校をさぼって空き家で時を過ごします。その空き家には別の男の子も時々来るようになり、2人は友達になります。さらに、身体が大きく強い男の子とも友達になり、3人はしょちゅう一緒に過ごすようになります。他方、トレーシーの実母が、ついに連絡をつけてきました。トレーシーは週末を実母と過ごします。実母はきれいでゴージャス。里親は複雑な気持ちででも、黙って彼女を見守る。しかし、何度か母親の所に泊るうちに、母親は最初のステイの時ほどはトレーシーの思う通りにはしてくれない。パブに出かけて遅くまで帰ってこなかったり…ということすらある。自分を本当に無条件で受け入れてくれる人が欲しくて、トレーシーの心は揺れます。これまた切ない話ですが、前作よりは「安らかな気持ちで」(?)読めたかな? それはやはり、彼女を引き取ってくれた里親が現れたり、実母が現れたり、友達が出来たりしたから?

11.2005年2月9日:The Cat Mummy:児童書:Y.L.3.5:9000語:127117語:☆☆☆☆☆:恥ずかしながら、mummyってミイラだって知りませんでした。その昔、Mummy Trap 2 を見た時にも(>字幕なし)、ず〜っと、考古学者のママが活躍するから、Mummyなんだと思ってた(>おいおい。リスニング能力のレベルが知れますね〜)。可愛がっていた猫が死んでしまい、丁度学校でエジプトのことを勉強している主人公は、その猫をミイラにすることを思いつきます。

12.2005年2月11日:The Werepuppy:児童書:Y.L.4.5:14000語:141117語:☆☆☆☆☆:こわがりの男の子が主人公です。父親はそんな息子がふがいなく、息子のこわがりを克復させようと、犬を飼うことを提案します。ところが、主人公が気に入ったのは、実はオオカミ?というような、狂暴ちっくな犬。主人公とこの犬の間には友情と絆がめばえていきます。

英語快読 300万語(4)PGRが読めた!

実は、PGR、最初に読んだ何冊かの本(>「捨て技」使ったものも含め)の印象が悪くて、な〜んとなく「読まず嫌い」でした。PGR0は、割合好きで、OBW0よりも好きだったりするんですが、それ以上になると、ちょっと手は出すが、なんとなく読み進まず、意図的にというより、「立ち消え」的な「捨て技」になってしまってました。

私は、不定期に超細々、英会話の個人レッスンを取っていますが、先日、教材に、オルダス・ハックスリーの『島』(Island)からの引用が載っていました。で、先生から、「『島』より『素晴らしい新世界』(Brave New World)の方が面白いんだけど、読んだことある?」聞かれました。

私、そもそもSFってあんまり読まないので、ハックスリーの名前も知りませんでした。(>無知)とっても有名な人なんですね。

で、「多分、図書コーナーにあると思うよ。貸し出し手続きすれば借りられるよ」というので、一緒に行ってみると、ありました。PGR6でした。「君なら別に原作でも読めるとは思うけど」と言われましたが、とりあえず借りて帰ることに。

「ペンギンはちょっと苦手なんだよなぁ…」と思いながら「でも、ペーパーバックで読むのはもっと大変だしぃ」と読み出してみると、あらま、面白いわ、これ。

この小説で描かれる未来社会では、人間がアルファからガンマまで5段階に分けられていて、ぜ〜んぶ試験管ベビーで(>胎内にさえもどさない)、身長や体格も「どこまで成長させるか」決められている。「将来自分が就くべき仕事」に合わせて、幼い頃から「条件づけ」がされる。肉体労働者は美術や文学に興味を持たないように、そういう美しい物や絵本に近づこうとするとショックが与えられる。

それは「幸福」が「真実」に「優先」する社会。それぞれに「合った」仕事をして、後は、趣味を楽しんで帰宅する。

「結婚」という制度はない。人間は試験管から「製造」されるので、その社会では「母」という言葉は最も忌み嫌われる、ダーティーな言葉で、口にするのもはばかられる。人はみんな一人暮ししている。恋愛(?)の相手はしょちゅう変わる。変えないと「ヘンな人」と思われる。

辛いことがあったら「ソマ」という薬を飲めばたちどころに気分が明るくなる。1日の仕事が終わったら、そのストレスに見合った「ソマ」を飲む。この社会ではみんなが「はっぴぃ」なのだ。

為政者は、この社会の「まやかし」や「ごまかし」は充分知りながら、それでも「社会の安定」を最優先に考え、「最大多数の最大幸福」じゃないけれど、「みんながはっぴぃ」だと思える社会を維持するために、システムを維持し続ける。人々はみんな「自分がはっぴぃだ」と思いながら暮らしている。

自由で規制のない社会より、こういうシステム化された社会の方が、たしかに「より多くの人」が「安定して」暮らせるのかもしれない…とは思う。「適性な」管理があれば、人は「範」を越えて無謀なチャレンジもしないだろうし、「能力」に見合った「与えられた」生活の中ではっぴぃに暮らせるのかもしれない。

作者は、1894年生まれ。1963年に亡くなっている。フォーディズムの誕生、2つの世界大戦、冷戦と、めまぐるしく変わる時代を生きて来て、現代社会を批判しつつ未来社会への警告を発していたのだろう。

まぁ、現実には、世の中は規制緩和・自由競争・弱肉強食の方向に進んでいるけど。これって、こういうSF作家達の警告によって、「軌道修正」されたってこと?

私はSFって、「科学礼賛」のものが多いのかなぁ…と何となく思ってたのだけど(>SFってあまり読まないので)、「科学批判」「現代文明批判」の小説が多かったりはするんですね。(>無知)

考えて見れば、オーウェルの「1984年」だってそうですよねぇ。

ペンギンが読める!と分かったので、とたんに目の前の道が開けた感じ。PGRは冊数が多いですからね。

13.2005年2月11日:Brave New World:PGR6:6:34000語:175117語:☆☆☆☆☆:内容については上に書きましたので省略。

14.2005年2月18日:American Pie:PB(?):?:11000語:186117語:☆☆☆☆:実は私、ひょんなご縁で、著者とカラオケに行ったことがあります(>あちらはお忘れでしょうが・・)。とっても素敵な方です。アメリカよりもイギリスになじんでいる私としては、アメリカ人の著者の視点がなかなか面白く感じられました。

15.2005年2月19日:Strange but True:OFF3:5600語:191717語:☆☆☆(+):エジプトのピラミッドやイギリスのミステリー・サークルなど、さまざまな「不思議」を扱ったもの。

英語快読 300万語(5)−シェルダンを入れると語数が稼げる

シェルダンの英語は、1文が短く、テンポがいいので、PBの中では読み易い方だと思います。まぁ、話の展開自体には、「無理」もあるし、あんまり「深み」はないんだけど、でも、「話の運び」が上手いので、彼のリズムに乗せられて読んでいるうちに終わってしまうので、あんまり疲れずに読めます。

「100万語」の中に2〜3冊、シェルダンを入れておくと、語数が稼げるので、これからも「100万語」あたり2〜3冊を目安にシェルダンを読んでいこうかな、と思っていますが、今後は、同じく人気のスティーブン・キングとかグリシャムなんかも入れてみようかな? こっちはどれくらい英語が難しいのか良く知らないんだけど、SSSの掲示板にはよく出てくる名前だし、以前ご紹介した高校の同期の友達で、この方法に乗っかったものじゃないけど、PBを「多読」しているという友達も、キングとグリシャムの名前を挙げていましたので。

みんなが面白い!というからって自分も面白い!とは限らないけど、でも、まぁ、こうやって、自分の読書の幅、自分の世界が広がっていくのも「多読」の楽しみの一つだしね。

16.2005年2月20日:The Sky is Falling:PB:103000語:294717語:☆☆☆☆☆:アメリカの名門一家のメンバーが、1年間に5人も殺された。ニュース・キャスターである主人公は、これを単なる「偶然」とは思えず、調査を始める。まぁ、これだけ同じ家族のメンバーが、しかも名門家族のメンバーが死ねば、普通、警察もマスコミも???と思いそうなもんだが…。と、思いつつもシェルダンの軽快な語り口によって、話の中にひきずりこまれていってしまう。

17.2005年2月22日:Wyatt's Hurricane:OBW3:11113語:305830語:☆☆☆☆☆:気象予報士(?)である主人公は、ハリケーンMabelがSan Fernadez島を直撃すると直観。しかし、為政者にその危険を説得するのに苦労。一方この島では政治的な対立もあり、政府に反乱しているグループも存在する。主人公は双方に働きかけつつ、なんとか一人でも多くの命を救おうとする。ハリケーンが迫ってくるテンポと、島の政治的状況がヴィヴィッドに絡まり合いながら、ストーリーが展開されていくので、どきどきする。

18.2005年2月24日:Lola Rose:児童書:76000語:381830語:☆☆☆☆☆:著者はジャクリーヌ・ウィルソン。主人公はDVのある家庭に育っている。ある日、母親は、スクラッチのクジ(これもナショナル・ロタリー同様、イギリスではけっこう人気)で賞金を当てる。父親の暴力が主人公にまで及びつつあることから、母親は主人公とその弟を連れ、「逃げる」ことに。DVにおいて、「逃げる」は一番有効な手段だが(>とどまっていると、マジで死ぬことがあるので)、サポートの体制がないと、なかなか難しい(>加害者は追いかけてくるので、見つかったりするとこれまたマジで殺される危険がある)。そんな切迫した状況の中、幼い少女である主人公は、ガードの甘い母を叱咤したり励ましたりしつつ、逃避行を続ける。彼女たちは名前を変え、違う人物になって、新しい生活を始めるのだ。主人公が選んだ名前がLola Rose。イギリスでは、日本よりはシェルターや、こうやって逃げた家族のサポートの体制が整っているようだが、それでも、本当にDV男から逃げ切って、新しい生活を出発させるのは大変だ。追ってくる暴力男に見つからないように、公的文書でも名前を変え、しかも、それだと学歴なんかの証明が出来なくなっちゃうから、新しい就職が難しくなっちゃうから、そういうのもちゃんと面倒見てくれるシステムもあると聞いたことがある。イギリスではDVは日本よりオープンに語られている。DV防止のTVキャンペーンや、町のあちこちのポスターも、数多いし、リアルだ。若いホームレスの多くは、親から虐待されていたり、母親が父親から虐待されている家庭にとどまるのが耐えがたく、家出してきた、と聞いたこともある。

英語快読 300万語(6)−いやなもの読みたさ?

19のEthan Formeは後味の悪い小説でした。読んでる途中も、主人公の妻を「やな女だなぁ」と思いながらなんだか不快感があったので、「捨て技」を使ってもよかったのだけれど、その「いやパワー」に引きずられるようにして読みきってしまいました。いやなもの読みたさ?

20は久々のOFF。そもそも、「300万語」はOFFを沢山読む!という計画だったのに、あんまり読んでいません。多読って、色々計画しても、その場その場の「出来心」で、どっちの方向に行くかが不明。その「よろよろ」「ふらふら」の道筋がどんな風になるか分からないところもスリリングで楽しかったりもする。

19.2005年2月24日:Ethan Forme:OBW3:10717語:392547語:☆☆☆:ちょっと後味が悪い小説。主人公は母親が病んでいる時に手伝いに来てくれた女性と結婚して、林業を営みながら貧しくつましく暮らしている。妻はその後病気がちになり、そこに妻の従妹が父親の死を契機に住み込み家事を手伝うようになる。主人公はこの妻の従妹に次第にひかれていく。妻の方は多分それを察知して、従妹の追い出しにかかる。妻は「私はあなたの母親の看病のために身体を壊したっていうのに、それなのに私に家事使用人を雇ってくれないなんてなんてひどい夫なんだ!」というような言葉も平気で夫に投げつける女性だし、すご〜くいや〜な腹に一物ありそうな視線で夫や従妹を見たりする。まぁ、妻の立場になってみれば、それはそれとして「言い分」もあるんだろうが、「人をうらみながら」「自分の運命を歎きながら」しか暮らせない人、結局のところ「自分にしか関心のない」人、「常に自分を正当化することしか念頭にない」人って、そこここにいて、そういう人の出す「いや汁」(>酒井順子さんの言葉です。ここで使うのはちょっと違うかもしれないけど)って、まわりの人を不快にさせる。
 「やな女だなぁ」「いま一つヘンな話だなぁ」と思いながらも、なんとなく「いやなもの見たさ」というか、そういう不思議な力がこの小説にはあって、結局、ずるずる読んでしまった。エンディングもいや〜な感じです。人間の「いや〜な」一面が上手に描けた作品とも言えますねぇ。

20.2005年2月26日:Under the Ground:OFF2:3600 語:396147 語:☆☆☆☆:地学モノ。実は私は子どもの頃「石」が好きでした。「石」のコレクションをしてました。で、中学の時は「理科大好き少女」で、理科の先生にはずいぶんと可愛がっていただきました。今だとそういうの「問題」になるのかもしれないけど、何人かの理科好きグループの子たちと一緒に、先生の車に乗せていただいたり、自然観察ということで「遠足」に連れていっていただいて道なき道を入っていって、あけびを取って食べたり。岩石園を作るお手伝いもしました。
 当時はたいていの石は見ただけで名前が言えたのだけど、それも今は昔。悲しいことに、すっかり忘れてしまった…。でも、今でも石は好き。イギリスのマーケットなんかで、色々な石のアクセサリーが売ってるとついつい足を止めてしまいます。
 (定年)退職したら「バレエ留学」が夢ですが、理科系の勉強をするのもいいなぁと思ったりしてます。聴講生になって石の勉強でもしてみようかな…。

21.2005年3月2日:Dead Man's River:PGR0:900 語:397047 語:☆☆☆:開拓時代のアメリカ西部が舞台。私はアメリカの歴史や文化にはなじみがないのだけれど、アメリカ英語の人には、こういう歴史的背景なんかもひとつひとつ味わい深いのだろうな。


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