冬はつとめて

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5607. 冬はつとめて

お名前: 杏樹
投稿日: 2005/5/11(01:11)

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秋男さん、こんにちは。

漢詩は呼ばれてたのに無視しましたが、映画のお話が面白いので茶々を入れに来ました。
「春はあけぼの」と「冬はつとめて」は覚えてるのに、夏と秋が思い出せません。

〉〉〉 聞くだけだったらそんなに速くないけど、シャドーイングしたら大変だろうなー。
〉〉〉 (かえすがえすも、同時通訳って人間業じゃないなー。シャドーイングしながら訳してんだもんなー。)

〉〉メモをとりながら聴いて、10分くらいの話の一字一句を
〉〉思い出して再生できる…らしいですよ。

同時通訳はシャドウイング並みについていくので、文章全部ではなく短いワンセンテンスごとにどんどん訳していきます。ですから、意味さえ通じればいいので、文章としてはかなり破綻しております。動詞と目的語がひっくり返ってるなんて当たり前。メモを取りながら10分ぐらい…は逐次通訳のことですね。でも講演会などになると、事前に原稿を見て構想を練ります。フリートークが一番大変かも。会話にならないといけないから。

〉 リタ・ヘイワースも素晴らしいですなー。
〉 『ショーシャンクの空に』で見ただけだけど、すんごい色っぽいわなー。
〉 オーソン・ウェルズの奥さんだったんだっけなー。
〉 (オーソン・ウェルズって、美男子じゃないんだがなー・・・。)

リタ・ヘイワースってかなりの歳じゃないんですか?「ショーシャンク」に出てたんですか?
「血と砂」っていう古い映画がありまして、そこではタイロン・パワーを誘惑してました。(「血と砂」はサイレント時代にルドルフ・ヴァレンチノで映画になっています。最近ではシャロン・ストーンとアナ・トレントのリメイク版がありますが、あんまりよくなかった…。もちろん、シャロン・ストーンがリタ・ヘイワースのやった役)

〉 古い映画を見ております。
〉 アガサ・クリスティーの舞台劇『検察側の証人』を映画化した、
〉 ビリー・ワイルダー監督の『情婦』(1957)(原題は"Witness for the Prosecution")
〉 を見ました。
〉 いやー、★★★★★だわ。
〉 あー、ネタばれになるから何も言えないんだけど。面白かった。
〉 会話が面白いし、法廷の丁々発止も興味深い。イギリスの裁判てこうなのかー、へー。
〉 動くマレーネ・ディートリッヒを初めて見ましたん。ツンと取り澄ました歩き方、
〉 クールな口跡が、う〜む、大女優。そんで、若々しい・・・。
〉 『嘆きの天使』(1930)、『モロッコ』(1930)あたりも見たいですな。

「検察側の証人」は舞台で見ました。さすがクリスティだけあって芝居もトリックもみごたえ充分。映画ではディートリッヒなんですか。「嘆きの天使」も「モロッコ」もよろしおすえ。「モロッコ」はもう少し後ではないですか?「嘆きの天使」はドイツで撮った映画で、「モロッコ」はハリウッド。日本で上映されたとき、初めて字幕スーパーがついた映画です。それまでサイレントで弁士が説明してくれましたが、トーキーになってセリフをしゃべるのでどうすればいいか、ということになり、考え出されたのが字幕スーパー。

〉 ディートリッヒを見たので、グレタ・ガルボも見てみなければと思い、
〉 古典、『グランド・ホテル』(1932)を見ました。
〉 ビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』の中で、ジャック・レモンが、
〉 テレビで見ようとして結局あきらめた映画が『グランド・ホテル』でして、
〉 大いに気になっておったのです。
〉 うーん、これまた、ある意味(?)面白かった。
〉 ライオンがほえるMGM映画ですが、ライオンがなんだか、「わしは何をさせられとるんじゃ?」と、
〉 要領を得ない感じなのがおかしかった。
〉 会話、わかりやすい。(ガルボのなまりが聞きづらいが。)
〉 ガルボは美しいけど、演技はちょっと おおぎょうな感じ? でもスクリーン映えしそう。
〉 エルンスト・ルビッチ監督(『ユー・ガット・メール』がリメイクした
〉 『桃色(ピンク)の店』(1940)を作った人。)、ビリー・ワイルダーが脚本に加わった
〉 『ニノチカ』を見てみたいなー。

ほほほ・・・「グランドホテル」も「桃色の店」も見ておりますわ…。(ついでに両方とも後にブロードウェイでミュージカル化されています。「桃色の店」は「シー・ラブズ・ミー」というタイトル。両方日本版で見ました)。「ニノチカ」はガルボの雰囲気ぴったりです。これは「絹の靴下」というミュージカル映画にリメイクされたのはご存知ですか?ガルボの役はシド・チャリシーで、フレッド・アステアと踊っております。

〉 MGMつながりで、『ザッツ・エンタテインメント』(1974)を見てみる。
〉 MGMミュージカル映画の名シーンを集めた映画であります。
〉 個人的には、白黒時代の映像がすごく面白かったなあ。いかにして観客にオー!
〉 と言わせようかっていう、新しいアイデアとか工夫に満ちてるからかな。
〉 フレッド・アステアがよろしいなあ。(白黒が似合うと思う。白黒のアステア、
〉 カラーのジーン・ケリー?)

いいでしょ〜〜〜!?モノクロ映画っていいですよねえ。でもアステアは1930年代にジンジャー・ロジャースと組んで出演した映画がたくさんあるのですが、こちらはRKO作品なので「ザッツ・エンタテイメント」には収録されてないんです。機会がありましたら「トップハット」や「コンチネンタル」なども見てみてください。当時のアステアは燕尾服がトレードマーク。そういったところも白黒が似合うわけでありまして。ただ、1930年代頃の映画を見ますと、パーティーなど男性が正装するとみんな燕尾服なんですけれども。燕尾服とロングドレスで踊るアステアとロジャースの優雅で軽やかなことったら!

〉 そして、ジュディー・ガーランド(『オズの魔法使』(1939)の人)って、
〉 ものすごく華のある人だったんですなぁ。

ジュディー・ガーランドもMGMミュージカルの花形ですね。
「ザッツ・エンタテイメント」2も3もいいですよ。3などさすがにネタが尽きたらしくて残り物やオクラ映像掘り出し大会になったりしてますが、これがまた豪華な「残り物」なんですわ。アステアのボツ映像と本番の映像を並べて比べて、寸分違わぬ精密な動きを見られたりして。

〉 こんな華やかな世界のあとに見るのもどうかと思ったのですが、
〉 ビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』(1950)を見ました。
〉 いやはや・・・。
〉 忘れられたサイレント映画の大女優役を、忘れられたサイレント映画の大女優
〉 グロリア・スワンソンが演じた。
〉 (本屋で、『グロリア・スワンソン自伝』というのを見つけました。とても分厚い。
〉  日本語版の監修・あとがきは双葉十三郎氏。)
〉 扮装して見せるシーンの残酷さ・・・。
〉 "cameras"という言葉を聞いた瞬間の目の輝き・・・。
〉 こんな役、よく引き受けはったよねえ。
〉 激しいシーンがあるわけでもないのに、なんですかねえ、この怖さは。
〉 破滅する脚本家役は、『麗しのサブリナ』(1954)の弟役のウィリアム・ホールデンで、
〉 サブリナのときとは打って変わって、とっても憂鬱そうです。(でも、とってもいいです。)
〉 同じ年の作品で、アカデミー賞を取った『イヴの総て』も見たいと思っとります。

「サンセット大通り」、コワイですねえ。裏話を知ると、事実とリンクしていたりしてもっとコワイ。あの不気味な執事役の人のことはわかりましたか?エリッヒ・シュトロハイムという映画監督で、実際にサイレント時代にグロリア・スワンソンの映画を撮ったことがあり、そのときのボツフィルムが「サンセット大通り」の「昔の映像」に使われているという…。シュトロハイムもよく出演を承知したもんです。

〉 そんな感じ。
〉 古い映画ってぜんぜん知らんかったから、とっても新鮮でおもしろいですわ。
〉 英語が聞きやすいってのも嬉しいし。

私は前から言ってますよ〜。古い映画のほうが英語が聞きやすいって。
それにモノクロの画面っていいですねえ。ちゃんと白黒のコントラストの効果を考えて画面が作られています。エルンスト・ルビッチ監督などいいですよ〜。

本当はサイレント映画が好きな杏樹でした。それでは…。


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