652冊目で200万語通過しました(長文)

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[報告] 5523. 652冊目で200万語通過しました(長文)

お名前: ありあけファン
投稿日: 2005/5/3(23:38)

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こんにちは ありあけファンです

表題のとおり,652冊目で200万語通過しました.
通過本は,意外なことに,シドニー・シェルダンの『The Sky is Falling』でした.
 実は,ここ最近はYL0〜1の本しか読まなかった(読めなかった!)こともあり,かなり前から通過本は別の本(かつて,キリン読みしたICR4の『PRAIRIE SCHOOL』の再読)に決めていたのですが,ちょっとした偶然(?)から,『The Sky is Falling』での通過となってしまったのです(詳細は後述).

 多読を開始したのが,2003年7月27日,100万語通過が2004年4月18日ですから,
0    〜100万語  9ヶ月弱
100万語〜200万語  1年強
での通過となります.
語数的には単なる通過点という意識が強いせいか,100万語通過の時のような高揚感はありません.でも,後ほど詳しくお話しますように,ちょっとした不思議な心境でこの原稿を書いています.

 以下,少々長くなりますが,
(1)SSS多読を始める前の英語歴
(2)多読との出会い
(3)100万語通過までの道のり
(4)100万語通過後から200万語までの道のり
(5)私のお気に入りのベスト10
(6)考察
(7)今後の予定
などについて,報告させていただきます.

(1)SSS多読を始める前の英語歴
 SSS多読を始める前は,自分なりに(どちらかというと自我流に)学習戦略を組み立てたりもしながらも10年間以上,中断,挫折,再開を幾度となく繰り返してきました.基本的には勉強モードで,
「文法の勉強と分析的方法」→「音読」→「多読」
という戦略であったと思います(今だったら,矢印の向きは逆向きにします!).
 この方法で「音読」まで進み,一応,直読直解はできるようになったのですが,まだまだ読む速度が遅く,読書を楽しむところまではいきませんでした.

(2)多読との出会い
 最初の予定ではもっと「音読」を続けるはずだったのですが,また挫折しそうなので,見切り発車的に易しい英文の「多読」を意識していた時でした.たまたま本屋で立ち読みした『今日から読みます英語100万語!』に推薦されていたPGR0 を数冊だけ買って帰りました.その夜,偶然にもSSSのHPにも出会い,掲示板で語数を報告しながら読み進めるシステムに強く共感して,本格的な多読のスタートとなったのです.語数の記録にはAccess2000で別の用途に(会計用に)試作中のツールを使いました.

(3)100万語通過までの道のり
 半信半疑で始めた多読でしたが,最初は無限大に感じた100万語が着々と近づいてくるにつれ,多読そのものをそのまま受け入れるようになっていきました.
  その理由の第一は,「続けられる」方法であることがだんだんとわかってきたからだと思います.中小の停滞を繰り返しながらも,今度は挫折がなかったのです.
 第二に,「楽しめる」方法であることもわかりました.語数が進むにつれ,物語の中に吸い込まれやすくなっていきました.100万語直前になると,多読以前に訳語を介して間違って理解していた表現も多読により,次々と自動修正されていくことにも気づきました(これは100万語通過後は加速しています).

(4)100万語通過後から200万語までの道のり
 この期間は,SSS方式の威力を身をもって実感した100万語でもありました.以下,その流れを振り返ってみます.

(i) 〜110万語付近:YLの瞬間的な急上昇
 YLというのはいつも不思議なもので,上げようと思ったときには上がらなくて,ちょっとしたきっかけでヒョイと上がるのですが,100万語通過後に1回目の驚くべき変化が起こりました.
100万語通過後,しばらく,YL0〜1の本ばかり読んでいたのですが,400冊目ということで,以前から読みたかった『Little House in the Big Woods』を超キリン読みしてしまったのです.続いて,『Little House on the Prairie』も読んでみたところ,すんなりと読めてしまいました.
自分なりに考察(後述)はしているのですが,なぜあの段階で読めたのか,真の原因はいまだによくわかりません.

(ii) 〜150万語付近:「ピラミッド/逆ピラミッド」仮説
 YLの急上昇は本当に不思議だったのですが,それが長続きしないこともまた不思議でした.「大草原シリーズ」も3作目はダウン.その後,続けて手にしたレベル3〜4の児童書も次々とダウン.やはり,YLの低い本もそれなりにバランスよく読まないといけない,と思い,再びレベル0〜2の本を読んだ後はレベル3の児童書は前以上に楽しめました.
このような現象から,100万語通過前後より考えていた「ピラミッド/逆ピラミッド」仮説を確信するに至りました(詳細は,150万語通過報告
http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-report&c=e&id=2843
に述べました).
 現在では,この仮説が正しいかどうかは自分でも少し怪しいと思っているのですが,その後,他の方の100万語超〜300万語の報告でもよく見かけることから,面白い現象だとは思います.

(iii) 150万語付近〜193万語:多忙と再読の期間
 この期間は,とても忙しくなり,多読にほとんど時間を取ることができませんでした.それがとてもストレスになり,あの手この手で読む時間を作りだそうとしていた日々でした.まさに,読むことに一番飢えていた時期といっていいと思います.とにかく,読まないと落ち着かないので,レベル0〜1の本を中心に読んだり(パンダ読み),ORTでシャドウイングしてみたりしていました.1日にほんの1分や2分でも読むと何かと安心できる,そんな日々でしたので,本当にゆっくり,ゆっくりとした歩みでした.
 そうこうしているうちに,パンダ読み用にキープしてあった本もついに底を尽き,再読を中心に行わざるを得なくなりました.でも,そのことによって,
   再読時の体感YL http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-yl&c=e&id=717
   毎日読む方法 http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-report&c=e&id=5292
などがわかり,忙しいときでも楽しく続ける方法が確立できたといっていいです.小規模な停滞は星の数ほどあったと思いますが,以前は中規模な停滞だと思っていた程度でも停滞と感じなくなってしまったのもこのころです.

(iv)200万語通過:シドニー・シェルダンの衝撃
 事の発端は,やっと休日に本屋さんへ出かける時間もとれるようになり,買って帰った『100万語多読入門』p.74の「目標の本は買っておく」という記述です.200万語通過本は決めているものの,そのずっと先の憧れの本はまだ常備していませんでした.そこで,ゴールデンウィーク直前,500万語通過本あたりのつもりで Sidney Sheldonの『The Sky is Falling』をジュンク堂で買いました.
 買ったからには,ちょっと内容が気になる.「少しだけ読もう」と思い,喫茶店で読み始めました.帰る時間になり,電車に乗ってからも続きが気になり「もう少し」,寝る前にも気になり「もう少し」,そのままゴールデン・ウィークに入ったので「あの続きは?」という調子で,気が付けば読み終わってしまっていたのです.同時に,予期していなかった200万語通過本となってしまいました.後でYLを調べたら7でしたので,「こんなことあり?」という感じです.本当に不思議な心境です.YL6や7というと天より高く感じていただけに,『The Sky is Falling』の表題どおり,「本当に空が落ちてきた」という感じです.


(5)私のお気に入りベスト10
PGR0 『Maisie and the Dolphin』
MTH  『Dinosaurs before Dark』
CSC  『In Aunt Lucy’s Kitchen』
 この3つは,100万語通過後にも何回も再読しています.

AAR1 『ICE-COLD BIRTHDAY』
 絵が美しい上,ほのぼのとしたなつかしさが漂う作品です.

AAR2 『Pink Snow』
 読んで勉強になる感動的な本.

OBW3 『Chemical Secret』
 板ばさみの経験,誰だってありますよね.これは化学工場に勤めるある男性の物語で,共感すること多数あり.

ICR4 『PRAIRIE SCHOOL』
 HLR3の『A Girl named Helen Keller』とともに,「ことば」に関する物語.読み終わってジーンと来るものあり.

LHS  『Little House in the Big Woods』
LHS  『Little House on the Prairie』
 この2つは私の大好きだったテレビドラマ「大草原の小さな家」をぜひ原書で,と思ってキリ番通過時に読んでみました.実際に森の中のきれいな空気や広々とした大草原の風に触れているようで,とても気持ちよく読めました.

WBSS 『The Sky is Falling』
 軽快なテンポでグイグイと引っ張ってくれる.ハラハラ・ドキドキのシーンもあり,読み出したら絶対やめられない.

(6)考察
(i) 語数記録から:特に今回のYL飛躍について
 まず最初に,パソコンで管理している語数カウントツールを用いた分析として,100万語通過以降のGR/LR/絵本・児童書・一般書 のレベル別冊数等をまとめます.

★読んだ冊数(新規のみ)
     GR(学習者用) LR(子供向け) 絵本・児童書等
レベル0    7      28         3
レベル1   13      29         7
レベル2   18      19        29
レベル3    9       1        20
レベル4    0       0         3
レベル5    0       0         0
レベル6    0       0         0
レベル7    0       0         1

★読んだ語数(再読語数を含む)
     GR(学習者用) LR(子供向け) 絵本・児童書等
レベル0 246,403  137,973   39,595
レベル1 408,042  183,664   25,332
レベル2 314,365   71,537  225,887
レベル3 102,000    5,200   75,300
レベル4       0        0  129,530
レベル5       0        0        0
レベル6       0        0        0
レベル7       0        0  103,000

 今回,大草原シリーズに続いて2回目のYLの飛躍が起こったのですが,語数分布からはレベル0〜2が多いという以外に,特に傾向は認められませんが,再読時の体感YLで並べたとするとレベル0を底辺とするピラミッド型になると思います.その点,「ピラミッド/逆ピラミッド」仮説からも説明できるのかもしれません.ただ,今回は間に2つもレベルの飛び越しがあるのでちょっと違うような気もします.

2回のYLの飛躍に共通するのは,
 ・ YLを意図的に上げようとした本ではなく,単に前から読みたかった本であった(意図的にYLを上げようとしたことも数回あるが,すべて失敗に終わっている)
 ・ 直前に大量のYL0〜1の本を読んでいる
 ・ 少し前にシャドウイングやL/R(CDを流しながら読むこと)を集中的に行った期間がある
 ・ 忙しくて読めなかった期間からの復帰中の期間である
です.今回は,これらにゴールデン・ウィークが重なったのも大きかったと思います.

 それでも,かつてはYL3〜4の児童書(すべてキリン読み)を何冊か読んだことはあるものの,(忙しくて読めなかった期間からの復帰中の期間だったこともあって)YL2の本がとても苦しかったというのにどうして突然,YL7の本が読めてしまったのか,自分でも不思議です.「実は,YL7というのが間違いで3ぐらい」ということも疑ったのですが,「大草原シリーズ」を読んだ後に本屋で手に取った時は「大草原シリーズ」よりもかなり難しい(3ランクは上)と思って買いませんでした.それに,今回は大草原シリーズのように以前にテレビで見てストーリーやイメージの一部が頭の中にあるということもなかったことも考えると,本当に謎です.

どうも『The Sky is Falling』には,表題どおり本当に,YLという空が落ちてくるだけの何か不思議な力があったとしか考えられません.

(ii) 音のひろがり
 本来は「音のことなんでも」の掲示板に書くべきでしょうが,多読との関連でここに書かせていただきます.100万語を過ぎてからは特に,自然と音を求める傾向にあるように思います.シャドウイングの時間がだんだんと増えていっているのはそのためです.また,昔やっていた「音読」を最近になって(170万語通過頃から)再開しました.正確に言えば,再開というより,自然にそうなったのです.ORTの作品のうち,何回もシャドウイングしたものについてはCD音源を入れる前に口をついて出てきますので,自然に音読してしまうのです.いわば,シャドウイングの延長線上に音読があったという再発見に,自分でも驚いています.
(つまり,昔の勉強モードの時とは矢印が逆の
「多読」→「シャドウイング」→「音読」
だった,ということです.)

 シャドウイングや音読をやった日は多読も特にスムーズですし,臨場感もひとしおです.視覚に加えて聴覚が加わることによって,世界が立体的に色彩を帯びて広がっていくという感じです.
(前項の「YLの飛躍」も音と無関係ではなさそうです)

(iii) 本当に忙しい日々のための方法
 多読を始める前からわかっていた2004年後半〜2005年前半の忙しい日々も,多読によってなんなく,すり抜けていました.

(多読以外の)従来の方法では,あらかじめ到達レベルが設定されていて,その時々の現実を無視するので,時間があるときは楽に続けられても,忙しいときは現実との乖離が大きくなり,続けるだけでも大きなエネルギーが必要となります.しかし,忙しい時こそ,日々のエネルギーの消費量が膨大なので,仕事が終わってから現実との乖離を埋めながら勉強するだけのエネルギーが残っていないのが普通です.だから,無理なんですね,結局は!

 一方,SSS方式の多読では,個々人の状況に応じた生活基盤を活用する上,忙しい時などのように生活習慣の変容によりこの基盤が変動してもそれに柔軟に対応できるシステムなので,自然に続いていくのだと思います.
   I.自分自身でのアプローチ:多読3原則
   II.コミュニケーション:掲示板・オフ会・講演会
   III.環境:多読図書・書評
これら3つの相乗効果の大きさには感動するばかりです.

(iv)文法について
 多読を始める前から疑問に思っていたことが「文法」の習得に関することです.今,長い間の謎が解けつつあるように感じます.
 多読を始める前に文法を勉強した時期もあったのですが,表面的に文法的な説明を理解したとしても,それはちょっとした思考の手がかりが得られるだけで本当の習得とは程遠いのは周知のとおりです.SVOなどの簡単な構造でも文法書や教科書の例文だけではとても習得は無理.「じゃ,どうすればよいのか?」の回答が「多読」だったのですね.
 そして,他の方のお言葉を借りれば,「“スラスラ読める”状態というのが言葉を吸収する上で大変効果が上がる方法」であり,しかも「面白い本を読んでいる時には良いホルモンが出ていて,じわっと英語がしみこんでいく」ため,楽しく読める本を大量に楽しく読むことが必要なのだと思います.

(7)今後の予定
 だんだんとまた時間ができてきましたので,買い置きをしてある本を中心に,いろいろと読んでみようと思います.だんだんとあまりYLを気にしなくても面白く読める本に出会いやすくなってきているのがうれしいです.でも今度は意図的に,レベル0〜1の本をたくさん読んでみようか,と考えたりもしています(問題は,面白そうな本が予算内でどれだけ見つかるか,ですが...).1000万語までにどんなことが起こるのか,どんな疑似体験に出会えるのか,とても楽しみです.

 どなたかの報告にあったように,「集中して読める時間と場所」(喫茶店など)を見つけたいと思います.「寝ない,割り込まれない,集中できる」といった場所.かつてはそのような喫茶店があったのですが,昨年6月に引っ越してからはまだ,見つけられずにいます.でも,多読で自分の大好きなシリーズに出会えるようにいつか,ふとしたきっかけで見つかる日が来るのを楽しみにしています.

(8)最後に
 これまで,酒井先生はじめ,SSSの方々,掲示板・オフ会で常に励ましてくださった多数のタドキストの方々,ありがとうございました.また,福岡オフ会をはじめとするオフ会や懇親会で,同じくSSS方式で多読を続けられている方々と同じ時間を共有し,楽しいお話ができたのも大変な励みになりました.
 この1年間,とても忙しい毎日だったというのに何事もなく続けてこられたのは(そして,たぶん今後も続けていけるのは)これらの多くの方々の支えがあってこそだと,深く感謝いたします.

 最後まで読んでくださってありがとうございました.
今後とも,みんなで情報交換をしながら,楽しく多読を続けていきたいと思います.
どうかよろしくお願いいたします.

Happy Reading!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


▼返答


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