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お名前: wkempff
投稿日: 2015/3/16(22:08)
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ようやく、シャドウイングなどに使っているスクリプトを含めた底上げですが、500万語突破しました。
2013.10−2015.3.15
502万5千語
合計 35冊+映画のスクリプト3編
内訳
リーガルスリラー 5
サイコスリラー 5
クライムスリラー 7
その他スパイものなど 8
純文学 5
ロマンス 3
ビジネス書 2
450万語〜500万語の間に読んだ本は、なんというか、私にはちょっと辛い本ばかりでした。
しかし、非常に話題になっている作品ですので、かいつまんでご紹介します。
1.Alex, by Pierre Lamaitre
多くの書店に、「その女アレックス」という日本語訳が多くの書店で平積みされており、翻訳ミステリーとしての評価も高く、数多くの賞を受賞しています。
原作はフランス語で、私は英訳を読みました。
主人公である美人Alexが誘拐され、警察が犯人を追跡するストーリーなのですが、Alexの性格が何度か変貌するところが斬新でしょうか。
といっても、どうも、あまり頭に残らないんですよね。短くてすぐに読めますので、話題作にご興味あれば、という程度です。
2.Dear Life, by Alice Munro
いろいろな意味で、この1年半弱の読書のハイライトとなる作品でしたので、少し詳しくご紹介します。
短編の名手で、2013年にノーベル文学賞を受賞したAlice Munroの最新作で、おそらく最後の作品です。
Munroは、60年にわたり、短編のみを書き続けてきたカナダの女流作家ですが、2013年の春、おそらく健康上の理由から、引退を宣言しました。引退宣言の年の秋に、ノーベル文学賞を受賞したことになります。
Dear Lifeは、14編の短編集です。すべての短編は、カナダの田舎町に住む女性が主人公で、舞台は、主に第二次世界大戦前後の困難な時代になります。
平均30ページくらいの短編には、淡々とカナダの自然と女性の生活が描かれますが、いつしか、ふとしたことから、ぎこちなく、あるいは不気味に、運命が展開します。完全なハッピーエンドでもなく、悲劇でもなく、しかし、なにか、深い悲しみと余韻を残して物語は終わります。
当然、文章の密度は非常に高く、さりげない一文が実は大きな場面展開だったことに後から気づいたりします。
最後の4編は、彼女の自伝的な作品で、扉に、彼女自身の、完全に自分の歴史ではないがきわめて近い、というような記述があります。
最後の作品がDear Lifeで、若かりし頃の母親とのぎこちない関係が語られます。Dear Lifeという単語は、普通に聞くと、人生賛歌のような意味ですが、文中には、For dear life=命がけで、きわめて真剣に、という意味で使われており、タイトルの解釈からして、読者に多くをゆだねられています。
そういえば、最初の作品は、Reach to Japanというタイトルですが、日本は、タイトルにしかあらわれません。
また、彼女は、作家や玄人筋からも、文体の美しさや、語彙の選び方の鋭さを称賛される、稀代の名文家です。
複雑な文体が使われるわけではなく、むしろ淡々とした英文で、ときに見慣れない単語は使われますが、表面的な理解はあまり難しくありません。
ただ、決して読み飛ばせる文章ではなく、なんとなく頭の中に霧がかかっている状態になり、詩を読むように丹念に読み込まないと、結局何も理解できず、精読に非常に疲れました。
もちろん、彼女の文体や単語の使い方を、なぜプロの作家や評論家がそれほど賞賛するのか、とても理解できる英語力ではない、ということを、改めて認識する結果になりました。
3.The Valley of Amazement, by Amy Tan
中国系アメリカ人(2世)の女流作家、Amy Tanの最新作です。
Amy Tanは、20年以上前になりますが、Joy Luck Clubという、移民1世と2世の女性を描いた長編小説でデビューし、今は、長編小説やドキュメンタリーなどで、大家の一人に数えられています。
物語は、上海の最高級娼館、という特殊な設定ですが、辛亥革命前後の激動の時代を生き抜いた、4世代にわたる女性、アメリカの中国移民を描いた大河小説(Family Saga)です。
壮大な小説ですが、英語は、かなりわかりやすい部類にはいります。もちろん、なじみのない時代(辛亥革命)、なじみのない世界(上海の超高級な娼館)ですので、特殊な単語はたくさん出てきます。
主人公Violetは、最高級娼館の女主人の娘で米中混血、何不自由ない少女時代から、母親の恋人の策略で、別の娼館に売り飛ばされ、高級娼婦の生活がはじまります。物語は、彼女の、7歳から40歳くらいまでが骨格となっており、DVあり、山間部への冒険あり、豪華な上海の社交界あり、と波乱万丈、露骨な性描写も少なくないのですが、、、、、
私は、長い小説は苦手ではないのですが、この小説は、本当に長く感じました。Stephen Kingの11/22/63やEleanor KattonのThe Luminaries(27万語超え)よりは短いのですが、記述がフラットでしつこく、筋書きも予定調和的に予想できる部分もあり、すらすらと読めるけれど、そのうち飽きてきて、いくら四でも全然話が進まない、という感じを持ちました。もうすぐ終了かなというところで、地代が40年ほど戻り、主人公の母親の記述になり、150ページくらいのエピソード(?)が挿入されるのも、疲れを増しました。結局、1か月かかってしまいました。
Amy Tanは、移民のLimited Englishに問題意識を持ち、移民一世にも読める小説を目指していたとのこと、シンプルな文体には、そのような特徴が表れているのかも知れません。
彼女は趣味でロックバンドのボーカルをやっており、バックの一人は、Stephen Kingとのことです。どのような音楽をやるのか、聞いてみたい気もします。
2013.10.11-2015.1.9
451万1千語
2015.1.11-1.29
Alex, by Pierre Lamaitre、11万5千語
2015.1.31-2.15
Dear Life, by Alice Munro 10万5千語
2015.2.17-3.11
The Valley of Amazement, by Amy Tan、25万8千語
以下スクリプト 2015.1〜2015.3
The Devil Wears Prada (Script) 2万2千語
Rebecca (Script) 2万2千語
合計 502万5千語
▼返答