350万語通過報告です。(ちょっと底上げ&長文)

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13096. 350万語通過報告です。(ちょっと底上げ&長文)

お名前: wkempff
投稿日: 2014/8/20(20:50)

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300万語から2か月も経過してしまいました。ウラウラと読み続けているのですが、6月に転勤して業務が変わり引き継ぎ等で忙しくなったこと、休日にゴルフばかりやり、夏休みもあり、ほとんど読書時間を取れなかったこともあり、スピードがぐっと落ちてしまいました。

しかし、ちょっとの隙間にミステリーを開いて少し読み進む、というのは、習慣として定着してきたように思います。

下記、Mo Hayderと、Grishamの新作をご紹介しますが、特に、Grishamの「Sycamore Row」は、本来のリーガルものの醍醐味にあふれ、お勧めです。

・Mo Hayderの二冊

Mo Hayderは、イギリスの女流ミステリー作家。高校をドロップアウトして世界を放浪(日本でホステスをしていたこともあり、その経験は、The Devil of Nanjingという小説になりました。(改題されましたが、原題は、Tokyoです)。その後、気を取り直したのかきが変わったのか、創作文学と映像制作の修士号を取得して創作活動にはいった、変わり種です。2000年に、30台後半で、Birdman(日本語訳、死を啼く鳥)で衝撃のデビューを飾りました。
美人女流作家でありながら、性暴力、猟奇殺人、スプラッター、腐乱死体などの、緻密で写実的な描写を得意とする、異色の作家です。しかし、実は、登場人物の暗い内面を描ききるところが本来の持ち味のような気もします。

「Gone」は、2012年のエドガー賞受賞作品で、東野圭吾の「容疑者Xの献身」を退けて受賞したため、日本でも話題になりました。彼女の持ち味である猟奇シーンの描写は相当に抑えられ、女性にもお勧めできるになっています。だからこそ、エドガー賞を受賞したのでしょう。

「Poppet」では、かなり、猟奇描写が復活していますので、こちらを読む場合には、ご注意ください。
こちらは、閉鎖精神病棟内の殺人事件や自傷事件がテーマ。過去の傷に悩む女性が何人か登場し、この心の動きが深く描写されます。

日本の大きな洋書売り場にも、処女作Birdmanや日本が題材のThe Devil of Nanjingなど、置いていないんですね。もっと注目されてもいい作家のように思います。

・Grishamの新作

リーガルスリラーの旗手、グリシャムですが、最近、ちょっと傾向を変えてきたように感じていました。たとえば、前作The Racketeerには、正義の味方は一人も登場せず、法の抜け道を狙った悪人対悪人の化かし合いが描かれました。

本作「Sycamore Row」は、処女作「A Time to Kill」の続編位置づけです。Grisham Came Backといってもいいかも。もしかしたら、初心に還ったのかもしれません。
A Time to Killで、黒人の娘をレイプした白人二人組を殺害した黒人の父親を弁護したJakeが、ふたたび主人公になります。人種差別と果敢に戦った、ミシシッピ州の田舎の弁護士、Jakeは、Grisham自身の投影でした。

材木商や家具工場を手広く営む富豪Sethが、子供や孫への遺産相続を白紙に戻し、莫大な遺産のほとんどを黒人メイドのLennieに遺贈する、というあたらしい遺言状を書いて、自害します。(このあたり、The Testamentの冒頭と非常によく似ています)
当然、Sethの子供や孫は、遺言の無効を求めて訴訟を起こします。
Sethの子供や孫が雇う10人を超える弁護士、一方、Lettieの親戚も遺産をねらってLettieの家に集まりはじめ、瞬く間に法廷内外にカオスが出現します。

この中で、Jakeは、丹念に、Lettieの一族の歴史をたどり、Sethの遺言の背景、白人と黒人の関係や奴隷制など陰の部分を調べ上げて、Sethの遺言を守ろうとします。
Deposition(判事抜きで弁護士が被告原告双方を審問する訴訟前手続き)、Trial(法廷)、そして、陪審員選定プロセスや陪審員評決に向けた陪審員の協議模様が詳細に描写され、Grishamの中でも、法廷内外にフォーカスした小説になっています。

ためしに、精読モードで読んでみました。相当に読みやすいので。
辞書を引いた単語:424語(総計642ページ)。わからない単語は全部調べる、という意気込みだったのですが、読み飛ばしている単語もあると思います。一方、一度で覚えられず複数回辞書を引いたものは、複数カウントされています。
前回ご紹介した、The Luminariesでは、一ページに5つ6つは見たこともない単語がありました。やはりツルツルと読めるのは気持ちいいです。

・映画の脚本を読んでみた

前に、The Girl with the Dragon Tattooを紹介し、DVDも購入した、と書きました。ダニエル クレイグ主演のハリウッド版です。
なかなかにエキサイティングな映画なのですが、字幕なしで理解しようとすると、相当に無理があることがわかりました。
それで、英語字幕で繰り返し観て、ときにシャドウイングなども試みておりましたが、これが、ものすごい早口なんですね。英語字幕があっても、シャドウイングは、少なくとも私にとってはきびしいです。
それで、某所より、映画の脚本(いわゆるト書入りの、かなり充実したものですが、本当に映画製作に使われたものかどうかは不明です)を入手し、一読後、映像を再度見る、ということをやっています。
スクリプトを読むのも、なかなかいいものですね。映画を何回か見た後だと、画面がよみがえってくるとともに、ああ、あそこで、ほとんど聞き取れない声でもごもご言っていたのはそういうことだったか、と気づく場面もあります。

次は、The Devil Wears Pradaあたりをやってみようかと思っています。しゃれた会話満載ですから。

ということで、映画の脚本を加えた、底上げですが、一応350万語を超えた、というご報告でした。

くりかえしますが、Grishamの新作、いいですよ。

2013.10.-12.27
8冊,  101万3千語

2013.12.28-2014.3.17
7冊  累計 217万9千語

2014.318-6.15
 5冊 累計 304万8千語

2014.6.20-7.8
Gone, Mo Hayder著 13万1千語
2014.7.10-8.1
Poppet, Mo Hayder著 13万4千語
2014.8.2-8.19
Sycamore Row, John Grisham著 17万7千語

2014.6〜2014.8
Movie Senario:The Girl with the Dragon Tattoo, 4万1千語

合計 353.1万語


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