Re: 「Little Pear」のこと

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11783. Re: 「Little Pear」のこと

お名前: 杏樹
投稿日: 2009/11/6(20:57)

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極楽トンボさん、こんにちは。

〉〉こちらこそ、教えてくれて感謝、感謝です。どうやって見つけたんですか?

〉   高田馬場駅前のブックオフでたまたま見つけました。

それはすごい!!すごい偶然ですね。

〉〉日本語訳などはないのですか?
〉   
〉   「Little Pear」の邦訳はありませんが、
〉   平凡社の東洋文庫に「トルキスタンの再会」
〉   という紀行文が入っています

実は私は中央アジア史が好きなので、この本は知っていました。読んでませんけど…。まず「エリノア・ラティモア」を調べようとしたら見つかったのがこの本です。それで中国で生まれた作者が東洋学者になったのかと思いました。

しかしエリノアのことをよく調べてみますと、「トルキスタンの再会」のエリノア・ラティモアと「Little Pear」の作者は別人なのです。
英語のwikipediaを調べたらわかりました。
「トルキスタンの再会」の作者は東洋学者オーウェン・ラティモアの妻です。「トルキスタンの再会」は、二人が新婚旅行で中国からインドへ行くのに、別行動でトルキスタン、つまり現在の中国の新疆ウイグル自治区に入ってそこで落ち合ったいきさつを書いた本です。
オーウェン・ラティモアの項目にこういう記述があります。

Owen Lattimore
[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Owen_Lattimore]

The managers of his firm, however, saw no advantage in subsidizing his travels, though they did send him to spend a year in Peking as government liaison. During the year he spent there before departing on his expedition, he met his wife, Eleanor Holgate. For their honeymoon they planned to travel from Peking to India, he overland, she by rail across Siberia, a mammoth feat in the first half of the 20th century, but in the event the plans were disrupted and she had to travel alone by horse drawn sled for four hundred miles in February to find him. She described her journey in Turkestan Reunion (1934), he in The Desert Road to Turkestan (1928) and High Tartary (1930). This trip laid the ground for his life-long interest in all matters related to the Mongols and other peoples of the Silk Road.

太字はこちらでつけたものです。Eleanor Holgate Lattimoreで検索したら生年も違っていて別人だということがはっきりわかりました。
そしてさらにややこしい事実が見つかりました。

Eleanor Frances Lattimore
[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Eleanor_Lattimore]

ここには

She was the sister of poet and classics translator Richmond Lattimore and China expert Owen Lattimore

と書いてあります。
つまり、こちらのエリノア・ラティモアはオーウェン・ラティモアの妹ということになります。では、オーウェン・ラティモアは妹と同じ名前の女性と結婚したことになります。
歴史好きなのでつい検証してしまいました。わずらわしかったらすみません。

〉〉それにしてもこの人、当時の中国の生活の様子をよく見ていますね。絵も西洋人が描いたとは思えないぐらい違和感がありません。

〉   宣教師の娘さんですからね。パール・バックと同じです。
〉   絵がまたいいんですよね。これ、版画でしょうか?
〉   作者は上海出身なので、作品の舞台は上海なんでしょうか?
〉   なんとなく北方の感じがするので天津かも?
〉   こういう本にめぐり合っちゃうと、多読はやめられませんね。

内容を見ますと北方のようです。池でスケートができるのも、家の中にオンドルがあるのも寒い地方のようです。出てくる地名を見ても見当がつきませんが、かなりの田舎なのかもしれません。


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