基本GRセット最後の日々

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10783. 基本GRセット最後の日々

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/4/5(22:29)

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極楽トンボ@慢読226万語です。わーい、やっと基本GRセットを全部読み終えました!

2004年7月25日にLong Road(PGR0)でスタートして以来、3年8ヶ月半かかりました。途中、楽しく読めたことも多々ありましたが、いま振り返ってみるに、3度の合計22ヶ月にわたる停滞など、やはり結構苦しかったです。226万語なんてちょっと半端な数字ですが、長い間格闘してきた基本GRセットがやっと終わった記念と、今後の多読図書選定方針を考えてみたいので報告させてもらいます。

基本的には200万語通過報告の時(3月8日)と状況はあんまり変わっていません。読み飛ばしの技がだんだん身についてきたと思います。前はこれができなくてたいへん苦労しました。基本GRセットも最後の方になると、書評も少ないようなのでごく簡単に感想を述べてみます。

Captain Corelli's Mandolin (PGR6)
真ん中あたりまで話があまりわからなくて、豪快に読み飛ばした。ヒロインの元彼の入水自殺は哀れだった。あのお母さんの、実の息子をスパッと切り捨てる態度は、あんまりだと思った。また、コレリ大尉だって、いくら芸術家とはいえああいう迂闊な結末だったので、少し張り合いがなかった。娘さん、よくきーけよ、芸術家にゃ惚れるなよ。

L.A. Movie(MMR5)
かなり読み飛ばした。映画のロケで世界中を回ります。よくわからない場面ばかりでしたが、気にしないでいたら、なんとなく結末を迎えてしまった。わたしは話がわかったんでしょうか?楽しく読めたんでしょうか?

Officially Dead(MMR5)
主人公だと思った登場人物が、冒頭でいきなり交通事故で死ぬので焦った。あ、そうかこの人は捨てキャラだったんだと気を取り直して読み進めたら、かなり読みやすく感じた。少し読み飛ばしのスピードが上がってきたような気がする。ちゃんと時間を計っているわけではないけれども。

Grapes of Wrath(PGR5)
読み飛ばしたため、お話の詳細はよくわからないけどぎりぎりついていった。亭主に逃げられ、生まれたばかりの赤子に死なれた若い母親が、行き倒れの男に自分の乳を飲ませる最後の場面は、宗教的かつ官能的でよかった。最後の方だけなんだかよくわかったような気になって満足してしてしまった。

Alexander and the Wind-Up Mouse(YL2.3)
レオ・レオニの定番絵本。もうじき基本GRセットが終わるので、その後は何を読んだらいいのか、リサーチを兼ねて近所の図書館で借りてみた。そしたら、わからない単語のところに鉛筆で訳語が記してあった。多読をやっていなかったら、とうてい楽しく読めなかっただろうなと思った。いい話だし、絵もいいですね。

Curious George(YL1)
これも近所の図書館。日本語訳はかなりの名訳と見ました。うちの4歳の女児がうちにある仕掛け絵本になっている日本語訳本と挿絵をしきりに比べていました。

Magic Finger(YL3)
思い切り飛ばして読んでみました。前半1/3くらいはよくわかりませんでしたが、後半2/3は不思議とわかりました。一文一文ちゃんと読んでないのになぜ? 鳥を虐待する人間を風刺すると同時に、人間より鳥を手厚く保護する如きアンチヒューマニズムが底流に流れているように感じた。

Joy Luck Club(OBW6)
生前よく知らなかった母の過去が死後、娘に真正面から取り組むことを要求してくる。自分の生まれる前の出来事が自分の今後の生き方を左右するという、なんだか東アジア外交みたいな話でした。話がわからなくても最後まで読めればいいや、という投げやりな気持ちでないと多読はできないのでしょうか。こういう小説好きなので、もっと隅々までわかりたいというフラストレーションがたまります。

Oliver Twist(OBW6)
最初の20ページくらいまでは全然わからなかったが、後半になると面白くなって一気に読んでしまった。でも、最後の場面になって、屋根から落ちて死んだ悪党と処刑される悪党を自分が混同していたことに気がついた体たらく。

Sugar Glider(CER5)
話がぼけぼけのまま最後のページに到達。オーストラリアのアボリジニー居住区から採掘されたウランにテロリストが眼を付け、主人公たちをだまして運び屋にするという内容だということがかろうじてわかった。かみさんの結婚相手がテロリストだったなんて、ちょっとご都合主義的な筋だけど、娘とお父さんの絆が深まったみたいだから、許します。

Dolphin Music(CER)
近未来の超管理社会。音楽評論家の主人公と反体制活動家の彼女が知り合うくだりがぜんぜんわからなかったけれども、結末のところで手に汗握って読んでしまった。反体制がんばれ!一体私はわかって読んでいるのでしょうか?よく日本語で読書する時のことを考えて多読せよってみんな言うけど、ふだんこういう読書の仕方をしてないもんで私、すごい不安です。

Misery(PGR6)
映画も本も読んだことないけどお話は知っていた。でもとってもこわかった。細部はぼけぼけながら、読み飛ばしの術だけは冴えまくっていた。わたし英語のリズムのことなんか全然わからないのですが、リズム良く読めました。読み飛ばしが楽になってきたような気がする。コロラドという地名が出てきたとき、脳内音読のわたしの脳内音声が突然、VOAスペシャルのアナウンサーのスティーベンバーさんの声になったんでびっくりした。そこだけ頭に染み付いていたんですねえ。

Memoirs of a Geisha (PGR6)
京都の芸者が「はたきこみ」なんて相撲の技の名前を使ってライバルを蹴倒す相談をするかなあ、などとどうでもいいことが気になりました。あらすじさえ分かればいいや、細かいところは眼をつぶってしまえ!ちゃんと読もうと思えば、元の分析読みに逆戻り、読み通すことすらかなわないことは分かっています。もう読み飛ばしの術は手ばなせません。

Love for Life (CER6)
使用語彙3800語なので、知らない単語がいっぱいでてくるかなあと思ったらそうでもなかった。1ページに1個ないし2個ぐらい。ということは、知らない単語がないのに、一文の意味がわからないということになります。つまり、必ずしも語彙が足りないから読めないのではないのです。知ってるはずの語彙の用法にまだ習熟していないということなのでしょうか?今後、普通の本を読むようになったら一体どうなるのか先が思いやられます。お話はよくできていて、養女との関係、養女のイケメン担任教師(妻あり)との関係が一体どうなるのかなあ、と最後まではらはらしながら読みました。

先輩タドキストの記録を読むと、読み飛ばしでお話の詳細がボケボケでも、楽しく読めてればOK、そのうち解像度が上がってきます、ということをみなさんおっしゃいます。そうなればいいなあと私も思います。基本セット読み終わって、うれしさも中くらいなりおらが春という心境であります。GRしか読んでないから、普通の本どうやって読んでいいのかわかんないや。

さーて、これから何を読もうかなあ。実は近所の古本屋でチャールズ・ラムの『シャークスピア物語』が300円で売っていたので、つい買ってしまったのでした。お店で少し立ち読みして、けっこういけるんじゃないかな、と思ったのですが、駄目でした。いちばんはじめの「テンペスト」のお話が全然分かりませんでした。まだ修行が足りないようです。

基本GRはレベル6の入り口までしかないので、次は何を読もうか迷ってしまいます。とりあえず、MMR4とMMR5がまだ30冊くらい未読だし、最近掲示板で話題だったおさるのじょーじの作者の手になる『Find the Constellations』、だいぶ前に話題だった『Chinese Cinderella』、たまたま古本屋にあった『Clue in the Diary /Nancy Drew Mystery Stories 7』、『Anne of Green Gables』などを読んでみようと思います。今後は、いよいよ児童書と一般書に挑戦です。是非みなさまの温かいお力添えをいただきたく存じます。


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