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お名前: 柊
投稿日: 2011/1/31(10:25)
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Ouida SebestyenのWords by Heartがとってもおすすめです。書評登録して星五つにしましたが、まだ気持ちが治まらないので掲示板でさらにおすすめします。
我が家にはウィーダ・サベスティアンの「私は覚えていない」という本がありまして、あの本の原作ですよ!と紹介しようと思ったのですが、翻訳はどうやら絶版のようですね。図書館にはあるのかしらん?
著者後書きによると、小説の舞台は1910年頃。アメリカで、南部ではここと違ってどうのこうのと言っているので、南部ではないんでしょう。
主人公Lenaの家は町で唯一の黒人一家で、そのことで差別も受けてきました。Lenaの継母Claudieは、黒人が沢山いて差別のない、黒人自治地域のようなところ(以前住んでいたらしい)に行きたいと常々言っていました。
Lenaは町の聖書暗記コンテストで優勝することで、黒人も白人に劣らない知能を持つ存在だとアピールし、差別をやめさせ、父に誇りに思ってもらいたいと考えます。しかし実際に優勝すると、誰とも知れない(推測はできる)白人からの嫌がらせがひどくなっていきます。
対立が頂点に達したとき、Lenaは暗唱している聖書の言葉、Love your enemies and do good to those who hate youを実践しなければならなくなります。口にしたときは美しかったその言葉は、石のように重くなっていました。
憎しみやねたみを、キリスト教的な隣人愛、「目には目を」ではない方法で乗り越えなければならないという使命が、Lenaには課せられています。正直、「私の目のかすり傷にはあなた方の命」という、「目には目を、歯には歯を」ですらない、キリスト教徒のはずの人たちの言動を報道で見聞きし、キリスト教が嫌になっていたところでした。でもこの本には、本来のイエスの教えがありました。
A Yearling Bookで10才以上と書いてあるので、児童英語にもぜひ。
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