[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/25(08:18)]
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David Handlerが貯まりました。それから、京極夏彦の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」を読みました。
The Burnt Orange Sunrise [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000018604 ]
翻訳タイトルは「ダーク・サンライズ」。
真っ赤な真っ赤な冬の朝焼けを見た直後、主人公ミッチは友だちの民宿に招待されます。ところが、雪で閉じこめられた民宿で、一人ずつ殺されていく。ミッチの恋人で元殺人課の巡査デスが推理していく間にも、事件は続きます。デスが信用できるのは、自分とミッチだけ。後は全員が容疑者。
The Sweet Golden Parachute [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000018607 ]
これは、街でそれなり人数がいて仲が悪い二つの一族がにらみ合っている中、事件が起きるという話ですが、ミッチが知り合いに読ませてもらった作中作がすごくいいです。あまり気持ちのいい話ではないですが、売春している少女のShe’ll do yaと言う、非常に醒めた、シニカルな語り口が最高です。ミッチは、これは天才か、さもなければ自分は狂っているというノートをつけて知り合いの編集者に渡し、編集者は天才だといっていました。
The Man who Lived by Night [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000012808 ]
翻訳は「真夜中のミュージシャン」、絶版です。図書館には結構あると思います。
50年代から60年代ぐらい、ビートルズと同じ頃に活躍した架空のロックスターT.Sが音楽、バンド活動、自分のスーパーモデルとの結婚生活などを語るなか、事件が起きていきます。
シリーズ2巻目で、1巻目との合本(英語)はまだ手に入ります。主人公ホーギーのヨーロッパ趣味が初めてはっきりと出てきて、ホーギーがホーギーらしくなる巻です。
それに音楽の話、スターの暮らしぶりがまた面白い。
The Man who Loved Women to Death [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000015245 ]
翻訳は「殺人小説家」、絶版です。
バセットハウンドのルルと、娘トレーシーと、娘の母で元妻のメリリーと仲良く暮らすホーギー。そこへ、尊敬する小説家のホーギーに是非自作を読んで批評して欲しいという手紙と共に、小説の一章が送られてきます。
才能はあるけど、最後人を殺して終わるところが良くないと思ったホーギー。ところが、事件は現実に起きていました。人を殺してはその様子を書いた小説を送りつけてくる、しかもホーギーには丁寧かつ穏やかに接する「アンサーマン」。この作中作は、英語で読むとより面白く、かつ不気味です。
ちなみに英語も絶版なので、古本でどうぞ。
The Summer of Ubme [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000016504 ]
京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥(うぶめ)の夏」の翻訳です。
英語とは異質な論理と文章を無理矢理英語に押し込んだなという、でこぼこして滑らかさのない文章が面白いです。あの読後感をもう一度味わえるのも魅力です。
子預け幽霊のうぶめ(産女)と子どもさらい妖怪の姑獲鳥(こかくちょう)が同一視されるようになった経緯は、陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず)で解明されていました。
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