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お名前: 久子
投稿日: 2008/11/16(21:54)
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こんにちは 久子です。
前回の誓いを思い出し、10冊読了したところでの紹介です。
たまにはテーマを決めて読んでみようということで、なるべく読んだことの無い作家の本を
選んでいます。このためか、Contemporary が3冊と大目になりました。
現代物も時々挟むといいな と思いましたが、どうも現代物に対しての方が現実感が
薄いとイマイチと感じるようです。このため、ヒストリカルに比べて点が辛いです。
粗筋はホンのさわりくらいなので、この先のお話が予想できないかもしれません。
もっと知りたい方ば、その旨書いていただければ お答えできる範囲でお返事します。
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The Duke of Shadows
Meredith Duran
May 1857年 Delhi India
Emma(Emmaline Martin)は、婚約者の元へ向かう途中乗っていた船が難破して両親を失ない
一人生き残りました。自分が生き残ったことにたいしての罪の意識に苦しんでいます。
子供のころに親に決められた婚約者と会い、彼が彼女がこれまで思っていたのと
は異なる人であることに気付き結婚について考え始めます。
Julian Sinclair, the Marquess of Holdensmoor は、とあるパーティーで庭に佇む女性に
目を留めます。退屈そうな彼女は、ワインについて不満を言っています。彼女の様子から
病気から回復したばかりなのだろうか? と思います。彼女に声をかけ話をしていると、
彼女の婚約者 Marcus Lindley が、現れて強引に会話を打ち切らせて彼女に
「あの男に近づかないように」と警告しました。
Julian Sinclair は、Marcus の遠縁にあたり イングランドの公爵家のyounger son と
インド人とイングランド人の混血の女性の間に生まれました。跡継ぎが順に死亡したため
公爵家の跡継ぎthe Marquess of Holdensmoor になりました。 混血であるために、
イングランドからもインドからも完全な同胞と思われない という苦労を背負っています。
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セポイの乱が間近に迫ったインドのイングランド社会を舞台にお話が展開していきます。
インドの地名、人名が少々読みづらく感じます。また、インドの地理に明るい方が各都市の
位置関係がわかって読みやすいでしょう。お話は二部構成になっていて、第二部は
3年後のロンドンになります。ロンドンに場面が移ってからは、インドの時の話に比べると
ドキドキ感が薄くなってしまったのが残念です。
(ロンドンに戻ってからも、ヒロインのとある秘密を廻ってハラハラするのですが、
戦乱のインドに比べると弱く感じます。)
インドでは市街戦などの戦闘シーンがあるため、少々血なまぐさいところがあります。
このあたりの歴史背景などに詳しくないので、どのくらい史実に正確に添っているのか
わかりません。
少々読みにくいように感じたのは、当時のインドについて知識不足なのと戦闘シーンは
読み慣れていないからかもしれません。普通に? イングランド社交界だけで展開される
お話より波乱に富んでいて 楽しく読みました。
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To Taste Temptation
Elizabeth Hoyt
Legend of the Four Soldiers の1作目です。相変わらず時代考証を無視した表紙で、
内表紙を見てきゃ〜でした。(あんな絵を楽しみにしている人もいるのかな?)
1764年 9月 London
植民地アメリカ ボストンから貿易商の Samuel Hartley は、ある目的の為に妹 Rebecca を
伴ってロンドンにやってきた。その目的とは 6年前に Spinner's Falls で起きた第28連隊が
インデアンに待ち伏せされ壊滅させられた件の調査。そのために、第28連隊の隊長で
その時に死亡した Captain Reynaud の妹 Lady Emeline の隣の家に落ち着きました。
とある集まりで、 Samuel は Emeline を紹介してもらい、Rebecca がイングランド社交界に
出るための手伝いをお願いすると言う名目で次第に親しく付き合うようになっていきました。
伯爵令嬢にして男爵未亡人で男爵の母である Emeline と、植民地の貿易商の Samuel には
未来が無いことは、二人とも良く承知していますが それでも強く惹かれあっていきます。
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Prince シリーズ同様に、各章の冒頭には おとぎ話があり、今回は、Iron Heart というお話で
本編とリンクしながら両方の話が進んでいきます。
少々設定に好みでないところがありましたが、読みやすく楽しいお話でした。第28連隊が
壊滅した謎についての謎解きについては、まあ おまけみたいな物です。兄、夫、父を
短期間のうちに失い喪失感にさいなまれる Emeline と、第28連隊壊滅時の悪夢に
苦しむ Samuel の心情を読むお話です。
個人的な好みでは、同じく男性の方が身分が低い設定の The Leopard Prince より良かったです。
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To Seduce A Sinner
Elizabeth Hoyt
The Legend of the Four Soldiers の2作目です。時代考証を無視した表紙で、内表紙を見て
きゃ〜なのは、1作目といっしょ。
1765年 5月 London
前作(To Taste Temptation)で、婚約者に振られてしまった Jasper Renshaw, Viscount Vale は、
本作冒頭でも結婚式の直前に振られてしまいます。 前作で Melisande Flemming は、親友の
Lady Emeline に、幼馴染の Jasper をよろしくと頼まれていました。逃げだしたJasper の花嫁は
彼女の遠縁にあたるため、結婚式に来たところで 花嫁に逃げられ また一から花嫁探し&
求婚活動を始めなければと 落ち込んでいた Jasper を見つけました。
Melisande Flemming は、18歳のときに愛して結婚も決まっていた男から、他に好きな人が
出来たと別れを告げられました。それ以来、彼女は灰色の服をまとい男性に興味を示さず
ひっそりと暮らしてきました。数年前のある日、彼女は 親友 Emeline の幼馴染の Jasper に
出会い 明るく数々の女性と浮名を流す彼と、戦友と思しき男性が戦争の悪夢で苦しむのを
なだめながらも、自身もまた悪夢を抱えている孤独な一面を垣間見て 彼のことが好きに
なっていきました。
目の前で花嫁を欲しがっている Jasper に、私と結婚したらどう? と話しかけました。
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Jasper も 6年前に Spinner's Falls で起きた第28連隊がインデアンに待ち伏せされ壊滅させられた時、
将校として参戦していました。インディアンの捕虜となった彼は、目の前で戦友や、親友が殺されたり
傷つけられましたが、自身は無傷で 帰国し そのことに罪悪感を覚えています。このため、
第28連隊の壊滅の陰に何者かの裏切りがあったのでは? と調査を進めています。
前作同様に、各章の冒頭には、Laughing Jack というおとぎ話が語られ本編とリンクしながら
両方の話が進んでいきます。
便宜的に結婚した二人、何年も前から Jasper を愛していた Melisande と、彼女の存在に
まったく気づいていなかった Jasper が次第に彼女に惹かれていく様子が丹念に描かれます。
私の好みでは前作よりこちらの方が好みです。また、前作を読んでいなくても特に分かりにくい
ところは無いと思います。
比較的英語が現代風なので読みやすかったですが、現代風だからなのかヒロインが Fxxx と
口にするのが気になると言えば気になります。Ladyがラブシーンの最中とはいえ言ってよいのか?
と感じました。
ストーリーは割りとオーソドックスですが、途中でヒロインの過去(多くの男性が自分の妻にこんな
過去があったら引くと思われる)を知ったヒーローがそれを受け止めて、優しく慰め力づけるところなど、
全体的にヒーローの人柄が良かったです。
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One Night With A Prince
Sabrina Jeffries
Royal Brotherhood Series の3作目
Amazonにオススメされたものを取りあえず買ってみたうちの1冊。購入してから気付いたのですが、
このシリーズは私から見ると トンでも設定です。
Christabel, the Marchioness of Haversham は、父から預かった手紙を大切に保管していました。
ギャンブル好きだった彼女の亡き夫が、借金を返すためにそれを Lord Stokely 売却してしまいました。
その手紙は、Prinny(Prince Regent)と Christabel の軍人の父親が関わるある秘密を記したものでした。
その手紙が公開されれば、Prinny は次の国王になれなくなり、彼女の父の名前は地に落ちてしまうは
必至です。
Lord Stokely の屋敷で開かれるハウスパーティ(メインイベントは、ギャンブル大会)に招待されて、
その間にこっそり手紙を取り戻そうと考えました。まず、ギャンブルと縁の無い彼女が招待されるには、
すでに招待されている誰かの連れになる必要が有ります。彼女が目をつけたのは、クラブ Blue Swan の
オーナーでギャンブラーの Gavin Byrne でした。実は、Gavin は、Prinny と女優との間の私生児で、
彼と母を見捨てたPrinny を恨んでいます。
Christabel は、Gavin にあるものを Lord Stokely から取り戻すために ハウスパーティに愛人として
つれって行って欲しいと頼みます。そして、お互いそれぞれの思惑を抱えて ハウスパーティへと
向かいました。
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ヒーローが、Prinny の隠し子の兄弟たち という、なんともスゴイ設定です。一作目と二作目の
ヒーローの母親は、貴族の既婚夫人なので、それぞれの夫の子供として普通に育ちます。
しかし、本作のヒーローの母親は未婚の女優で、Prinny が、二人を見捨てたため、ドン底の
生活を送り かつ 不幸な事故が重なったこともあり Prinny への恨みが根深いです。底辺から
這い上がり独力でクラブを経営し富を築きました。
(Kleypas の Dreaming of You のヒーロー Dreak Craven よとちょっと似てます。)
一作目か二作目にH/Hが知り合ったいきさつが書かれているようですが、別に読んでいなくても
問題なさそうです。すでに設定で少々引いてしまったので、内容的には悪くなかったのですけど、
あまり挽回できませんでした。たぶん、シリーズの他の本は読まないと思います
。この設定が気にならない人は、H/Hの心情が細かく描かれておりストーリーも無理がないので
楽しめると思います。
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Three Nights of Sin
Anne Mallory
London 1825
Marietta Winters は、途方にくれていた。弟 Kenneth が、殺人犯として逮捕、投獄され、
頼みの兄 Mark は酒びたり。社交界は一家を見放して助けになりそうな人は誰も居ません。
彼女は、Gabriel Noble に弟の無実を証明して欲しいと頼みに行きました。Gabriel への支払いは、
彼女が3つ彼の言うことを聞くこと。
Marietta の依頼を引き受けた Gabriel は、売り子や娼婦に変装させた彼女をつれて ロンドンの
裏町で捜査を始めました。
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タイトルから想像がつくとおり、Marietta が 3回 Gabriel と寝るというのが支払い です。お話は、
真犯人を追求するための捜査と、Gabriel が二人の関係が進む様子が平行して語られます。
中盤までヒロインの視点でのみで語られるので、ヒーローがどんな人なのか何を考えているのかが
分からず その面でドキドキしながら読み進むことになります。また、ヒーローに気の無いヒロインを
その気にさせる という展開なので、Sensuality は高めです。
心情が切々と語られるタイプのお話ではなく、推理を楽しむタイプのようです。通常の推理物に
加えてロマンス分があるため展開が遅く感じられました。また、ロマンスを楽しむことを期待していると、
推理に食われた分薄味と感じます。このあたりは、好みが分かれると思います。
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A Rake's Guide to a Seduction
Caroline Linden
Anthony Hamilton は Lynley 伯爵の一人息子で跡継ぎです。若い伯爵夫人が結婚後10年を
経て初めてAnthony 産んだだのですが伯爵にも 他のHamilton 一族の誰にも似ていません。
父親との関係が悪い彼は Langford 子爵ではなく、ただの Mr, Hamilton と名乗っています。
Exeter公爵の妹 Lady Celia Reece は、初めての社交シーズンを楽しんでいましたが
とある舞踏会でうっかりダンスのパートナーと外にでてしまい、ゲンナリするようなプロポーズを
されてしまいます。困惑する彼女を助けてくれたのは、兄 David の友人で子供のころからの
知り合いの Mr, Hamilton でした。
Anthony は、子供だとばかり思っていた Celia が女性になっていたことに驚き、それと同時に
彼女に惹かれている自分に気が付きます。伯爵家の跡取りとはいえ 常に出生に疑問が
付きまとう自分は彼女に相応しくないと自分の言い聞かせますが、気持ちが抑えられずに
とうとう 彼女の兄 Exeter 公爵 に求婚の許可を得に出かけていきます。
そこで、彼が公爵から聞いた言葉は....
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Exeter 公爵家の3兄妹のシリーズの三作目です。
Caroline Linden の本は初めてですが、特に癖のない英語だったと思います。一作目の
What a Gentleman Wants は、「ためらいの誓いを公爵と」 というタイトルで翻訳されて
いますので、今後、シリーズが続けて翻訳されるかもしれません。
タイトルに rake (放蕩者と訳されるのかな?)とありますが、世間の評判がヒーローを
そういうだけで、実際は 世間に対してもヒロインに対しても自分より相手のことを思って
行動する立派な紳士です。(本当にダメ男なら ヒーローになることは無いですよね.....)
ヒロインに、すごく献身的に尽くします。
また、ヒロインはいろいろと辛い経験を乗り越えているため、年齢のわりに大人ですし、
ヒーローのことを信じたいけれど過去のあれこれから なかなか信じられない気持ちの
揺れが丁寧に描かれます。
久し振りに 良かったー と諸手を上げて思った本です。オススメです。
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A Historical Christmas Present
季節柄クリスマスものを手に取りました、過去に出版された短編を寄せ集めて再販した本の
ようです。アメリカン ヒストリカルが入っているのが珍しいなと感じました。
I Will
Lisa Kleypas
Because You're Mine のヒーロー Logan Scott の親友 Andrew, Lord Drake がヒーローです。
この本のネタバレを含みます。ネタバレ度は並、Because You're Mine の中盤あたりで判明する
事実です。
1833年 ロンドン
Lord Drake は、放蕩三昧の生活を続けているうちに父親に遺言から外されてしまいます。
このままでは、なにも相続できなくなってしまうため、父親に更生した姿を見せて遺言を変えて
もらわねばなりません。それには、ちゃんとしたLadyの妻を娶ると父親に思わせねばと考えました。
Miss Caroline Hargreaves は、26歳の bluestocking 。子爵令嬢で外見も悪くない彼女にこれまで
結婚の申し込みはありましたが、この人という人にめぐり合えないままこの年になってしまいました。
可愛い弟が Lord Drake とつるんで遊び歩き一家の財政事情が思わしくないことを憂えています。
その彼女に、Lord Drake は、恋人のフリをしてくれたら彼女の弟の負債を肩代わりする と
持ちかけます。
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Kleypas らしいホットなお話です。父親への反発心から ことごとく父の期待を裏切るような行動をとる
Lord Drake ですが、実は本当のワルではありません。Caroline と付き合ううちに、本来の自分を
少しずつ取り戻してきます。 短編なのでちょっと物足りないですが、Because You're Mine を読んで
Lord Drake はこの後どうなるの? と思った人は読んで損は無いと思います。
Three French Hens
Lynsay Sands
12世紀イングランド
Brinna は、屋敷の台所の流し場メイドです。ある日、屋敷に滞在中のLady Joanのメイドが
病気になったため、代理をするようい言いつけられます。Lady Joan の部屋に行った Brinna を
見た Lady Joan のコンパニオンが、二人が瓜二つなことに気が付きます。
Lasy Joanは、Lord Royce of Thurleah との縁談に気が進みません。そんな時、自分に そっくりな
Brinna を身代わりに仕立てて Royce を避けることを思いつきます。
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Brinna と Royce は、恋に落ちますが、流し場メイドとLordでは身分違い 結ばれることは
ありえません。まして、Royce は所領と領民のために たくさん持参金をもった花嫁が必要です。
ここの解決は、短編だけあって多少ご都合主義ですが、クリスマスものなので まあいいでしょう(笑
本作で描かれるあるカップルの悲劇は携帯電話や交通手段が発達した現代なら、きっと
起こらなかっただろうと思うと時代を感じますが、それ以外では12世紀を感じさせる描写は
あまりありません。Wallpaper と思っていいと思います。
Father Christmas
Leigh Greenwood
19世紀 アリゾナ
Joe Ryan は、パートナーの Pete Wilson に金泥棒の汚名を着せられて投獄されました。
Peteは、盗んだ金塊を自分の家に隠しているはずだ。Joeは自分の無実を晴らす為、
脱獄してPeteの家へと向かいます。
Mary Wilson は間近に迫った出産を控えて体調がすぐれませんが、誰かが家に向かってくるのを
知りライフルを手にドアを開け、亡き夫のパートナーだっと言う見知らぬ男と対面します。
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Mary は、娘の Sarah と町からは20マイルも離れた牧場で暮らしています。この当時の開拓地での
暮らしぶりをご存知の方なら 良く分かると思いますが、男手が無ければ牧場は切り盛りできません。
まして、妊娠後期の女性と小さな女の子では、食べていくのがやっと といったところです。
それでも ろくでなしの Pete との結婚生活を考えて再婚するつもりはありません。
Joeは、16歳で家を離れてからは一人で生きてきて家族的なものを意識的に避けてきましたが、
行きがかり上 Mary と Sarah の面倒を見るうちに 実は暖かい家庭を求めている自分に
気が付き始めます。
短編のため、もう少し書き込んで欲しいところがあったり、ある程度ストーリーの先が読めてしまう点が
マイナスですが、クリスマス ストーリーはある種のお約束の中 安心して幸せな気持ちを分けてもらう本です。
とてもよかったと思います。
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Nerd in Shining Armor
Vicki Lewis Thompson
90年代 ハワイ
Genevieve Terrence は、ホノルルのコンピュータシステム会社で秘書 をしています。
セクシーなボス Nick Broganに週末のマウイ出張に同行するように言われて大喜び。
このチャンスを生かして Nick の花嫁になることを夢見ます。数ヶ月前から Genevieve に
思いを寄せている Jackson Farley は、面白く有りません。画策の結果、二人に同行する
ことになります。
実は、この出張には裏が有り その結果 Genevieve と Jackson が無人島でサバイバル
生活するハメになります。果たして Nerd(オタク)の Jackson は、Genevieve の騎士に
なれるのでしょうか?
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表紙に "A sharp, sassy, sexy read, stranded on a desert island? I hope you've got
this book in your beach bag!" - Jane Anne Krentz とありますので、南の島のリゾートで
のんびりと日光浴でもしながら読むタイプの本です。
ストーリーは大きな動きも無くほぼ予想の範囲で進みます。 このため、さら〜っと
読むだけのスピードが必要と思います。日本語だったら、このタイプの本は1日程度で
読み終わるのが普通でしょう。 ガンガン読まないと飽きてしまいますから、辞書引きながら
1ヶ月かけて読むなんて本ではありません。
この本の軽さが心地よく楽しく読めましたが、真面目なお話を求めている方には
面白くないかもしれません。私の好みからは、ちょっと外れてますが、たまに読むと
新鮮に感じて楽しめました。でも、私は当面このシリーズはいいかなというのが
正直な感想です。
Nerd なヒーローのシリーズものの一冊で、シリーズのタイトルはみな有名な
ロマンスPBをもじったものになっているようです。
Nerd Gone Wild
The Nerd Who Loved Me
Gone With the Nerd
Nerds Like It Hot
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Mr. Perfect
Linda Howard
2000年 デトロイト
IT企業で働く仲良し4人組、Jaine、Marci、Luna、T.J は、金曜の夜に集まって、アレコレ話を
するのが楽しみ。ある日、Mr. Perfect 〜 理想の男性 の話題で盛り上がった彼女たちは、
理想の男性の条件リストを作り上げます。ところが、その場のノリのリストがいつの間にか
ひとり歩きし始め、マスコミにも取り上げられて4人は一躍時の人に!
その中の一人 Jaine Bright は、真夜中に騒音を撒き散らす車で帰宅、彼女が芝刈りをすれば
ヨレヨレのかっこでうるさいと苦情を言ってくる隣人に腹を立てていた。
いったい何者?! ヤクの売人かしら? あることがキッカケで、彼 Sam Donovan が警官と
知って安心し、互いに良く知り合うにつれて惹かれていきます。
Mr. Perfect のリストが広く知られるにつれて、4人には押し殺したささやき声の不審な電話が
かかってくるようになり、そして、ある日 4人のうちの一人が殺される という事件が起こります。
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初Linda Howardでしたが、とても読みやすい英語で楽しめました。細かいことを考えると、
たかが地方の30〜40代のOLの Mr. Perfect のリストがそんなに話題になるの?
と不思議ですが、そんなこと気にせずに、ヒロインの身に迫る危機とロマンスの進展を勢いに
乗って楽しむ本です。
個人的には、私生活に問題を抱えている4人が、このリストの一件をキッカケにそれぞれの問題に
向き合い 新しい一歩をふみだすという ヒューマンドラマのような展開の方が好みです。
Jaine と Sam がどういう理由で惹かれあっていくのかが私にはイマイチ良く分からなかったし.....
Sam も Jaine も魅力的だってことは分かりますが、もう少し突っ込んだところが感じられませんでした。
単に、読めていないだけかもしれません。
前半は、Jaine と Sam の二人の掛け合い漫才のような会話を楽しむラブコメといった感じ、
後半は ロマンチック サスペンス でしょうか? ラブシーンはホットだと思いますが、そんなに数が
多くは有りません。
表紙はこのところ読んでいるヒストリカルに比べてかなり大人しいです。有名作家だと作家名で
買う人が多く、ジャケ買い読者に期待しなくても良いのかもしれません。
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The Winter Lodge
Susan Wiggs
現代 アメリカ
パン屋を切り盛りしている Jenny Majesky は、ある晩 眠れないため、自宅を離れパン屋に
向かいました。警察署長 の Rourke McKnight は、その晩 火事の発生通報を受けて愕然とした。
Jenny の家だ!燃え盛る家を目の前にして呆然と、数年間彼女を避けていたことを激しく
後悔する彼の耳に、住人が見つからないとの報告が飛び込んできた。 ためらうことなくJenny の
名前を叫びながら家に入った彼に、消防士が家の中には誰もいない可能性が高いので家を
でるように促します。
パン屋! と思い至った Rourke は、パン屋で数年ぶりに Jenny に再会する。
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上院議員の息子Rourke とパン屋の娘しかも 父親が知れない私生児の Jenny 、Rourke の
父親のお抱え運転手の息子で Rourke の親友の Joeyの三人はは、ティーンのころに出会いました。
Jenny とRourke は、一目で惹かれあいますが、Jenny は、上流出身の少年とは未来がないと考え、
Rourke は、親友 Joey も Jenny に惹かれているのを感じ、 互いに気持ちを伝えないまま時が
過ぎていきます。
この3人の間にあった過去の出来事のために、Jenny と Rourke は互いに避けるようにして
暮らしてきました。 Jenny と Rourkeの関係が現在と過去を行き来きしながら語られるなか、
Jenny の親友Nina の娘Sonnet とその友達の生活、Jennyが小さいころ出奔して行方不明の
母親が若かったころのの行動、Jenny が寄稿しているコラムの記事 が所々に挟まれるなど、
いろいろな話が絡み合い繋がってストーリーが流れていきます。
Lakeshore Chronicles の二作目です。一作目を読んでおいた方がより楽しめるように思いますが、
読まなくても大丈夫でしょう。Susan Wiggs の本は初めてですが、そんなに読みにくくはありませんでした。
私が読んだPBの文字が小さめできっちり詰まっているため、人によってはこれが読みにくさに
繋がると思います。
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ではでは 最後までありがとうごさいました。
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