[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/24(10:15)]
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お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/13(14:53)
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主観の新茶さんは[url:kb:2674]で書きました:
〉 Ryotasanさん,今晩は。
〉 新茶です。
〉 3点ほど、ご質問したいことがあります。
〉 わかりやすいように、◎が質問を表します。
〉 項目は、3つです。
〉 ()内は、どちらが意見を述べたかを表します。
新茶さん、
お元気そうでなによりです。
しばらくこの掲示板に書き込まないでいたら、
ログインできなくなってしまいました。
自宅で使っている機械のハードディスクを掃除したときにパスワードを忘れてしまったのかもしれません。
それで新しく "Ry0tasan" で登録し直しました。
自分で言うのも変ですが、
"Ryotasan" と同一人物です。
〉第1 「文章の前後関係」の意味について
〉 2632からも、一部転用。
〉(Ryotasanさん)
〉>英単語を理解するとき、
〉>僕がいつも考える手がかりの優先順位をまず示させて下さい。
〉>1. 文章の前後関係
〉>2. 辞書的な知識
〉>3. 語源
〉>この優先順位について、
〉>「卵が先か? ニワトリが先か?」などと考えたこともありますが、
〉>最終的に前後関係の方が重要だと考えるようになりました。
〉>辞書的な意味や用法にそぐわない使い方がされるばあいもあるし、
〉>辞書の記述も、(まともな辞書であれば)沢山の用例の文脈を検討した結果として書かれているからです。
〉>誰でも文章の前後関係に注意して多読を続けていれば、
〉>英英辞典と同じ様な理解に達すると思うようになったのです。
〉(新茶)
〉〉〉(1)文脈(文書の前後関係は,こう言い換えていいのでしょうか?) Ryotasanさんも,途中で使っておられます。
〉(Ryotasanさん)
〉〉文脈に加えて、
〉〉本の挿絵や、
〉〉話し手の声の調子、
〉〉顔の表情、
〉〉まわりの状況なども含めたかったので、
〉〉前後関係と表現しました。
〉〉条件付きで、
〉〉文脈と理解されても結構です。
〉◎ここで質問とは、次のことです。
〉 Ryotasanさんは、「文章」の前後関係と言っています。
〉 私には、文章という言葉は、書かれたものとしか、受け取れませんでした。
英単語を理解するときに心がけていることの優先順位という前提で書き始めたことなので、
会話や演説など音声によるやりとりも、
できれば除外したくなかったのです。
ここで強調したかったのは、
sentence を超える大きな話の流れと言うぐらいの意味で、
「文章」と表現しました。
あまり上等な表現とは言えないかもしれませんね。
〉 1番目に、話し手の声の調子、顔の表情が、どうして、文章に含まれるのでしょうか。
日本語については保留にしておきますが、
英語では、
書き言葉の文章にも、
書き手の息づかいは存在すると僕は考えています。
〉 つぎに、「まわりの状況」と書かれると、わかった気になりましたが、じつは、「まわり」とは、何を言うのか、はっきりしません。どういう意味でしょうか。
〉 「まわりの状況」の前後関係とは、何を意味するのでしょうか。
書籍なら文字の配列、
手書きなら筆跡なども含みます。
話の流れはまっすぐ進まないこともあります。
あっちへ行ったり、
こっちへ行ったり、
広がるように展開することもあります。
ですから前後関係がまわりの状況と同じでも構わないばあいもあるという意味で、
書きました。
〉 3番目に、本の挿絵は、作者が描いていない場合が、ほとんどだと思います。挿絵の描き手が、その文章を正確に理解している、または曲解していないと、どうしていえるのでしょうか。
このスレッドの出発点となった The Little Prince は、
原作者が絵も描いています。
この掲示板で話題になる絵本も、
文章と挿絵を同じ人が担当している例は多いです。
別な人が絵を描いているばあいについても、
この掲示板で話題になっている絵本のほとんどで、
作家と画家が事前に相談し、
物語の文脈にふさわしい絵を選び、
文脈にふさわしく配置してあると僕は判断しています。
いささか専門的になりますが、
具体例も示しますね。
Mark Twain が Adventures of Huckleberry Finn を出版したとき、
Kemble という絵描きの挿絵に細かい注文をつけて、
書き直させた例があります。
これは手紙が専門書に引用されているのを読んだことがあります。
Randall Jarrell という詩人が出版社から依頼されて童話を書いたとき、
Maurice Sendak さんが挿絵を担当し、
言外の意味まで読み取って絶妙の挿絵を描き、
どうしてそこまで分かるんだと Jarrell が驚いたという話を、
専門書の中で読んだことがあります。
そういった経験に基づいてさまざまな絵本を読み、
定評のある絵本の出版社なら、
事前にそういう打ち合わせをするものだと判断するようになったというわけです。
勿論、
例外があることは認めます。
安い値段で売られている Disney の絵本などで、
そういった配慮がなされていない商品はみたことがあります。
〉 文章と言えば、書いたものを意味し、Ryotasanさんの言われる上記3点は、通常、言葉の意味として、包含されないと思われますが、どうなのでしょうか。
〉 私は、「文章の前後関係」と述べている限り、かつて人が言葉に発したものを含め、書かれたものを意味すると理解するのが自然であると理解していましたので、「文章の前後関係」のうち、「文章」を「文書」と言い換えて、「文書の前後関係」とまで言い切る理解をしています。
20世紀の中頃までに発表された英文のほとんどは、
音読や朗読を想定して書かれたと僕は考えています。
20世紀後半以降に発表された英文には音読に向かないものもありますが、
それでもどこかで書き手のほのかな息づかいは感じられると思っています。
〉 この部分は、今回の論議の本質的部分ではありませんでした。
〉 私は、通常の日本語なら人並み程度に理解できると思いますが、Ryotasanさんが、もし言葉を独自に特殊に定義している場合には、それをあらかじめ簡単に記載していただければ、本質の論議ではない、当面必要のない事項は、省けると思います。
英語を理解する上では重要な議論かもしれません。
〉 この第1の質問は、今回お聞きしたことの主要点ではありませんが、前提事項ですので、質問させていただきました。
〉第2 OEDへの質問
〉(Ryotasanさん)
〉〉文脈が大事だと思うのは、
〉〉自分自身の多読経験と、
〉〉OED (Oxford English Dictionary) を使ってみた経験によります。
〉〉OED は全部で20巻あり、
〉〉一つの単語の歴史を、
〉〉何頁にも渡って示してあります。
〉〉そして、
〉〉ほかのどんな英語辞書より例文が多いのです。
〉〉その例文は、
〉〉辞書編纂のために作文されたものではなく、
〉〉実際に使われていた例文です。
〉〉出典も示してあります。
〉〉これを見て分かるのは、
〉〉OED の編纂者も、
〉〉沢山の用例にあたり、
〉〉その単語が使われている文脈を検討した結果に基づいて、
〉〉単語の意味や用法を説明していることです。
〉〉単語の過去を知りたければ、
〉〉過去についての文献より、
〉〉過去の文献にあたる方が望ましいです。
〉〉引用の基になる資料を見て、
〉〉あっと驚く様なこともあります。
〉〉文脈を無視して引用されていることもありますから。
〉◎ここで質問とは、次のことです。
〉 1番目に、Ryotasanさんは、OEDを通読されたのでしょうか。
いいえ、
20巻全部を通読してはいません。
それでも非常に長い前書きを通読し、
15年に渡って利用しており、
この辞書全体にどういう傾向があるかは分かっているつもりです。
〉 2番目に、OEDは、Ryotasanさんの経験上、どのような本の多読をされた結果、単語の過去を知る際に、OEDが、どういう点で有効だと判断されたのでしょうか。
古い方では、
15世紀の英語で書かれた Thomas Malory を800頁、
The Age of Chaucer, vol. 1 of The Pelican Guide to English Literature という本に載っていた作品全部、
Shakespeare の戯曲を十数本、
John Milton の作品を500頁ぐらい、
Swift の Gulliver's Travels と、
Fielding の Tom Jones と、
Franklin の自伝、
これで18世紀後半まで来ましたね。
19世紀と20世紀はもっと多いですが、
省略させて下さい。
自慢しているわけではなく、
客観的な事実として受け止めて下されば幸いです。
多読の方法でいい加減に読んでいることも申し添えておきます。
〉
〉第3 なぜに、明治期以降に輸入され定着した制度等を表す日本語から英語を考えることについて、明治時代に書かれた邦語の資料をできるだけ参照することが、成功の秘訣なのか。
〉(新茶)
〉〉〉私は,第(4)に,日本語から,厳密には,日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語から,英語を考え,その一環として,その語源,辞書的意味,等を考えるという方法があると思います。
〉〉〉つまり,長い文脈を意味する,制度等から,所有という意味を英語で考えてみようと思った,と理解しているのですが。
〉〉〉これは,英語の文章,つまりTEXTそのものの文脈ではないが,広い意味での文脈か。
〉(Ryotasanさん)
〉〉成功の秘訣は、
〉〉できる限り明治時代に書かれた資料を参照することでしょうね。
〉〉できる限り。
〉〉それでは、
〉〉Happy reading!
〉◎質問の趣旨を述べると、次のようになります。
〉 私は、英単語を理解する方法として、第4番目として、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」から,「英語」を考え,「その一環として,その語源,辞書的意味等を考える」という方法がある、と主張したわけです。
〉 つまり、4番目の方法があるのではないか、と素人ながら、提案したのです。
〉 4番目の方法として独立して、数えるべきかどうかは、お答えを待ちます。
〉 しかし、それよりも、私が、何度考えて、時間を費やしても、わからなかったのは、なぜに、上記の日本語を考えるに当たって、明治期の邦文を読むと、英単語がわかるのかと言うことです。
〉 私が、邦語から英語を考えると提案したのに対し、Ryotasanさんは、明治期の資料を参照すべきであると言われているのですから、論理上、まさか、明治期の英文を参照するというわけでは、あり得ないでしょう。
〉 そうだとすると、制度、システム、思想を表す「日本語」から「英語」を理解するのに、なぜに、明治期の日本語=邦文の資料をできる限り参照するのかは、理解できないのです。
〉 これが、質問の主要点です。
もともと日本になかった西洋の思想が盛んに翻訳されたのは明治時代です。
それまでの日本語ではなじみのなかった概念を日本語で表現するために、
古い漢語を掘り出してきたり、
漢字を組み合わせて新しい訳語を作ったりしたと聞いています。
この時期に日本語の語彙も大きく変化したようです。
大正と昭和の時代に西洋から輸入された概念も、
そういう明治時代の日本語の上に積み重ねる形で発展してきたと僕は考えています。
これも直線的に継承されてきたわけではありませんから、
その過程での変化というか、
歪曲もあると思っています。
〉 お手数かもしれませんが、非常に気になったし、理解に苦しんだので、ご質問しました。
〉 (修正について)
〉 昨夜22:40の投稿に付き、5分間ほどで、句読点その他を、ほんの少し修正しました。
〉 内容に変更は、ありません。
〉 以 上
分かりにくいことがありましたら、
質問してくださいね。
すぐにお答えできないこともありますが、
いずれ近いうちにお答えするつもりです。
(もう一つの質問にも。)
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