[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/24(09:43)]
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2661. Re: 実話系の面白い本、ご存じないでしょうか?(読書相談させてください)
お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/6/20(22:13)
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バナナさんへ、主観の新茶です。
一連の中で述べておられる「村上陽一郎」さんの本のようなノンフィクションについて、誰も触れておられないようなので、書きます。
バナナさんの求める趣旨も、やや不明確なので、以下のような切り口で、返答します。
できるだけ、手短に述べるつもりです。
村上さんの専門は、幅広いが、おそらく主は安全学であり、著書は、専門レポート、概説書、啓蒙書に分かれると思いますが、私が読んだことのあるのは、啓蒙書である集英社新書の「安全と安心の科学」です。
フィクション、ノンフィクションのほかに、専門書の分野があるので、村上さんの著書は、啓蒙書以外は、ノンフィクションとはいえないかもしれませんが、フィクション以外という趣旨で述べます。
あらためて、本などを見て話すのではなく、主に記憶で対処するので、ご了解ください。
上の啓蒙書では、to err is human を前提とし、fool proof(馬鹿でもわかる)、fail safe(間違えても安全)などのシステムを目指します。
fool proofとfail safeは、近時、かなり多くの人に知られるようになった概念です。
論理的帰結として、たとえば、航空機事故が起きても、その原因究明及び新たな事故未然防止が最優先され、原則として、関係者の責任を問うことはしない、という主張になります。
私は、この見解に、個人的には、基本的に賛成です。
しかし、日本の多くの国民は、これに納得しないと言われています。
また、損害賠償及び刑事の実務は、村上さんの見解を、たとえ好意的に受け取ったとしても、少なくとも時期尚早と考えていると思われます。
村上さんの主張は、人間は、努力を尽くしても、どういう場合に失敗するかを考えますから、畑村洋太郎さんの「失敗学」にも結びつきます。村上さんは、畑村さんを援用しています。
畑村さんの「失敗学」は、いくつか啓蒙書が出ていて、私も、読んでいます。
ここからが、本題ですが、お二人の主張は、リスクをどう考えるかということを前提とします。
リスクに関するノンフィクション系となると、多くなるはずです。
リスクは、客観的リスクと、リスク認識に分かれます。
リスクは、リスク認識とは異なる概念だという言い方もします。
リスクは、リスクeventの大きさ × 発生確率probability です。
リスク認識は、客観的リスクをどう受け取るかという 主観的な問題です。
このうちのどの場合をどういう切り口で読みたいかによって、異なります。必ずしも、読みたくないものを紹介するおそれがあります。
一つのエピソードを手に汗を握って、ドキドキして読む、という本もあるかと思いますが、この種の本は、少なくとも、いくつかのエピソードを読むという方が普通の気がしますし、啓蒙書、それから、概説書といった本になっていくのだと思います。
そうなると、ドキドキとは、少し違います。
たとえば、啓蒙書で、同じ集英社新書の「リスクセンス」は、翻訳物です。
英文の題名は、リスクセンスではありませんが、原著を取り寄せて読むことができます。
それでは、また
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