[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/24(12:07)]
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お名前: ドラちゃん http://dorataoku.blog37.fc2.com/
投稿日: 2008/6/14(03:38)
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バナナさん、こんばんは〜!ドラです。
お返事ありがとうございます♪
バナナさんが書かれていた『芸術家や学者等の交流の「場」の歴史的変遷』
っていうのは、とても面白いテーマだと思います。
ただ、この領域は主に文化史・芸術史・音楽史の学者の領分だったりする
んですが、私が思うに、彼らの著作は学術的には意味があると思うんですけども、
その「場」の空気・雰囲気といったものを伝えてくれる様な本はなかなか
無いように思います。
# たまに、伝記を書いている対象の作曲家などに
# 明らかに惚れ込んで・傾倒して、書いているのが
# 伝わってくる様な本もあったのですが、ホントに
# そういう本は希でした。
その「場」の空気・雰囲気を伝えるという点で、私が読んだ中で一冊面白かった
記憶があるのは、作曲家Mahlerの奥さんだったAlma Mahler-Werfelが書いたMahler
の伝記でした。
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/0719518202]
# 私が読んだのは邦訳ですけどね。
この本は、一部事実をねじ曲げて書かれている(確か、旦那の看病に疲れた彼女
が、浮気をしてしまうシーン辺り)という事で、一部では痛烈に批判されている
んですが、彼女は幼い頃からウィーンのブルジョア達と親交があって、とても年上の
Mahlerと電撃結婚する直前までは、やはりとても年上でかつ自分の作曲の師匠でも
あった作曲家のツェムリンスキーと交際していた事もあって、この本は、没落しかけて
いた時期とはいえ、1900年代初頭のウィーンの芸術家達の交際の雰囲気を伝えてくれる
いい本だと私は思いました。
ちなみに、Mahlerはシェーンベルグとも親交があったため、若き日のアルバン・
ベルクもこの本には登場します。但し、ちょっとだけですけどね。
私がそうした本をよく読んでいた時期に思ったのは、そういう目的のためには、
こういう当時のサロンや芸術家達のコミュニティに溶け込んでいる人で、文筆に
長けた人を探してその人の日記や伝記といったものを読むのがいいのではないかと。
伝記にも、その人自身が書いた日記などが引用される事がありますから。
たとえば、ショパンと交際していたジョルジュ・サンドとか。
# とはいえ、私もまだ、この人に関する本は
# あまり読んでいませんが…
あと、ノンフィクションという点からはズレてしまうのですが、一時期売れていた
本として、資料が乏しいバッハの生涯を脚色して、フィクションとして人間バッハ像
を描いた人がいました。
[url:http://www.amazon.co.jp/dp/4886790585/]
私もこれは読んだのですが、なかなかそれらしい説得力があって面白かったです。
まっ、これは余談ですけども。
〉私好きなのは、現代音楽初期(ストラビンスキーやベルクなど)のあたりなのですね。
ベルクの人生はまた地味ですねぇ…この人の音楽自体は私も好きですが。
私が思うに、この人の場合、奥さんが気位だけは非常に高い人だったせいで、
彼の死語も日記など十分な資料が公開されず、そのせいで十分な研究が進んでいない
様に感じています。
ストラヴィンスキーに関しては、残念ながら私はあまり勉強していません。
# 音楽自体は聞いてますけどね。
ただ、この人の代表作である火の鳥,ペトルーシュカ,春の祭典などがディアギレフ
のロシア・バレエ団によりパリで発表された時期(1910年代)は、ラヴェルやドビュッシー
などが活躍している時期とも重なり、彼らの伝記を読んだ限りだと、ストラヴィンスキー
自身も、パリの芸術家達との親交はあったらしいです。
しかし、この時期のパリの芸術家達のコミュニティの印象は、好きなもの同士・気の
合うもの同士が、連れだってどこかのお店に遊びに行ったり、誰かの家に勝手に集まって、
パーティーまがいの状態になったり、といった感じで、それ以前の時代のサロンのような、
求心力を持った・中心的存在と言えるような人物がなかなかいない様な印象を受けました。
# よく名前が出て来る人は、何人か
# いたと思いますけどもね。
まぁ、こんな感じでとりとめないですが、多少の参考にでもなれば。
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