Re: またしても お二方へ:含質問

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2610. Re: またしても お二方へ:含質問

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/5/24(00:32)

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1 こるもさん、Rotasannさん、極楽トンボさん、そのほかの皆さん、こんにちは。
  
  (主観の)新茶です。

  こるもさんの最後の部分に反応します。

"〉ちなみに、Le petit princeの「apprivoiser」に相当する言葉を、数カ国語訳で調べてみました。

〉イタリア語 addomesticare
〉ドイツ語  zahmen (aは、ウムラウト)
〉スペイン語 domesticar
〉エスペラント語 malsovagxigi

2 念のため、これまでも誤解されたかもしれないので、一応ことわると、以下の話は、英語の辞書を引いて述べているのではない。英語の辞書をひっくり返して見ても、以下の総合的な記述内容が、出てくるものではないと思っている。

3 イタリア語 addomesticareとスペイン語 domesticarは、domesticで共通します。
 domesticは、domestic violenceの用語で、日本でも有名ですし、GDPつまり、Gross Domestic productでおなじみです。前者は、家庭内の虐待、後者は、国内総生産です。Gross National product国内総生産に代わって、1993年から使用されている。
 しかし、domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。
 Domesticのうち、ticは、形容詞化の接尾辞、estは、おそらく近代英語の動詞の現在形などの語尾変化であるから、中心は、domである。
 このドムの響きは、力で、何なら逮捕拘束して従わせるぞ、という響きだと思う。
 英語は、言葉の響きが、意味を付与する傾向が、邦語より顕著に強いと思う。
 dominantなんで、典型的な力による支配服従関係の言葉だと思われる。
 しかし、一国を支配できるほどのmonoな力ではない。国王、貴族、封建領主の重畳関係の支配であり、これに教会が絡む支配である。ある農民から見れば、ある日は、国王のため、ある日は、貴族のため、ある日は、近在の領主のため、ある日は、教会のため、そして、ある日は、自分のために働くのである、というような表現をどこかで見たことがあるが、まさにこれに該当しよう。
 だから、domの接尾辞の造語は、重畳的支配関係の制約がある範囲しか使用できない。 キリスト教の支配は、常に単独ではあり得ず、重畳内の1つの支配にとどまるから、その支配は、Cristiandomといえる、kingdomは、小国、それも独立国といえない国と見なければならない。
 しかし、もともとは、家庭の支配関係に由来するから、家庭でわがままな小君をからかって、〜domと命名して良いと思われる。
 英語は、日本語に比し、造語が多く可能な言葉であり、かつ、教養あるnativeが造語する発想を身につければ、我々日本人も、教養あるnativeがうなる造語ができるはずである。
 なお、globalに反対し、regionalという考え方があるが、これは、国を超えた単位を指すから、domとは、概念が異なる。
 また、今、日経新聞の「私の履歴書」において、民俗学者の谷川健一が、浜辺で採取した魚のうち、一定の余り物について、誰でも採取して良かったと述べて懐かしがっているが、これは、日本独特の浜辺の入会権で、山林の入会権と同種の発想であろう。
 入会権は、一種の集団的共同的土地利用権であるから、domの思想とは、全く異なる。
 これと同時に、日本には、二君にまみえずという発想があるから、戦国時代でさえ、domの関係はなかったと思われる。
 結局、日本には、domは、なかったと思われる。
 以上から、domは、一応穏健な関係を示すtameとは、形の上だけでなく、意味の上でも、語源が違うだろうと思う。

4 これに対し、ドイツ語zahmen は、zの発音tsにおいて、tもsも口の先で舌を操作する発音である。だから、同じような近い舌の操作から、2個の発音を続けて言いやすいし、逆に、また、省略しやすい。そこで、sを除外すると、tahmeであり、hを除けば、tameである。
 だから、発音の面から見て、英語の発祥地であるドイツ=ゲルマンの単語zahmenは、tameと同じ語源であると推測される。

5 最後に、エスペラント語 malsovagxigiであるが、エスペラント語は、接辞語を多用し、ラテン語系など古い言葉の語源から、単語を新たに作るのであるらしいから、それを前提とすると、malは、英語の接頭辞と同じであり、あまり良い意味を持たない。
 sovagは、英語のsoverignに似ている。語感としては、たとえば、統治だ。権力者のことを客観的に表現しようとする語感だと思う。igiは、よくわからないが、名詞の接尾語であるtion,つまりxion であるという気がする。

6 以上のことは、「こるもさん」の記述を見て、速やかに発想できるのだが、これを文章にすると、時間がかかるね。
 書くと、頭の中が整理されるが、書く時間が、もったいないという気がする。
 言い尽くせいない面もある。
 そこで、たいていは、心の内で考えて、いつも、疑問を留保している状況だ。
 私は、大学1年のころまでは英語をしたが、それから、仕事でも私的にも約30年英語を扱わなかったから、一種のunlearnの状態になったと思っており、以上のような仮定を推測するのは、かなり楽しい。
 今日述べたことは、おそらく、本質的には、正解だろうという気もしているが、細部では、誤解があると思う。
しかし、本質的な部分も、間違う確率も、もちろん排除できないし、正解が知りたい。
 ここで正解というのは、物事は何でもそうだが、正解も、反証を受けるまでの、一つの仮定に過ぎないのであることは、案外、人が意識しない。

7 したがって、以上の点は、ご専門の方が、厳密さを要求せず、気軽に、わかりやすく、かなりの長文で、書いてもらうのが、我々の学習になると思う。
 我々は、大なり小なり、ある単語を見て、その外延というか、語感というか、日本語と1対1の対応ではない、その外国語のイメージを仮定する。
 それが合っていれば、読解でも、会話でも、応用力ある使用法ができるはずである。
 Ryotasanさんをはじめ、英語に深い素養をお持ちの方に,是非、コメントがほしい。
 また、私のように、政治経済法律など、英語以外の知識及び実務経験から、逆に英語を理解するコメントもほしいと思う。


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