[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/23(20:51)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/25(00:04)
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Ryotasanさん、こんにちは。
〉僕がイタリアものと呼んでいるのは、イタリアを舞台にした Romeo and Juliet や Two Gentlemen of Verona、The Merchant of Venice、Much Ado about Nothing、Othelo などです。ほかにもまだあるかも知れません。
シェイクスピアの場合、イタリアものと言っても実際のイタリアを描いたと言うより、単に地名として出てくるだけ程度の内容なので、イタリアらしさを強調してもしなくても成り立ちます。
〉和風の演出は日本語の台詞と相性が良いのだと思います。「テンペスト」は、すでに申し上げたように、ミラノの公爵で魔法使いでもある人物が追放され、孤島で暮らしているという設定ですが、能の様式を確立した世阿弥が佐渡へ流されたことと重ねて蜷川さんは演出したのかもしれませんね。(世阿弥は魔法使い?)
確かにそうですね。佐渡とプロスペローの流された孤島が重なります。世阿弥までは思いつきませんでしたが…。
〉シェイクスピアの戯曲は、As You Like It など場所を特定できない例外もありますが、かなり多くは、地球上のどこが舞台なのか、人物たちがどこ出身なのかを、台詞に出てくる地名で分かるようになっています。観客を遠い世界へ連れて行ってくれるような疑似体験として上演されていたのではと僕は感じているんですが、最近の舞台上演では、そういう効果をあまり重視していない様ですね。
地名は「出てくるだけ」で、その土地を特定するような、物語の場所を限定するような描写には乏しいです。シェイクスピアの時代はイタリアの地名が出てくるだけでエキゾチックなイメージがかきたてられたのかもしれません。
やはり最近の演出ではシェイクスピアが遠い世界のお話ではなく、普遍的な人間の感情や行動を描いていることを感じさせることが多いです。私はシェイクスピアにはこうした舞台で触れてきたためか、「古典」というイメージがあまりありません。シェイクスピアが古典とか、難しいとかいうのを聞くと「?」状態になります。
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