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お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/19(01:06)
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Ryotasanさん、こんにちは。
〉全体として、杏樹さんは Hamlet を、日常語で演じられる歴史劇のように捉えてらっしゃる印象を受けました。勿論、そういう上演のしかたがあっても良いし、20世紀以降の上演のしかたとしては、その方が自然なのかも知れません。
私は単に「芝居」として見ているだけです。
Ryotasanは「文学」として見ている度合いが強いようですが。
〉Hamletの原文に限って言えば、どの台詞も舞台で朗々と演じることを想定して書かれており、芝居がかっており、見栄を切るような演技が合います。それは古典劇として自然なことだと思います。勿論、そういう範囲での演出は限られてきます。
〉オペラの音楽をポップス風に編曲し、ミュージカルとして上演するのと同じように、現代語の散文劇として上演するのであれば、おっしゃるような再構成が必要になるし、そういう方法ならではの面白さもあります。「モーツァルトのオペラはブロードウェイでの上演に適さない」と主張する人がいても、僕は反対しません。
オペラは楽譜がありますから、曲を大きく変えることはありません。演出として現代風の衣装やシュールなセットを使ったりして上演することはありますが。
ただ、シェイクスピアは「ハムレット」に限らず、他の芝居に比べてずっと自由な表現が出来るんです。例えばチェーホフなら当時のロシアの時代背景がないと成り立ちません。基本的な時代や国の設定があり、それを越えて上演するのは難しいのです。
しかしシェイクスピアはどんなに時代や国を越えた表現でも成り立つんです。それは時代や国にしばられない普遍的な人間の姿が、他の芝居よりもずっとはっきり表現されているからです。
「リチャード3世」のような実在の人物の芝居でも、歴史上の人物としてではなく、強いコンプレックスゆえに人を陥れてでものしあがろうとする野望を持った一人の男の成り上がりと破滅の物語、として見ることが出来るんです。
ただ、それでも現代の衣装で、現代の「自然」な口調で演じた「ハムレット」には少々無理がありました。現代の自然な言葉にはなりえなかったのです。しかしそれを逆手にとって、叫んだり、わめいたり、あばれたりなど大げさな表現をしたものはけっこうはまってました。
芝居のセリフは登場人物の心を表すものです。心から出た言葉としてセリフが口から出て、それを周りの人物が受けて反応して次のセリフになります。そうしたセリフやしぐさ、表情によって感情のやり取りが生まれ、登場人物の心情が変化していき、状況が変化していくのを感じられるのが芝居の面白さです。シェイクスピアは時代背景にこだわらないで演じられる分、登場人物の心情や性格がより強く感じられるお芝居になるんです。
〉またもや、やめられない展開になってきましたが、別スレッドにした方が良いかも知れません。
うーん、どうでしょう。そこまでずっと引っ張るつもりはないのですが…。今回もつい語ってしまいました。なんとか収まらないでしょうかね。
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