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お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/12(00:56)
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Julieさん、Ryotasan、こんばんは。
〉〉〉「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
〉〉〉思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
〉〉〉緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。
〉〉〉狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
〉〉〉政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
〉〉〉このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
〉〉〉と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。
〉〉観ていません。ああくやしい(T-T;)。
〉〉1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。
〉Ryotasan、すごいー!
〉Arden版って1ページの半分くらい注釈のやつですよね。
〉それであの映画を観てないのは、うーん、わたしもくやしい〜(笑)。
〉そして、もっとくやしがらせちゃうかもですが(爆)、
〉立ち聞きされている気配に気付いたからという解釈は、
〉この映画が初めてじゃないでしょうか。(違ったらごめんなさい)
初めて、とはいえないでしょう。むしろ今ではその解釈の方が一般的だと思います。映画だからより細かい表情に焦点を当てた見せ方をしたのでしょう。
と、いいますのは、ハムレットは、父の復讐を果たすのに本心を隠すために頭がおかしくなったフリをしています。しかしオフィーリアに声をかける前に例の有名な「To be, or not to be」から始まる独白がずーっとあって、ハムレットが悩んでいることがわかります。
そこでオフィーリアに声をかけますが、ほとんど一人芝居と言うほど一方的にしゃべりまくり、行き過ぎと思えるほどの狂人ぶりを発揮します。少なくともオフィーリアだけに話しかけるにしては行きすぎです。さっきの悩みはどこへやら?というほどです。これはやはり立ち聞きしているクローディアス王とポローニアスにわざと聞かせるため、と考えるほうが自然です。
この映画は「ハムレット」がどんなお芝居か、ということを余すところなく伝えてくれる素晴らしいできばえだと思います。ただ、ケネス・ブラナーはちょっとおじさんがはいってて「二枚目度」が足りないのが、私には残念に思うところですが…。
「二枚目度」というなら、ローレンス・オリビエはかなりの二枚目ですが、映画を撮ったときは少々お年を召していたのがこれまた残念です。といってもおじさんくさく感じるほどの年寄りではありませんが。落ち着きのある年齢に見えてしまうんです。もっと若いときに撮影できなかったのかと思います。
私はハムレットは若くて突っ走ってあらぬところへ行ってしまうような勢いがあるような演じ方の方が合うように思います。やってることはけっこうムチャクチャだし、脈絡ないし、マザコンだし…。
こういう話になると、つい熱く語って止まらなくなってしまいます。
ではこのへんで…。
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