多読を初めて満一年-近況報告です

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS めざせ100万語 交流の広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/7/19(22:43)]

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[報告] 8202. 多読を初めて満一年-近況報告です

お名前: shin
投稿日: 2002/12/19(19:29)

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shinです。
少し前に500万語を通過しました(ここにかいちゃっていいのかな?)
このHPを知ったのがほぼ一年前のこの時期でしたから、一年で500万語
読んだことになります。
ということで読んだ本と感想を・・・。
       * * * * *
<300万〜400万語>
Butterfly(V.C.Andrews) 170p
読みやすかった。シリーズの第1話。ただ、続きはまだ読んでいないです。

Martian Chronicles,the(Bradburry) 182p
 ブラッドベリを原書で読むことができるなんて!感激。詩情豊か。

Serch,the(Iris Johansen) 311p
この作者の数作品は登場人物がかなり共通しているようで、ある作品では主
人公だった人が、別の作品で脇役になるらしい。一話完結になっているので、
前の作品を読まなくても読める。レベルはシェルダンと同じだと思うが、それ
よりはソフト路線。
 ここまでくるとこの手のはお腹いっぱいになってきました。

Henry VIII and his six wives (OBL2)   
White Mountains,the (PR3)  
MTH #7
Aladdin and the enchanted lamp (OBL1)    
David Copperfield (PR4)    
No mail for Mitchell (Step into Reading 1)  
Bones (Step into Reading 1) 
Toad on the Road (Step into Reading 1)  
MTH #8
Counting Step (Step into Reading 1)       
Little Bear (I CAN READ BOOKS 1)  
Escape North! (Step into Reading 3)  
Sherlock Holmes and the Duke (OBL1)  
Hansel and Gretel (Read it yourself 3)     
しばらく箸休めしました。                

IT(Stephen King) 1,090p   
活字がびっちりで数ページ読むと手が汚れる。     
 1ページあたりの活字量はハンパじゃなかった。     
 読んでよかった。英語で読めるようになるなんて信じられなかった。                 

Wild Swans(Jung Chang) 676p  
途中で止めていたが、"IT"が読めたあとするする読めた。

Tuesdays with Morrie 171p
フィクションのようなノン・フィクション。「死」という素材を清潔に調理
したような感じ。でも、そういう中にはっとする場面がある。佳作。

Millions of Cats(Wanda Ga'g) 絵本
箸休めしました。

American Pie(Kay Hetherly) 91p
読みやすいエッセイ。

Horse Whisperer,the (PR3)
 映画は映画、これはこれ。二度楽しめてよかった。

Reader,the(Bernhard Schlink) 216P
ドイツなどではベストセラーになったという本の英訳版。Amazonの書評でも
好意的だし、脳学者の養老さんや、私の好きな映画「永遠と一日」の字幕をや
っていた作家の池澤夏樹氏が褒め称えていたので読んでみたが・・・。
 20歳ほど年上の女性と男(出会ったのが15歳のときです)の話。二人は
深い関係になるが、やがて彼女は失踪。その後法科の学生になった男の子は、
ナチ協力者を裁く法廷で彼女と再会。彼女は被告だったのだ。彼女には人に明
かしたくない秘密があったのだが・・・。
 the Readerというタイトルがその秘密に関係しているのですが、サスペンス
ではないです。さわやかな感動もない。やっぱり重たい話、なんでしょうか。
 エンディングも、乾いた終わり風。
 私には、主人公の男が、読者をうんざりさせるほどに彼女の姿に迫りきれな
いで、自分の側でベタベタと相手を誤解している物語にしか思えんかった。
 彼女の癒しがたい闇と、男の甘ったるさのギャップが作者の狙い、なわけが
ないはず(と思いたい)。
 正直、これが友人の体験ならだまって聞こうが・・・。身銭を切ってまで聞
きとうない、と感じた。
 書評になってしまった。

<400万〜500万語>
Solo Survivor(Koontz) 403p
クーンツにして<死後の世界>にネタにするとは。読みやすい。

Hearts in Atlantis(King) 672p
前にも書きましたが長中短編が集まっているような感じ。2つめの中編
で、"I"になっている人が変わっちゃうのでとまどう。内容もベトナム戦争時の
大学生活になっていて、当時の感じがかすかにしかつかめない。いつ最初の物
語の男の子がでてくるのかストレスを溜めながら読んだ。
 予備知識なしによくも英語で読み通せたものだと、本筋に関係ないところで
自分に感心してしまう。

Reason for Hope(Jane Goodall) 277p
今西錦司率いる京大サル学派と渡り合ってきたリーキー博士グループの才媛
Goodallさんの口述自伝(といってもそういう話は一切出てこない)。
副題がa spiritual jurneyというところがミソ。
グドールさんは、ある種あらまほしき人。
痩身の独身美人。歳をとっても、こういう歳のとりかたはいいなあ、と女性
でもないのに思ってしまう。チンプと写っている写真や番組を目にした人も多
いはず。
高校を出て就職、たまたまアフリカに遊びに行ってリーキー博士に見出さ
れ、チンパンジーの参与観察で次々に世界的発見を重ね、ケンブリッジ大の教
授に(後に辞職)。2度の結婚と離別。
なんというか絵になる人なんです。
そういう人が書いたa spiritual jurneyですからね。
生き物や自然との一体感とか自分の神秘体験なんかもかかれています(そう
いう素質のある人だからこそ、日本人のように、チンプの個体識別が自然にで
きたのかな)。
ソフトなカリスマを感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
でも、ありていにいえば広告塔にぴったりの人なんです。そこが危ういなあ
と感じました。シャーリー・マクレーンまではいかないにしても。絵になりす
ぎちゃって本人も困っているんじゃないか(役にはまりきっているかもしれな
いけど)。
読んでいて、リーキー博士がゴリラ研究に投入したダイアン・フォッシー
(シガニー・ウィーバー主演でその半生が映画化されている)と思わず比較し
てしまいました。
この二人、光と影のような関係だなあ。
 それに、今西錦司の晩年と比べると・・・。チンパンジーの子殺しについて
の伊谷純一郎の理論とグドールさんの見解を・・・。まずい、これも書評にな
ってしまう・・・。
 かき出すときりがないのでやめます。

False Memory(Koontz) 818p
マインド・コントロールが題材。これほどまでに長くてつまらないKoontzは
はじめてだった。ずっと前に書かれた同じ題材のB級の作品のほうがまだよか
った。
 ネットで評価を調べたら「珍味」という評があった(笑)。
 洋書コーナーで普通は1,580円あたりの値札がついていても不思議ではなかっ
たのに800円だったのもここに理由があっのかも。

Passage(Connie Willis) 780p
ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の名だたる賞を受賞。邦訳版の帯に
は宮部みゆき、瀬名秀明が大推薦。これほどならきっとおもしろいはずと原著
(邦訳でなくてすいません(笑))を買う。
臨死体験の正体とは?っていうやつなんですが、だらだら長い。話の腰はし
ょっちゅう折れる。仕掛けも驚きが少ない。第三部に入りテンポが早くなって
読ませるものの、読み終わって「わたしゃ、臨体験のそんな正体を知りたくて
読んだわけじゃありません」と言いたくなる。ずいぶんと欠陥が多い作品だと
思った。
エンディングもこのコンセプトならあの後、もう一回出来事があるはずだ
が、中途半端な感じ(その出来事まで書いたらミもフタもなくなるだろう
が)。こういうアプローチでは臨死体験の正体どまりか。泰山雷同鼠一匹、だ
ったか。そんなに面白いかなあ?というのが正直な感想。

 ほかの本では、場面展開のところでパラグラフとパラグラフに余白を設ける
例が多いが、この本では場面をどんどんつなげているため段落間の余白はゼ
ロ。読むのにやや疲れるかもしれない。

Way Station(Clifford Simak) 189p
周りは戦争だ何だと騒いでいても、舞台はしずか。田園SFというらしい。
Simakはいいなあ。amazon.jpで"City"が品切れ中なのが残念。

If only it were true(Mark Levy) 216p
軽いタッチの恋愛映画を見ているよう。ラブ・コメ風あり、心に残る台詞あ
り。英語もやさしい。

       * * * * *
 報告というよりも、感想かきまくりになってしまいました。すいません。
 で、雑感です。

1.
 500万語あたりにくると、語数のほうを意識することもなくなってきて、
次に何を読もうかに関心が移っていくような気がします。
 もっともそれができるようになったのは、語数という指標をもとに読んでき
たためなのですけれど。

 ついに語数も背後に隠れていくような感じです。
 先は続くと思いますが、日本語並みの読書に向って、新しい段階に入ったと
いうことでしょうか。そんな感じがします。
 
2.
 PB読みという点では、私の場合、330万語あたりが飛躍点だったようで
す。
 そこから500万語までは、意図したわけではありませんが、結果として長
い本がコンスタントに読めるようになりました。同時に、長い本が読めたのは
フロックじゃない、ということを確認する道のりになったと思います。

 大衆小説なら、好みの分野さえあえば、どんな厚さの作品でも読めるだろう
と感じるようになりました(もちろん難しいのはありますが)。 

3.
 今回、残念だったのは、読んだ本たちが少数の例外を除いて、どうも内容が
今ひとつだったことです。
 今までならSSSの三原則に従い「面白くなくなったら途中でやめる」に従
っていたかもしれないのですが、今回は、この禁をやぶることになりました。
 読後は、どうもなあ、という感想の本が多かったけれど、作者は最後まで読
ませる力量があったということもあるでしょう。
 そういう理由はあると思いますが、それに加え、途中でやめないで読めてし
まうくらいに力がついてきたことも大きいと思います。

 もちろん、日本語で日本語の本を読む早さとは違いますが、読めば読むほど
早くなっているように思います(でなければ大部の本は読み切れないと思いま
す)。
 早さは、語数より前に計るのをやめましたが、背後には隠れているような感
じです。
 この点でも日本語並みの読書感覚に向けて歩みはじめているようです。

4.
 当たり前のようにPBを読んで、つまらない本にケチをつけている今です
が・・・。
 考えてみれば、この掲示板を知ってほぼ一年です。
 一年前に、上にある700−1000ページくらいのPB5冊ほどを目の前
にだされて、「一年で、いやあなたは社会人だから、三年、場合によっては五
年かけてもいいから全部読んでみなさい」といわれたら読めただろうか。

 きっと、従来パタンだと、最長の執行猶予期間5年で読む計画?をたてて、
総ページ/365×5(日)でわり算して、一日3ページ・ペースで読めば5
年で読める!、と計算まではして、さらに最初のうちはそのペースで読むこと
ができるものの・・・・。やがて、忙しくなったり、つまらない展開になった
りして意志がくじけ・・・・。ああ、やっぱりダメだった。という結果になっ
たことは間違いありません。
 そういうタイプの人間が読めるようになるのだから、すごい方法だと思いま
す。

 もっとも、私の場合は前にもちょっと書いたのですが、この一年、読める環
境にあったので社会人の中でも特殊な条件にあったと思います。「一年で」と
いうことに目を向けず「500万語」あたりでどこまで読めるかということでみて
もらえればありがたいです。

 ここまでくると、出版の早さも、値段も、翻訳よりPBのほうが優れている
ので、早くて、安い、ということが多くなってきてます。

5.
 読む方はこんな感じです。
 ただ、読む方が面白くてどこまで行けるのか熱中してしまって、シャドー
イングはあまりしなかった。そうすると読んでいても、頭の中ではやっぱり
ベタベタの日本語風発音で読んでいるんです。
 聞くほうもあまりしなかったのですが、これは、かなり聞けるようになっ
てきています。
 読むと聞くだけならこれでもいいかもしれない。
 当然ながら使うためには、読書とシャドーイングと書くことをうまくバラン
スさせないいけない。わかってはいたけれど、これはまずい!

 ということで、これからは、読む方の比重を軽くして、シャドーイングと書
く方に重点を移そうと思っています。

 1年間のお礼と、近況報告でした。長々と失礼しました。
 


▼返答


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