[掲示板: 〈過去ログ〉SSS めざせ100万語 交流の広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/25(13:41)]
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〉原稿書きで苦しんでいて返信が遅れています。
〉ごめんなさい。
〉忘れていることが山ほどあります。ご勘弁を。
そんなに恐縮していただかなくても。忘却は健康の母ですから。
)お読みになったレベル4,5,6の本で
〉特におすすめというものはありますか?あれば題名だけ
〉で結構です。お教え願えませんか?
先生の本に、GRはやや大人が読むには内容が物足りないことがあるとありましたので、そのあたりを多少でもカバーしている本を推薦します。
Cambridge English Readers
Level 4(1900 headwords)
タイトル;The Fruitcake Special and Other Stories
著者;Frank Brennan
分野;短編集
内容;1The Fruitcake Special
香水の開発に携わるAnnaは、香料を調合中に、何の気もなしに、お弁当に 入っていたフルーツ・ケーキをひとかけら混ぜる。Annがその香水をつけた
とたん、男性たちはAnnaに夢中になる。不思議なフルーツ・ケーキの秘密 とは・・・。
2The Real Aunt Molly
優しくおっとりとした性格で、家事にいそしむMolly叔母さん。しかし、相
補いあっていた叔父が急死してしまう。家事のこと以外に関心もなく、外
出もしない叔母のことを周囲は心配し、気晴らしのために、なんとか外出
させようとする。人気TV番組のスタジオ収録につれだしたまではよかっ
たが、催眠術の実演が始まって・・・。
3Brains
知能を飛躍的に向上させる薬を開発し、Ph.D.sの取得をめざす科学者
Gina。彼女は研究資金の援助を受けるために、Mr.Dimitriの面接を受ける
が・・・。
4The Book of Thoughts
シンガポールの大企業に勤めるエリート社員Chestr。ある日彼は、偶然、
The Book of Thoughtsという本を入手する。その本を開くと、そばにいる
人の考えが浮かび上がってくることに気づいたChestrは・・・。
5Finders Keepers
考古学専攻の大学講師のHarry Chenは、出土した陶磁器のうち、人目につ
きにくい小品をこっそりと自分の家に持ち帰り、コレクションに加えてい
た。ある日、Harryは、調査中の陶磁器を誤って割ってしまうが、破片に混
じって、小さい笛が。その笛は、Harryの望みを叶えてくれる驚くべき機能
を備えていたが・・・。
感想;それぞれにおもしろい小品集。The Real Aunt Molly、Finders Keepers
は特におもしろかった。Brains以外の四編は、笑える箇所が必ずどこかに ありました。
この他、「When Summer Comes 」(Helen Naylor)は、ちょっときわどい不倫モノ。最後は、突然「ジャン、ジャン!」というキレのいい終わり方をします。ただ
し、adult content(高校生以下お断り)です。推薦はしますが、良い子ものでは断じてありませんので、要注意です。
「The Lady in White」(Colin Campbell)も推薦します。Ghost Storyですが、
おどろおどろしい感じはない。主人公の妻は何者?彼女はどうなるのか?主人公とと
もに不安と心配を共有しながら一気に最後まで引っぱっていってもらえます。
Level 5(2800 headwords)
一番のおすすめは、上記「When Summer Comes 」の作者Helen Naylorさんの作品
です。彼女はオリジナルGR作家としては、かなりのプロですね。娯楽に徹していま
すし、ストーリーに変な破綻がないので、楽しめます。
タイトル;In the Shadow of the Mountain
著者;Helen Naylor
分野;Human Interest
内容;ジャーナリストClare Newtonの祖父は、74年前、マッターホルン
登山中に事故死した。その祖父が氷河から発見されたとの連絡がは
いる。祖父は、事故の数ヶ月前、家族のもとに還ることはない、残
された家族が経済的に困らぬよう手続きをとった、という手紙を祖
母に送っていた。祖父の死は事故死だったのか、それとも・・・。
Clareはスイス・ツェルマットに向かう。
忘却の彼方に流れ去った祖父の過去を探るロマンチック・ミステリ
ー。Clareの恋、ジャーナリストとしての野心なども織り交ぜて物語
は展開していく。一気に読むことができる。大人向け。
感想;私自身は、ウラにある粗筋を読んで、昔見た「氷壁の女(five days
one summer)」(フレッド・ジンネマン監督、ショーン・コネリー主
演)にでてきたエピソードを思いだしました。登山中に事故死した男
が、氷河に閉じこめられてきたため、若い当時の姿のまま発見される。
その姿を、既に老婆になった当時の恋人が嘆き悲しむ、というシーン
でした(実際にはこういうことはあり得ないと思うが)。その記憶が
あったので、この本ではどういう展開になるのかと、ページをめくる
のももどかしいという感じで一気に読みました。結局、こういうエピ
ソードみたいなことにはなりませんでしたが(笑)、大人向け大衆小
説に連なるGRとして、お金を払う価値あり。
この他、「Dolphin Music」(Antoinette Moses)というFuture Thrillerは、
SFアクション好きの人には面白いかもしれません。伝統ある英国distopia小説
風の設定に、アクションSFのノリが加わっています。2051年。地球温暖化
の影響を思わせる灼熱の欧州。統治機構controlの存在とバーチャル・リアリティ
づけになった人々の暮らし。イルカの美しい音色が人々の心を癒していたが、そ
こには人々の知らない秘密が・・・。あまり類をみないジャンルの融合がされて
いて、SFアクション好きの人には珍品でしょう。西洋人はイルカが大好きなん
だなあと思いました。
Level6は、ダントツでThe WitchesとMatildaでしょう。私などが推薦するま
でもなく。老若男女を問わず、それぞれの人が楽しめます。そのことを教えていただいただけでも感謝モノです。GRを読んできてからシェルドンをはさみこの2冊を読みましたが、本当に文のコクが違うことを実感しました。文のもつ音もリズムも身近に感じられ、内容もおもしろい。でも、楽しんだ後に、心に何かを残す作品です。うろ覚えですが、確か、活字の小さい版と大きい版があったように思います。つまらぬことですが、活字の大きい版(puffin novelだったと思う)のほうが、ページの進みが早いので、快読感を味あうことができると思います。
以上です。長々失礼いたしました。
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