受験対策としての多読

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357. 受験対策としての多読

お名前: sakigoro
投稿日: 2002/2/12(01:23)

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多読の効果は認めるものの、受験対策に間に合わないのではないか、
それだけでは不安であるとの意見が多いようなので、私の個人的経験でも
意味があるかなと思い、書き込みます。

私はほとんど多読だけで受験対策を行いました。
具体的には、高校3年になってから、図書館にあった学生社のアトム英文双書を読みまくりました。
これは難易度別に編集がしてあって、見開きページの左側に英語本文、右側に
難しそうなイディオム、単語、文法的説明がしてあるものです。
一番やさしいグレードのものだと、中学生でも簡単に読めるくらいの難易度でした。
Grade Readersを読んだことがないので比較はできないのですが、やさしいグレードのものだと、
基本単語で読めるように編集してあるので、Grade Readersとはかなり近いものが
あるのではないでしょうか。
これが本棚に3段分くらいあったのを、ほぼ全部読みました。
最初はやさしく書きなおしてある「親指トム」のようなものから始めましたが、
最後にはハマトンの「知的生活の方法」やモームの「パーラーの紳士」
のようなものも読めるようになってました。 
もちろん、右側ページの説明の力をかりながらですが。
図書館にあるアトム英文双書を読みつくした後、ためしに、ペーパーバック
(アガサクリスティーの「ナイル殺人事件」)に手を出してみたら、辞書なしでも
なんとか楽しみながら最後まで読むことができるようになってました。

Grade Readersで英語を英語のままで、一定のスピードで読めるようになってきたけど、
大学入試に出てくるようなこむずかしい英文対策を行いたい人は、アトム英文双書のような
ものに手を出してはいかがでしょうか。辞書を引かなくてもすむので、読書の楽しみを
あまり損なうことなく、一定のスピードを保ったまま読むことができます。

現在の大学入試用の英語は長文が占める比重が高いようですし、ほとんどの入試英語は
多読で実力をつけることで難なくパスできると思います。
中には京大の英語のように、極めて難解な英文解釈を課す大学もあるようですが、
そうした大学にどうしても入りたいというのでなければ、もっとまともな入試問題を
出す大学を志望すれば良いのではないでしょうか。
私自身は、上智大学のロシア語学科に入学しました。

大学入試の為に学んだことが本当に役にたったとなかなか思えない中で、
英語で読書できることは貴重な生涯の財産になります。
私はこの時の経験がもとで、英語で読書する習慣が身につきました。
英語とはあまり関係のない職についてますが、New York Times Bestsellerのタイトルを
直接読むことができるのは、読書好きには堪えられない喜びです。

英語は読むだけで、英会話とかには興味がなかったのですが、2年前に、ひょんなことから
ポケットラジオを人からもらい、何気なしにAFNにダイヤルをあわせたところ、学生時代には
聞き取り不可能と思われたAP Network Newsがわかりそうな気がして、一週間ほど
聴きつづけてみたところ、突然、ほとんどすべてがわかるようになって、驚くと同時に
英語学習が楽しくなってしまいました。
TOEICというものがあることを知り、ためしに受けてみたら、970とれました。
英語学習に目覚めてから、ネイティブと会話をしてみましたが、つたないながらも
会話は途切れることなく続けることができます。 相手も、それなりに私との会話を
楽しんでいる様子。
何もかも多読のおかげと思ってます。
もちろん、読み、聴き、話し、書くという四つのスキルをバランスよく伸ばして行くためには
それぞれのスキルを鍛える必要があることは間違いないとは思いますが、たくさん
読むことが、それらのスキルの強固な基盤になることを確信しています。

最後に多読で語彙力がつき、読書スピードがついたら、
生の英語をたくさん聴くことを、個人的経験からお勧めします。
読んで聴いてわかることが、実用英語の第一歩と思いますし、会話は相手が
なければできないけど、読み聴くことは、日本にいても、自分の興味のおもむくまま
触れることのできる、妥協のない生の素材が溢れているではないですか。
それと、生の英語を聴いていると、読書スピードも速くなります。
本の中の登場人物が、ちゃんとしたリズム、イントネーションで、もっと
感情を込めて話してくれるようになります。 読書がもっと楽しくなります。

長々と書きこんですみません。多読のおかげで英語学習が楽しくなった、
その喜びを伝えたいとの気持ちからです。
参考になれば幸いです。 


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