多読通信のコラムから・・・

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[報告] 732. 多読通信のコラムから・・・

お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2006/12/14(11:00)

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掲示板を読んでくださるみなさん

最新号の多読通信に下のようなコラムを寄稿しました。
それをそのまま投稿して、SSS英語学習法研究会の顧問辞任の挨拶と
します。

掲示板とオフ会ではなにも変わりません。
これからもどうぞよろしく!

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【4】SSS コラム 「多読は新しい扉を開けて、旅立ちます!」(酒井)
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Contradiction(*) 多読は新しい扉を開けて、旅立ちます!

 11月30日以来、SSSのトップページでも知らせていただいていますが、ぼく
はSSS英語学習法研究会の顧問を辞して新しい一歩を踏み出します。先日の
タドキスト大会ではすでに新しい旅のことをお話ししましたが、このコラムで
も同じお知らせをして、みなさんに多読の未知への旅立ちを祝っていただきた
いと思います。

*****************************

 掲示板でみなさんと知り合ってからちょうど5年経ちました。何度も書いた
ように、この5年間はぼくにとって至福の歳月でした。いまの世の中にこんな
ことが可能なのだろうかと疑うほど楽しくあたたかい場が5年間も続き、これ
からも続きそうです。掲示板はこれからもずーっとぼくの生き甲斐です。
 掲示板は多読三原則、書評ページとともに多読普及の三本柱だとぼくは考え
ていますが、この三本柱の中で書評ページと掲示板を生み育てたのはSSS英
語学習法研究会です。ぼくはそのSSS英語学習法研究会にさよならを言って
新しい扉を開くことにしました。

エピローグ:The Enchanted Place (*)
 SSS英語学習法研究会は古川さん、マリコさん、まりあさんとぼくが5年
半くらい前に立ち上げました。この方々の心底献身的な尽力がなければ多読が
これほど短期間にこれほど広がることはなかったでしょう。とくに古川さんが
ウェブサイトを立ち上げてくださったことはきわめて大きなことだったと思い
ます。また初期の掲示板に三人が積極的に参加してくださったことで、居心地
の良いあたたかな雰囲気が生まれ、それがいまに続いています。また三人は書
評ページの立ち上げにも大変な貢献をしてくださいました。三人が上げた書評
の数々がなかったら、そして古川さんによる書評ページの改良がなかったら、
1万冊を越える書評が集まることはありえませんでした。
 そうした発展の間、ぼくもSSS英語学習法研究会の一員としてハンドル・
ネームを「酒井@SSS」と名乗っていたことを、古い(といっても2年も前
ではないころの)メンバーは覚えていると思います。ただ、発足前からぼくは
この名前は実態にそぐわないと感じていて、そのことは何度も掲示板に書いた
り、講演会で話したりしました。
 とくに当初はSSSの一つのSはSakaiのSだと古川さんは言っていて
ぼくは「個人の名前をつけた方法なんて怪しい!」と反対していました。ぼく
はいつかSSSの名前が変更されると期待してSSSを了承したのでした。け
れども名前は変更されることはなく、昨年の4月に日本多読学会ができたのを
機会にぼくはSSS英語学習法研究会を辞めて顧問になり、そのころからいま
の「酒井@快読100万語!」というハンドル・ネームになりました。
 ハンドル・ネームの変更以後もそれ以前と変わらず掲示板に参加し続けて、
1年半以上たったいま、多読は成長に伴って大きな変化のときを迎えたと思い
ます。

プロローグ: ♪ せーんろはつづくーよ、どーこまでも〜 ♪
 掲示板は成長して大きくなっただけではありません。多読ははじまったばか
りだったので、わからないことだらけでしたが、みなさんはぼくに実にたくさ
んのことを教えてくれました。いまは胸を張って多読はよいやり方だといえま
すが、それはみなさんがさまざまな成果や悩みや知恵を出してくださったおか
げです。
 そしてみなさんは多読がさらに先の世界へつながっていることを教えてくれ
ました。みなさんは学校英語を捨てて、音へ、仕事へ、趣味へ、書くことへ、
図書館探索へ、児童英語へと未知の世界へずんずんずんと分け入っていきまし
た。その自由闊達なこと! 学校の先生でもあるぼくから見るとさわやかでさ
えあります。
 みなさんが書いてくださったこと、あちこちのオフ会で話してくださったこ
と、やっていること、それを集めてみると全体としてある道しるべになってい
るように思えます。それは「こども式」あるいは「ナチュラル・アプローチ」
という道のようです。ぼくはみなさんが指さしてくれるその道を進んでいこう
と思います。つまり「こどもが母語を獲得する過程を、外国語獲得でもできる
だけ忠実になぞってみよう」というわけですね。
 これはとてつもなく異端の考え方で、世の中には「英語を日常的に必要とし
ない日本では、辞書や文法を使う必要がある」という考えが浸透しています。
母語ではないのにこども式で獲得なんて、世界でだれも確かめたことがない!
無茶だ!! というわけです。
 けれどもそれを言うなら(for that matter)、多読三原則だってだれも言
い出さなかった・・・ ぼくは多読で味をしめてしまったので、だれも言い出
していない道の方こそよいことが待っていそうな気がするのです。多読のよさ
がたしからしくなってきたので、「辞書や文法と組み合わせたらもっと早く効
果が出るのではないか」という人たちがいます。そうかもしれませんが、それ
はぼくの行きたい方向ではありません。すでにできている道をほかの人よりす
こし速く行くことなんて、ぼくは興味がありません。どんなに無理無謀に見え
てもその先に新しい世界があるかもしれない未知の道を開いていく方がずーっ
と楽しそうではありませんか! それにきっとみなさんが一緒に道を切り開い
てくださるにちがいない!? とんでもない方向違いだとしても、一緒に笑っ
てくれる仲間がいるにちがいない!!!
 そこでぼくはみなさんがくださった知恵と知識を、読むことだけでなく言葉
を使うあらゆる場面で生かす研究をはじめます。新しい出発のためにSSS英
語学習法研究会を離れますが、掲示板上ではいままでと何も変わりません。こ
の投稿を多読の新しい旅立ちまたはプロローグと受け取ってくださったら、こ
んなにうれしいことはありません。旅立ったあとの旅程、脇道、寄り道、おい
しいものについてはぼくのウェブサイト(tadoku.org、現在未完成・・・)で
お知らせします。掲示板とともに、そちらでもお会いしましょう。

これからも末永く、よろしくお願いします!

So they went off together. But wherever they go and whatever happens
on their way, in that enchanted place on the top of the forest, the
little boy and his Bear will always be playing. (*)

みなさん、これからもずーっと、Happy reading!!

*Contradiction、The Enchanted Place、最後の引用はA.A. Milneの
 The House at Pooh Cornerからもらいました。プーさんに感謝します。
*For that matterについては掲示板の「英語のことなんでも」の広場の意見
 募集を見てください。

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▼返答


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