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1908. SSS多読通信第497号(2024/10/18)
お名前: リリー・ローズ
投稿日: 2024/10/19(09:58)
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SSS多読通信 第497号 (2024/10/18)
~読める本、読みたい本をお気楽に~
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【1】今号のお薦め本 「禁書本」 (リリー・ローズ)
【2】SSSニュース (SSS英語多読研究会)
【3】編集後記 編集:リリー・ローズ
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【1】今号のお薦め本 「禁書本」 (リリー・ローズ)
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全米図書館協会や地域の教育委員会が、子供が読むのに不適切と判断して、
図書館に置かないことと決めた本がたくさんあります。今回はそういった”禁書”と
された本を、禁書理由とともに取り上げます。「ダメ」と言われると、逆に読みたく
なりませんか?
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■ Ban This Book YL 5.0 45,952語
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まさに”禁書騒動”をテーマにした痛快な物語、こちらも今年6月にフロリダで禁書
になりました。
小学4年生のAmyは、お気に入りの本が学校の図書室から消えたことに腹を
立てます。教育委員会が「子供に不適切」として、その本を本棚から撤去したことに
納得がいきません。引っ込み思案で、言いたいことが言えないAmyですが、大好き
な本を守るために仲間と一緒に立ちあがります。そして禁書になった本を集めて、
こっそり「ロッカー図書館」を作るのです。ラストの教育委員会での彼女たちの演説に
胸がすく思いです。本書に登場する本は、実際に禁書に指定された本です。
[url:https://www.amazon.co.jp/Ban-This-Book-Alan-Gratz/dp/0765385589/sss-22]
……………………………………………………………………………………………
■ And Tango Makes Three YL0.5-0.7 653語
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ニューヨークのセントラルパークにある動物園で実際に起こった出来事をもとにした
絵本です。2羽のオスのペンギンがカップルになり、一緒に卵を温めて、赤ちゃんが
誕生します。多様な家族の形を描いた、心温まる物語です。
この本は2005年に出版されて以来、ほぼ毎年「異議申し立て」を受け続けている
有名な禁書です。理由は、同性愛や反家族的な内容が描かれているとされるため
です。
[url:https://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014294]
……………………………………………………………………………………………
■ From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler YL 6.0-7.0 30,660語
……………………………………………………………………………………………
『Ban This Book』でAmyの行動のきっかけとなった禁書本がこの本です。ニュー
ベリー受賞作でもあります。
12歳のクローディアは、自分の価値を分かってくれない親にうんざりして、弟を
誘って家出を決行します。行き先はニューヨークのメトロポリタン美術館。二人は
美術館に展示されている、格安で売られてきた、ミケランジェロ作と言われる「天使の
像」に魅了され、その像の謎を解き明かそうとします。
この本は「家出を推奨している」など、子どもに不適切な内容が含まれるとして
禁書になりました。
[url:https://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000013110]
……………………………………………………………………………………………
■ Are You There, God? It’s Me, Margaret. YL 4.0-4.5 30,340語
……………………………………………………………………………………………
1970年出版された、Judy Blume作の中学生向け児童書です。
小学6年生のMargaretは、父がユダヤ教徒、母がキリスト教徒で、自分の宗教を
まだ決めていません。初めてのブラジャーや初潮、異性への興味など、思春期を
迎えた少女の揺れる心情や行動が、家族や友達との関係を通して細やかに描かれ
ています。彼女が悩むたびに心の中で問いかける言葉が、そのまま物語のタイトルに
なっています。
この本も禁書の常連で、宗教や思春期の描写が含まれていることや、反キリスト教
的だとして異議申し立てを受けています。
[url:https://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000019859]
……………………………………………………………………………………………
■ The Hate U Give YL 6.5 95,981語
……………………………………………………………………………………………
アメリカの人種分断と声を上げる勇気を描いたヤングアダルト作品です。
16歳のStarrは、スラムに住みながら、白人の多い私立高校に通っています。
彼女はまったく異なるふたつの世界を行き来する生活を送っています。ある日、
パーティーの帰りに幼なじみのKhalilが運転する車が警察に止められます。
白人警官が、Khalilが銃を取ろうとしていると誤解し、あっという間に彼を射殺して
しまいます。その現場に居合わせたStarrは、大陪審で証言しますが、白人警官は
不起訴となります。物語の結末には心が震えるでしょう。この作品は、実際に起こった
黒人少年射殺事件をもとに描かれ、映画化もされています。
「白人の子どもが罪悪感を覚える」という理由で禁書にされています。実際、
禁書の4割以上が有色人種を主要キャラクターにしていると言われています。
BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動への反動も、大きな影響を与えている
のかもしれません。
[url:https://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000024968]
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【2】SSSニュース (SSS英語多読研究会)
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日本多読学会では、次の要望書をケンブリッジ大学出版局
本社に提出しました。
Cambridge University Press
Shaftesbury Road, Cambridge CB2 8BS, United Kingdom
Dear Sir/Madam,
Subject: Continued Availability of Cambridge English Readers
I am writing on behalf of the Japan Extensive Reading Association
to sincerely request that Cambridge University Press continue to make
your renowned Cambridge English Readers available in print form.
As widely recognised as the Oxford Bookworms and Pearson English
Readers, the Cambridge English Readers series has played a significant
role in supporting English education both in Japan and globally.
Notably, original works such as Let Me Out, Hotel Casanova, Jojo’s Story,
Not Above the Law, Man Hunt, Forget to Remember, and Solo Saxophone
have left a deep and lasting impression on learners, providing engaging,
accessible, and memorable reading experiences. These publications have
enriched the teaching of English, particularly within extensive reading
programmes. We would like to express our sincere appreciation for your
contribution to the field through these outstanding publications, which
stand apart from the offerings of other publishers.
However, it has come to our attention that a number of titles in the Cambridge
English Readers series are either out of print or no longer in stock. This
situation presents a significant challenge to English language instruction,
particularly for programmes centred around extensive reading, as it limits
access to materials that are both effective for language acquisition and
highly motivating for learners.
In light of this, we earnestly request that Cambridge University Press
consider continuing the publication of these graded readers. Should it
be unfeasible to maintain print distribution at bookshops due to profitability
concerns, we would be grateful for the option to purchase them via
print-on-demand services. We sincerely hope that you will consider this
request, enabling us to retain access to these invaluable resources for
our extensive reading programmes.
Thank you for your attention to this matter. We look forward to your
favourable consideration.
Yours faithfully,
Noriko Takara
Chair, Japan Extensive Reading Association
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【3】編集後記 (リリー・ローズ)
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アメリカ大統領選挙が過熱する中、禁書の数がさらに増える勢いです。
禁書の理由としては、暴力描写、LGBTQのテーマ、人種問題、宗教、成長過程の
描写、性的内容、権利や社会活動などが挙げられます。保守派とリベラル派の
分断が、本の世界にも大きな影響を与えていることがわかります。
「壁」を作りたくありませんし、「壁」に立ち向かう力を持つためにも、自由に
本が読める世界であってほしいと願っています。
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多読通信、次号もお楽しみに!
今 週 も H a p p y R e a d i n g !
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