[掲示板: 〈過去ログ〉児童書紹介と書評登録依頼・訂正の広場 -- 最新メッセージID: 411 // 時刻: 2024/11/23(10:42)]
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みなさん、こんにちは。KYOです。 読んでもおもしろい映画の脚本を紹介させてください。 人気映画は対訳本や詳しい解説付きの本も出ていますが、 そういう本は情報量が多すぎて、お勉強モードにはいってしまいそうで 私自身はあまり好きではありません。 映画はとにかく楽しみとして見たいので、お勉強風は絶対嫌なのです。 ですから映画を見ながら、脚本をつき合わせて読んだことはありません。 ストーリやセリフが秀逸な映画は、脚本を独立して読んでもおもしろいです。 以下2冊、紹介させてください。わかりにくい言い回しなどもあるので、 レベル6以上かなと思ったのですが、映画自体が2時間ぐらいで、 読む量としてはト書きを含めても2万語を越えないので、レベル5にしてみました。 『アメリカン・ビューティ』のほうはアカデミー賞を受賞した時点ではどんな映画かまだわからず、 待ちきれなくて脚本を買ってざっと読んだように思います。 どういうわけかラストを読み違えていて、映画を見て "あれえ、こういう結末だったんだ"とびっくりしたというお粗末さ。 再度読んで、この家はuglyでtastelessだったのかとか、 キャロリンが最後にすがって泣いていたのは夫の洋服だったんだとか、気づかされました。 『ノッティングヒルの恋人』は何か仕事の必要から映画を見る前に読む必要があって手に入れました。 ”surreal”という単語を知らなくて、でも現実離れしてるって意味だと思ったのですが、 映画で見たら「シュール」だったので妙に納得しました。 リチャード・カーティスの脚本としては、『フォーウェディング』の方がすごいと思うのですが(文句なく★5つ)、 こちらは映画は何回か見ていても脚本はところどころしか読んでいないのでご紹介できません。 この脚本には映画の裏話がおまけでついていて、これがもう、すごくおもしろいのです。 映画のタイトルは実はこういう別の案がいろいろあったとか、 主演のヒュー・グラントは共演者のアンディ・マクダウェルにベタぼれだったという架空の冗談話とか、 これだけでも一読の価値ありです。 映画の脚本は結構高いので(対訳本とかの方が安価)それが玉にキズですが、 映画で見ておもしろいのはもちろん、読んで味わうのもいいので二重に楽しく気に入っています。 1) Title: American Beauty 2) Author: Alan Ball 3) 出版社名: The Shooting Script 4) ISBN: 1557044236 5) 出版年: 2000 6) ページ数: 128 p 7) 推定レベル: レベル5 8) 推定語彙レベル: ? 9) 推定総単語数:16000 10) 評価: ★★★★★ 11) 書評: 主人公レスターは、家では妻キャロりンや娘ジェーンに疎まれ、 会社ではリストラの対象になり、ミドルライフ・クライシスの真っ只中。 娘のチーリーディングを見に行ったレスターは、あろうことか娘の友人アンジェラに一目ぼれしてしまいます。 会社を辞め、アンジェらの気を引こうとボディビルに励むレスターに妻はうんざりし浮気にはしる一方で、 娘のジェーンは隣に引っ越してきたリッキーという少々変った青年と親しくなり始めます……。 現代アメリカの家族がバラバラになっていくさまを、ユーモラスでありながら乾いたシニカルな視点で描いたアカデミー賞受賞作品。 「出演作はストーリを重視する」という主演のケビン・スペーシーが、脚本を読んで他の誰かにとられたら大変だと慌てたといいます。 脚本を読んでみると、映画では見過ごしていた点に「ああそういうことだったのか」と気づかされます。 映画の作り手が映像として見せたかったものを往々にして観客は見逃している場合もあるようです。 1) Title: Notting Hill 2) Author: Richard Curtis 3) 出版社名: Trafalgar Square Books 4) ISBN: 0340738448 5) 出版年: 1999 6) ページ数: 207 p 7) 推定レベル: レベル5 8) 推定語彙レベル:? 9) 推定総単語数: 17000 10) 評価: ★★★★ 11) 書評: 妻に逃げられノッティングヒルで旅行書専門の書店を営むウィリアムズは、 有名女優アナ・スコットと道でばったり鉢合わせ。 住む世界がまったく違う平凡な一人の男性とハリウッド女優の恋を描いたラブストーリです。 名作『ローマの休日』を思い出させる場面があってなんとも楽しかったりします。 ト書きだけで想像するのはちょっと難しいところもありますが、 映画の写真がふんだんに使われているのでそれが助けになります。 読んでもよくわからないところは、映画で見てもわからないのだなと気づかされます。 逆に音を聞くと、そうだったのかと納得する場合もあります。 脚本を読むと脇の人物がよく書けているとあらためて感心させられる佳作。 12) 推薦者のハンドルネーム: KYO
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