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821. サリンジャーに挑む(1):ばれレベル・・・限りなくゼロに近い
お名前: MOMA親爺
投稿日: 2006/10/21(09:34)
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ずーっと若い頃「ライ麦畑でつかまえて」を読んだことはありましたが、余り印象に残って
なく、ただ名前だけ「有名な作家ですわな」と記憶に残っている、そんなサリンジャーを
今回読んでみました。文庫本「短編小説のアメリカ 52講 こんなにおもしろいアメリカン・
ショート・ストーリーズ秘史 」という本を読んでいて、ショート・ストーリーズなら時間的
にも読めるかもと思ったからです。(これはやはり大いなる間違いであったなあ、ショート・
ストーリーは一期一会の真剣勝負のようで、すれ違うと何があったのかわからないうちに
あっという間に終わってしまう。ははは)
その大いなる勘違いが楽しかったので、感想文を書いてみます。久しぶりのおおいなる衝撃
です。こんな経験は初めてであり、ちょっと感動しました。
かの文庫本は東京出張の飛行機の中で読みましたので、到着後浜松町の駅ビル本屋に早速行き、
いろいろ捜しているうちに目にとまったのが「Nine stories」でした。どっかの文庫本に「ナイ
ン ストーリーズ」ってあったよなとは思いましたが、雰囲気も中身も全く知らずに購入しま
した。薄かったのが一番の理由。
9つの短編のアンソロジーです。題名が凝っているのね。なんのこっちゃらという題名です。
(1) A Perfect Day for Bananafish
(2) Uncle Wiggily in Connecticut
(3) Just Before the War with the Eskimos
(4) The Laughing Man
(5) Down at the Dinghy
(6) For Esm? - with Love and Squalor
(7) Pretty Mouth and Green My Eyes
(8) De Daumier-Smith's Blue Period
(9) Teddy
最初の5つを読みました。昨晩は6つめを読んでいるうちに寝てしまいました。
感想その一:ひゃー、難しい!題名にすがろうと思っても・・・なんなのこれ!
MOMA親爺的難易度分類。
(1)が7、(2)が9、(3)が5、(4)が7、(5)が10くらいかな。
(2)は話の内容が暗いし、どうもやりきれないし、第一難しくて楽しめなかった。ひたすら
「早く終われよ〜〜」と祈ってました。
(5)はこれが難しい。良い雰囲気(そう)なのに、「ごめん、わからん」という感じ。なんとかぎ
りぎり読めるんだけど、まったくの平行線でして、あっちに行きたいのに、行けないという感じ。
本当に難しかった。
(4)は難しいんだけど、小説としては楽しめました。面白かった。好きな話・・とぎりぎり言え
ます。むかし、どこかでこんな内容の短編を読んだことがある・・そんな話だから、いきなり
でも入って行けたのかもしれません。
(3)は、これはですね。いってもいいですか? やさしかった。すんなり読めました。かなりdetail
まで味わえたと思います。面白かった。とりあえず小説として完結しているし、浮遊感が少な
い。
で、(1)です。これはね、衝撃を受けました。一読目は、とても読みにくい小説だったんです。
でも最期に驚きの場面があり、すぐにもう一度読み返してしまったんですね。(なんせ19p
しかない)。なんだか必死に謎解きをしているようなMOMA親爺でした。だんだん面白くなっ
てきました。英語は難しいので、わからないところはわからないのですが、そのうち自分の
イメージがすっかりできあがってしまいました。4回くらい読み返してしまいましたもの。
なぜ、なぜ、なぜ・・にそれぞれ自分なりの理由付けなんかもしちゃうんです。たとえば
「バナナフィッシュってなんだったんだろう?」とか。とにかくこの小説だけは、はまりま
した。これだけで感想文が5枚くらい書けそうなくらい。とにかくイメージがふくらむ小説
でした。楽しい小説では全くないんだけどね。
で、やってはいけないことを私はしてしまったのね。これはとても後悔しています。
このことを含めて、続きはこんどまた・・・。
MOMA親爺
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