Re: ヒストリカル ロマンス 初心者の方へ

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800. Re: ヒストリカル ロマンス 初心者の方へ

お名前: 久子
投稿日: 2006/10/8(21:02)

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柊さん こんばんは

〉 久子さん、皆さん、こんにちは、柊です。
〉 杏樹さんのヒストリカル・ロマンスデビューを読んで、私も何冊か本を買い、今読んでいるところです。
〉 以前からJean Plaidyを読んでいたのですが、この方がヒストリカル・ロマンスというジャンルを作ったという話も聞き、どこがロマンスなのか悩んでいます。Victoria Holt名義の本のことでしょうか。そちらは読んでいないのですが。

ヒストリカル・ロマンスデビュー されたのですね!
一般的に、恋愛中心でハッピーエンドであれば ロマンス と分類されるようです。
Jean Plaidy も Victoria Holt も未読の作家なので よく分かりません。

〉 以前から久子さんにお礼が言いたかったのと(直接勧めていただいたわけじゃないですけどBridegerton読んでいるので)、見たことのある単語が多くて、この言葉私もちょっと言いたい、というので、出てきました。

Bridegerton 読まれているのですね。
私としては、2,3,4巻 が面白くて あとは まあ 並 でした。
8巻は、未読ですが 粗筋からすると 今ひとつかかな と思ってます。

〉〉Governess
〉〉良家の子女,主に女の子のための住み込み家庭教師のようなものです。

〉 エリザベス一世は、governessのキャットがいるのに、他にケンブリッジから先生が教えに来ているのですよ。家庭教師というのは、勉強を見るわけではないのでしょうか?
〉 というか、この時代(16世紀前半)にすでに大学(今の大学とは違ってくるにしても)もあれば、弁護士もいるというところに、度肝を抜かれましたが。lawyerと書いてあるだけでなく、翻訳された本でもきっちり「弁護士」と書いてあるので。
〉 ケンブリッジもオックスフォードも、12,3世紀にできたと、広辞苑にはありました。

一応は 未来の女王だから、帝王学 というか 国を治めるに必要な教育を受ける
必要があったからではないでしょうか? governess は、女性向けの教育
(マナー、外国語、家政、ダンスなど)を行うものです。governess の
教育だけでは 政治、経済など当時は男性向けの教育は身につかなかいと思います。

〉〉courtesan
〉〉有名人? としては 椿姫のビオレッタがこれだったはず。
〉〉頻繁には出てきませんが、適当な訳語がないように思います。

〉〉他に、whore,harlot も似た意味ですが、使い分けているようなので、
〉〉ニュアンスが異なるのでしょう。

〉 エリザベス一世の母アン・ブーリンはgreat whore,French whore(フランスに長くいたので)などと呼ばれていました。もちろん、悪口というか、非難です。Longmanではwhoreの説明の中に使ってはいけない言葉と書いてあります。
〉 母のお腹にいる段階ですでにエリザベス一世はlittle whoreとか呼ばれていました。性別もわからないはずだし、胎児なのになぜ?と思いますが、悪口、あるいは蔑称ということで、本来の意味と離れても使われるのでしょうか。性別は、神が認めない結婚なので、待ち望まれた男の子が生まれるはずがない、というのはあったかもしれませんが。

この場合、whoreは、売女 といった感じで使っているのでしょうか。
日本語でもこの手の言葉は、悪口以外では普通は使わないと思います。

〉〉betroth

〉〉正式に婚約を発表することのようです。
〉〉19世紀イングランドの上流社会では、結婚は家と家の結びつき 双方の一族の繁栄を求めるものです。
〉〉愛だの恋だのとは無縁で通常はきちんと手順を踏んでとなります。

〉 betrothalという形でよく出てきませんか? 16世紀のイングランドでは、(王族の場合しか知りませんが)結構簡単に破棄できるもの、のように見えます。政治状況が変わるたびに、ころころ人を変えてbetrothalが結ばれていました(ただ、ヘンリー八世なので、多分同時代の中でも特殊でしょうけど)。

19世紀の英国貴族のあいだでは、よほどのことがないと解消できないようです。
相手が不貞を働いた とか、経済状態が急に悪化した とか よんどころない事情が
ないと 解消できません。正当な理由無く 解消すると相手の女性が ruin された
ことになるので Duel にまで至ってしまうこともあります。

婚約者に嫌気が差した男性が、その女性を好きな男性に裏から手を回して
二人を駆け落ちさせて、まんまと 婚約解消にこぎつけた なんて話もあるくらい
です。
王族の場合は、また事情が異なるのかもしれないですね。

〉〉Mistress

〉 フランスでは16世紀の私が読んでいる辺りではすでに、国王のMistressというのがいますね。これは、貴族がなっても良くて、あまり体面が悪くなさそうです。日本語の歴史の本では寵姫とか、公式寵姫とか訳されてますね。
〉 アンリ(何世だろう?)に至っては、寵姫のディアヌ・ド・ポワティエを王妃扱いして、カトリーヌ・ド・メディシスは名のみの王妃といわれていました。
〉 ルイ十五世の寵姫のデュ・バリー夫人などは、政治的な事柄にも結構口出ししていたようですね。

だれの Mistress かということと Mistress の出自も重要な印象です。
国王や公爵くらいの身分の人だと、だれも正面切って 批判できないので
社交界でもある程度 認めるしかなかったのでしょう。
爵位なしの Mr や たいした力の無い人の Mistress では、ダメでしょうね。

〉 主に16世紀イングランドと、16,7世紀フランスの本を読んでいますが、政治体制が違う以外にも、宗教的なのか、価値観が違うのを痛感します。正式な結婚で生まれないと、王位継承権がないとか。しかも、正式かどうかは教会で認定する。

日本の婚姻 と キリスト教の Marrige では、意味するところが違うから
だと思います。キリスト教で妻が1人と明確に決まっている国と 妻という
規定が曖昧で人数に決まりが無い国との差なの かもしれないですね。

〉 時代劇が大好きでよく見ていますが、水戸黄門でも大岡越前でも「御落胤」といって、領主の腹違いの弟とかが出てきます。母親が誰でも(もちろん、身分が高い方がいいけど)、父親がわかっていればオッケー、という日本とは、お家騒動の発展の仕方も違いますよね。
〉 でも父親が誰かって、産んだ本人にしか本当はわからないんじゃあ、とも思いますが、これ以上続けると不穏なのでやめます。

産んだ本人でもわからない場合もあるのでなんとも....
まあ、いつの時代でも そういうことはあると思いますよ。
日本の場合、お殿様は側室が何人いてもOK だったので 側室の子も正式な子供だし
母親が使用人でも お殿様が認めれば ある程度 社会的に認知されますものね。

そもそも、下々の生まれの娘が あちこちに養女にいって 最終的にはそれなりの
身分で 側室に ってこともあるくらいなので 根本的に考え方が違うのでしょう。

〉 そうそう、久子さんJean Plaidy読みませんか、と他に読んでいる人がいなさそうで寂しいので誘ってみました。

未読本の山をどうにかしないと、新しい作家に手が出せません。 (笑
Jean Plaidy は、Amazon.com のレビューでも評判がいいようなので興味が
あります。難しそうなのと、内容が少々重そうな印象ですが、いかがですか?
ちなみに、学生時代 歴史を選択していない(私は理系の人)ので、歴史には
疎いほうです。

柊さん も Happy Reading!


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