[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/11/24(04:50)]
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291. Re: マチルダ(読書感想文):Holesに続いて、めちゃネタバレ?
お名前: 杏樹
投稿日: 2003/11/28(00:40)
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MOMA親爺さん、こんにちは。
遅くなりましたが、ついにマチルダを読んだのでネタバレ話に参加できます。
読む前にここでちゃらんぽさんの投稿のタイトルだけ見てしまったので少々警戒しながら読みました。すっきりしない終わり方をしたらどうしよう…と。
が、しかし…私的には感嘆すべき物語でした。
〉★最後のシーンから・・・。★
〉去っていく車のなかで、お兄ちゃんだけが振り返りマチルダに手を小さく
〉振るシーン。生まれて以来昨日まで一つ屋根のもとで生活を共にした妹への
〉突然の別れに対する純粋な切なさの表れなのでしょうが、でも私は「ああ。
〉この子だけはマチルダの生き方に影響を受けているな」とも思い、この家族も
〉ひょっとすると救われるかも知れないと感じました。甘いなあMOMA親爺。
私もお兄ちゃんだけが手を振るシーンは印象に残りました。
〉★ 感想★
〉この物語はマチルダが主人公ですが、読み進めるうちに「いや本当はMiss
〉Honey」の物語ではないのか?と思い始めた小生。Miss Honeyはマチルダに
〉会えたことで救済される、それがこの物語の本筋ではないのか。多くの子供達
〉は初めはマチルダへの共感から、やがて次第にMiss Honeyへのより深い憐憫
〉の情に落ち込んでいくことでしょう。なぜならMiss Honeyの生い立ちのほうが、
〉余程現実的であり、なかには自分の事を書いてくれているのではないかと共感
〉をよせる子供すらいるのではないかと思うからです。
私はですね、「マチルダがハニー先生を救うお話」という解釈ができるなーと思いました。ハニー先生の境遇にはそれだけの「物語」がありますが、やはり主人公はマチルダでいいと思います。
〉『親子といえども、切らなくてはいけないと思ったらスパッと縁を切っても
〉いいんだよ。それで君が救われるのなら。』
〉現実に親子の縁を切れる子供なんて、あるいは切らなければならない状況なん
〉てそうはないでしょう。いや親子の関係でなくてもいいんです。これは象徴で
〉すから。自分を取り込み、呪縛するどんなものでもいい。子供ながらにして、
〉もうすでにあきらめている関係性。一見絶望的なしがらみ。
〉しかしこの本から読みとれる(かもしれない)究極のメッセージがどれだけ
〉子供を楽にするか。特にある種の境遇にいて、逃れられない子供達にとって。
〉そこがダールの言いたかったことではないかと思うのです。
〉この本ではその希望の象徴としてマチルダが造形されたのかな。クールな
〉ダールだから、こちらも思い切りクールに考えてみたい。
そうですね。一見絶対的に見える「親子」という関係。それに異論を呈してみるとこうなるんでしょう。特にこの作品ではマチルダの両親はもちろん、Miss Trunchbullといい、かなり非現実的な戯画化されたキャラクターです。しかも突然超能力を発揮してしまう主人公。非現実的なお話なんですから、マジメに「親子の関係はこんな風に断ち切ってしまえるものかどうか」という議論をするのはナンセンスだと思います。
私は親じゃないので、いい年してやはり子どもの立場で読んでいる感が強いです。子どものことを全く理解しようとしない親とうまくやっていくのはやはり大変です。そういう気持ちを持っている子どもが読んだら痛快な物語かもしれません。
〉★ 最後のシーン再び★
〉Miss Honeyの腕に抱かれるMatilda。この子は生まれてから、ひとに抱擁され
〉たことがあるのだろうか一瞬思いました。あの絵には救われたような気持ちに
〉なります。御多幸を祈っちゃう。
いやーMOMA親爺さん、そんなこと言うとじーんとなるじゃないですか。確かにあの絵はいいですねー。
それでは。
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