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お名前: 道化師
投稿日: 2003/9/22(02:28)
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みちるさん、今晩2回目のこんばんは、道化師です。
〉7巻はそんな風に受け止められたのですね。
〉疎外感なのかなぁ・・・。
〉確かに、自我の目覚めの頃だからこそ、「ひとりぼっち」という感覚は
〉あるのかもしれませんね。。
私の疎外感という用語が、少し乱暴だったかも知れません。
みちるさんの「ひとりぼっち」の方が、近い感じかな。
長い言葉で言うと、ずっとマービンの中で描かれているのは、
「どうして、僕の気持ちが理解されないんだろう」って言う感覚だと思います。
自我の目覚めって、言うのは、解り易く書けば、
きっと、他者には理解されない自分だけの思いを持つ自分に気付く事なのでしょうから。
〉やや、Marvinから離れるかもしれませんが、個人的にはSacharがこだわって
〉いるのは「Freak」なのだろうなと思うんですよね。
みちるさんの書かれている事は、よく解ります。
多様な個人個人の個性って事ですよね?
〉「Freak」は広い意味で、嫌われ者だったり、変わった人だったり、・・・・
〉それこそ奇形の意味もあるのかなぁと。
ただ、私個人としては、この「Freak」と言う言葉には、少し抵抗感があります。
Freakが単独に使われると、まず第一に「奇形」が想像されてしまう。
日本語で言うと、「釣りきち」とか「虎きち」なら、あまり抵抗感が無くても、
「きちがい」と単独で使ってしまう時に感じるような居心地の悪さです。
まっ、そんな言葉へのこだわりはさておき、
〉そして、「Freak」の受け入れというのを書いているのではないかなと。
〉究極的には「Wayside School」シリーズで、これは「Freak」がそのまま
〉100%受け入れられるユートピアな世界のように思うのです。
様々な個性が受け入れられるユートピアなんですね。
この本は未読ですが、Julieさんが明日貸してくれるそうなので、
楽しみに読みたいと思います。
〉2巻は、Marvinの成長というよりは、暗から明への転換になった妹の一言が
〉すべてのような印象がありました。
〉「Freak」ってほんとに「Freak」なの?というような。
〉この辺は、「Bathroom」にも通じるような気がするのですよね。
〉Marvinにしてみると、変だとか駄目だとか思っているようなことでも、
〉ほんとはそうではないんだなというのを知った物語なのかなと。
〉この受け止めは、いろいろなところにでてきますね。
〉そういう意味では、自分だけと思っていたことでも人も一緒なんだと
〉思えたときのように思うのですよね・・・。
〉なので、「疎外感」というのとは、ある意味逆の感想を持ってしまったのでした。
Bathroomの中で、主人公とカウンセラーがモンスターにされていく過程を
話し合う場面がありますよね?
まず、誰かが相手が私と同じGOODを持っていないと言う、
相手への理解の可能性を遮断する事で、相手をモンスターとして扱い、
それが周りの人に広まって、みんながモンスターとして扱うようになって、
扱われていた自分も自分はモンスターかも知れないと思うようになって、
自分がモンスターであるかのように振る舞ってしまう、と言う話です。
これはBathroomの主人公の立場なのですが、
マービンの場合、学年がBathroomより小さいんですよね。
だから、このモンスター過程の前段階にマービンはまだいて、
「他人って、自分とは違うんだ」って言う事を気付く段階だと思うのです。
まだ、自分が他人とは違うとは、思わされていない。
他人が自分とは違うから、自分の思いを理解してくれないんだ
と思っているのです。
でも、他者にも自分と同じ思いがある事を知って、
他者への理解を深めて行くって流れだと思うのです。
だから、マービンとBathroomって、他者理解の方向が、ベクトルの向きが、
丁度反対になっているんだと思います。
〉同じ本でもいろいろな受け止め方があるものですね。
特にサッカーは色々な受け止め方が出来るように、技巧を凝らしていますもんね。
作者の地の文では、決して価値観や、判断を書かない、内部の思いは、
主人公のものしか書かない、結末や肝心な事実の価値判断に付いては、
台詞と行いの叙述に努めて、常に、その解釈をニュートラルな状態にして、
読者の解釈に委ねる、でもその解釈がある一定の方向に行くように、
ミスリードするような伏線を貼って置いて、それをひっくり返す、とか、
かなり計算尽くな感じです。
だから、まるで反対の感想も成立するんだと思います。
ではでは。
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