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お名前: 道化師
投稿日: 2003/9/18(18:18)
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と、言う訳で、やって来ました、道化師です。
(ここから読んだ方、意味不明ですみません。
タドキストの広場からの移行です)
さて、マービンの1巻では、
「自分は、さらわれた王子なのかも知れない」
ってマービンが思う所から話が始まる訳ですが、
そう彼が思う根底に
「妹は一番末っ子で、両親のお気に入りだし、
兄は、何事につけスマートで、クールだ。
それに較べ、僕だけ赤毛だし、
家族には赤毛なんて誰もいないし、
なんか僕だけ他の家族と違うよなぁ」
と言う彼の気持ちがある事が、
カメレオンの将軍との独白の中で書かれていたと思います。
この1巻でのマービンの読み取るべき気持ちは
「王子かも知れない」って言う夢の気持ちではなく、
「僕は、本当は家族ではないかも知れない」
と言う漠然とした疎外感だと思うのです。
もっとも、この気持ちが自我に目覚め始めた子供が
家族との関係の中で誰でも一度は感じる物と言う事は、
マービン君には解らない事ですが。
お話の結末は、「僕は王子なんかじゃなくて、僕の家族は今の家族なんだ」
と言う現実を受け入れる所で、終わりますが、
「家族となんか違う」と言う疎外感が解消した事にはなっていません。
この自我の目覚めによる疎外感が、2巻では友達からの疎外感となり、
これまた自我の目覚めによる自己主張をした事を原因とするイジメで、
(それまでは、クラスで一番のタフな奴に言い張ったりしなかったのに)
表立って現れます。
確かに、話の中でイジメは厳然として存在するのですが、
イジメ自体以上に、それまで仲良くしていた親友二人の態度に
疎外感を感じて、マービンは色々思い悩む訳です。
この疎外感の悩みは、ずっとマービンの中にくすぶっていて、
5巻では、母親との約束を破った事をしかられて、
素直に「ごめんなさい。約束を忘れた僕が悪かった。」と謝れずに、
「なんで僕だけこんなに怒られるんだろう、
だって僕は大統領と話したから、その事に夢中で忘れたのに・・・」
と言うアンフェアだって言う気持ちを抱える事になると思うのです。
こういう流れの中で7巻で、
「あんな急な坂道、怖い、絶対怪我する、嫌だな」
って悩み続けてるマービンの恐れや不安を
父親も母親も相手にしてくれず、理解してくれないで、
「僕は一人だけだ」って言う思いが極限に達するのだと思います。
坂道に向かって一人で行くマービンの姿は、
この疎外感の象徴だと思うのは考えすぎでしょうか?
でも、誰も来て来れなかった坂道に家族だけは来てくれます。
そして、家族だけはマービンを心配し、彼の勇気を認めてくれます。
この時、「僕の事を理解してくれるのは、家族なんだ」
と、今迄のマービンの疎外感が一気に解消するのだと思うのです。
と以上が、みちるさんのご質問に関する私の読解なんですが、
いかんせん、英語力が乏しい中での読解なので、
独りよがりの感想だったら、ごめんなさいです。
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