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お名前: 久子
投稿日: 2008/1/13(19:48)
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こんにちは 久子です。
ヒストリカル ロマンスに良く出てくるけど、普通に多読していると
出会う機会が少ないと思われる語彙の紹介です。
もちろん 歴史ものならロマンスに限らず出てくると思うので ロマンスに
用が無い人でも役に立つかも (^_^;)。
思いつくまま書いているので、順番は適当です。
また、今回も 本を読んで 私がこう思った という 至極いい加減な内容です。
細かい点が間違っているかもしれません。
まあ、このくらいの理解でも 楽しめる という程度でお願いします。
19世紀初頭のイングランドが舞台の本を中心に読んでいますため
この時代限定で考えてください。
詳しいこと 正確なことが知りたい人は、お手数ですが自分で調べてください。
また、気が付いたときに 書き溜めたもののため文体が今ひとつ 整っていませんが
ご容赦ください。また、とても長いです。
以前投稿した一回目を まだお読みで無い方は 先にお読みください。
こちらにある語彙については、改めて説明していません。
788. ヒストリカル ロマンス 初心者の方へ [url:kb:788]
Laudanum
歴史物を読まないと出てこないと思います。
ヒストリカル ロマンスでは、怪我人とセットで出てくることが多い単語。
なんのこっちゃ くらい単語を見ても分かりません。(笑
当然、学校で習う語彙には含まれていないはず。ちょっと自信なし
本から分かったのは
・痛み止めとして使うらしい。
・経口薬らしい。
・多量に摂取すると死ぬこともあるらしい。
まあ、使い方に注意を要する痛み止め という程度で本を読む上では
困りません。カンの良い人は、時代的なものを考えてコレが日本語で
おおよそ何にあたるのかは分かると思います。
悲しいかな、日本語と英語の連絡経路に問題がある私には、
見当が付かずに辞書のお世話になりました。
アヘンチンキ
だそうです。アヘンて、opium なのになんで〜。
イブ サンローランの香水に オピウム というのがあってコレで
たまたま知ってた。
Lisa Kleypas の Mine Till Midnight では、分かりやすく書いてありました!
opium syrup
これならピンときます。もしかして、現代アメリカでも Laudanum が
なんだか分からない人が多いのかも。
morphine
これも出てきました。これは、ローマ字読みすれば分かるかな
英語読みすると分かりにくい。モルヒネです。
モルヒネはドイツ語あたりから来たのかなぁ?
prostitute
意味は直ぐに分かり、初めて見た!
と 感動してたのですが、Amazon 中身検索で Lisa kleypas prostitute
とやったところ、 Suddenly You に出てました。すっかり読み
飛ばしていました。(爆
Suddenly You では、
Amanda knew exactly why the man on her doorstep was a prostitute.
ヒーローが prostitute の振りしてヒロインと出会ったのでした。
えっ これ 男女両方を意味するの?
じゃ〜ん 辞書登場
a person, typically a woman, who engages in sexual actibity for payment.
一つ語彙が増えましたが、これ使うところないです (^_^;)
ヒルトリカルだと whore (male whore)とか harlot とか wench の方が馴染みかも。
因みに彼女たちの職場は brothel です。 流しというか、brothel ではなく
街頭でお仕事している人もいます。
現代ものでも出てくるようですが、私は現代物をあまり読まないので
記憶に無いです。推理小説とか警察ものには出てきそうな感じがします。
mews
mew の複数形ではないので、猫はあまり関係がないと思います。
文脈から分かったのは、
・馬が数頭居る場所。
・ロンドン市内のお屋敷にあるもの。
郊外のお屋敷の場合は、stable となる。
ヒーローの領地にあるたくさん馬を飼育しているところは stable でした。
規模が違うのでしょう。たぶん。
heir and heiress
財産や爵位などを相続する人のこと。
heir の女性形が heiress となりますが、爵位と先祖伝来の領地、宝飾品は
年長の男子にのみ相続権があるようです。娘ばかりだと、お父さんが亡くなった
ときに 遺族が相続できる財産が非常に少なくなってしまいます。
また、先祖伝来の家屋敷は新しい相続人のものですので、住むところも
なくなってしまいます。
娘しか居ないと、自分の弟の直系が相続、弟が居ない場合は、さらにさか
のぼって、自分の父親の弟(叔父)の直系 といった順番に 相続人を
たどっていきます。
自分が先祖伝来の資産を運用して増やした財産やそれを使って購入したもの
については自由に自分の妻や長男以外の子供に相続させることができたようです。
先祖伝来の資産しか持たない家族で、男子相続人が居ない場合、女性は
父親が亡くなる前に何とか結婚しないとその後安定した生活が出来ない危険が
高くなります。 gavaness とか companion をするか、こういった職に就けないと
maid とか mistress または courtesan になるしかなくなってしまいます。
いずれにしても結婚して子供をもうける機会は、殆ど失われてしまいます。
このため、何とかして 生活力のある夫を捕まえようとあれこれ頑張るわけですが、
このような社会の当時の仕組みを受け入れがたい人がいるかもしれません。
title
爵位 のことです。
爵位の高い順
Duke > Marquess(Marquis) > Earl > Viscount > Baron
カッコ内はフランス語綴り
訳語は
公爵 > 侯爵 > 伯爵 > 子爵 > 男爵
あと、英国以外だと Earl は Count になります。
Sesame Street の Count von Count は、東ヨーロッパあたりの伯爵なんでしょうね。
それぞれの奥さんは
Duchess > Marchioness > Countess > Viscountess > Baroness
英国ではこの下に世襲の准男爵 Baronet と一代限りの Knight がありますが
正式には貴族 (aristocrat/peer) とはみなされません。
爵位は 複数持っていることが多く そのうち一番高いものを称しています。
例えば、Duke of SSS, Marquis of TADOKU, Earl of KODOMO の3つを持っている
人がいると、その人の heir が 次に高い爵位 Marquis of TADOKU を称します。
この人が Duke of SSS が亡くなると、 Duke of SSS を継ぎます。
ですので、Marquis of TADOKU と結婚した女性は、 Marchioness of TADOKU 、
未来の Duchess of SSS です。
このあたり、仕組みを知らないと分かりにくい と思います。
Lord and Lady
Sir
Mr and Mrs and Miss
いろいろ ややこしい決まりがあるようで、良く分かっていません。
公式、非公式 の場合で 異なったりもするようですし......
もちろん、日常このあたりの知識が必要な方はまずいないでしょうから
正確に覚える必用はないと思います。(笑
本を読む上で 別に分からなくても、大きく困ることはないのですけど、
一人の人がいろいろな名前で呼ばれるので、分かりにくいと感じるかも
しれません。
また、本によっては適当なこともあるようです。例えば Lady Sphia's Lover の
Sophia は子爵令嬢なので、Miss Sophia Sydny となるように思います。
本を読んでいて分かったのは、大よそこんな感じ。
Lord
爵位を持った人
Duke、Marquess の息子
Sir
准男爵 Baronet と一代限りの Knight
Lady
Lord、Sir の奥さん
Duke、Marquess、Earl の娘
Mr
Gently 階級の男性で Lord でも Sir でも無い人
執事 も Mr で呼ばれる
Mrs
Mr の奥さん
未婚のときにに Lady と呼ばれた令嬢が Mr と結婚しても
Lady で呼ばれるようです。
housekeeper は、未婚でも通例 Mrs 呼ばれる。
Miss
Viscount や Baron、その他爵位の無い家の娘
例えば
Duke of SSS(Robart Armitage) と Duchess of SSS(Miranda Armitage)
John、Edward、Mary の3人の子供
Duke や Duchess は、直接的にその人を呼ぶのは失礼にあたるのか
you の代わりに Your Grace、he/she の代わりに His Grace/Her Grace
召使や社交界の中でも、それほど親しくない人などがこう呼びます。
両親や兄弟姉妹、親友などは、Rob など愛称や ファーストネームでと呼ぶことが多い。
友人でそこそこ親しいと SSS と呼んでよいと本人から許可されることがあります。
John は、Marquis of TADOKU なので Lord TADOKU
Edward は、 Lord Edward 苗字の Armitage は付いたりつかなかったり
Mary は、Lady Mary
Baron of Winter (Ian Peterson)と Baroness of Winter (Orivia Peterson)
Nicholas 、James、Grace、Susan の4人子供
男爵夫妻のことを 召使は、You の代わりに Your Loadship/Ladyship 、
he/she の代わりに His Loadship/Her Ladyship を使います。
社交界では、Lord Winter, Lady Winter、親しさの度合いによっては
Winter とか Ian とか呼ばれます。
Nicholas は、 Mr Peterson
James は、 Mr James Peterson
Grace は、 Miss Peterson
Susan は、 Miss Susan Peterson
公の場で、親族や婚約者以外の異性をファーストネームで呼ぶことは
通常ありません。何かの拍子にうっかりファーストネームで呼んでしまい
秘めた関係がバレてしまったとか あります。
そうそう、夫婦でも互いを、タイトルで呼んでファーストネームは使わない
場合もあります。政略結婚が殆どなので 他人行儀なのでしょうか?
このあたりについての解説するシーンが は、Lisa Kleypas の
It Happened One Autumn にあったと思いますが、面倒かつ退屈なので
読み飛ばしちゃいました。
dowry
女性が 結婚するときに 用意する財産。
持参金 と訳されます。 英字新聞では、紀宮様が結婚したときに
宮内庁だったかな? が準備して彼女が持っていったお金 を dowry と
呼んでいました。
この財産(お金のことが多い)は、結婚後は夫のものになることが殆どの
ようですが、たまに、親が娘以外が使えないような手続きをする話もでて
きます。 資産が少ない男性は、なるべく dowry を沢山持っていると
思われる女性(heiress)と結婚しようとします。 このため 貧乏貴族と
成金娘 という組み合わせが、よく出てきます。
dowry を自分のものにしたとたん 妻を虐待する夫とか
dowry が用意できないので、嫁の貰い手がないとか
gardian が ward の dowry を横領する/しようとする とか
heirness を誘拐するとか
これを廻ってのお話は結構あります。
実際の結婚は、家と家との契約のようなものなので、金銭的な面でも
間に弁護士などが入って dowry の扱い 未亡人となったときの
その後の 生活費や住居など含めて きちんと取り決め文書で残します。
あまりストーリーの中で語られることはありません。
この取り決めが終わったあとで betroth となるようです。他に好きな人が
出来たので 婚約破棄 なんて簡単にできません。仮に、単なる口約束
でも、「気が変わった」として、無かったことにするのは 難しいことです。
barren
爵位持ちの男性と結婚した女性は、heir を産むのが義務という社会です。
なので、She is a barren. ということになると とても肩身が狭くなります。
この説明で意味が分かると思いますが、「石女」のことです。
子供に恵まれない女性を指しますが 必ずしも女性に原因があるわけでは
ないのは皆さんご存知のとおりです。
領地が barren なので収入が少ない という表現を見かけたこともあります。
bastard
大きく2つの意味があります。
・Illegitimate child 私生児
・不愉快な人 主に悪口や悪態をつく時に使用。
どちらの意味で使われているのかは、前後関係で分かると思います。
上流の既婚婦人が、Lover を持つのは 大っぴらにしなければ許される社会
ですので、出生証明書では 夫の子供 になっていても 実際の父親が違い
これが、物語のポイントになることがあります。
例) Gaelen Foley の Knight Miscellany など
また、妻に子供が産まれない男性が、田舎の領地や外国で出産したこと
にして愛人に産ませた男の子を妻の子として誤魔化して届けるという設定も
あります。 bastard には、正式な相続権は一切ありませんので、そこを解決するための
嘘になります。
Fitz
とある本のヒロインの 姓は、FitzHubert ですが、父親とも母親とも違います。
父親は、Viscount Hubert で 母親はその Mistress ということは
Fitz + Hubert と考えて 認知された庶子を意味してるのかな?
父親は、亡くなるまで彼女といっしょに住んでいて、遺言でそれなりの財産を
残していましたので、ちゃんと考えていたようです。
ひゃ〜。苗字で、誰の庶子か分かっちゃうのぉ。
正式に認知されていそうだけど、それでもねー。
Titian hair
赤毛のアンの愛読者の方なら、ご存知だと思います。読んだこと無いとか
ざっと GR で読んだだけの方は知らないかもしれません。
また、絵画愛好家も知っているでしょう。
red hair とか red head と形容される髪のことです。現代物でも出てくると思います。
画家のTitian が多数の bright auburn hair の肖像画を多数描いたことによる
婉曲表現だと思います。
ロマンスには、赤毛のヒロインはまずまず出てきますが、赤毛のヒーローは
あまり出てきません。うーん。女性の 赤毛は attractive だけど 男性はそうじゃ
ないのかな?
これまで読んだ本だと、男性は黒っぽい髪かブロンドが魅力的らしい。
女性は美人=ブロンド と言うのが普通。真っ黒な髪や赤毛も個性的で
魅力的とされることもあります。
曖昧な茶色(mouse brown とか言われたり)は、平凡すぎて魅力がない
ようです。 しっかし、日本では ネズミ と言えば 灰色系ですが 英語では、
茶色系の色なんですね。
urchin
辞書だと 子供 と書いてありますが、普通はロンドンの街頭にいる ボロをまとった
子供たちのことを指します。上流、中流の家庭の子女のことは指していないと
思います。
manicure
現代では主に女性で、これをやっている一般男性はあまり聞きません。
19世紀では、gentleman の身だしなみの一つ 簡単にいうと 手のお手入れ
です。綺麗な形に爪を整えたり、万一乗馬などでタコができた場合の処置など
valet が行うようです。
優雅な手をしていることも、gentleman の条件のようです。
ただし、この時代の上流の人は ほとんどの時間 手袋をしているため、手袋を
外すときに、それとなくチェックしていたのでしょうね。ちょっとヤナ感じです。 (笑
手袋で思い出したのですが、しかるべき lady は人前で手袋を外すことは
殆どありません。手袋を外す、または外される という行為は、服を脱ぐに
通じる親密さを表すことになります。
Julia Quinn のAn Offer From Gentleman で、仮面舞踏会で ヒーローが
ヒロインの手袋を脱がすシーンは、双方にとって重要な忘れられない
思い出になることがわかります。
それでは、また
第三回があるかどうかは未定です。 (笑
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