中国語75万字通過

[掲示板: 〈過去ログ〉英語以外で多読を楽しむ掲示板 -- 最新メッセージID: 3292 // 時刻: 2024/11/24(12:51)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

721. 中国語75万字通過

お名前: 杏樹
投稿日: 2004/10/3(17:45)

------------------------------

中国語で75万字通過しました。
けっこうペースが早いようで、60万字報告を飛ばしてしまって75万字になってしまいました。
相変わらず児童書と相性が悪くて、読む本に困るようになってきました。

とりあえず50〜75万字の間に読んだものは…

★「不平静的墳墓」OBW4(18000字)
お墓や死者をテーマにした短編集。ちょっとわかりにくかったです。英語版でも星が少なかった…。

★「西安」(9039字)
50万字通過のときに上海新天地で購入したというVCDのブックレットです。字数がけっこう多そうだったので数えてみました。好きなジャンルということで、読み応えがあって面白かったです。ただ、VCDの内容とぜんぜん連動していないのはなぜ…。
おもしろいのは、旅行指南として悪徳お土産業者にひっかからないための注意まで詳しく書かれていたことです。

薄い本がなくなってきて、児童書も字の詰まったものが多くなり、しかも読んでは投げ、を繰り返し…。
で、読みやすそうな一般書に行くことにしました。

★「上海閨秀 一個婦人的人生自伝」(22000字)
上海書城の上海コーナーで見つけた本です。薄いし、字も大きめなので読みやすいかなと思って購入。
タイトルの通り自伝(というか庶民の「自分史」みたいなの)なんですが、息子による前フリが長くてちょっとしんどいかな…と思ったんですが。本編に入るとおもしろくてスイスイ読めました。
この女性は1922年に上海に生まれました。祖父は上海でお店を開いて成功した人でしたが、その息子は遊び好きの放蕩者。両親は結婚させれば落ち着くかと思って結婚させましたが、娘(すなわち著者)が生まれても遊び歩いてばかり。だもんで、母親は浮気をしてしまい、娘を置いて家を出て行ってしまいました。
その後父親は再婚します。継母は最初は舅・姑にも礼を尽くして慎ましくしていましたが、信用させて家の実権を握った途端豹変します。熾烈な継子いじめを始め、舅・姑に対しても冷たくなります。著者は冷えた残飯しか与えられず、新しい服も買ってもらえず小さくなった古い服を我慢して着せられます。小学校を卒業するとき、成績も良かったので中学校へ上がりたいと思いますが、授業料が出せないからと許してもらえません。しかしそこへ救いの神が…。
…というように、まるで物語のような人生が展開します。

一般書のノンフィクションの方が児童書より読みやすいのは、文章が明確なせいでしょうか。ならばこのジャンルに突き進んだ方がいいのか、それともこのままだと「お話」が読めなくなるのではないかと少々不安に。

★「小香[口古]和瓢来的舞踏皇后」(25000字)([口古]は口編に古いという字。IMEでも出てこないので)
小学生の女の子小香[口古]を主人公にした児童書なんですが、シリーズものでこれが5作目だということが判明。そのせいか人物関係がややこしくてなかなかのみこめず。設定もわかりにくい。とりあえず飛ばし読みで進んでみました。なんとなく話の展開はわかります。そうしたら、半分以上進んだところで急にぱっと読めるようになりました。

★「新疆仏教石窟之旅」(12083字)
薄くて図版が豊富な本です。お母さんが子どもに手紙を書く、という体裁で新疆の石窟や街が紹介されます。予備知識と興味があるからかもしれませんが、とってもわかりやすくて面白かったです。50万字通過で紹介した「敦煌的故事」と違って、スタインなど当時の探検家も強盗呼ばわりではなく考古学者、探検家として紹介されています。まあ「盗んだ」という表現はなくなりませんが、それは仕方ありませんね。

★「李塔塔的怪味周」(40000字)
薄い本だと思ったのに、読んでも読んでも終わらない。後で数えて字数にビックリ…。
李塔塔という小学生の女の子の学校生活を描いたものです。途中でやっぱりシンドイなあと思うとわかりやすくなったり面白くなったり、またわかりにくくてつまらなくなったり、を繰り返してなんとか最後までたどり着きました。ラストはおもしろかったです。

★「名偵探柯南」1巻(15000字)
「名探偵コナン」の台湾版です。台湾なので繁体字。セリフがビッシリあるほうですが、おもしろくてすんなり読めました。

そして結局児童書が読みやすくならないので歴史ものに走りました。

★「唐太宗」世界大人物叢書(94000字)
これも小さめの本なのに、字数を数えてさらにビックリ。ちょっと分厚いかな、とは思ったんですが、一応子どもの向けの本なので読もうとしたんです。おかげで70万字報告をしようと思ったら75万字になってしまった。
隋の末期、煬帝の暴政により国土は疲弊し人民の不満は募っていました。そして我こそは覇者たらんと挙兵するもの多数。最初は隋王朝に使えていた李淵も挙兵。やがて唐王朝を建て初代皇帝、高祖となります。唐王朝建国とその後の国の平定に活躍したのが息子の李世民。後の二代目皇帝太宗です。
最初は歯ごたえありすぎてスムーズに読めず、「投げよかな…」と思いました。しかし皇太子の位を巡る確執のところでおもしろくなってきました。李世民は本来次男で、長男が皇太子でした。しかし李世民はすぐれた武将として唐王朝の建国と国土平定に対する功績が大きく声望も高く、皇太子は自分の地位が脅かされるのではないかと不安を覚えます。そして世民を陥れようと画策し、ついに暗殺を企てます。しかし世民はそれを事前に察知し皇太子は殺され世民が皇太子に。そしてその数年後父親から皇位を譲られ二代皇帝として即位し「貞観の治」と呼ばれる善政を始めます。中国の歴代の皇帝の中でも、唐王朝の繁栄を築いた名君として評判の高い皇帝です。

唐王朝の統治機構や均田制、租庸調制など詳細に述べており、内容も脚色は少なく歴史的事実をきちんと述べたものになっていて「ホンマにこれ、子どもの本?」と疑問符が飛ぶ内容。でも「中国少年児童出版社」の発行だし…児童書のコーナーにあったし…。中国の子どもは本当にこの本を読んでいるのか?
ともかく、興味のある人にしか勧められない本です。サイズ的にも日本の新書を読んでるみたいでした。岩波新書とかありそうじゃないですか。「唐の太宗」って。
ついでにもうひとつ印象に残ったことは、少数民族に対して中華思想が見られることです。例えば吐蕃(現在のチベット)の王ソンツェンガンポに皇女の文成公主が嫁ぎましたが、それによってチベットに唐の文化が取り入れられ文明化されたことがつらつら述べられています。そのあたり、現在の漢民族中心の中央政府による少数民族政策に通じるものを感じます。つまり漢民族が少数民族を教え導く、という考えです。

***************************************************************************

さて、読む本に不自由し始めたので、以前注文したことのある中国のネット書店へ行ってみました。前はやさしい絵本を探すのに苦労して、あまり注文するものがなかったんですが、今回はもうちょっと字の詰まった本が読めるようになったので、何か見つかるかと思いました。それで子供向けの本の中から歴史・古典に集中して注文してみました。どうも私はやはりそちらのジャンルが一番読みやすいようですから。

英語以外の外国語で読みたい本を探すのに苦労している人は、自分の好きなジャンルに的をしぼって探してみてはいかがでしょうか。好きな本、興味の持てる本ならレベルを超えても読める、というのは英語の多読でも証明されています。
しかし困るのは、そのネット書店では送料が本の3倍ぐらいすること。アマゾン・フランスならフランスからだから少々高くてもしゃーないか…と思ったんですが、中国から来るのになんでそれよりずっと高いんだ!DHL快速で来るらしいけど、中国なら船便でもいいんだけどな。でも海外発送はそれしか選択肢がない…。

***おまけの報告***
児童書が読みにくいので「上海老洋房」という本に手を出そうとしました。けっこう分厚い一般書です。上海で見てきた洋館が紹介されているのでのぞいてみようとしました。それで気になる洋館を目次で探してそのページを開こうとしたら…ない!ページがない!そのあたり20ページほど抜けてるんです。ショック!
上海まで返しに行くなんてできないし…。
で、思い切って出版社に送ってみることにしました。抜けてるところに付箋をつけて、手紙をつけて。4月に上海書城で買ったこと、ページが抜けていること、できれば返品交換したいこと。
そうしたら、10日もたたないうちにちゃーんと交換本が届きました!ちゃんとページがある!見たかった洋館も載ってる!ちゃーんと日本まで送ってくれるなんて感激!でした。

***これから…***
中国語が調子付いているので、このまま100万字までは突っ走ってみたいのですが、本選びが少々難航しています。また、英語の本が読みたいストレスもたまってます。だんぜん面白そうな本が多いんですもん…。未読本が私を呼んでいるのですが読んでるヒマがない〜。一体私は今どの程度の英語の本が読めるのか自分でもよくわからなくなっているので、少々不安が。やはり複数の言葉を平行して進めるのは難しいのでしょうか。


▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.