上海買出し報告

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582. 上海買出し報告

お名前: 杏樹
投稿日: 2004/4/11(23:00)

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上海へ本の買出しに行ってきました。
上海へは10年以上前にパックツアーで行ったきり。もう、ビックリしました。変化が激しいとは聞いていましたが、それにしても奇抜なデザインの高層ビルがじゃんじゃん建ってて「ここは一体どこ?!」状態。近未来都市に紛れ込んだような気がしました。これこそ21世紀?!
でも古い西洋建築もたくさん残っていて、しかも薄汚いふる〜い洋館がアパート状態だったりして、ものすごい落差です。

さて、あこがれの上海書城。うわー、大きい!広い!
まず中英併記のGRを目指します。なにしろ「100万字分買って帰るぞー!」という勢いで来ているので、次々手に取って買う、買う。OBWは装丁の色が違っていて少々印象が変わりますが、CERはまったく同じ。しかし落とし穴がありました。あとで中を見てみると、CERのうち何冊かが英語のみ!中国語がないー!仕方がないので英語の語数の貢献に回します。また「LONGMAN」というGRもあって「なんか聞いたような…」と思ったら、PGRだったんですね。でもPENGUINのPの字も絵もありません。装丁もぜんぜん違うのでしばらく気がつかず。

それから児童書のコーナーへ。
福さんが紹介してくれた絵本のシリーズが少しあったので全部手に取ります。
しかし中国語の絵本はなかなかいいのがありませんね。特に英語の絵本の質の高いのに触れてきているので、どうしても見劣りして読みたいものが見つかりません。それに「低幼読物」と書いてある棚でもけっこう字が詰まっている本が多くて、英語多読で読んできたようなレベルの低そうな本がなかなかありません。とりあえずできるだけ薄くて字の少ない本を探します。
その中で翻訳もので「阿羅」シリーズという絵本がありました。アメリカのCrocket Johnsonが書いた「HAROLD」シリーズの翻訳です。小さい男の子が主人公で、かわいい絵で字も少なくて読みやすそうです。

しかしさすがは中国。歴史・古典の類はすごい!「論語」や「唐詩」などが児童書の中にたくさん。前に聞いたんですが、中国の子供は唐詩を意味はわからないままとにかく暗誦するんだとか。唐詩も論語もピンインつきの原文で、解説のついたものがありました。これをそのまま暗誦するのか…。
あとダイジェストらしきもので「水滸伝」「三国志」「紅楼夢」などがたくさん。おかげでつい「儒林外史」とか「唐太宗」とか「小通鑑(資治通鑑のダイジェストらしい)」とか趣味に走った本を手に取ってしまう…。

そのあとさらに趣味に走って歴史のコーナーへ。でも通史や伝記みたいなのばかりであまり面白そうな本はありませんでした。その代わり歴史小説のコーナーで「上官婉児」という分厚い本を見つけてしまいました。上官婉児は唐の時代、武則天に使えた女性で、なかなか波乱の生涯なので興味があったんです。「いつ読むねん」と自分にツッコミ入れつつ「目標本」として購入。

あと世界文学の古典がたくさんありました。原文訳かダイジェストかはよくわかりませんが、日本の書店ではこんなに外国文学の古典がドサドサ置いてあったりしませんねえ。タイトルと作者名の漢字を見て面白がってました。そこで絵本らしきものを発見。漢字の著者名を読んでみると…もしやカレル・チャペック?!字が細かくて詰まってますが、素朴なかわいい犬の線画が豊富にはいってます。しかもチャペック本人の絵らしい。英語のタイトルがついていて「THE STORY OF A PUPPY」。これは珍品だー、と即購入。
カレル・チャペックってナニ?という人はこちらをどうぞ。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-f-g&c=e&id=5396]

あと1階の新刊コーナーで「幾米」という人の絵本のシリーズが並べてあるのを見て片っ端から手に取りました。1ページあたりの字が1〜3行程度ですが、かなり分厚い本です。幾米のプロフィールを見ると著書に「向左走 向右走」とありましたが、映画の原作書いた人?

その後外文書店へ行きました。しかしこちらは英語や外国語の本はありますが、中国語はテキストみたいな本ばかりなので見るべきものはありませんでした。

また、児童書店を探してみました。しかし上海書城の児童書コーナーより小さかったです。観賞価値のあるような絵本はありませんが、とりあえず中国の昔話の類の絵本がいくつかあったので、それなら読む気になるかと思って購入しました。…やっぱり昔の中国が好きらしい。

あとは、古い西洋建築めぐりをしたりして昔の華やかなりしころの上海に興味が湧いてきたので、そのころの上海関連の本を探しました。そうしたらちゃーんと「上海」コーナーがあるではありませんか。その中で「上海メモラビリア」の原書を見つけました。日本語訳は持ってるんですが、原書を見ると写真がたくさんある!日本語訳には写真はぜんぜんないんです。ということでこれも購入。

ついでに、中国では屋台で新聞・雑誌を売っていることが多いのですが、外国のファッション雑誌の中国版もたくさんありました。そこで「Marie Claire」を買ってみました。記事は中国人向けになっています。

一人でまったくフリーで行ったので、現地での行動は全て中国語。前に行った時よりはスムーズにしゃべれるようになった気がします。ヒアリングでもそうなんですが、単語一つ一つに集中しているときは意外と意味が取りにくく、「わかった」時はトータルで意味をとらえていることが多いです。実際に中国人と会話している時も、一字ずつ聞き取るよりも、何を言ったか再現はできないけどとにかく意味が伝わってきて「わかった」と思うことがあり、その時のほうがスムーズに会話が進みます。言葉が「わかる」って不思議な現象だと思います。
また、帰ってきた時もしばらくは何か言おうとすると中国語が出そうになりました。日本語に比べるとずっとずっと不自由なんですけど、中国語モードになってるとまず中国語から出てくるようになってしまうらしいです。あと、道路を渡るときは横断歩道で信号を確かめて…ということを心がけないと、つい強引に渡りそうになります。なにしろ中国では歩行者も好き放題に渡るけど、自動車もスピードを緩めないで突っ込んでくる…。

とりあえずこれだけ読んだら中国語の本が楽に読めるようになるかなーと期待しています。


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