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お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2009/5/20(06:45)
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GR蜻蛉です。
以前、北京大学出版社の漢語分級系列読物の漢語風をご紹介しました。
その後、中国語GRに新しいシリーズが登場したようなので、ご報告します。
まず、漢語風から。先月、やっと新刊が1冊出ました。500詞級「青鳳」です。当初の出版計画によりますと、漢語風は三年間に60冊以上出版するというふれこみだったのですが、なかなかそういうわけに行かないようです。2007年の11月から始まって、これまで300詞級が6冊、500詞級が3冊の合計9冊しか出ていません。
英語GRと同じ大きさで、MP3ファイルの入ったCDロム付き。生詞索引(vocabulary)があったり、練習(exercises)があったり、本文44ページ中に半ページ大の挿絵25が挿入されています。おそらく本文は1万字程度だと思います。このシリーズは体裁、内容ともOBWをモデルにしているのではと思います。
ちょっとおかしいのは、300詞級より500詞級の方が、丈は同じなのに横幅が数ミリ長いことです。漢語風にはMP3ファイルの収録されたディスクがついていますが、300詞級にはミニディスクがついているのに対し、500詞級には、CDディスクを表紙に貼り付けるため、少し横幅を長くなっています。
この朗読ファイル、ノーマルスピードとロースピードの二種類あります。しかし、ノーマルスピードはゆっくりすぎます。ロースピードなんてそれこそハエが止まりそうです。また、本によってノーマルスピードの速さにばらつきがあるのも欠点です。以下、一冊ずつご紹介します。
300詞級
「錯、錯、錯」(趙紹玲)
双子の美人姉妹の片割れがしたいとなって発見された。誰にも見分けがつかないほどよく似た双子なので、いったい死んだのはどちらなのかわからない。捜査は難航をきわめたが、有能な刑事李亮がめでたく解決。
我一定要找到ta温金海)
大学の恩師がなぞの中国美人の写真を残して急逝。学生三人組は恩師の遺言を実行するべくその女性を探しに中国へ出かける。彼女を探し出し、彼女のハートを射止めるのは誰か?作者温金海氏のブログに漢語風のプロジェクト紹介記事があります。[url:http://blog.sina.com.cn/s/blog_44e708f10100boew.html]
Ni最喜歓誰?(温金海)
妻はアメリカに留学し、夫の主人公にはやくアメリカにわたるよう催促する。しかし主人公・方新は中文ソフトの開発に志ざし、アメリカに行く気はなく、やむなく離婚を決意する。中国の秋葉原、中関村を舞台にした「中関村故事」と銘打ってシリーズ化される模様です。500詞級に続作「電脳公司的秘密」があります。
向左向右(牛童)
生まれつき体が腰のところでつながって生まれてきた双子の兄弟がアメリカにわたって歌手として成功を収め、切り離し手術を受けるところまでの物語。
我可以跟誰跳舞ma?(趙紹玲)
銀行のシステムエンジニアが横領の罪を着せられ、逃亡生活を送りながら真犯人を探し当てる。300詞でスリルとサスペンスがここまで味わえるとは!
両个想上天的孩子(王霊書)
英語のレッスンに出かけたまま行方不明になった小学生二人。二人はいったいどこへ?七夕の物語が鍵になります。中国の七夕伝説は日本と少し違うので、楽しめるかも。
500詞級
電脳公司的秘密(温金海)
北京の秋葉原こと中関村が舞台のシリーズ第二作。苦労して開発した中文ソフトの海賊版が出回って、順調だった会社経営が苦しくなる。主人公・方新は追跡を始めるが、恋人が犯人グループに捕まってしまう。うーん、でも中国で売られているパソコンのOSに正規版はほとんどないし、微軟(マイクロソフト)の方も中国ではあまり売る気がなさそうな状況なので、あまりリアリティがないかも。でもそういうつっこみは英語GRにもつきものですね。
我家的大雁飛走了(趙紹玲)
ぼくのおじいさんは昔、村いちばんの雁撃ちの名人猟師だった。が、あるときぷっつりと猟銃を持つのをやめてしまう。そのわけをおじいさんが教えてくれた。
「青鳳」は、まだ書店に並んでいません。読んだらご紹介します。
漢語風[url:http:// http://www.hanyufeng.com]
北京大学出版社から、北大版小児漢語閲読系列という新シリーズが出版されました。シリーズ全20冊一挙に刊行された模様です。漢語風は中級以上の人でないときついです。初級の人は小児漢語閲読系列がいいでしょう。全22ページで、各ページ1行か2行、多くても20字は超えません。多読で中国語を始めたい方、チャンスです。
イラストや文章など、オーストラリアのSpringboardに少し雰囲気が似ているような気がします。裏表紙の後記によると、作者の片割れのVicter Siyo Baoという人は、ニュージーランドの人で、20年以上外国人に中国語を教えてきた人だそうです。これにもCDロムがついています。各ページ画面と朗読音声が収録されています。
私が入手して読んだのは、以下の5冊です。
小胖/我的中文小故事1
9歳で体重50キロの小胖のダイエット物語。みんなに笑われないようダイエットを決意した小胖はおじいちゃんとおばあちゃんの助けをかりてダイエットに励みます。うまく痩せられたかな?
兩個輪子上的国家/我的中文小故事2
中国は自動車が増えたけれども、どの家庭にも自転車あって、みんなが自転車に乗っています。中国の自転車万歳!
看病/我的中文小故事3
運動の大好きな冬冬がおなかをこわしてお医者さんに行きます。注射は怖いけど、冬冬は病気になっても上機嫌です。なぜって?
我弟弟的理想/我的中文小故事4
私の弟は、お医者さん、消防士、おまわりさん、新聞記者、毎日なりたいものが変ります。私は何になろうかな?
我的中文老shi我的中文小故事5
中国語の先生の白先生は、いつもこざっぱりした身なりで眼鏡をかけた若い男の先生です。でもあるとき、髪はぼさぼさ、眼鏡なし、服装もどこか変なところのあるいでたちで教室に現れます。どうしたのかな?
我的中文小故事6〜20については、今後入手しだいご報告します。表紙とページサンプルは、[url:urhttp://www.amazon.cn/mn/detailApp?qid=1242765530&ref=SR&sr=13-2&uid=478-7659133-8176329&prodid=zjbk901rwrl:http://cbs.pku.edu.cn/scrp/book.cfm]をご覧ください。
北京大学出版社の外国人向けGRに触発されたのか、他社でも類似企画が始まった模様です。たしかCERの中国語版を出版していた外語教育与研究出版社から先月、「外研社漢語分級読物-中文天天読」というシリーズが刊行され始めました。
まだ実物をみていないので、詳細はわかりませんが、グレードが5つあって、朗読音声を収録したCDがついているそうです。外研社のウェブページ上に、「8月8日,我們結婚(3A)」、「自行車王国(2B)」、「奇妙的中文(2A)」、「好一duo茉莉花(3B)」の4冊が記載されています。
これらの表紙をみると、どうやらラテン系の言語のGRを中国語に翻訳したシリーズのような印象をうけます。どなたかスペイン語などのGRにお詳しい方、ご教示くださるとうれしいです。これも、実物を入手次第、ご報告します。
「外研社漢語分級読物-中文天天読」の表紙は、以下を参照ください。[url:http://chinese.fltrp.com/productDetails.asp?bsno=47180]
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