[掲示板: 〈過去ログ〉英語以外で多読を楽しむ掲示板 -- 最新メッセージID: 3292 // 時刻: 2024/11/25(08:10)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2008/3/30(23:44)
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中国語400万字通過しましたので報告します。
ロマンス本ばかり読んで、中国語がなかなか進みませんでしたが、今年に入ってひたすら中国語の本ばかり読んでやっと通過しました。英語と中国語の本を交互に読んだら同じように進むんじゃないかと思いましたが、ロマンス本が1冊10万語近くあるのに中国語が2〜3万字、多くて5万字ぐらいだと差が開くばかりです。しかも「交互に」はやはり難しいようです。ロマンス本ならロマンス本、中国語なら中国語、とある程度集中して読んだほうがいいようです。能率とかの問題ではなくて、何か本を読むと似たような本が目に留まって同じような路線が続くのです。
さて、300万字から400万字に読んだ本は、相変わらず子ども向けの歴史・故事か「老上海」関係が中心です。同じような本ばかり読んでいるので、100万字読んでもにあまり進歩を感じません。300万とか400万というのはそういう時期なのでしょうか。英語でもそのあたりで「万年レベル3」のような気がして、読んでるのに進歩しないような時期でした。
最初は薄くてもやさしくても本が1冊読みきれた、ということに満足し、読むほどレベルも上がっていきます。しかし200万語とか300万語とか400万語ぐらいになると、最初の新鮮さや驚きも薄れ、読めるようになってきたとはいえ、まだまだ一般の本をすらすら、とはいきません。いつになったらPBとか一般の本が読めるのだろうかと思うと、目標が遠くに感じられて停滞しやすくなるのかもしれません。読めない停滞ではなく、読んでも進歩が感じられない停滞です。
ただ、英語でそういう経験をしていたのと、中国語はとりあえず自分の興味のある本をためこんでいるので、英語のときほどあせったり悩んだりはしていません。読んでたら読めるようになる、というのがわかっていますから。ただやはり中国語は英語よりもレベルアップの野望がありますので、もうちょっと一般の本がスムーズに読めるようになりたい、どうすればいいんだろうという気分になります。積んであるロマンス本やファンタジーを先延ばしにしても中国語に集中するという方法もありますが、ロマンスやファンタジーも読みたいので、結局英語だろうが中国語だろうがそのとき自分が読みたいものを読むのが一番です。読みたいもの、楽しいものを読むのが多読ですから。
さて、400万字までに読んだ本です。
「中国節日故事」(15000字)
中国の年中行事とその由来のお話です。日本にも入ってきているものや中国独特のものがあり、その起源のお話などを読むと年中行事のことが良くわかります。
ピンインなしで、比較的高学年向け。
「孫子兵法」(30000字)
孫子の原文の一節を取り出し、それを現代語で解説したものです。ピンインつきでカラーイラストが豊富で、子ども向けの本ですが、内容はあまりわかりやすくありませんでした。
「紅星昭耀中国」(32000字)
カラーイラストが豊富な子ども向けの本です。内容は、抗日戦争と国共内戦の時に、あるいは苦難を越え、あるいは勇敢に戦った人たちのことを書いたものです。もう少し共産政権成立前の中国の情勢がわかるかと思いましたが、バラバラなエピソードが並んでいるだけなので、歴史をたどるような内容ではなかったのが残念。
「愛在九世紀末」(47000字)
タイトルに引かれてわけもわからず買った本です。そうしたら著者は若くして死んだテレビ局に勤めアナウンサーなどをしていた女性でした。一般向けですが、字が割合大きく薄いので読めるかなーと思ってのぞいてみました。内容は九世紀つまり唐の時代に時代に翻弄された貴族の女性の人生を描いたものですが、どうも未完らしく中途半端なところで終わっています。少し難しかったですが、内容につられて読みました。
「李連傑伝」(180000字)
リー・リンチェイすなわちジェット・リーの伝記です。
けっこう字が詰まっているので読めるかどうかと思ってためしにのぞいてみたら、けっこう読みやすそうでした。…というより、やはりリンチェイへの「愛」のせいでしょうねえ。どんどん引き込まれて読みました。2歳でお父さんを亡くして貧しかった子供時代、カンフーを始めたきっかけ、そして「少林寺」のヒット。その後ヒットが続かず苦労したことや、香港で「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」のヒットでスターの地位を確立し、やがてハリウッドへ…。
ハリウッドの封切映画は日本でも公開されるようになりましたが、日本ではいまいち知名度が足りないような気がします。しかしアメリカではヒットを生む高額スターのようです。確かに次々と主演作が続いていますから、それだけの実績が認められているんでしょう。
中国でもアメリカで成功した英雄扱いらしく、北京大学に招かれて講義をしています。そのときの原稿も収録されていました。このあたりは少々難しかったですが、ゆっくり丁寧に読めばなんとかわかりました。今までで最長の本ですが、おもしろくてぜんぜん長く感じませんでした。というか、リンチェイのことを読んでるだけで幸せ…。
「李連傑禅悟人生」(35000字)
何の本だか良くわからない本です。リンチェイの名前につられて買っただけ…。リンチェイは仏教徒になったのでそれと関係あるのかと思ったのですが。内容は仏教思想とリンチェイの出演作を結びつけて説明しているものでした。北京大学での講義の内容にも触れられていました。
「百家姓」(21392字)
中国の姓の由来を記した「百家姓」という本がありますが、これはその子ども向けバージョン。カラーイラストがたくさん入った小型の本です。中国の主な姓とその由来がわかります。地名に由来することが多いようです。
「地下鉄」(1417字)
幾米(ジミー)の本です。ちょうどこれを題材にした中国ドラマ「地下鉄の恋」を見たので読んでみました。独特の雰囲気のイラストで、不思議な世界が展開されていました。
このあたりでロマンス本を続けて読んでいたのでかな〜り間が開きました。
久しぶりに中国語を読もうと思って手を取ったのは
「老上海名宅賞析」(64372字)
現存している昔の上海の邸宅のことが書いてある本です。
間取り図が載っているものもあり、どんな家か想像がふくらみました。建物の特徴だけでなく、そこに住んでいた人のことも書いてあります。邸宅ですから当然お金持ち。それが戦争が終わって国共内戦から中華人民共和国になると、当然そのままの生活はできません。香港、台湾、アメリカなどに逃げた人もいます。いったんアメリカに逃げ、1980年代になってもとの自分の家に帰ってくることができた、ラッキーな人もいます。共産党に協力をして生き延びた人もいます。しかしその中でも文革時に攻撃された人もいます。思いがけず「人生いろいろ」が感じられました。
「絲綢之道」(67700字)
中央アジア史の公開講座があったので、気分を盛り上げるために読みました。一般書で字も詰まっていますが、内容は得意ジャンルなのでなんとか読みました。
「消逝的上海風景」(62000字)
上海の昔の風俗や風景を写真で紹介する本です。テーマ別になっていて、昔の上海のことを知ることができて面白かったです。
やっぱりここで間が開き、年が明けてしばらくしてから400万字目指して集中して読み始めました。
「宝蓮灯」(12000字)
小さい絵本です。ピンインつき。面白くて一気に読みました。おかげで「楽しい本をスラスラ読む」感覚が実感できて、中国語に集中するとっかかりに役に立ちました。
「中国民俗故事精講」(88000字)
少年少女向けですが、ピンインがなくて字が詰まっています。中国の伝統習慣やその由来を紹介しています。ひとつひとつの話題が短いのですぐ読めます。「中国節日故事」と通じる部分もありますが、本が違うと語り口も違うのでこれもまたおもしろかったです。
「岳飛伝」(22000字)
子ども向けの古典シリーズです。ピンインはありませんが、イラストが豊富。
岳飛は南宋時代に女真族の金と戦った英雄です。かなり脚色してありますが、おそらく現在の中国人のイメージはこういうもので、歴史的事実よりも伝説に彩られた部分のほうが有名なんでしょう。
読みやすくて面白かったので、この本の後ろにシリーズ全作の一覧が載っていたので他の本も読みたくなりました。それで送料のバカ高さに目をつぶって中国のネット書店で注文してしまいました。(本は安いのに送料がその3倍ぐらいします)
結局こうやって未読本を増やすので、いつまでたっても子ども向けの本を読んでいることになるのは、英語も中国語も同じようです。
「孟子」(24990字)
子ども向けのカラー絵本、ピンインつき。最初に原文があって、それにまつわる物語が書かれています。といっても、内容を結び付けただけで、時代は孟子の時代に関係なくあちこち飛びます。
「李白」(72000字)
「杜甫」(75000字)
少年少女向けの伝記シリーズです。中国の二代詩人李白と杜甫、どちらも欠かせません。読むなら一緒に、と思って買っておいたものです。ピンインなしで字が詰まっていて、一般書とあまり変わらない雰囲気です。
李白はもともと素性も生涯もはっきりしない部分が多く、それを李白の詩を元に伝説なども絡めてかなり脚色してあります。その詩、本当にそのとき作ったのか?とツッコミ入れたくなることも。でも豪放磊落、自由奔放な性格で、立身出世を望みながら果たせなかった人生がドラマチックに描かれていました。
杜甫は家系もきちんとして、生涯の出来事はほとんどわかっています。詩もいつ作ったかちゃんとわかります。というか、日記のように身の回りのことを何でもかんでも詩に書いているので、詩から生涯をたどるのが容易なのです。李白ほどドラマチックではないので進みは遅かったですが、最後のほうは杜甫の不遇の人生の果てにたどり着いた境地にしみじみじーんとなりました。
「中華経典成語故事」(55000字)
…こんな本ばかり読んでるんだから…と自分にツッコミ入れつつ手に取りました。ピンインつきでカラーイラストが豊富な本です。2〜3ページに一つの成語とそのお話なので、かな〜りたくさんの成語が詰まっていました。日本語でも知っている表現もあり、中国の歴史の奥深さを感じました。
さて、400万字通過本です。
「物語」が読みたいと思って薄い小説を手に取ってみたのですが、2〜3ページ読んでも内容が頭に入らず。それで投げてしまいました。それで、結局選んだのは「これなら読める」と思える本。
それは…
「上海経典建築」(70000字)
同じような本ばかり読んで混乱しないのか…というと、ちゃんと区別はつくんですねえ。
ホテル、銀行、公共機関などテーマ別に、現存する昔の建物の紹介をした本です。平面図がついているものもあります。おなじみの建物、知らない建物いろいろありました。建築様式の説明ではだいたい似たような言葉が出てきますし、文章がそれほど難しいわけではありませんんので、こんな本ばかり読んでても読解力の向上に役に立つのかどうかと思うこともありますが…。
で、これからも好きな本を好きなように、英語でも中国語でも日本語でも適当に読んでいきたいと思います。最近日本語の比重が増えてます。未読本が積んであるのは一緒ですので、「読みたいものを読む」を続けていくのが一番です。
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