中国語300万字通過

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1357. 中国語300万字通過

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/3/25(01:22)

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やっと中国語で300万字通過しました。
ヒストリカル・ロマンスを読み始めてからすっかりペースが落ちましたが、5月のHSK(漢語水平考試)を目指してこのところせっせと読んでます。
250万字通過報告をしてから読んだ本を紹介します。字数はメチャクチャ適当です。

とりあえず上海へ行ってからはしばらく「どっぷり上海」が続きました。

「都市風景線」(52000字)
250万字報告の時にもちらっと書きました。昔の上海の写真がたくさん収録されているのを見て小説だと思わないで買って読み、途中まで小説だと気がつかなかった本です。30年代当時の上海がリアルタイムで書かれているだけあって、後のノスタルジックな視線が全くなく、ちょっぴり辛口な短編が収録されています。上海の地元民の話もあり、上海にやってきたフランス人を主人公で、西洋人のオリエンタリズムが揶揄されているんじゃないかと思うようなお話もあります。

「百年回味」(19000字)
上海には「東方明珠」というテレビ塔があります。展望台があって観光名所になっています。私は上へは登らず、その下にある「歴史陳列館」だけ行きました。昔の上海が実物大や縮小サイズで再現されています。その展示品のパンフレットに当たる本です。上海の歴史が概観できます。売店では「老上海」関係の本がいろいろあって、日本では手に入らないと思って他にもいろいろ買い込みました。

「消逝的上海老建築」(36000字)
タイトルどおり、今は失われてしまった上海の建物を紹介する本です。現存しない建物のことなんか読んでどうする、などと思わなくもありませんでしたが、いざ読んでみたら…まず建物の所在地がはっきり書かれていて、上海を歩き回ってかなり地理がわかりましたので、どのあたりにあった、ということを思い浮かべることが出来ます。ですから「あそこにはこういう建物があったのか」としみじみ想像にふけりました。しかも写真もついてます。今のようなビルのない見通しのいい福州路、人民広場はだだ広くて、今は高層ビルに埋もれている金門大酒店や国際飯店がそびえて見えたり…。
そういった古い写真を見ると、失われた情景が惜しまれて、なぜかとても切ない気持ちが湧き上がってきました。

ここまでは一般書です。250万語前に読んでいたのも合わせて、テーマが老上海ばかりなので、興味が先立つ感じでまずまず読むことができましたが、やはりちょっと背伸びして読んでるな、と思うことがあります。ですからやはりもっとやさしい本も読まなくては…ということで、児童書へ行くことにしました。

「経典故事大王」(50000字)
上海書城で買った昔話集です。カラーイラスト、ピンインつき。中国の昔話や伝説がたくさん入っていて読み応えがありました。チベットやモンゴルの話も入っていました。モンゴルのお話は「スーホの白い馬」です。また「八仙渡海」も中国では有名なお話らしく、中国語で四角いテーブルのことを「八仙卓」と言いますが、この八人の仙人が座っていたことに由来するそうです。また、勇敢な娘が化け物退治をした蘇州・無錫の伝説があります。観光名所になっている蘇州の剣池や虎丘、無錫の太湖のほとりの●(文字化け)頭渚(げんとうしょ)にそんな由来があったなんて知りませんでした。

「課外語文」5年級(58000字)
以前4年、5年、6年と続けて買っていて、4年は読んだので5年を読むことにしました。これは短いいろいろな読み物が入っています。学習用の読み物なので、文章がきちんとしていて内容も多彩で、読んだら力がつきそうな感じがしました。

さて、京都に「国際マンガミュージアム」ができました。開館記念の特別展は「世界のマンガ」でした。そこで香港や台湾には日本の翻訳マンガもたくさんありますが、オリジナルのマンガもたくさんあることを知りました。そこでネットで購入できないかあちこちさがしてみました。そうしたらマンガミュージアムで見た作者のものを手に入れることができました。
それがこれ。

「真假公主」依歓著、全5巻(46608字)
日本のコミックスと同じ体裁です。タイトルは訳せば「真偽皇女」とでもなるでしょうか。
舞台は南宋時代。北宋が金に滅ぼされて、中国の南半分に再建したのが南宋。北宋が滅びるときに皇族が逃げて、その時皇女の一人が母親の親戚に預けられ、そのまま南方で唐紫黎と呼ばれて密かに育てられます。南宋が安定したころ、行方不明になった皇女を探すことになり、それを知って皇女を育ててきた家族が皇女を返そうとします。しかしそこにはさまざまな思惑、陰謀が入り乱れ、スムーズにことは運びません。
絵柄はまるきり日本の少女マンガです。絵が繊細できらびやかで。紫黎の兄として一緒に育った唐[日軍]や、皇女を探す役目を言い付かった呉仲旅はいかにも少女マンガ風の美形です。紫黎がどちらと結ばれるのか…というのもお話のポイントです。しかも呉仲旅が皇女を探すのを邪魔しようとする悪役がこれまた少女マンガにありがちなスカした敵役(しかもウェーブの長髪をたらしてる)です。
台湾発行なので繁体字です。日本語ほど早くは読めませんが、まずまず内容はわかるぐらいに読めました。

ここまで読んだらまた上海へ逆戻り。

「百年上海灘」(48000字)
薄いから読んでみようと思ったのですが…。薄いわりに字がびっしり詰まっていてけっこう読むのに時間がかかりました。
昔の上海に関してテーマ別に述べたものです。当時の写真も豊富です。
少し難しいかなと思いましたが、脳内音読でしっかり読んでみると内容が頭に入りやすいような気がしました。

でもやっぱりやさしい本を読もうと思い直しました。

「通鑑故事」(17000字)
宋代に書かれた歴史書「資治通鑑(しじつがん)」を子供向けに書き直したものです。カラーイラスト、ピンインつき。歴史エピソードとして短いお話が時代順に書かれています。イラストは3頭身で顔も子どもっぽいですが、衣装や背景の考証がしっかりしていて、表情もそれらしくてなかなかいい絵です。

「歇后語故事」(35000字)
歇后語とはことわざのようなもの。ことわざが生まれたもとになったお話を集めてあります。2色カラーイラスト、ピンインつき。ピンインがついていると、ややこしい人名を読むのに役に立ちます。一つのお話は2〜3ページぐらいなのでたくさんのお話が入っています。これで中国のことわざは完璧?

「課外語文」6年級(62000字)
そろそろ6年も読めるかなと思いました。それが5年よりも急に難しくなったような気がします。
最後の方になりますと、「卒業したら中学生になるので長い文章も読めるようになりましょう」と書いてあって、それまでの文章よりもずっと長いものになりました。まずはハウフ童話の「小さなムック」。昔読んだような気がしますが、内容は忘れてました。しかし面白くて、夢中になって読みました。そうしたら次に来たのは「ファーブル昆虫記」。昆虫には全然興味が湧きません。…途端にスピードが落ちました。

いいかげんわかっていたはずですが、興味のあるものを読むときとないものを読むときの違いがこんなに出るなんて改めて驚きました。「小さなムック」を読んでいる時はスピードだけでなく言葉が一字一字認識できて、しっかり読めている感じがしましたが、「ファーブル昆虫記」は言葉が上滑りして頭に入ってきません。難しいのではなくて、単に「頭に入らない」のです。

ここでついに300万字通過本です。

「聊斎志異」(110000字)
清代の蒲松齢が書いた神仙怪奇談。日本でも翻訳されて広く読まれています。といってもこれは子供向けのリライトです。でも厚さもあり、字も詰まっています。ピンインなし。数えてみると11万字もあって、300万字をかなりオーバーしました。
長そうな感じがしたので、まず最初に読めるかどうか試しに読んでみるつもりでのぞいてみました。そうしたら読みやすくてわかりやすい文章に思いました。また、絵がフルカラーで中国の昔の絵らしい雰囲気が漂っていてきれいです。それで結局夢中になって読みました。おもしろいな〜、聊斎志異。
中国語で「鬼」は日本の「鬼」ではなく「幽霊」つまり死者の霊のことですが、妖怪、化け物いろいろな場合に使われるらしいこともわかってきました。

ここまで読んできて、中国語はかなり自由に読めるようになってきたような気がします。といっても一般書は上海関係ばかり。あと子ども向けの歴史・古典関係ばかりなので、「気のせい」にすぎないかもしれませんが。でもまだまだそういった本が積んでありますので、それを読んでから一般書に移行していけばいいので、あせることもないと思っています。というか、こんなに積んでたらいつ「移行」できるのか…?
でも繰り返し出てくる表現は身につきます。文法の説明で「こういう意味になる」といっても、なんとなくわかりにくい中国語独特の表現方法も、繰り返し出てくると意味がすんなり入ってくるようになります。

ちなみにこれから「中国節日故事」(子供向け、ピンインつき)を読みます。そんな本ばっかり…と自分にツッコミ入れたくなります。普通の児童書が読めないし、好きな本を読むのが一番なので仕方がありません。


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