[掲示板: 〈過去ログ〉英語以外で多読を楽しむ掲示板 -- 最新メッセージID: 3292 // 時刻: 2024/11/24(13:42)]
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お名前: hangul100 http://www16.ocn.ne.jp/~korea100/
投稿日: 2005/7/18(13:36)
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二年前酒井先生のトークショーを聞いて、万年初心者だった韓国語で多読をしてみようと思いました。しかし韓国語ではグレーレッドリーダーようなものは手に入りません。それどころか読解用の教材ですら数が非常に少なく、極端に難解なものが大部分でした。
しかしその一方で、日本には韓国語を学ぶ際に有利な条件が多数存在していることも事実です。
第一に会話集が中心ですが、入門書は結構出版されていること。
第二に文法や語彙に類似点が多いこと。
第三にハングルのホームページが多数あり、平易なものなら翻訳サイトで大意をつかむことも可能なこと。
第四に韓国の新聞社や通信社がハングルのニュースの日本語訳を多数配信していること。
第五にネーティブスピーカーとの交流や映画、ドラマ、CDにふれることが比較的容易なこと。
そこで私は二段階にわけて多読もどきをやってみることにしました。
第一段階は、一冊の教科書をちゃんと仕上げるのではなく、巷にあふれている会話集や入門書をどんどん読んでいくことにしました。具体的には「漫画ハングル入門」「チョンマルブック」100円ショップダイソーの100円の会話集などを「辞書は引かない」「わからないところは飛ばす」「つまらなくなったらやめる」という原則に従って読んでいきました。これらのごく簡単で
量の少ない会話集から「普通の入門書」へとほんの少しだけレベルアップすると、多読三原則に加えて、聴き取りや作文などの練習問題はやらない、CDは聴いても良いけれども聴かなくてもいいという原則が加わりました。内容が難しかったら、無理をせずもっと易しい本を選ぶようにしました。時々単語をちゃんと覚えなければと思うときもありましたが、すぐに挫折して、単語は覚えないというやり方に戻りました。会話集とか入門書なんて読んでもつまらないと思われる方もいると思うのですが、難しくて挫折した本を数ヵ月後に手にとって、一応最後まで終わったときとか、チョンマルブックなどでも、わからなくても辞書などで調べたりせずに放っておいたフレーズが後で理解できたりするとちょっと嬉しかったりしました。ちゃんと調べたり、訳したりはしないので、電車の中とかちょっとした空き時間にできる
こともグレーテッドリーダーを使うのと同様です。こうして時間があると会話集や参考書を眺めるというのを続けていくうちに大学などで使われるような本格的なテキスト(・・・といってもそんなに難しいわけではないのですが)も一応最後まで終えられるようになりました。
普通に本を買っているととてもお金がかかるので、ブックオフの100円コーナーや100円ショップのダイソー、やや使いにくいのですが東京外大が作成した無料のウェブ教材も利用しましたが、一番役に立ったのは公立の図書館です。同じ区の図書館にある本なら、パソコンで簡単に取り寄せてもらえますし、ちゃんと学習するには2〜3週間では足りませんが、読み流すなら二週間あれば十分です。それでも終わらないような本は、すこしレベルが高すぎると考えて一旦返却し、数ヵ月後にまた借りれば十分だと思います。(このやり方で費用をかなり抑えることができました。)こんな風にして、読み流した韓国語の本(会話集や教科書など)は100冊を超えました。
(今までに読んで本の紹介と感想は私のホームページに載せてあります。興味のある方は是非ご覧ください。)
次の段階では、日本人向きの教材ではなくて、ネーティブ向けの普通の文章へとステップアップしていくことが課題になりました。当然易しい文章から少しずつレベルを上げていくのがいいのですが、韓国語ではグレーデッドリーダーが手に入りません。そこで邪道とは思いつつも、純粋に韓国語として易しい文章から難しい文章へと進むのではなく、日本語に近い文章や型どおりの文章から、韓国語特有の表現、日本語との差異が大きい表現を含む文章へと進んで行くことにしました。日本語に近い文章というのは、日本語と共通の漢字語が多く、事実関係を単純に伝える新聞記事のようなものです。このタイプの文章は翻訳ソフトでもかなり精度の高い翻訳が可能ですし、良し悪しは別として、単語を一語ずつ日本語に置き換えていけば大雑把な意味の分かる文章です。そしてコラムや社説のように個人の意見や感情表現が含まれる文章はややレベルが高くなり、小説などは日本人にとっては、さらに難易度が高いことが多いと思います。これが詩になるとさらに難しくなり日本語からの類推ではなくて、韓国語自体を理解していないと意味が分からないものが多いようです。絵本や歌の歌詞などもネーティブスピーカーにとっては易しいのでしょうが、日本語の知識に頼りづらいので(類推しづらいので)、意外と難しかったりします。そのためまずは事実関係を羅列した新聞記事(実際にはネットニュース)をなるべく多く読んで、大分慣れてからコラムなども読んでみるようにしました。本格的な小説や詩はまだまだ難しいのですが、単純な記事をたくさん読んでいると以前は全くわからなかった小説や詩がこんな意味なのかなとおぼろげに感じることができるようになってきました。
日本語からの類推に頼るのは邪道だとは思いつつもやはり内容が推測できたほうが楽しいので、韓国の新聞の日本語サイトをできるだけ毎日見るようにしました。ただしハングルの記事と日本語の記事を比較したりは基本的にせず、どちらかというと韓国の今を知るためにチェックしたという側面が大きかったと思います。
辞書は引かなかったといいたいところですが、実際には結構引いてしまいました。一つは翻訳サイトの誤訳例を集めてホームページに掲載したかったからと、記事自体の内容を知りたかった時などです。(辞書を引きすぎてしまったこともありますが、気持ちとしては、できるだけ記事を最後まで読んでから、チョコチョコッと辞書を引くということを心がけました。)また慣用句や固有名詞、四字熟語などもネット検索では簡単に調べることができて、個人的に面白い表現に時々出くわすので、(紙の辞書ではなくて)韓国のポータルサイトで検索したりしました。
費用について 翻訳ソフトを使って、読みやすい文章、難しい文章の見当をつけて、読みやすく面白そうな文を読んでいくというのは、邪道であり万人向きではないかもしれませんが、このやり方が合う人ならならほとんど追加費用がかからずに(翻訳サイトもウェブ辞書も無料のため)普通の文章が読めるようになれると思います。徹底的に費用を削減して外国語を習得したいという奇特な方なら試してみても良いのではないかと思います。
酒井先生ありがとうございます。皆さんこれからもよろしくお願いします。興味がおありの方がいらっしゃれば、韓国語を一緒に多読していきましょう。
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