中国語150万字通過

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1006. 中国語150万字通過

お名前: 杏樹
投稿日: 2005/7/9(01:34)

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みなさま、こんにちは。中国語で150万字超えましたので報告します。

フランス語で「プチ・ニコラ」を読んでからどうしようかと思っていましたが、インドネシアへ行ってバリ島のガイドブックの中国語版を買ったので読んでみました。そうしたら142万字になったので、これは150万字まで読んで報告しよう、と思ってがんばって読みました。

前の報告(127万字)以降のハイライトは小説を読んだことです。
きっかけは映画「活きる」を見たことでした。面白くて、原作があるということで、原作を読んでみたいと思いました。でも無理だろうな…、入手方法もわからないし、と思っていたところ、東方書店の中国現代小説系列にあるのを見つけました。注釈がついてるのが邪魔ですが、無視しました。原題は「活着」です。そのまんま…。それでちょっとのぞいてみたところ、なんだか読めそうな気がしました。そして、本当にそのまま読んでしまったのです。おもしろくて進んだのもありますし、それほど難しくありませんでした。

内容は映画とかなり変えてありました。
1940年代、地主の息子、福貴はバクチ好き。奥さんはもうすぐ二人目が生まれるというのに、賭場に入りびたり。ついに債務が積もり積もって家屋敷を売ることになってしまいます。小さなボロ家で田畑を耕しながらの貧乏暮らしが始まります。ある時街で兵隊狩りにあって有無を言わさず引っ張っていかれます。おりしも国共内戦の時代(「国共内戦」については、趣味の広場の世界史クラブ報告:児童書編3をご覧ください)、国民党軍によって戦場に連れて行かれます。生きて帰れるか…という瀬戸際で共産軍に助けられ、家に戻ります。家では男の子が生まれていました。しかし上の女の子は病気で耳が聞こえなくなっていました。そして家族とともにささやかな暮らしを始めますが、生活は苦しく、次々と苦難が訪れます。やがて子どもは成長し、結婚し、孫も生まれますが、不幸は次々とやってきます。まるで不幸本のよう…。最後は映画よりもはるかに悲惨。でもなぜか物語全体を通して悲惨な雰囲気があまりなくて、福貴はひょうひょうと過ごしていきます。達観でしょうか、あきらめでしょうか。

この小説は1992年に発表されたもので、作者の余華は当時32歳でした。それまで私が見てきた映画や小説と違い、中国の農村を舞台にしながらステレオタイプな表現が一切ありません。ステレオタイプというのは、中華人民共和国が成立する時期を描くと、普通農民はみな大喜びし、生活が向上した、という方向へ行きます。そして文革に突入すると、文革がいかに悲惨かを声高に主張します。
しかしこの小説はその時期を扱っていながら、そういった表現が全く見られません。中華人民共和国が成立しても福貴の生活は変わりません。生産ノルマがあったりして、働いても働いても楽にならない農民の生活は同じ。その代わり文革の影響もそれほど大きくはありません。実際はそんなもんだったんでしょうか。とにかくステレオタイプではない物語を書く作家が現れる時代になったんですね。

歴史や古典しか読めないのかと悩んだりもしましたが、こうして小説も読めました。この調子でもっと読んでいけたらいいいのですが、これと同じぐらいのレベルで、しかも同じぐらいの面白い小説をどうやって探したらいいのかわかりません。「中国現代小説系列」、つまりシリーズですので、他にも小説はあるのですが、当たりかハズレか、読んでみないとわかりませんので、何を読むか悩みます。

その他に読んだ本。
「Far from the Madding Croud」 Thomas Hardy (OBW5)
GRの中国語版です。中国語のタイトルは漢字が難しくて表記できません。
羊飼いのGabrielは美しいBathshebaという女性に一目ぼれします。しかしそれから苦難の日々が…。
けっこう山あり、谷ありで面白く読めました。

「世界童話精選」1〜3
中国語の先生が貸してくれました。コマ割りをしたマンガ風の内容になっています。でも絵がいまいち…。おなじみの童話もありましたが、長編の児童書のダイジェストもありました。小学生のときに読んだ「水の子」が収録されていて驚きました。

「巴里島」
中国語でバリ島は「巴里島」!!(フランスのパリは「巴黎」)
日本語がなかったので中国語版にしました。とっても読みやすいです。バリ島の固有名詞にはローマ字アルファベットが付いてます。でも漢字表記もあります。

「中華歴史故事」2
前に「3」を読んで報告しました。こちらは前漢から南北朝です。三国志の時代がすっぽり入ってますが、その部分はちょっと物足りませんでした。ま、物語じゃないし。

「包拯」
北宋時代、悪を裁き民を助けた裁判官。中国では「三侠五義」という小説などで有名な人物です。青く澄んだ空のように清廉潔白、という意味で「包青天」とも呼ばれました。中国では実在の人物というより伝説的人物となっているようです。と、思って中国語の先生に今この本を読んでいるといって見せたところ、知らないといわれました。一生懸命説明しようとしましたが、ふと思いついて別名「包青天」と言います、と言ったところ急に「知ってる!」という返事が返ってきました。やはり歴史上の人物としてではなく、「弱きを助け、悪をくじく」という伝説的人物として知っているようです。

「中華歴史故事」「包拯」は、なんだか快適に読めませんでした。字数到達の目標にしたからでしょうか。それほど難しいわけではなくて、ゆっくり読んだらわかるのですが、その速度がなんだかもどかしくて、スラスラ読みたいと思って速度を上げるとわからなります。ということは、パンダ読みをしたほうがいいのか…。でも望みのレベルの本を調達するのは難しいです。「巴里島」が快適にすらすら読めたので、同じような調子で進めないのがよけいにもどかしく思ったのかもしれません。
それと、あっちこっちの言葉を行き来して読むより、一つの言葉を集中して読んだほうが読む力は上がりやすいのだろか、とかあれこれ考えています。

でも快適に読めなくて疲れたし、パンダ読み用の本が不足していることもあって、しばらく中国語はお休みして英語の本を読むことにしました。近いうちに世界史クラブの報告をしたいと思っています。

それではこのへんで…。


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