Re: 100万通過--山本山さん、おめでとう!

[掲示板: 〈過去ログ〉100万語通過報告 -- 最新メッセージID: 8032 // 時刻: 2024/6/29(01:12)]

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[喜] 4962. Re: 100万通過--山本山さん、おめでとう!

お名前: まりあ@SSS http://www.buhimaman.jp/
投稿日: 2005/3/15(23:51)

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山本山さん、はじめまして。 まりあ@SSSです。

  「上から読んでもやまもとやま、下から読むと、まやともまや」
な〜んて言っていないで、おめでとうのキラキラです。

〉2月9日に1.000.004語で100万語を通過いたしました。

。.:*:・'゜★゜'・:*:.。゜'・:*:.。☆。.:*:・'゜。.:*:・'゜★゜'・: 

〉通過中に、PCのマザーボードに不具合が発生しメーカー修理から復帰するまでに2週間近くかかりました。幸いPCの補償期間中で無料修理してもらいました。このPCの先々が心配です。

  故障はバックアップのとってないときに限って起きますからね(T_T;)

〉 去年3月に始めて、100万語通過は「Logan's Choice」CER2 YL:2.6 230冊目でした。全てYL:2.8以下です。

  はい、いいです、いいです。楽しく読めていたのなら心配いりません。
どんなに易しいレベルの本でもたくさん読めば力はつきますから。

〉経過後も、未だ以下の2点が未習熟の点です。
〉1)登場人物が6人以上となると、人物間の関係が読んでいるうちに判らなくなる。人物が登場する初期のころは判るのですが、1,2Page後には混乱し関係が判らなくなる。ただし5人以下だと大体最後まで関係がわかる。

  外国人の名前は覚えにくいのは、みんなも同じだと思います。
ペパーバックの裏表紙に登場人物の説明がついたものを見たことがあり
ませんが、翻訳物にはほとんど表紙カバーの裏とかに登場人物一覧が
載っているのが証拠です。
  でも酒井先生は登場人物が多くなっても全然平気だそうですから、
いつかいつか、た〜くさん読んだら平気になると、希望を持ちましょう。
それまではもしあんまり不便だったら自分で登場人物一覧を作りながら
読んでも良いかも知れません。

〉2)主語の長い文や、主語がandやorでつんながり次に動詞がくると、主語と動詞の関係を確認するため、文を戻ります。

  後ろから戻って訳し上げるのは良くありませんが、ときどき長い文章が
分からなくなって、文頭からもう一度読みたくなるのは仕方ありません。
あまり何度もそういうことがあるなら、もう少しレベルを下げても良いかも
知れませんが。

  しかし、and と or が難しい、というのは鋭い指摘なんですよ。
学校で本当のことを習っていないため、よく分からないのは当然なんです。
分かってるつもりにならないだけ山本山さんは感覚が鋭敏なのでしょう。

and と or について酒井先生がお書きになった文章を無断転載!します。
許してね、酒井先生m(_._)m

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Unlearn3 君はand を知っているか?

 この題名は少々大上段に振りかぶってしまいました。けれども、中学校
1年以来おなじみのはずのandです。しかしandが英語の理解に障碍となって
いるという話は聞きません。それだけに、もしandの理解がまちがっている
としたらおおごとです。
ちょっとは振りかぶってもいいような気がします。
 andってどういう意味?と聞かれたら、だれだって「そして」とか
「・・・と」と答えるでしょう。それがなんとまちがっているのです。
andを英和辞典で調べると、千篇一律「そして、・・・と」という訳語を
載せています。けれどもandのいちばん大事な役割に触れている辞書は一つ
もありません。日本語で書かれた文法書もおなじです。例によって例のごと
く、日本語に訳すための英和辞典であり、日本語を通じて英語を理解する
ための文法書だからです。

and に例外なし
 英和辞典や英語の先生がなぜ誤解しているかといえば、andを日本語に
直して理解しているからです。Andもtheと同じように、「意味」はなく
「役割」があるだけです。andの役割はきわめて厳密に決められています。
例外は一つもありません。(失礼、一つも見たことがありません。)
そしておなじ役割をになう語は日本語にはありません。ではその役割は
何か。例を見ながら少しずつ本当の役割に迫っていきましょう。
次の文を全部読むことはありません。四つの下線部を並列しているandが
最後の名詞の前についていることだけ確認してください。

His clothes were hung in the single cupboard, a pair of bright green
corduroy trousers, one or two shirts, pullovers and one formal suit.

 この文も「非在の鴨」とおなじく「女には向かない職業」という探偵小説
からとりました。
女性の私立探偵があるケンブリッジ大学生の死について調査を依頼され、
学生が暮らしていた小屋を調べています。部屋の中を見ていくと、一つだけ
物入れがありました。青年はここに何をしまっていたのか?緑色のズボン
1本、シャツが1枚か2枚(くっつくようにかかっているので分からな
い?)、セーターが何枚か、それにフォーマル・スーツが1着。
 青年の部屋をこまかく観察すれば、いろいろなことが分かるはずです。
青年がふだん何を考え、どんな暮らしをしていたか、変死の謎を解く手が
かりはないか・・・女探偵の目はどんな細部も見逃すまいと、一つ一つ数え
上げていきます。
 だから物入れに入っていた物はすべて並べてあります。ということはいま
数え上げた以外には注目すべき物はないということです。one formal suit
の前にandを使ったのは、「必要なものは全部数え上げた」という宣言なの
です。

andの第一の役目——「次で終わり」
 andはとても強い宣言です。「注目すべきものはほかにはない!」と言い
切っているのです。大変強い存在なので、いないときにも巨大な存在感が
あります。非在には非在の意味がある・・・
言い切っていない例を見ましょう。そうすれば非在のandが「言い切る」強さ
がよく分かってきます。
さきほどの変死した青年の小屋のまわりには庭があります。小屋は借りて
いたもので、大家さんの広大な庭のすみにありました。まわりには青年とは
関係のない物がいろいろ散らかっていたようです。

  The ground was scattered with old pots and pans,    the upended 
skeleton of a pram, a battered and rusty gas stove.

 andが二つ出てきますが、これはpots とpans、batteredとrustyを並べて
いるだけなので、old pots and pans と a battered and rusty gas stove 
は一かたまりなのだと思ってください。
 そうすると、小屋の回りの庭にちらかっていると描写されているものは
三種類、つまりold pots and pans (鍋釜)と the upended skeleton of a 
pram(乳母車)とa battered and rusty gas stove (ガスレンジ)の三つ
です。
 注目すべきはガスレンジの前にand がない!
and は「数え上げるべきものは次で終わり」と言い切る語です。その原則に
例外がないとしたら、いろいろ並べているのにandがないということは何を
意味しているでしょう?
 そう、「ガスレンジで終わりではない。ほかにも転がっている物は
あった」と言い切っていることになります。
庭にころがっているものは、小屋の大家さんが捨てたものかもしれないし、
だれかが投げ捨てたのかもしれません。青年とは関係がない可能性があり
ます。小屋の中の物入れはまちがいなく青年の持ち物だけが入っているはず
なので、細大漏らさず数え上げましたが、庭にころがっている物はすべて
注目する必要はないと判断したことが分かります。
 いってみれば、andなしで並べられている場合も、andが単に省かれた例外
的な場合ではなく、andはそこに存在しないことで基本的な役割をしっかり
果たしているといえます。
・・・ま、非在の在、とでもいいましょうか・・・

A and B and C の場合
 この並び方も原則に反するように見えます。andは「同じものを並べて
きましたが、次で終わりですよ」という標識だと書きましたが、このA and 
B and Cという並べ方は原則に反しているように見えます。
 いや、それでもやっぱり反していないのです。例を見ましょう。

 The Giraffe and the Pelly and Me

 これはロアルド・ダールの黄色レベルの本の題名でした。この形の場合、
書いている人はthe Giraffe and the Pellyと並べて、the Pellyで終わり
——と見せかけてもう一度、「終わりだと思ったでしょうが、これもある」
とばかりに Meを付け加えているのです。だから「次で終わりですよ」という
andの役割に変わりはないわけです。
 こんな風にAとBとCを強調するやり方は多少とも強引なので、滅多に見
ません。大人向けの小説では1冊に1回もないくらいでしょう。大学の授業
でアメリカの週刊誌TIMEを読んでいたころには、A and B and Cという形は
今年度30週くらい読んで、1回も出てこないだろうと説明していました。
週刊誌のおもな役割は報道なので、冷静に表現したがるのでしょう。
どちらかというと大げさに表現する児童文学には頻繁に見られます。たとえ
ばさきほどのロアルド・ダールの書名のように、子ども向けの作品にはよく
使われています。

もう一つの大事な原則———同じ形を並べる
 andについて日本の英語教育界が大きな誤解をしていると気がついたのは、
大学の授業中でした。ぼくもまだ先生になったばかりで、TIMEやNewsweekを
訳させる授業をしていたのですが、学生がandのところにくると、まずは訳を
切ってしまいます。それでandのあとを見て、「あ、これは前の語と並べて
あるな」と気がついて、元へ戻って並べてあるいくつかの語の最初から訳し
直す、ということが頻発しました。
そのうちに原因に思い当たりました。学生はandの役割を誤解していたの
です。学生は英文和訳に四苦八苦しているので、andが出てくるとまるで
ながーい階段の踊り場のように、あるいはながーい旅路のオアシスのよう
に、一休みしないわけにはいかないのです。

andがわかれば読解力は20%上昇する!
 そこで、ぼくが考え出した助言が、「andは「次で終わりですよ、だから
もう一息がんばって」という標識なのだ」という説明でした。そしてその
助言を頭にとどめてもらうために「単語も文法の知識も今のままで、andの
役割を納得すれば読解力は20%上がるよ」と言いました。
 これは単なる方便ではありません。andはtheのところで出てきた頻度別
ランキングでは、なんと堂々の4位です。これほど頻繁に使われる語の理解
が深まったら、20%くらいは本当に力が増すと思います。
 学生に対する具体的な指導は「andが出てきたらそこで休まずに、次の語を
見てごらん」というものでした。これがandについて知っておくべき第2の
原則に関わってきます。

きれいにそろった例
 andの次を見るとたいていの場合(そのほかの場合についてはあとで説明
します)、andが何と何を並べているのか分かります。andは文の中で同じ
役割をしている語を並べて「次で終わりですよ」と教えてくれるわけで
すが、並べる語は「同じ形」がのぞましいのです。多少ちがう形のことも
よくありますが、まずは分かりやすい例をお見せしましょう。
 この例は日本語に訳せば「ウィトゲンシュタイン:炉ばたの決闘」となり
そうな本からとりました。20世紀哲学界の巨人ウィトゲンシュタインと
やはり著名な哲学者カール・ポッパーの対決を描いた本です。舞台は主に
イギリスのケンブリッジ大学。
ウィトゲンシュタインはここで哲学サークルのリーダーをしていました。
下の文はこの本の著者が、「このサークルの集まりに毎週参加するのは大変
だ、なぜかというと学生たちにはさまざまな誘惑があるから」と説明して
いる部分です。下線部の形だけに注目してください。

  There were debates to be joined, music to be played, magazines 
to be edited, politics to be argued over.  There was the call of the 
stage, the river, and the sports field.

さまざまな誘惑の例として数え上げられている「お楽しみ」は、music to 
be played以下すべて「名詞+to be+過去分詞」ときれいにそろっていま
す。学生たちは「ディベートはある、演奏会はある、雑誌も編集して、政治
論もたたかわせて」と、大忙しだということです。最初の文の最後に挙げら
れたpolitics の前にandがありませんが、これはもちろん「非在のand」が
読者に「次で終わりではありません。まだ言ってないものがあります」と
伝えているのです。
最初の文ですべてを数え上げられなかったので、There wasではじまる次の
文でさらに学生たちの「お楽しみ」を列挙しています。こちらはthe stage, 
the river, the sports fieldが学生たちを誘惑するというわけで、すべて
定冠詞つき、しかもそれぞれ「芝居、舟遊び、スポーツ」の場ですから、
意味の上でもきれいにそろっています。(ちなみにthe riverは「非在の鴨」
のところで出てきた舟遊びのことです。)
最後のthe sports field の前にandがあります。当然「数え上げるべき
お楽しみはこれだけ」という含みです。原文ではこのあとお楽しみではなく
学業の方へと話題が変わります。
 andが並べる語は「同じ形がのぞましい」とさっき書きました。その方が
何を並べているのか分かりやすいし、第一きれいだからです。
多少形はちがっても意味から分かるはずだという場合は、ぴったり同じ形で
ないこともよくあります。
けれども形がそろうときれいです。そこで、多少とも凝った文章はできる
だけ形を整えます。上の例は相当な美文調といっていいでしょう。

きれいにそろいすぎた例
もう一つ、同じ本からおなじように凝った例をあげましょう。炉ばたの決闘
の場面にいた3人目の哲学者バートランド・ラッセルを評した文です。
ラッセルは晩年反核運動で投獄されるなど、平和のために闘う哲学者として
知られていましたが、家族からは「ひどい人間だった」と言って、批判され
ていたというのです。

 …(his family) accused him of coldness, callousness, and cruelty.

 coldness以下3つ名詞はどれも抽象名詞で、どれも形容詞から作った
もの。言葉の「レベル」が同じです。その上どれもcではじまっていて、
見た目も頭の中でひびく音もおなじ・・・
「冷酷で、やさしさがなく、残忍な」人だったという内容を考えると、
グロテスクなくらいきれいな文章になっています。

andが出たら、「もう一息!」
というわけで、美しい形になっているかどうかはともかく、andで一休みして
しまう傾向のある人は、なんとかがんばってandの次の語まで目に入れて
ほしいと思います。その語(語群のこともあるのでややこしい)と同じ役割
をしている、語を直前から思い出して、「あ、ここにおなじ役割の語(群)
があった、これだな」と確認してください。
 ウィトゲンシュタインの話のようにきれいな形というのはそうはありま
せんが、たくさん読むうちにだんだんand の次の語まで目が行くように
なり、同じ役割の語を探すのも簡単になるでしょう。また、「非在のand」
もすぐに見つけられる(!)ようになるでしょう。

andになぜ例外がないか
 andになぜ例外がないのでしょう?これもGood question!で、まだ答えは
持っていません。大事な問題ですが、ぼくには今のところ答えをどう見つけ
ればいいのかさえ分かりません。
けれども、今のところの予想では、英語は語順が大事なために、おなじ役割
をする語を一かたまりにする必要があり、そのために、「ここまでで終わ
り!」という標識が必要だったのではないかと考えています。
 日本語では語順はそれほど重要ではありません。日本では語の役割を示す
には「助詞」が使われます。

 きのう、新宿に映画を見に行ったんだよね。

という文では、「新宿に」や「映画を」の助詞「に」、「を」が名詞の役割
を示しています。したがって語順はどう変えても名詞の役割を誤解すること
はありません。

 見に行ったんだよね、きのう、新宿に、映画を・・・
 映画(を)、見に行ったんだよ、きのう、新宿にさ
 きのう、行ったんだよね、見に、新宿にさ、映画を

これはずいぶんおおざっぱな例ですが、基本的に日本語は語順がそれほど
大切ではないことが分かると思います。
 ですから、助詞を省いた次のような見出し(毎日新聞)は非常に読みとり
にくくなってしまいます。2002年の冬に「ムネオ疑惑」で有名になった
鈴木衆議院議員
(当時)について、見出しは次のようになっていました。

鈴木宗男議員:聴取は拒否する姿勢 外務省

「:」を使って工夫したのでしょうが、これでは「聴取を拒否」している
のが、鈴木宗男議員なのか、外務省なのか、分かりません。実は拒否して
いるのは外務省なのですが、助詞を省いても「拒否」の主体である「外務
省」を最後に持ってきたことは、日本語が語順をかなり自由に変えられる
ことをものがたっています。
つまり、語順がそれほど大事ではない日本語にはandのように厳密に並列を
示す語は必要ないわけです。逆にandは語順の大事な英語にとっては厳密に
使われます。

学校英語の非常識
theについてもandについても、大事な情報を書いていない英和辞典はなんの
ためにあるのでしょう?また、大事なことを書いていない文法書に存在意義
はあるのでしょうか?
学校英語の常識が実際の英語とはかけはなれているのは、theやandだけでは
ありません。英語でもっとも使われる回数の多い語ほど、誤解がはびこって
います。The、a、and、代名詞の数々——こうした最頻出語はどれも間違って
理解されているのです。
(前置詞は少々事情がちがって、誤解は少ないと思われます。語順の問題と
はあまり関係がないからでしょう。)
そしてお気づきのように、どれもいわば「機能語」です。Theやandや代名詞
はそれ自身には意味はなく、文のあっちとこっちをつなぐ役割だけを持って
います。これはとても大事な仕事で、これなしには名詞も動詞も形容詞も
ばらばらになってしまい、英文そのものが成り立たなくなります。という
ことは学校英語は生きた英語の仕組みそのもを誤解していることになりま
す。

▲返答元

▼返答


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