[掲示板: 〈過去ログ〉100万語通過報告 -- 最新メッセージID: 8032 // 時刻: 2024/11/23(10:34)]
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お名前: KYO
投稿日: 2004/7/25(09:13)
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杏寿さん、お祝いありがとうございます! おひさしぶりです。 〉100万語達成、おめでとうございます! 〉内訳を見ますと、本当にやさしい本をたくさん読まれたんですね。特に児童書は定番ものをかなり読んでらっしゃるので、多読を教えるのにも役に立つと思います。 児童書は各シリーズ1冊ずつだけというのが多いので、何か教師くさい読み方だなって自分では思ったりします。 でも学生に勧めるときは、「こんな感じでおもしろいよ」「きっと好みじゃないかな」とかアドバイスできたので、それはよかったかな。 持ってるシリーズ本は今後できるだけ読みたいです。 〉ORTなど1冊あたりの語数は少ないですが、これだけの冊数を読んだのなら数えた方がいいような気がしますが。 数えてみるようにしま〜す。 〉できればもっと本の感想など聞いてみたいです。ダールやジャクリーン・ウィルソンでは何を読みましたか。私はダールはレベルの低いところから順番に制覇しています。まだレベル6以上のものは未読で積んでありますが、だんだん読んでいくつもりです。ぶっ飛んだ展開が気に入っていますが、レベルの高い本になると自伝的なものもあったりするそうですので、どんな感じか楽しみにしています。 杏樹さんが聞いてくれそうな気がしてました。通過報告に書くと長くなりそうなんで省きました。 ここで書いてみますね。 ウィルソンは本当に泣けるものが多くて、英語の多読というよりは読書本来の楽しみを十分に味わわせてくれました。 読んだのは、Cliffhanger, The Suitcase Kid, Lizzie Zipmouth(これはテープを聞きました) The Cat Mummy, Bad Girls, Sleepoversです。 Vicky Angel は100万語を通過後に読みました。これは主人公の悩み方がすさまじくて読むのが辛かったです。 一番感動したのはThe Suitcase Kidです。苦しみながら成長していくAndyにものすごく共感しました。 よく時が経てば乗り越えられるとか忘れられるなんていいますが、そのプロセスにある人間はものすごく苦しむんですね。 自分がバラバラになるぐらい、苦しんでもがいて、でもその過程を少しずつ乗り越え脱していく。 その亀の歩みたいな再生の過程が細やかに描かれていてすばらしいと思いました。 その後、息子が、ちょっと悩んでることがあってその時に「若いんだし時が経てば乗り越えられる」 と私が言ったんですが、その時に彼はものすごく苦い顔をして吐き出すように言ったんです。 「大人っていうのは簡単にそういう、でも苦しんでるヤツの気持ちなんかわかってない」 その時、私はAndyのことや読んでいろいろ考えたことがふっと浮かんでこう話しました。 「うん、そうだよね。時が経てばなんて簡単に言うけど、本人にとってはすごく苦しく その間に自滅してしまうような人だっている。 そんなに簡単にきれいさっぱり忘れられるわけがない。苦しんでやっと這い上がるって感じだと思う」 そう言ったら、息子の顔が心なしか緩んだような気がしました。 子供は辛いことがあってもすぐ忘れると大人は思いますが、その間は本人すごく悩むんですよね。 でも子供がすばらしいのは、その再生の力、成長の力です。 そういう意味ではサッカーの There's a Boy in the Girls' Bathroom もすばらしかったです。 非行少年の更生で、「親や教師が子供を信じることが大事」というようなことをよく耳にしますが、 そういう子どもたちって、自分で自分のことを変われるとかよくなるとかぜんぜん信じられていない、自分の可能性が見えていない。 周囲の大人が本人以上にこの子は変れるのだと信じることがものすごく大事なんだと思いました。 主人公が初めてやった宿題を出すシーン、頭がくらくらしてボッとなって、折角やった宿題をゴミ箱に捨ててしまう。 ここは猛烈に泣けました。人間、変ろうとしてもそんな簡単にハイってわけにはいかないんですね。 でも、共感者を得られれば、ジリジリと少しずつ変っていく。 悩み苦しみを乗り越える、現在の自分とちがった自分へ変ろうとする過程というのは、子供だけじゃなくて大人も同じことだと思います。 短めのお話ですが、The Cat Mummy もよい作品でした。 時にユーモラスでさらっとした筆致でありながら 家族の死をどう乗り越えるかという重いテーマを考えさせられました。 母親を亡くした主人公の女の子(あー、名前が出てこない)だけでなく、 父も、母の親も、母親の死を乗り越えられていない。悲しみをずっと封印したままでいる。 肉親の死を受け入れるのは身を切られるような辛さだと思うのですが、 でもそれを受容する、寂しいけれどさようならを言う。そこからまた新たな暮らしが始まっていく。 主人公の女の子の猫の死をきっかけに、家族全員が母の死を受容することの大切さに気づき、 本当の意味で母にお別れをいえるようになっていくのがすごくよかったです。 ダールは、これまで読んでいたのは、Boy, The Witches, Matilda, Chocolate Factory。 今回、The Enormous Crocodile, The Magic Finger, Esio Trot を読み、 今、The Giraffe and the Oelly and Me を読んでいるところです。 ダールはね、音がね、あう感じがすごくします。 物語を話している英語の音やリズムがピタッとくる作家とあまりそうでない作家がいて ダールはたくさんの人がすっと入っていける語り口を持ってる卓越した語り手ではないかと思います。 私にはWilsonも最初からそんな「音があう」タイプの作家でした。 それに較べると、サッカーは物語はすばらしいんですが、音の合い方がいまいち。慣れれば、きっと合ってくる感じもします。 ダールは私的には自伝のBoyが断然お勧め。杏樹さん、ぜひぜひ読んでみてください。 ダールのお母さんって人がホントに立派な人で、亡くなるときのエピソードなんか、 もう、さらっと書いてあるだけに、泣けて泣けて (ホント私は泣き虫で、感動する本は泣き過ぎで読むのが苦しかったり、そのたんびに鼻をかむので読みが中断してしまうんです) 少年時代のいろんな出来事がのちの作品に生かされているんだなというのがよくわかりますが、 まあ、そういう興味はさておき、単純におもしろい!です。 いろんなことがあってそんなにスゴイ事件じゃないんだけど、ダールが話すとおもしろいんですよ〜ね、これが。 ハリー・ポッターは、以前ある翻訳家の人が、これは前からある、 イギリスの下層階級の子が上流階級の寄宿舎学校に入って最初はいじめられるんだけれど、 だんだん頭角をあらわして行くといった話の焼き直しと書いているのを読んで、 そんなもんかと思ったので読みそびれていました。 あんまりもてはやされると、ちょっと引くほうなので。たぶん本当にいい本ならまたどこかで自分と出合うご縁があるような気がするんです。 話はずれますが、私は高村薫さんがすごく好きで、でも読んだのはデビューされてから大分経ってからです。 読み始めたときは、10冊ぐらい著書があって、読んでいくのがもう楽しみで楽しみで。 阪神の大震災の後、もう暴力的な話は書けないということなので、これまでの作品を最初から再読したりしました。 久々に新刊の『晴子情歌』が出たときはうれしくて、読むのがもったいなくて、我慢してしばらく買わずにいました。 高村さんには作品を量産するような作家には絶対なって欲しくないんです。 何年でも待ちます、じっくり書いてくださいって感じです。 思わず話がずれましたが、ハリー・ポッターは、読んでみたら、予想よりずっとおもしろかったです。 1話目は子どもに付き合ってビデオを見ていたんですが、奇想天外なエピソードが次々と出てくるという感じでまあまあかなといったろころ。 私はファンタジーはあまり読めないたちで、そこらへん杏樹さんとはちがう読み方になると思うんですが。 (杏樹さん、指輪読破、おめでとうございます! 私は日本語も挫折してます。 でも杏樹さんの報告を読んだらせめて翻訳でも読もうかなという気になりました) 実際に本のほうを読んだら映画の印象よりずっと細やかな書き方がされていてよかったです。 まだ11歳なのに、親を亡くして意地悪な親戚に預けられているハリーが何だかかわいそうで、 もう自分はuselessって感じに思っていたのが、実は誰もが知っている有名人。 そのギャップに戸惑ったり、昔の辛い思い出がふっと蘇ったり、顔も見ないで亡くした親への強烈な思慕が描かれていたり、 そういうところが丁寧に書かれていてひきつけられました(そのたんびに泣くので、またティッシュが) 私の場合は、人物造形がしっかりしていて、心理描写が丁寧な作品がいいみたいです。 ハリー・ポッターはファンタジーでもその点がいいんじゃないかと思います。 「ハリー、まだ幼いのに君はなんて勇気があってりっぱなんだ、偉いぞ、ハリー、がんばれ」みたいな感じで楽しんでます。 感想書いたら長くなりました。でも、読んだ本の感想を言える人が身近にあんまりいないんで、 書けるのは楽しい!です。 〉あらためて、100万語通過してよかったですね。 〉これからもHappy Reading! は〜い、杏樹さんもますますHappy Reading!
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