[掲示板: 〈過去ログ〉多読と英語学習・試験に関する掲示板 -- 最新メッセージID: 1756 // 時刻: 2024/11/25(23:48)]
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お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2009/11/7(09:13)
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TOEICで高得点で次に英検一級を受けてみたらうまく行かなかったというのは、ハンドボールが上手になったので似たような水球をやってみたらできなかったというようなものでしょうか。
両者の違いと言えば
1.試される技能の違い
TOEICが読む・聞くのインプットの二技能をテストするのに対し、英検一級は読む聞く書く話すの四技能。
以前は和文英訳、英文和訳が出て、試験問題も日本語でしたが、現在は日本語ができなくても受かるような試験らしいですね。
(私が受けたのは変更前でした)
訳すという五番目の技能をテストしなくなったというのは残念なことだと思います。五技能を試す一般的なテストが無くなってしまったわけですから。
「英語を英語のままで」という発想からは四技能のテストで良いわけですが、それであれば英検一級で無くても海外の試験を日本で実施すれば良いわけです。ケンブリッジ英検とか。
英検が文部省のお墨付きを失って、TOEICがどんどん勢力を伸ばして、焦った日本英語検定協会は、(私の記憶では)ケンブリッジ英検と提携をして英語だけで受けられる試験に作り替え、かつ、合格者が入学の際の英語の試験を免除できる提携大学のネットワークを増やし、生き残りを目指しているわけです。
まあ、「訳す」という五番目の技能が難しい技能なので、それを試すのは一級を終えてからのプロ向けの試験でよいかという判断もあるかも知れません。(日本通訳検定はつぶれてしまいましたが)
2.評価の方法
かつての通訳ガイド試験は試験問題自体は簡単なものの合格者を上位10%とすることで、(合格するのが)難しい試験となっていました。
英検一級は絶対的なレベルで難しいですが、評価も絶対レベル。
TOEICは評価は偏差値ですので、受験者全体に対して自分がどこにいるかということです。
自分より英語のできない人を100万人連れてきて受験してもらえば自分もTOEIC990点だろうかと考えたこともありました。
今では過去5年?のデータでの偏差値ということらしいので、5年間毎回100万人を動員するのではお金が続かないなあというところです。
また、「受験者全体」という母集団が日本人・韓国人を中心としている中で、自分はnon-nativeの中での順位が知りたいのか、海外に出ても、ネイティブと比べてもやっていけるレベルかどうか知りたいのかということもあるでしょう。
後者であれば、EUの統一レベルに沿ったケンブリッジ英検などが良いでしょう。
結局の所、TOEICと英検一級は別のものというだけのことで、どちらが良い、どちらが悪いと言うわけではありません。
(突然ここで話が変わる)多読によるunlearnという話があります。
(私個人は)学校英語で身に付けたものでunlearnしなければならなかったものはほとんど無いと思っています(忘れちゃったから)が、これはunlearnが必要だと思っているのは、訳語に出てくる漢字のイメージです。
different を違うとか異なるとか訳出した瞬間に、「違和感」「異物」「間違い」などと、「正しくない」というニュアンスが強烈に想起されます。
(話は戻る)というわけで、インプット能力を評価したくて、かつ、(国内での入試や採用試験に使うので)日本人の中での相対的評価が知りたいという目的であれば(受験者も評価者も)TOEICを使えば良いというだと思います。
寅
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お名前: たかぽん http://dandelion3939.blog38.fc2.com/
投稿日: 2009/11/7(13:27)
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寅さん、こんにちは。
とてもわかりやすくまとめてくださって、ありがとうございます。
〉TOEICで高得点で次に英検一級を受けてみたらうまく行かなかったというのは、ハンドボールが上手になったので似たような水球をやってみたらできなかったというようなものでしょうか。
うまいなあ。
そういえば昨日、1956年メルボルン五輪の水球競技のソ連vsハンガリーの試合が、
恐ろしくbrutalでbloodyなものになった、という話をちょうど読んでました。
私が読んでるの見てました? 閑話休題。
〉両者の違いと言えば
〉1.試される技能の違い
〉TOEICが読む・聞くのインプットの二技能をテストするのに対し、英検一級は読む聞く書く話すの四技能。
〉以前は和文英訳、英文和訳が出て、試験問題も日本語でしたが、現在は日本語ができなくても受かるような試験らしいですね。
〉(私が受けたのは変更前でした)
私が聞いてた英検一級も、和文英訳・英文和訳ありでした。
いつのまにか変わってたんですね。
〉訳すという五番目の技能をテストしなくなったというのは残念なことだと思います。五技能を試す一般的なテストが無くなってしまったわけですから。
なるほど。
〉「英語を英語のままで」という発想からは四技能のテストで良いわけですが、それであれば英検一級で無くても海外の試験を日本で実施すれば良いわけです。ケンブリッジ英検とか。
あ、ほんとだ。
〉英検が文部省のお墨付きを失って、TOEICがどんどん勢力を伸ばして、焦った日本英語検定協会は、(私の記憶では)ケンブリッジ英検と提携をして英語だけで受けられる試験に作り替え、かつ、合格者が入学の際の英語の試験を免除できる提携大学のネットワークを増やし、生き残りを目指しているわけです。
そんなことをしていたのですかっ。
(文部省のお墨付きを失ったことすら知らんかったです。。)
〉まあ、「訳す」という五番目の技能が難しい技能なので、それを試すのは一級を終えてからのプロ向けの試験でよいかという判断もあるかも知れません。(日本通訳検定はつぶれてしまいましたが)
でもそれだとやっぱり「日本の試験」という売りが無いですよね。
海外の試験でいい、ってことになる。
和英間の運用能力を問わないと、日本の試験である意味が無いように思う。
プロ試験より基準は低めでもいいので、ある程度、和英・英和能力を問うべきではないかっ。
〉2.評価の方法
〉かつての通訳ガイド試験は試験問題自体は簡単なものの合格者を上位10%とすることで、(合格するのが)難しい試験となっていました。
そうだったんですか。
ほぼ満点とらないと受からない感じ。
〉英検一級は絶対的なレベルで難しいですが、評価も絶対レベル。
ふむ。
〉TOEICは評価は偏差値ですので、受験者全体に対して自分がどこにいるかということです。
そのようですね。
〉自分より英語のできない人を100万人連れてきて受験してもらえば自分もTOEIC990点だろうかと考えたこともありました。
おお。それはいい考えだ。(か?)
〉今では過去5年?のデータでの偏差値ということらしいので、5年間毎回100万人を動員するのではお金が続かないなあというところです。
みんなの受験料を負担するとしたら、確かに毎回数十億かかりますね。
ここはひとつ、猫もしゃくしもTOEICを受験するよう、キャンペーンを張るのです。
もっともっと値下げしてもらう。
マクドナルドのように、年6場所ある大相撲にたくさん懸賞を出すのも効果的かもしれません。
日本人が皆、「年に6度の墓参りとTOEICは欠かしません」という状態になれば、しめたものです。
〉また、「受験者全体」という母集団が日本人・韓国人を中心としている中で、自分はnon-nativeの中での順位が知りたいのか、海外に出ても、ネイティブと比べてもやっていけるレベルかどうか知りたいのかということもあるでしょう。
そうですね。日本人と韓国人が中心なんですね。。
〉後者であれば、EUの統一レベルに沿ったケンブリッジ英検などが良いでしょう。
ケンブリッジ英検よさそうですね。
〉結局の所、TOEICと英検一級は別のものというだけのことで、どちらが良い、どちらが悪いと言うわけではありません。
そうですね。
〉(突然ここで話が変わる)多読によるunlearnという話があります。
〉(私個人は)学校英語で身に付けたものでunlearnしなければならなかったものはほとんど無いと思っています(忘れちゃったから)が、これはunlearnが必要だと思っているのは、訳語に出てくる漢字のイメージです。
〉different を違うとか異なるとか訳出した瞬間に、「違和感」「異物」「間違い」などと、「正しくない」というニュアンスが強烈に想起されます。
なるほど。
いま気がつきましたが、私は、漢字は外国語だ(外国語、または、やまとことばを乗せとく記号)
っていう感覚が強いからか、おっしゃるところの不都合は、あんまり無いですね。
different を「違う」「異なる」と訳出したとしても、それは「ちがう」「ことなる」と頭では捉えていて、
「違和感の違だ」というふうには思ってない。
熟語は外国語(or造語)、それ以外の漢字は、ひらがなばっかりだと読みにくいから借りてるだけ、のような感覚で。
だから、うまく、ビシッと、熟語とか使いこなせないんですね。「自分の物」になってないから。
〉(話は戻る)というわけで、インプット能力を評価したくて、かつ、(国内での入試や採用試験に使うので)日本人の中での相対的評価が知りたいという目的であれば(受験者も評価者も)TOEICを使えば良いというだと思います。
コンパクトにまとめてくださいました。そういうことでしょうね。
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お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2009/11/8(10:33)
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いくつか追加の情報を
〉英検が文部省のお墨付きを失って、TOEICがどんどん勢力を伸ばして、焦った日本英語検定協会は、(私の記憶では)ケンブリッジ英検と提携をして英語だけで受けられる試験に作り替え、かつ、合格者が入学の際の英語の試験を免除できる提携大学のネットワークを増やし、生き残りを目指しているわけです。
〉まあ、「訳す」という五番目の技能が難しい技能なので、それを試すのは一級を終えてからのプロ向けの試験でよいかという判断もあるかも知れません。(日本通訳検定はつぶれてしまいましたが)
日本英語検定協会のサイト[url:http://www.eiken.or.jp/]の右下に小さく、「日本英語検定協会とは」というのがあって、ここをクリックすると事業沿革のページに飛びます。
それを見ると、1968年文部省認定、2000(平成12)年文部省令認定とあります。
ここだけ見ると、引き続き文部科学省の認定が続いているように見えますが、実際には平成14年に認定制度の廃止が決定され、平成17年度に廃止となっているようです。
昨夜駅前の本屋に行って英検の問題集を見たら「文部科学省後援」とされていました。
その足でブックオフに行って、過去の問題集を見たら2005年の版が認定、2006年の版が後援となっていました。
他方、昨年初めから認定制度の復活についての検討が開始されたとの記事も発見されました。[url:http://sankei.jp.msn.com/life/education/080119/edc0801192050008-n1.htm]
今はどうなっているのでしょう。
日本英語検定協会に問い合わせてみましょう。
〉また、「受験者全体」という母集団が日本人・韓国人を中心としている中で、自分はnon-nativeの中での順位が知りたいのか、海外に出ても、ネイティブと比べてもやっていけるレベルかどうか知りたいのかということもあるでしょう。
かつては受験者の国別のデータもTOEICのサイトに載せられていましたが削除されています。
AllAboutJapanに関連の記事があります[url:http://allabout.co.jp/study/toeic/closeup/CU20021212A/index.htm]が、そこには以下の記載があります。
(quote)
1997‐98年のTOEIC試験の受験者の63%は日本人で、29%は韓国人であった、ということです。つまり、全世界のTOEIC受験者の92%は、日本人と韓国人が占めていたということなのです。
更に、上の92%という数字は団体受験者についてのみで、公開テストの受験者を入れた数はサイトには公開されていません。この点についてTOEIC運営委員会に問い合わせたところ、「公開テストは日韓でしか行われていないため、データの集計は行っていません」という解答をいただきました。
つまり、公開テストも考慮に入れ、更に現実に近い受験者数を計算した場合、日韓の受験者が占める比率は92%から増えこそすれ減ることはない、ということです。
(unquote)
うーん。
〉後者であれば、EUの統一レベルに沿ったケンブリッジ英検などが良いでしょう。
これの説明のサイトをちょっと探してみますが、例えばフランス語ならばDELF/DALFという試験で、その説明のサイトをご覧ください[url:http://www.calosa.com/centrealliance/delfdalfjp/ousyuu.html]
あるいは英語でケンブリッジ英検のサイト[url:http://www.cambridgeesol.org/exams/exams-info/cefr.html]
〉(突然ここで話が変わる)多読によるunlearnという話があります。
〉(私個人は)学校英語で身に付けたものでunlearnしなければならなかったものはほとんど無いと思っています(忘れちゃったから)が、これはunlearnが必要だと思っているのは、訳語に出てくる漢字のイメージです。
〉different を違うとか異なるとか訳出した瞬間に、「違和感」「異物」「間違い」などと、「正しくない」というニュアンスが強烈に想起されます。
脳内音読という言葉に表れるように、黙読していても音が認識されていると言われます。
他方、文字から音声を介さずに直接理解される道筋もあるらしく、特に日本語の漢字などはその傾向が強いのではないかと思います。
寅
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お名前: たかぽん http://dandelion3939.blog38.fc2.com/
投稿日: 2009/11/8(16:03)
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寅さん、ありがとうございます。
TOEICって日韓が9割以上なんですね。。。
〉〉(突然ここで話が変わる)多読によるunlearnという話があります。
〉〉(私個人は)学校英語で身に付けたものでunlearnしなければならなかったものはほとんど無いと思っています(忘れちゃったから)が、これはunlearnが必要だと思っているのは、訳語に出てくる漢字のイメージです。
〉〉different を違うとか異なるとか訳出した瞬間に、「違和感」「異物」「間違い」などと、「正しくない」というニュアンスが強烈に想起されます。
〉
〉脳内音読という言葉に表れるように、黙読していても音が認識されていると言われます。
〉他方、文字から音声を介さずに直接理解される道筋もあるらしく、特に日本語の漢字などはその傾向が強いのではないかと思います。
そうですね。漢字を拾い見するだけで瞬時に文章の意味がわかるのは、その道筋によるものでしょうね。
英語では、私はまだまだ、これができません。最初から順に、ちゃんと読まないと、意味がわからない。
いつか、日本語ぐらいの速さで処理できるようになるのかなあ。。
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お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2009/11/10(11:27)
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追記です。
〉日本英語検定協会のサイト[url:http://www.eiken.or.jp/]の右下に小さく、「日本英語検定協会とは」というのがあって、ここをクリックすると事業沿革のページに飛びます。
〉それを見ると、1968年文部省認定、2000(平成12)年文部省令認定とあります。
〉ここだけ見ると、引き続き文部科学省の認定が続いているように見えますが、実際には平成14年に認定制度の廃止が決定され、平成17年度に廃止となっているようです。
〉昨夜駅前の本屋に行って英検の問題集を見たら「文部科学省後援」とされていました。
〉その足でブックオフに行って、過去の問題集を見たら2005年の版が認定、2006年の版が後援となっていました。
〉他方、昨年初めから認定制度の復活についての検討が開始されたとの記事も発見されました。[url:http://sankei.jp.msn.com/life/education/080119/edc0801192050008-n1.htm]
〉今はどうなっているのでしょう。
〉日本英語検定協会に問い合わせてみましょう。
表記について日本英語検定協会に問い合わせをしましたが、早速以下のように沿革のページに追記いただきました。
(引用開始)
2006年(平成18)
【文部科学省後援となる】
政府方針により、平成17年度に、技能審査制度における「認定」というシステムが廃止された。
(ここまで)
寅