レベルよりもジャンルか

[掲示板: 〈過去ログ〉多読と英語学習・試験に関する掲示板 -- 最新メッセージID: 1756 // 時刻: 2024/11/26(17:36)]

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631. レベルよりもジャンルか

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2009/7/4(06:42)

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ソレイユさんのTOEIC報告トピックから引っ越して来ました。
こちらで、
たかぽんの質問にお答えします。

〉Ry0tasanさん、こんにちは。

〉いや、いいんですけど、もしも、

〉〉もし多読でもう少しTOEICの点数を上げたいとお望みであれば、
〉〉読む本のレベルがポイントになると思います。
〉〉楽に読める本の語彙レベルが今より1段階上がったときに、
〉〉TOEICのスコアも上昇するかもしれません。

〉こうおっしゃったのが、多読で点数を上げたいなら読む本のレベルを上げろ、という意味であるならば、
〉その「読む本のレベルを上げる」方法こそが問題ではないかと思ったんです。

結論から申し上げれば、
「読む本のレベルを上げろ」という風に命令してはいません。
少し頑張ってキリン読みをするか、
読める本を気長に読み続けながらレベルの上昇を待つかは、
本人が決めることです。
初めて多読をするばあい、
難しすぎる本を選んで頑張りすぎてしまう人が多いという印象はあります。

頑張って難しい本を読むことを問題だと思う人もいるし、
僕もどちらかと言えばそういう立場です。
その点では、
上級者むけの単語を暗記したり、
実用的な作文には必要ない構文を勉強するのも、
読む本のレベルを上げる目的で行なわれていることだと認識しています。
ただし、
就職や進学のために短期間で目に見える結果を出さないと困る人もいると思います。

〉多読では従来、「レベルは上げるものではなく、上がるもの」と言われてきました。
〉ですが、ソレイユさんのご報告は、そうそううまくはいかない、というメッセージかなと、私は解釈しました。

「そうそううまくはいかない」とおっしゃるのは、
楽に読める本のレベルはそう簡単に上がらないという意味でしょうか。
それとも、
楽に読める本のレベルが上がっても点数には結びつかないという意味でしょうか。

〉私が何となく思っているのは、TOEICに効く読書ジャンルというものがあるかもな、ということです。
〉(TOEICを受けたこともないので、あれなんですが・・・)

語彙や文体が同じでも、
その内容が論説や解説になっている文章より、
物語になっている文章の方が、
読者は作中の人物になりきって想像できるので、
背景に関する知識が乏しくても理解できるばあいはあります。
作中の人物に感情移入できると、
言葉の吸収も速いかもしれません。
ただし、
試験では断片的な文章が出題されるので、
物語の人物になりきる様な読み方では高得点が難しいのでしょう。
(この話はこれから先が重要なので、
この時点でのつっこみはやめて下さいね。)

〉すごい高レベルのペーパーバックを楽しんでいる方でも、TOEICの点数は伸び悩むというケースがあります。

そこがポイントだと思います。
同じ本を楽しんでいても、
人によって理解の度合いは違うのです。
たとえば、
米国の幼稚園では、
読みきかせで Charlotte's Web を楽しめる6歳児が沢山います。
勿論、
自分で文字は読めないし、
細部まで理解できているわけではないでしょう。
分らないところはとばして理解し、
1冊を何週間もかけて楽しむわけです。
(この時点で高得点は無理だと思います。)

一方、
Charlotte's Web を子どもたちに読んであげている大人は、
この本を大人でも読み応えのある本だと感じています。
見慣れない単語が少しぐらいあっても、
Charlotte の使う文学的な表現や、
季節の変化を細部まで味わうことができます。
速度も6歳児とは段違いで、
黙読なら1日で読み通してしまいます。

まとめますね。
分らない箇所をとばしても、
物語の大筋はつかめます。
この時点ではまだ単語テストで高得点は難しいです。

知らない単語を飛ばしても、
大量に読み続ければ、
同じ単語に何度も出会います。
出会いを繰り返すうちに、
うっすらと意味が分って来て、
やがては正確な理解に達します。
そのぐらいまで行かないと試験で点数は取れないかもしれません。

〉なので、一概に「レベル」とも言えなくて、TOEICに効く「ジャンル」があるのかなと思ったりします。

読みやすさレベルよりは、
語彙レベルの方が、
reading の点数には結びつきやすいと思います。

それから、
米国の専門家には、
英語学習者のために語彙や構文を制限した文章より、
英語を母語とする人同士が使う "authentic" な英語の文章が重要だと考えている人がおり、
TOEICにもそういう傾向の文章は数多く出題されているように思えます。
要するに、
graded readers の文章より、
母語話者むけの文章が重視されているというわけです。

〉英語がご専門であられるRy0tasanさんには、そのあたりをお聞きしたく思います。
〉また、多読多聴以外にも良さそうな勉強法などがあれば、それも教えていただきたいなと思います。

むかしむかし大学院を受験する準備として、
米国人向けの語彙増強本をやったことがあります。
Word Power Made Easy などです。
この本の中で、
実際に単語を書き込んで勉強した箇所は、
全くと言っていいほど役に立ちませんでした。
ただし、
語彙や語源について英語で解説してある箇所は、
今でも覚えているところが多いです。
それで、
語彙増強本をやるなら読むだけでもいいのではと思っています。
文法書も僕は必要な箇所を読むだけです。
意志が弱いので問題はやりません。

〉ご回答を強要する趣旨ではありませんので、回答するしない、ご回答の時期、すべてご随意で結構です。

このごろ考えているのは、
自分たちがどうやって大人の日本語を読める様になったかです。
英語に比べれば単語の暗記もしていないし、
文法の勉強も少ししかしなかったけれど、
子どもには読めない日本語の文章を毎日のように読んでいます。
勿論、
学校の授業で学んだことも何らかの形では役立っていると思います。

〉それでは。

とりとめのない回答になりましたが、
あとで考えが整理されたら、
また書きたいと思います。

Happy reading!


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