マルチリンガルの研究「楽しくつきあう外国語」by 緒方靖夫

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1275. マルチリンガルの研究「楽しくつきあう外国語」by 緒方靖夫

お名前: 柊
投稿日: 2013/7/3(08:38)

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絶版本ですが、古本では安く手に入ります。

著者は現在日本共産党の副委員長。東京外語大中国語学科卒業、ルーマニア交換留学生、機関紙のパリ特派員、英字紙編集長、党国際部長などを歴任しています。使える言語は、外交で通訳がいらないという高いレベルのものが英語・フランス語・ルーマニア語(言語としてはイタリア語の方言のような感じとのこと)・スペイン語・イタリア語(と、どうやらドイツ語)。中国語はある程度わかるものの通訳を介する、韓国語勉強中という状態。

自身が警察に盗聴されたことを国連人権委員会に訴えに行ったときに同行してくれた近所の人の経験などをもとに、話す中身があればさほどの語学力がなくても通じるといいつつ、語学は半年か1年であるレベルに達しないとものにならないという先輩の教え(実はそう思って頑張れという意味だった)を真に受け、また、学ぶ言語は通訳なしで話せるレベルに持っていかないと意味がないというスパルタな一面も。

 さらに元党首の不破哲三氏の、読んだり翻訳できる言語は英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・中国語・ロシア語だけれども、どれも全くしゃべらない。マルクスやレーニンを原書で研究できるのに、税関では「ノー・イングリッシュ」と言って通り、中国語は漢文式で読んで音はわからないという、すさまじい不均衡ぶりを紹介しています。どこの国でも本屋に入るとまず2時間は出てこない、何語でもパンフレットがあればとりあえず手に取る、というところはタドキストには思い当たる方も多いかと。
 ものを読むのが速いのは、知っている単語をつなげて読んでいるので、知っている単語が少ないからだというところは、多読に通じますかね?

マルクスやエンゲルス、多言語ではお馴染みのシュリーマンの外国語学習法も紹介。エンゲルスは25の言語を解し、興奮するとどもるくせがあるので、20の言語でどもると言われていたそうです。

バイリンガルという言葉に憧れる人は多く、マルチリンガルも時々はいるものの、このレベルで使える人は珍しいと思うので、一読に値すると考えます。国連でのスピーチなど、対訳付きの英語の文章も収録。


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