多読と読書は違う?!

[掲示板: 〈過去ログ〉多読と英語学習・試験に関する掲示板 -- 最新メッセージID: 1756 // 時刻: 2024/11/26(11:39)]

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1256. 多読と読書は違う?!

お名前: たかぽん http://dandelion3939.blog38.fc2.com/
投稿日: 2012/9/7(21:44)

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繁村先生、ご返答ありがとうございます。

〉〉あ、ついでと言っては何ですが、ダブルハンドルは、確か禁止のはずですが、
〉〉「近眼の独眼龍」と「繁村」を使い分けておられる理由は何ですか?

〉これは、近眼の独眼龍と繁村が同一人物だと明示的に分かると
〉不都合なことがあるので、掲示板の管理人に相談し、許可を
〉もらった上でこうしています。

 そうだったんですか。

〉私自身がどこかで分かるように書いてしまっているのかもしれませんが、

 そうですね。私も掲示板しか見てませんし・・・

〉何度もたかぽんさんに書かれて、ひどく迷惑しており、大変に不愉快です、
〉この件に関しては。

 それは申し訳ございませんでした。平にご容赦ください。
 「繁村」に一本化されれば?とも思ったりするのですが、
 どうしてもダブハンせざるを得ない、やむにやまれない事情が
 お有りなのでしょうね。

〉〉〉たかぽんさん、こんにちは、繁村です
〉〉〉(先生はやめましょうよ)

〉〉 いえいえ、ご立派なので、先生と呼ばせてください。繁村先生(笑)

〉(嘆息)

 いえ、ほんとに。
 多読指導をなさり、私もこうして教えていただいているのですから、
 先生と呼ばせてくださいませ。

〉〉〉〉名指しで恐縮ですが、今や多読の指導者として大きな影響力をお持ちの先生に、
〉〉〉〉ちょっとうかがいたいことがありまして、新投稿とさせていただきました。
〉〉〉〉大切なことかと思いまして。

〉〉〉はい

〉〉〉・・・・・中略(ごめんなさい)・・・・・

〉〉 ここも大事だったのですが・・・ お許しします。(笑)
〉〉 自分で復活させます。(笑)

〉「というのはまぁ別の話として、」と書かれていたので、前振りかなと
〉思い、時間もなかったので略してしまったのですが、失礼しました。

 いえいえ、とんでもございません。
 直接の質問文ではなかったので、「別の話」と書きました。
 いわば憲法前文のようなもの?(かなり違うか・・・)

〉〉〉〉辞書を引かなくても読める、というのは、身につけるといい感覚だと思いますが、
〉〉〉〉辞書を引かないほうがいいんだとか、さらには辞書引きが悪であるかのような
〉〉〉〉思い込み・信仰にまで到ると、やっかいだと思います。新たな心的束縛になる。
〉〉〉〉実際、辞書を引くことに恐怖感をいだいてしまっているような「タドキスト」さんも、
〉〉〉〉かなりおられますよね。

〉"英和辞典"は、引いても良い、引いた方が良いケースは、結構少ないと
〉思っています。

 どうでしょう。
 英語名人・達人と言われるぐらいの先生方は、大抵の場合、
 英和辞典をよく引いて勉強された経験をお持ちのように思います。
 英和辞典が悪いとは、一概には言えないのではないかと思います。

〉そして、引くべきかどうかの判断も、最初は簡単ではないとも。
〉分からない単語は辞書を引かなければならないという思いこみの方が、
〉ずっと大きな問題だと思っています、英語の本を読めない人たちにとっては。

 それは、読む本が難しすぎるからではないでしょうか?
 うんとやさしくておもしろい本を読めば、あえて「辞書禁止」と言わなくても、
 辞書なんか引かずに本を楽しまれると思うのですが。(私がそうでした)

 私が思いますには、辞書を引けという「強制」と同じぐらい、
 辞書を引くなという「禁止」の害も大きいと思います。

 「強制」も「禁止」も要らないんじゃないでしょうか?
 その人その人が、自分の感覚を信じて、楽しいと思う方向に行きさえすれば、
 それでいいような感じがします。

〉少なくとも私は、英語での読書をまだ楽しめてはいない人を想定して、
〉多読の話しをしていますので、多読中は辞書は引かないと言い切っています。
〉もちろん、多読指導の場合は、個々に対して行うので、言い方は
〉ずいぶんと変えますが。

 多読というのは、結局のところ、学校の先生などに取られていた主導権を
 取り返す方法だと思うんですね。
 まったく自由に、好きなようにやるんだ、と。
 その主導権のところに、酒井先生や繁村先生が入るだけの結果になっては
 いけないと思うんですよね。
 「依存先」が変わるだけではダメなんではないかと。
 なので、ヒヨコの段階から、強制も禁止もしない。
 「うんとやさしい本から読んだら、辞書なしでも読めておもしろいからやってみて」
 って言うだけでいいと思うんです。

 実際、私も、酒井先生の「学校英語反対」や「辞書禁止」が深層意識に染みこんでいたのか、
 いつのまにか辞書恐怖症、勉強恐怖症になってまして、スランプを経験しました。
 心の声は、辞書引いてごらん、勉強してごらん、と言っているのに、「酒井信仰」が
 強力にブレーキをかけるもんで、具合が悪くなっていたんですね。

 今までいろんな人を見てきて、そういう人もけっこういらっしゃるように思います。

〉〉〉〉というのはまぁ別の話として、繁村先生は、辞書をお引きにならないのですか?
〉〉〉〉本当に? ぜんぜん?

〉〉〉良く引きますよ。私が引かないのは、多読中の話です。
〉〉〉多読以外でも英語には接します。勉強だったり、必要に迫られたり。
〉〉〉で、多読以外では良く引きます。いや、必要なくても、なんとなく
〉〉〉辞書を読んだりしてる時もあります。

〉〉 ありますよね!当然。

〉はい、辞書や事典は好きです。

 おもしろいですよね。

〉〉〉LDOCEとCOBUILDとOALDが全部入っている電子辞書を持っています。
〉〉〉英和も確か新英和大辞典とランダムハウス、リーダーズ(+)あたりが
〉〉〉入っています。
〉〉〉楽しいですよ。

〉〉 前にもおっしゃってましたね。
〉〉 ちなみに、この電子辞書の機種は何でしょう?

〉SIIのSR-S9003です。
〉今は後継のSR-S9003NH3しか、市場にはないかもしれませんが。

 ありがとうございます!

〉〉 (私は貧乏なのでまだ買えないと思いますけれど…)

〉たぶん、3万円弱かな、通販で。

 うーん、辞書に3万円か・・・

〉〉 それと、英和辞典はまったくお使いにならないのですか?

〉使いますよ。
〉そうだな、専門用語やそれっぽいもの。長い単語なんか。
〉あ、英和は多読中は使いません、まったく。英英はごくごくたまに使うけど。

 そうですか。
 「日本語で言う何だろな?」と調べてみるのも、おもしろいですよ。

〉〉〉〉私の経験で恐縮ですが、11年以上、3千万語以上読んでいても、いまだに、
〉〉〉〉児童書を読んでいても、わからない言葉が出て来ます。
〉〉〉〉そのままにしとくことが多いですが、どうしても意味を知りたいなぁという
〉〉〉〉場合も出て来ます。(あるいは、語源を知りたいなぁ、とか)

〉〉〉はい、そう言うときは、多読は一旦やめて、調べたりします。
〉〉〉もともと語源は好きで、日本語でもよくやりますからね。
〉〉〉この場合、なかなか元の本に戻れないことが普通ですね。

〉〉 いつもいつも、調べるのがそんなに長くなりますか?
〉〉 読んでる途中で軽く調べたりはなさいませんか?

〉いや、辞書が好きなので、つい読みふけったり、関連単語を
〉読んだり、thesaurusとかね、長くなっちゃうことが多いです。

 あぶないですよね。(笑)
 私は繁村先生ほど辞書を引いていないような気がしてきました。。

〉読んでいる途中で軽く調べるのは、読書中にはありますよ。

 ん? 多読と読書は違うのですか?

〉〉〉〉そんなときは辞書を引きます。電子辞書のOxford Advanced Learner's Dictionary
〉〉〉〉を使うことが多いですが、英和辞書を引くこともあります。ググったりも。
〉〉〉〉意味を知ると「なるほど!」と思いますし、話も理解できて楽しいです。

〉〉〉〉そういうの、まったく、なさいませんか?

〉〉〉多読をするようになって、どういう単語は辞書を引いても意味があるなって
〉〉〉分かってきたので、多読前に比べると随分と効果的に辞書を使っていると
〉〉〉いう気がしてます。

〉〉 それはありますよね。
〉〉 ということは、多読中に辞書を引くこともあるということですか?

〉いえ、多読中に辞書を引くわけではありません。
〉多読で身についた感覚に従って、多読以外で英語に接している
〉(マニュアルを読んだり、調べ物をしてたり、映画を観る前に原作を
〉読んだりする)時に、辞書を引くことがあり、その引き方が効率的に
〉なったんです。

 えーっと・・・ 原作を読むのは多読ではないのですか?
 「その言語で書かれたものをたくさん読む」というのが多読だと思っていたのですが。。

〉〉〉よく例にだすのですが、一見簡単そうな単語はひいてもわからない。
〉〉〉underとtheとseaを辞書で引いても、under the seaの意味は
〉〉〉分かりにくい。海底とか海底の下なんて思いかねない。
〉〉〉でも、普通に英語に触れていれば、分かりますよね。

〉〉 あー、でも、一見簡単そうな単語で、どんなに多読してても、
〉〉 間違って把握しつづける場合もありますよね。
〉〉 たとえば、(ちょっとむずかしいかもしれませんが)「stare」とか。
〉〉 (拙ブログ記事です
〉〉  [url:http://dandelion3939.blog38.fc2.com/blog-entry-1544.html]
〉〉 なんか気になったら調べるというのも、有益なことだと思います。

〉うん? リンク、あってますか?
〉辞書を引いた方がいい、調べた方がいいという例にはなっていないように
〉思いますが。。。?

 えっ? (たかぽん、確認する) あ、はい、合ってると思います。
 「stare」という言葉は、児童書でも頻出する単語なので、酒井先生も
 何度も何度も出会っておられたはずなんです。
 ところが、間違って把握しておられた。
 酒井先生も、たぶん、どこか時点で、自分の「stare」の把握はおかしいぞ、
 と感じられたと思うんです。酒井先生の「stare」の把握では辻褄の合わない場面も
 何度も出て来ますから。
 そこでやり過ごさずに、一度でも、複数の辞書を引いてみられたらよかったのに、
 と思うんですね。誤解してたんだなーって、すぐにわかったと思います。
 (あるいは、私が今やってるみたいに、"stare" hunt してみるとか…)

〉因みに、stareをいくつかの辞書で引いてみました。次の説明が、私の
〉感覚に一番近いかな。

〉to look at something or someone for a long time
〉without moving your eyes,
〉for example because you are surprised, angry, or bored

 ロングマンの説明ですね。
 私は、「without moving your eyes」が必須ではないと思うので、
 OALDの「to look at somebody/something for a long time」という
 シンプルな説明でいいんじゃないかと思います。

〉〉(under the sea は辞書で調べても益が少ないかもしれませんが、
〉〉 under the sun なら有益そうですね。)

〉そうかなぁ。
〉太陽の下で、なんて単純なイメージだけを持ちかねないと思いますけど。
〉念のために、ルミナス英和という辞書でsunを引いてみたら、

〉1 太陽、日
〉2 日光;ひなた
〉3 恒星

〉でした。ねぇ、まずいでしょ?(まぁ、これはこの辞書だけの問題かも
〉しれませんが)

 あー、いえ、「under the sun」というひとかたまりを検索してみたら、
 おもしろいんじゃないかと。
 話かみ合ってなかったですね。すみません。。

〉〉〉多読三原則に則った多読は、かなりrobustな方法だと思っていますので、
〉〉〉辞書を使ったり、文法書を使ったりする勉強を併用しても問題ないと
〉〉〉思っています。

〉〉 そうですよね。

〉〉〉ただ、多読中に多読三原則から離れてしまえば、それは私の思っている
〉〉〉多読ではないので、私が期待している多読の効果も無くなると思って
〉〉〉います。

〉〉 どういうことでしょう?

〉多読三原則に従って、100万語を単位とするような大量の本を読むことで、
〉英語を獲得するやり方を、私は多読と呼んでいます。

 うーん。それはまた狭い「多読」の定義ですね。。

 あー、だから、「多読中は辞書を引かない」っておっしゃるんですね?
 辞書を引いたら「多読」じゃなくなるからと。なるほど。

 では、あの、よく巻末にglossaryとか註のある本がありますよね?
 あれを読むのは、辞書などを調べるのと大差ないと思うのですが、
 註を読んじゃうと「多読」じゃなくなりますか?

〉英語のまま取り込む、あるいは使うことができるようになる方法だと
〉思っています。

 「多読」が、英語のまま取り込む方法だというのはわかりますが(まんまですから)、
 使うことができるようになる方法だ、というのは、議論のあるところだと思います。
 インプットが必ずアウトプットにつながるという保証は無いと思います。

〉ですから、私は、多読三原則から離れれば、"多読"ではないし、効果も
〉期待できないと思っています。

 繁村先生の定義からすると、「多読」ではないでしょうね。
 でも、効果が期待できないというのは、どうでしょう?
 たとえば辞書を引きながら読んでも、効果はあると思うんですが。

〉すでに英語を英語のままという感覚をある程度身につけた方は、
〉もちろん辞書を引こうが、いろいろ調べようが、お好きになされば
〉いいと思いますが、それはもう多読を通じて英語を身につけようと
〉いう方ではないように思います。

 いえいえ、外国語習得の道は、果てしないと思うんですよ。
 もっともっとたくさん読まなくちゃいけないと思いますし、
 聞かなくちゃと思います。(話すのも書くのも、これからもっと。)
 そういう意味で、私は自分でまだまだ「多読見習い」だなと思っています。

〉〉 たとえば、私は先日、Michael Connelly の The Lincoln Lawyer シリーズを2冊読んだんですが、
〉〉 法律用語とかわからない言葉が出て来るので、英英や法律辞典で軽く調べながら読み進めたら、
〉〉 話がすごくよくわかって、たいへん面白かったです。
〉〉 これはダメな多読なのでしょうか?

〉普通の読書ですよね。"多読"という必要もないし、私に言わせれば
〉"多読"ではありません。

 そうですか。厳しいなぁ。。

〉The Lincoln Lawyerシリーズは、私も読みました。Harry Boschの
〉シリーズより好きです。

 あ、読まれましたか! さすが繁村先生。
 おもしろいですよねー。取引、尋問の妙が。

〉〉〉短い講演なんかでは、こう言っています。
〉〉〉多読では、どうしても気になる場合は、その本を読み終わってから
〉〉〉辞書を引く。ただし、1音節の単語は引かないこと。

〉〉 前半の指示は、「辞書引かない感」をつけるためなんだなとわかりますが、
〉〉 後半の、「1音節の単語は引かないこと」という制限は、どうしてですか?
〉〉 引きたいんならべつに引いてみたっていいと思うのですが。
〉〉 (有名な「climb」とか、確認してみてもいいと思うんですが。)

〉短い講演の場合は、いろんな例外とか注意とかまで言い切れないし、
〉誤解している人に尋ねて、訂正する暇もないので、多読にとって
〉安全サイドと思う説明をしています。
〉一般に、1音節の短い単語は、辞書を引いても混乱するだけだと
〉思っています。大抵は、たくさんの訳語がならんでいて、そのどれを
〉選ぶかなど、悩みます。
〉それも日本語で考え悩みます。そうして元の文を理解するなんて
〉暗号解読ですね。

 あー、でも、「1音節の単語は引かないこと」という【禁止】が、
 頭にこびりついてしまうかも。。
 それよりも、「楽しいと思うことをやりましょう」で良いと思います。
 「引いてみたい!」という気持ちでなく「引かなくちゃ」という気持ちなら
 引かなくていいですよ。
 引いてみて、うわっと圧倒されたら、読まなくていいですよ。
 またいくらでもチャンスがありますよ。
 って感じで良いのでは、と。
 
 
 「徹底的に自分を信じることを思い出す」というのが、多読の神髄かなと思っています。
 「あなたにとって一番良いことは、あなたにしかわかりません」
 「タブーはありません。自分が心から楽しいと思うことをどんどんやりましょう」
 で、いいんじゃないでしょうかね。
 
 
 まぁ、いろいろ好きなことを言わせていただきました。
 失礼がありましたら、どうぞおゆるしください。
 お忙しいなか、おつきあいくださいまして、ありがとうございました。
 それでは。


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