多読的文法の楽しみ

[掲示板: 〈過去ログ〉英語で趣味を楽しむ -- 最新メッセージID: 1605 // 時刻: 2024/11/24(02:49)]

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720. 多読的文法の楽しみ

お名前: パピイ
投稿日: 2006/10/24(22:55)

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これをお読みの文法ファンのみなさん、
先日不幸本全13巻制覇したことを公表した、パピイです。

両方とも、掲示板読者の中に何人いらっしゃるのだろう?と思われるくらいマイナーな
楽しみ方ですが、「You are not alone.」が言いたくて、この投稿を書いています。

■最初に
三つお断りしておきます。
一つ目は、ここは「趣味の掲示板」ですから、文法学習法や、文法論などは出てきません。
そのようなことに興味のある方には、期待外れの投稿かもしれません。

二つ目は、この投稿では、「こんなときは、こういうふうに言う、こういう言い方はしない」、
また、「英語では、こんな表現を使うことがある」と文法を定義しています。

三つ目は、楽しみについての紹介ですので、それぞれの英文の詳しい説明はしていません。

■文法の楽しみとは
最初に英文法って楽しいかもと思ったのは、だいぶ前のことですがNHKの
「英語でしゃべらナイト」の、パックン英検のコーナーにゲストで登場したネイティブの方が、
名詞の答えに冠詞のaをつけて答えたのを聞いたときです。
(注:パックン英検とは、英英辞典の説明を読み上げ、説明されている単語を当てるクイズです)
彼にとっては、「a+名詞」で初めて言葉として意味を持つものだったということですね。

学校では、aは最初に学んだはずですが、30数年経って「へぇ」が出てくるとは思いませんでした。
今の私ならa chickenと、chickenでは頭に浮かぶイメージが違いますが、当時は、やり直し英語で
文法書の説明でしか冠詞を理解していた(していたかどうか?)だけでしたから、
ネイティブの方が自然に口にしていたのが、とても新鮮に感じました。

「文法の楽しみ」とは言っていますが、言葉の違いや、学校では習わなかったことに
気づくことによって面白さを感じ、それが楽しさにつながっているようです。

■多読的文法の楽しみとは、
それは読書をするなかで、面白い表現に出会うことです。

また、文法書で学んだことが実際どう使われているのか、
どの程度の頻度で使われているのかを、経験的に知ることです。

ストーリーを楽しむだけでなく、その表現や出現率まで楽しむと言う、
いわゆる「一粒で、二度おいしい」的な楽しみ方です。

■私が楽しんだ例をいくつか揚げます

◇ On the sofa there is an otter 〜
Ring of Bright Water (PGR3)の2行目に出てきます。
表現自体、特別な物ではありませが、いきなりsofaが、theを伴って出て来たのです。
その瞬間、「狭い」部屋で「ひとつしか(置け)ない」ソファの上にちょこんと座っている
一匹のotterのイメージが頭の中に浮かびました。

おおっ、“the”って、そういうことだったのね。文章は「ひとつしかないソファ」としか書かれて
いないのに、theの意味というより、「機能」からいろんなことが一度に想起できました。
この時までに読んだ百十万語は、この瞬間を迎えるためだったのね、ととってもうれしかった
ことを覚えています。

同時に「かざりじゃないのよ、冠詞は〜♪」と、中森明菜のメロディが聞こえてくるような気がしました。

◇ a second, a third
OBW5でこの表現を見つけたとき、レベルが高くなるとこんな表現がでてくるのかと感心した直後、
CER1でも見つけ、その後、あっちこっちで出くわすようになりました。

ただ、気が付いてなかっただけだったのですが、気付くという楽しさもありますね。
確かに小さな違いですが、the second とa secondでは意味が違いますよね。

◇ The+Mr+苗字の複数形+〜
OBW5の古典で見つけました。
The+苗字の複数形は、よく登場しますよね。
でも間にMrが入ると…、ガッテンしたとたんうれしくなりました。
とうぜん、The+Miss+苗字の複数形+〜もあります。

◇人名の前にもaは付くことがある
冠詞ネタは多いですね。日本語にないからなおさらですが。
当然、theが付くこともあります。

◇ both hands と hands
これらは、あちこちで見かけて、だんだんと解って来た例です。
日本語だと両方とも「両手で」ですが、英語だと「both」の有無で動作イメージが違ってきます。
「both」が付くと、両方の手で同じ物を、例えばロープ、を握っているようです。
ただの「hands」だと、両方の手にそれぞれ物を持っているような使い方をされているようです。

◇ Good morning.
これもOBWの古典からです。
使われ方で驚きました。だって、別れ際に言うのですから。

◇ at eleven o’clock in the evening
これを見つけたときは、笑っちゃいました。
あと一時間したら、in the morning ですからね。

◇ not only 〜 but also
学校英語では有名なのに、なかなか見かけない言葉のひとつでした。
not only 〜はよく出てきますが、alsoまで書かれてはいないことが多いです。

「スタホロ本」と最近では呼ばれるようになった、Someday Angelineで
やっとお会いできて、うるうるになるより先に、ご対面〜!で感動しました。
そうそう、不幸本第13巻の9章の初めにも出てきました。

◇ pull over
Phrasal verbも一杯書きたいことがありますが、きりがないのでひとつだけ。
GRの古典で、馬車を停めるときによく使われています。
手綱をぐいっと引くイメージがしますね。

現代文では車を停めるときにも使われます。その名残なのでしょうか、
それともハンドブレーキを引く感じなのでしょうか。

■まだ会えない言葉たち
多読暦も約3年ちょっとになりましたが、気になっているけど会えない言葉たちがあります。
別に探しているわけではありません。
いつの日にか出会うことがあればと楽しみにしています♪

◇ I believe in yesterday.
みなさんご存知と思いますが、ビートルズの名曲「イエスタディ」の一節です。
このinと同じ意味を持たせた表現にお会いしたい!

これは、多読以前に読んだ「英語の味わい方」 斎藤兆史 著(NHKブックス)で
紹介されていました。でも説明されてわかるのではなく、「さらっと読んで、深く分る」
ところまでたどり着きたいのです。

もちろん、believe in something or somebodyはよく見かけます。
でも気づいていないだけかも?

◇ I wish I was a bird.
学校では、I wish I were a bird. と習いましたよね。
以前、ある英会話学校のCMに「I wish I were a bird.」が使われていました。
当時、日本にきたばかりの英会話の先生(オーストラリア出身)が、
「日本人は正しい英語を使っているので、びっくりした。
米国人はI wish I was a bird.を使うよ。」と教えてくれました。

「ネイティブ・スピーカーが教える シンプル英文法」 パトリシア・オコナー著(DHC)にも
I wasではなく、I wereを使うように書いてあります。この本は、米国民むけの実用の文法書の
翻訳版で、著者はニューヨークタイムズ社の社員向け文法指導と執筆活動をしているとのこと。

GRや、英国児童書でこの表現に会うことはまず無いでしょうが、
米国の児童書やPBを読んでいるうちに会えるかもしれません。

◇ My daughter と Our daughter
これも同じ先生から、米国で自分の娘のことを言うとき「Our daughter」と言わないと、
妻と離婚または死別したと相手に思われるから注意しなさいと、教えられました。

先生によると、クリントン大統領が、例の不倫騒ぎのときTV記者から
「お嬢さんは、今回のことどう感じていますか」との質問に、「Our daughter 〜」
と答え、それを聞いた視聴者はほっとしたそうです。
もしそこで「My daughter 〜」と答えていたら、世界中に・・・。

MyとOurの使い分けで微妙な夫婦間の関係を表現している使い方に会いたいものです。

◇ Swiss is situated between Germany, France, Austria and Italy.
これは、記憶が正しければ、Cambridgeの文法書に出てきた表現です。

二つのものにはさまれたときはbetween、三つ以上の場合はamongと
学校では習いました。どうも、二つ、三つの捕らえ方が違うようですね。
このように使われたbetweenの表現も、まだ会えていません。

■最後に
こんな酔狂なことを楽しんでいる人は、他にはいないだろうと思っていましたが、
オフ会で、同じようなこと、いやそれ以上の事をしている方とお会いできました。

その方から、こんな言葉を集めているよと、電子手帳を見せていただきました。
そこで、目を引いた単語は、“Good Bye”です。
「このGood Byeってなんですか。」と聞くと、
「それはね。ハリーポッター第一巻で・・・」と、
この簡単な言葉にひそむ深〜い(怖〜い)意味を教えていただきました。

読んでいても気が付かないことが、まだまだたくさんありそうで、
この多読的文法の楽しみは、たっぷり続けられそうです。


▼返答


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