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397. Re: 初心者のための世界史クラブ〜児童書編Part3〜
お名前: チクワ
投稿日: 2005/4/9(00:36)
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杏樹さん、こんにちは。
力作レポートをありがとうございます!!
世界史初心者チクワでございます。
チクワは言います。世界史に教科書はいらない。このレポートの本たちがあればそれでいい!
〉今回はまず、前回チクワさんが見つけてくれたシリーズです。
〉これは世界史が苦手だというチクワさんが「初めて世界史が面白いと思った」という感想をもらした本です。
シリーズを集めたかったんですが、諸事情で止まっておりました。
杏樹さんにも認めてもらえた面白さ!の本を世界史劣等生のくせに買ってみた
自分の勇気に拍手!ぱちぱち。(あ、あきれられたな・・・)
〉このシリーズの特徴は、まず主語が「you」で書かれていることです。あなた自身がそこにいるような臨場感で語られます。そして全ページカラーイラストで、マンガっぽいというか、アメリカのアニメのようなデフォルメの強いキャラクターが描かれ、その場の雰囲気がわかりやすく伝わってきます。
〉レベルは3ぐらいです。
うんうんうん、1冊だけでも読んでいるので、全部うなづけます〜。
〉★You Wouldn't Want to Be Sick in the 16th Century!(2751語)
〉アナタはエリザベス1世と同じ年に生まれました。12歳でbarber Surgeonに見習いに行きます。barberは病人を治す人です。当時はどんな病気があったか?治療法は?…ワイルドな世界にボーゼン!
チクワが読んだ一冊はコレ。
そうそう、当時は××がないから、○○を△△するときには・・・
とかね。(これ、答はひと通りではありませーん。)
〉★You Wouldn't Want to Be an Aztec Sacrifice!(2862語)
〉これまたすごいタイトルです。Sacrificeの意味がわからなくても大丈夫。中を読めばわかります。
〉アナタは中米の裕福な家で何不自由なく育ちました。しかしそこへアステカ人が攻めてきます。とらわれの身となったアナタはアステカの都、テノチティトランへ連行されます。そして名誉あるSacrificeに選ばれます。なにしろ、Sacrificeに選ばれるには、病気や怪我をしていたらダメ、醜くてもダメ、厳しい基準があるんですから。そして神聖な儀式が始まります。
これ、面白そう!次はこれか、Victorian Schoolchildあたり、いってみたいでーす。
〉このシリーズはほかにもあります。自分の好きなものを探してみてください。
〉他のシリーズもそうですが、注文したときは品切れだったけど、後で見ると入荷していることがよくあります。
はーい!
〉さて、ここで絵本の紹介です。
〉バーバラ・クーニーの絵本を2冊読みました。
OX-CART MANは読みました。
Hattie and the Wild Waveはこれから。
なるほど、こういうのも世界史的ですね!
同じバーバラ・クーニーさんで、最近私が読んだものに
「Basket Moon」というのがあるんですが、
山の中で木を切って、木の皮から籠を編んで作り生活する部族の少年の話です。
都市化や生活を便利にすることを拒んで生きてきた部族の中で育つのですが
憧れていた外の世界(都会)から自分の村を見て疑問や焦り(怒りさえ)を
感じます。・・・というあたりまでにしておきます。
この部族はもう廃れてしまったんだか、その危機にあるか、という
ことでした。
やはり絵が美しい。クーニーさんの遺作だそうです。
自分と違う時代、土地、文化での生活は全て世界史ですよね!
(何か強引にまとめてますが・・・)
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〉★Cathedral: The Story of Its Construction /David MacAulay著(書評あり)
〉中世ヨーロッパのゴシックの大聖堂はどうやって作られたのか?
〉当時のことですから、当然全て人力。緻密な絵で聖堂が少しずつ作られていく様子が描かれ、当時の人力パワーに圧倒されます。こんな高い塔を作るとは…。文章は少し難しいですが、絵を見ているだけでも満足。つーか、すごい…。
はい。図書館で見つけてあります。調子の良いときにチャレンジします。
〉世界史クラブですので、国共内戦とは何かというと。
〉1911年、中国では清王朝が倒れ、国民党による中華民国が成立します。建国の父、孫文が亡くなった後、国民党を支配したのは蒋介石でした。その後中国では毛沢東が共産党を組織し、支持を集めていきます。蒋介石は共産党が大っ嫌い。おりしも欧米列強や日本軍に対抗するため、中国人は団結するべきだとして国民党と共産党が手を結ぶよう提案するものが出ました。しかし蒋介石はまず共産党をつぶして国内を安定させてから日本と戦うという考えでした。しかし周りの強い勧めに抵抗しきれず国・共合作を認めます。
〉1945年、日本が戦争に負けて撤退すると、蒋介石は共産党への攻撃を始めます。これが国共内戦です。しかし共産党は中国人民の支持を集め、中国各地を制圧していきます。なにしろ共産党ですので、地主や資本家といった裕福な人々はどんな目に合うかわからないと恐れてどんどん逃げ出します。台湾、香港、そしてさらに遠く海外へ…。ついに国民党政府は敗退し、台湾へ逃げます。
〉そして1949年10月1日、毛沢東は天安門で中華人民共和国の成立を宣言します。ここに国共内戦は一応終わりを告げました。しかし蒋介石は台湾でがんばって、中華民国が中国全土を支配しているという立場を取り続けました。また、国際社会、とりわけ冷戦時代の「西側」諸国は共産党の支配を認めたくないので、中華人民共和国を承認せず、中華民国が中国の正式な政府だという立場を取り続けました。
〉蛇足ですが、1970年の大阪万博では、中華民国のパビリオンがありました。中華人民共和国と日本の国交が樹立されたのは1972年です。国交樹立のしるしにパンダのカンカン、ランランが上野動物園へやってきて大ブームになりました。
わーい、これ、有難かったですぅ。始めてよく分かった気がします。
現在中国が主張する一国一元制度(っていいませんでした?)は、こうして歴史に照らしてみると
ちょっとごり押しっぽく感じるかなあ。
もしも終戦のときに蒋介石が攻撃をしかけなかったら、どうなっていたんでしょう?
そんな仮定はありえないのかな?
だって・・・かいつまんで言うと、攻撃をしかけたけれど相手が強そうだから逃げた、って読める・・・
(私、世界史オンチを露呈してますかぁ?読み飛ばしてくださーい。)
〉★Chinese Cinderella and Secret Dragon Society / Adeline Yen Mah著(68000語)
〉著者の少女時代の空想を元にしたお話です。Chinese Cinderellaとは内容の関連はありません。
〉主人公は二度目のお母さんにいじめられ、お父さんからも叱られて家を出ます。そして龍侠会という秘密結社の一員になり、秘密のmissionを命じられます。…という、かなり空想的な物語です。しかし龍侠会では様々な国の混血の少年たちがいて、国や宗教を越えて手を取り合う大切さや、主人公がお父さんの気持ちを思いやるようになっていく成長ぶりなど、読みごたえがあります。
〉このお話では、日本を爆撃したアメリカ兵の飛行機が中国の島へ不時着した実話が元になっています。日本は敵という立場ですが、一方的な悪役ではなく公平な立場で書かれています。お話は戦争が終わるところまでは行きませんが、終戦後に日本がアメリカに占領される時のことまで見通すような示唆もあります。
面白そう!ですが、68000語。ちょっと気合い要りそうですね。
日本を公平に書いてくれているとか、終戦後を予見しているようだというところも
興味をひきますねー。
〉ということで、今回の報告は終わりです。
〉もしこれらの本を読んで、難易度に異議などありましたらお知らせください。私にとってはわかりやすことでも、知らない人には難しい、ということがあるかもしれませんので。
難易度の感覚は、少なくとも「You Wouldn't Want to Be Sick in the 16th Century」では
同じでーす。
ありがとうございました!
どうか渡鬼や、金八先生より長く続けてください!
では〜。
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