Re: 世界史クラブ活動報告 (予定変更で)ORT編(上)ver.1.0  長いです

[掲示板: 〈過去ログ〉英語で趣味を楽しむ -- 最新メッセージID: 1605 // 時刻: 2024/11/23(12:45)]

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164. Re: 世界史クラブ活動報告 (予定変更で)ORT編(上)ver.1.0  長いです

お名前: fiddle
投稿日: 2004/5/22(07:37)

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akoさん、こんにちは、まだ屋根の上ではfiddleを弾いたことはないfiddleです。
杏樹さん、はじめまして。

遅くなりましたが、世界史クラブ設立おめでとうございます。
お二人のお話が面白かったので、クラブ活動、横から楽しみに待っていました。
私もICRの歴史もの、大好きですし。

〉■ご紹介の主旨■
〉杏樹さんのGR編と同様、「世界史を知ることは、世界を知ること」、そして「異文化理解」です。
〉そこで狭い意味での「歴史」に限定せず、「世界を知る」でまとめてみました。
〉絵が多くの情報を持っている本ですから、英語には現れない部分、
〉地理、自然環境、服飾、背景にある家具や登場人物が使う小道具なども含まれています。

こういう観点からORTを読むなんて、思いつきませんでした。
確かに、歴史の勉強の布石となるような本が多いなとは思っていましたが。
akoさん、すばらしい!
私もORTを再読してみようと思いました。

〉■ORT全体を通じて■
〉Biff, Chip, Kipper の家族と共に、一番の隣人として第二の主人公といってもいいのが、
〉Wilf , Wilma の家族ですが、この家族が黒人であることに、ORT制作者の教育的配慮を思います。
〉イギリスも、都市部の黒人人口は多く、現実にEU統合が拡大されるにつれ、
〉今後も、異人種、異民族の共存は、大きなテーマとなっていくでしょう。
〉子どものうちから、人種の違う人々と、隣人として親しむことは素晴らしいことですね。

うちのだんななどは、トールキンの「指輪物語」を読んでも、
階級意識が鼻につくと言いますが、
階級意識が強いと言われているイギリスでも、そういう時代になってきているんですね。

以下部分的にコメントです。

〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〉■ORTステージ2■
〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〉◆ More Stories Pack A シリーズから◆
〉「The Baby-sitter」 (総語数約60語)

〉パパとママはオシャレして夜のお出かけ。家には学生さん(?)のベビーシッターが来ます。
〉さて、子どもたち、大人しくしていられるのか? とっても楽しい夜のお話です。
〉ところで、日本ではこのようなことは日常的かどうか、akoの生活に子どもはいませんのでよく知りません。
〉今、小学生や幼稚園児のいらっしゃるご家庭の方は、どのように読まれるでしょう。
〉あくまで異文化として、善悪の価値判断は別にして、イギリスの日常の事実として知りました。

日本では、ベビーシッターの学生バイトというのは一般的ではありませんね。
それで、ふつうにベビーシッターをお願いすると人件費が高くて、
どうしても必要、というとき以外はシッターをお願いできないのではないでしょうか。
我が家では、子供が幼かった10年ぐらい前には、
たま〜にベビーシッターを頼んで遊びにいってました。
(実家があてにできるときは、そちらに頼んでいましたが)

〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〉■ORTステージ4■
〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〉◆Fireflies◆(6冊の総語数1170語)
〉キッパーたちのお話から離れ、完全に1冊1冊独立した内容で、日本的な科目名で言うと、算数や地理、生物、家庭科です。
〉世界史クラブで紹介するのは、「World Instrument」(140語)・「Grandad and Me」(130語)の2冊。
〉前者は、世界の楽器の紹介と同時に、世界旅行気分。
〉後者は、おじいさんと孫が、それぞれの時代を比べた写真が並びます。
〉車などは一目で時代の違いがわかって、まさに歴史を感じる1冊。

こういうシリーズもあるんですね。気が付きませんでした。
今度ブッククラブで探してみます。

〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〉■ORTステージ5■
〉━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〉◆Trunk Stories◆(6冊の総語数1841語)

〉日本でも、信長・秀吉時代が人気があるのと同じですね。
〉海賊を日本に当てはめるとしたら、倭寇かな、瀬戸内海の村上水軍かな。
〉村上水軍は「賊」ではないと思いますが。
〉なおイギリスで海賊が一番活躍したのは、エリザベス1世(16世紀。シェイクスピアの)時代。
〉彼らの海賊行為は、「民間人の非合法戦闘行為」ではなく、女王公認だったんですよぉ〜。

フランシス・ドレークですね。(「七つの黄金郷」より)


〉◆More Stories Pack A シリーズから◆
〉「Underground Adventure」(292語)
〉地底の洞窟に住む小人たちが出てきます。小人たちというのはゲルマン民族の文化です。
〉ゲルマン民族の故郷である北欧やドイツから、イギリスに伝わったものでしょう。
〉小人たちを示す英語は、ドイツ語に同じもの(スペルが少し違います)があるんですよ。
〉ドイツでは、森の小人たちは、人が寝ている間に掃除やお皿洗いをしてくれる、人間の味方。
〉だからヨーロッパ中で愛される存在になったのかな。悪い小人が出てくる絵本ってあるのかな。

この巻、実は気になっていました。小人たちのことを"elves"といっていますが、
金を掘っているといえば、dwarfなんじゃないかなと。
elfとdwarfとどう違うんでしょう。
私的には、elfは高等遊民、dwarfは肉体労働者という感じですが、
辞書を見てみると、確かにelf=small usu. male fairyとなっていました。
これからの多読の過程でイメージの違いが分かってくるでしょうか。

小人というと、私は、よい小人の話も読んでいるはずなのに、
悪い小人のイメージが湧いてきます。これはいったいどこからくるのかなと、
しばし考えたのですが、どうやらワーグナーの楽劇「ニーベルンゲンの指輪」から来ているようです。

ここに登場する小人のアルベリヒは、ラインの川の乙女達に相手にしてもらえず、
怒ってラインの黄金を奪い、その黄金から世界を支配する指輪を作ります。
そして、神々の長ヴォ−タンたちに黄金と指輪を奪われるときに、
その指輪を手にした者は死ぬと、呪いをかけたのです。
(簡単すぎるあらすじですみません)

ここに登場する神々もそうとう自分勝手なひどいやつらばかりなので、
小人だけが「悪」ではないのですが、
ここで小人=悪いというイメージが私に植え付けられたようです。
ワーグナーはいろいろな神話や伝承から話を借りてきているので、
悪い小人が出てくる話もあるんじゃないかな、と思います。
これもこれからの多読の課題。

〉「It's Not Fair」(349語)
〉Biff がマジックキーで、イギリス史の英雄アーサー王と円卓の騎士たちのど真ん中に行ってしまうという、
〉わくわくするようなお話。女の子の Biff は、一体、騎士たちと何の話をするのかしら。
〉そして円卓の騎士たちの円卓は、なぜ四角いテーブルではなく、「円」卓になったのか、
〉ORT 風の歴史解釈が登場! アーサー王物語とリンクして読めば面白さ倍増です。
〉アタシのランスロット様はどんな顔で描かれているのかしら〜〜〜 
〉(円卓の騎士は、皆、素敵なの!ここハートマーク欲しい!)

話が飛びますが、ショーン・コネリーがアーサー王、リチャード・ギアがランスロット、という映画がありましたね。(タイトル失念)
TVで観ながら、ランスロットさまは、こんなハリウッド的にやけついた人じゃないぞ、もっと禁欲的な騎士だぞ、
と憤慨したことがありました。

akoさん、力作レポートお疲れ様でした。ORTの後半もレポートしがいのある作品が並んでいますね。
次号を楽しみにしています。


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