[掲示板: 〈過去ログ〉英語で趣味を楽しむ -- 最新メッセージID: 1605 // 時刻: 2024/11/23(17:43)]
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すこしStuartsものを読んだので、感想を書いておこうと思います。Jean PlaidyのQueens of Englandシリーズを読んだぐらいですが。
最初はLoyal in Love。チャールズ1世妃、フランスのアンリ4世王女ヘンリエッタ・マリアの話です。
滅茶苦茶読みにくかったなーというぐらいしか感想はないですね。割と早く投げました。あとは、Myself My Enemyという以前のタイトルの方が断然わかりやすかったと。最近Plaidyの復刊が盛んですが、本人が亡くなったあとに勝手にタイトルを変えて、しかも変えたタイトルのセンスが悪いのはどうかと思います。
歴史的な話をすると、アンリ4世は以前はナヴァール国王で、プロテスタントでした。しかし、フランス国民の多くがカトリックで、カトリックでないと受け入れられないという状況に際して、「パリはミサに値する」と言ってカトリックになったわけです。この辺、イングランド国民がプロテスタントを求めるからプロテスタントのまま行ったけど、カトリックを求めるならカトリックになっただろうといわれるエリザベス1世と同じ柔軟路線ですね。
ところが、ヘンリエッタ・マリア(フランスだから、アンリエット・マリー?)は、生まれてすぐに父が暗殺されたせいか薫陶を受けなかった。夫のチャールズにもカトリックを勧めた。
こういったことが原因になって、チャールズ1世は廃位されて処刑されてしまう。ところがヘンリエッタ・マリアは全然懲りずに、息子のチャールズ2世がようやっと王政復古をしても、唯一の信仰カトリックに帰依しなさいと説教する始末。
この独善性について行けずに投げたわけです。
夫を失ってフランスに戻ると、甥がルイ14世で、王母のアンヌ・ドートリッシュが苦労して摂政をやっていて、そういう意味でも面白い時代なんですが。
Merry Monarch's Wife。チャールズ2世の王妃、ポルトガル王女のCatherine of Braganzaの話です。ポルトガル名がわからないので、英語のキャサリンで行きます。
ポルトガルがスペインから60年ぶりに独立したときに支援したのがイングランドだった関係上、王女キャサリンはイングランド王チャールズ2世に嫁ぎます。しかし、数が多い愛人には沢山子どもが産まれたのに、キャサリンには子どもが産まれませんでした。これと、キャサリンがカトリックだったことから(プロテスタント式の儀式だという理由で戴冠式も拒否したほどです)、イングランドでは人気がなく、夫の死後はポルトガルに帰ります。
しかし、ポルトガルでは甥か誰かの摂政をやって、女が摂政だからとなめてやってきたスペインを追い返したりして、ポルトガルでは人気があるようですね。
Queen's Devotion。 [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014735 ]
チャールズ2世が亡くなると、弟がジェームズ2世として即位しますが、カトリックという理由で王位を終われます。父の教訓から学ばないやっちゃ。そこで即位したのが、ジェームズの娘のメアリーと、のちには妹のアンも即位します。
そのメアリー2世の物語です。夫もウィリアム3世として即位して、夫婦で同時に君主をやっていました。
ウィリアムは、William of Orangeという、オラニエ公で、メアリーの従兄に当たり、少し遠いですがイングランドの王位継承権も持っていました。そのウィリアムが生まれたときに冠を三つかぶっているビジョンが見えたという。三つの冠というのは、イングランドのものです。アイルランドとフランスの君主でもあると名乗っているので、合わせて三つになるわけです。
そういったわけでメアリーと結婚し、プロテスタントでもあるので即位に支障もなかったのですが、妻を即位する足がかりとしか思っていない冷血漢。だったら徹底した冷血漢でいてくれれば楽なものを、愛人には優しく、この愛人がメアリーより偉い状態で家庭が続きます。
そういう辛い話ですが、一つざまあみろと思ったのは、イングランドではメアリーに冷たいということでとことん人気がなかったんですね。それに、メアリーの方が統治能力が上じゃないかと思わせるところもあったのが救いでした。
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