[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/25(09:29)]
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お名前: marigold http://www.marigoldgarden.net/
投稿日: 2005/10/12(21:13)
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こんにちは。
この場所でこんなことを書くのは失礼かもしれません。
(私は教師でもありませんし。)
SSS式多読は、学校教育にはそぐわないと思います。
先生たちが、ちゃんと多読の趣旨を理解できて、実行できるのか不安です。
もちろん、ここの掲示板に参加されている先生方は、しっかりと酒井先生の本やこのSSSのホームページで書かれていることをお読みになって、ご自分でも多読をしておられるので大丈夫だと思います。
けれども、「普及」ということになるとそうでない先生も大勢出てくると思います。
「つまらなかったらやめる、辞書をひかない、わからないところは飛ばす」
これは、自分自身がするには良いけれども、他人にそれをやらせるのは非常に難しいことだと思います。
私の不安を「先生宛ての質問形式」にしてみました。
書きながらSSSの多読三原則を守った多読の指導って実行できるのかな、すごく忍耐がいるな、と思いました。
真面目な先生ほど出来ないのではとさえ思います。
--------------
(その1)
生徒が本を読みはじめます。数ページめくって「これつまらないからやめるねー♪」と投げ出しました。しかも、それを何冊も何冊も繰り返しました。
「せっかく予算をやりくりして買ったのだから…」とか、
「それは私の大好きな本で、みんなに読んでもらいたくて買ったのだから、アナタにもじっくりと読んでもらいたかったのに…」というきもちになりませんか?
(その2)
生徒がいつまでもいつまでも(あなたの目から見て)幼稚な本ばかり読んでいます。
「もうちょっとレベルをあげてみたら?」とか
「もっと積極的に上のレベルの本にチャレンジしたら?」と口出ししたくなりませんか?
(その3)
本を読み終えた生徒が「楽しかった」「おもしろかった」とだけしか言いません。
教師としてそれで満足できますか?
「本当にわかったの?」「本当に楽しめた?」「どんな話だったか覚えてる?」「登場人物の中で誰が好き?」とたずねてみたくなりませんか。
それから、理解度テストをやってみたくはなりませんか?
(その4)
受け持ちの生徒のお母様が、「そろそろ子供に英語検定○級を受けさせたい」とおっしゃっています。
そのお母様は「うちの子供は毎日たのしそうにたくさんの英語の本を読んでいる。あれだけ沢山英語に触れているのだから英検○級くらい合格するのは当然」と思っていらっしゃるようです。
不合格だった場合、お母様にどのように説明しますか?
(その5)
単語の意味を聞いてくる生徒に対して「辞書をひきましょうね」と答えたくはなりませんか?
「意味のわからない単語は当分ほうっておきましょうね」
とか
「ちょっとわからないことが出たからといって、いちいち質問したり、すぐに調べたりするなんて、なんて不真面目なんでしょう。そんなんじゃ本当の英語力がつきませんよ」
ということを生徒に納得させられますか?
--------------
ところで私の最大の不安は
(1) 多読が何かの間違い(失礼!)で文部科学省に認められて、
(2) 全国の中学・高校の必修科目になる。
(3) そして、多読の達成度をはかるという名目で「多読検定(1級〜5級)」ができる
ことです。
「強制」「管理」「点数により差別化」が多読の世界にはいりこんできて、ものすごい人数の【多読嫌い】が発生するかもしれません。
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お名前: スヌーピー
投稿日: 2005/10/13(22:16)
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こんにちは。
こちらをご覧の先生方は皆さん、marigoldさんへの明確なお答えが出来ると思います。
敢えて、多読指導若葉マークの私が答えてみたいと思います。
不十分な点や、おかしな点があれば、どなたか訂正してください。
酒井先生・神田先生の「教室で読む英語100万語」という本を読めば、分かるのですが、
先生は「多読三原則」のほかに、多読指導をする先生への「多読授業三原則」を提唱されています。
1.教えない
2.押し付けない
3.テストしない
タドキストが「多読三原則」を守って多読を進める以上に、厳しい原則です。
とりあえず、この三原則に則って指導をすると、marigoldさんの「先生宛ての質問」
〉(その1)
〉生徒が本を読みはじめます。数ページめくって「これつまらないからやめるねー♪」と投げ出しました。しかも、それを何冊も何冊も繰り返しました。
〉「せっかく予算をやりくりして買ったのだから…」とか、
〉「それは私の大好きな本で、みんなに読んでもらいたくて買ったのだから、アナタにもじっくりと読んでもらいたかったのに…」というきもちになりませんか?
〉(その2)
〉生徒がいつまでもいつまでも(あなたの目から見て)幼稚な本ばかり読んでいます。
〉「もうちょっとレベルをあげてみたら?」とか
〉「もっと積極的に上のレベルの本にチャレンジしたら?」と口出ししたくなりませんか?
〉(その3)
〉本を読み終えた生徒が「楽しかった」「おもしろかった」とだけしか言いません。
〉教師としてそれで満足できますか?
〉「本当にわかったの?」「本当に楽しめた?」「どんな話だったか覚えてる?」「登場人物の中で誰が好き?」とたずねてみたくなりませんか。
〉それから、理解度テストをやってみたくはなりませんか?
〉(その4)
〉受け持ちの生徒のお母様が、「そろそろ子供に英語検定○級を受けさせたい」とおっしゃっています。
〉そのお母様は「うちの子供は毎日たのしそうにたくさんの英語の本を読んでいる。あれだけ沢山英語に触れているのだから英検○級くらい合格するのは当然」と思っていらっしゃるようです。
〉不合格だった場合、お母様にどのように説明しますか?
〉(その5)
〉単語の意味を聞いてくる生徒に対して「辞書をひきましょうね」と答えたくはなりませんか?
〉「意味のわからない単語は当分ほうっておきましょうね」
〉とか
〉「ちょっとわからないことが出たからといって、いちいち質問したり、すぐに調べたりするなんて、なんて不真面目なんでしょう。そんなんじゃ本当の英語力がつきませんよ」
〉ということを生徒に納得させられますか?
にある、
(その1)(その2)は、「原則2.押し付けない」に反するし、
(その3)は「原則3.テストしない」—(その4)も英検云々に関わってくるのなら、原則3のテスト、かな?—に、
(その5)は「原則1.教えない」に
反するので、有無を言わさずタブーになってしまいます。
「・・・というきもちになりませんか?」とか
「口出ししたくなりませんか?」とか言われると、
勿論最初はそうでしたよ。そこを無視するなんて、先生の怠慢だと思っていましたから。
でも、ここの掲示板で「Student-centered」という考え方を教えて頂いて、英語指導というものを、違った視点から見られるようになりました。
この多読三原則に反した教え方を生徒側から見れば
「教師側の押し付けてきた内容(多読指導の場合、生徒の好みではなく、教師側の選んだ本)を教え込まれ、テストされる」
ということになります。
この教え方がいかに、生徒の「英語を吸収しよう」という気持ちを萎えさせてきたか、私にはやっと分かりました。
英語を覚えた/覚えられない、文法的に理解できた/理解できない、内容を把握できた/出来なかった。
そんな次元のことではなく、「おもしろかった!」「超つまらん〜」と率直な感想を言ってくれれば、何より嬉しいことだと、今は思います。
しんどいけれど、この三原則を守って耐えて生徒たちを見守っていたら、
何のことはない、教師や講師が教えなくたって生徒たちが自らの力で成長していくんですよ!
この楽しさは、必死で教え込んでいた頃には感じなかった。
SSS式多読指導とこの多読指導三原則は、セットで普及されるはずです。
世の中に広く知られてくると、確かに本当のSSS式多読指導を理解せずに、取り入れようとする先生も出てくるでしょう。
でも、多読指導三原則をいい加減にやって、生徒の英語力や結果だけを求め、依然教師側の都合のみで多読指導をやると、文部科学省に認められるほどの成果を挙げられるはずはなく、そんな多読指導は普及しないと思います。
SSS式多読は究極の個別指導で、とても忍耐のいる指導方法。長い目で生徒たちを見てあげる必要があります。
そういう意味ではたしかに、特定の試験の結果を出すための「今の」学校教育にはそぐわないかもしれません。
ちなみに 「質問」の(その1) のように、
> 生徒が本を読みはじめます。数ページめくって「これつまらないからやめるねー♪」と投げ出しました。しかも、それを何冊も何冊も繰り返しました。
> どうしましょう?
と、ここの掲示板に相談したら、
おそらく「その生徒さんが心から好きになれる本に出逢えるまで、1冊でも多くの本を差し出してあげましょう」と言われるのでは、と思います。
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お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp/
投稿日: 2005/10/13(22:54)
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古川です。
〉先生は「多読三原則」のほかに、多読指導をする先生への「多読授業三原則」を提唱されています。
〉1.教えない
〉2.押し付けない
〉3.テストしない
はい。これらは重要な原則ですが、私達は原理主義ではないので、
実際の現場の状況で、各先生方が、柔軟に対処すべきだし、
実際そのように対処されていると思います。
ただし、「うまくいかなくなったとき」は「この3原則」
にもどられることをお薦めします。
〉タドキストが「多読三原則」を守って多読を進める以上に、厳しい原則です。
〉とりあえず、この三原則に則って指導をすると、marigoldさんの「先生宛ての質問」
〉〉(その1)
〉〉生徒が本を読みはじめます。数ページめくって「これつまらないからやめるねー♪」と投げ出しました。しかも、それを何冊も何冊も繰り返しました。
基本的には、耐えて、「これはどお?」を繰り返すってことですね。
本人がその気になるまで、辛抱ずよくまつのが基本です。
〉〉(その2)
〉〉生徒がいつまでもいつまでも(あなたの目から見て)幼稚な本ばかり読んでいます。
〉〉「もうちょっとレベルをあげてみたら?」とか
〉〉「もっと積極的に上のレベルの本にチャレンジしたら?」と口出ししたくなりませんか?
いろんな本を読んでみたら といってさりげなく渡すのが
よいのでは?
〉〉(その3)
〉〉本を読み終えた生徒が「楽しかった」「おもしろかった」とだけしか言いません。
〉〉教師としてそれで満足できますか?
十分できると思います。
〉〉「本当にわかったの?」「本当に楽しめた?」「どんな話だったか覚えてる?」「登場人物の中で誰が好き?」とたずねてみたくなりませんか。
それは、生徒と信頼関係ができれば、スマートな形でできますよ?
自分でよんだ本なら、「私はここが好きだったけど、○○君はどうだった?」
などと聞いてみるのも自然で良いですね。
#だから、教師はたくさんよんでいないと
〉〉(その4)
〉〉受け持ちの生徒のお母様が、「そろそろ子供に英語検定○級を受けさせたい」とおっしゃっています。
〉〉そのお母様は「うちの子供は毎日たのしそうにたくさんの英語の本を読んでいる。あれだけ沢山英語に触れているのだから英検○級くらい合格するのは当然」と思っていらっしゃるようです。
〉〉不合格だった場合、お母様にどのように説明しますか?
試験に受かりそうにないと思えば、受ける前に、「ドーピング」指導を
する方がよいのでは?
〉〉(その5)
〉〉単語の意味を聞いてくる生徒に対して「辞書をひきましょうね」と答えたくはなりませんか?
〉〉「意味のわからない単語は当分ほうっておきましょうね」
〉〉とか
〉〉「ちょっとわからないことが出たからといって、いちいち質問したり、すぐに調べたりするなんて、なんて不真面目なんでしょう。そんなんじゃ本当の英語力がつきませんよ」
〉〉ということを生徒に納得させられますか?
〉にある、
最初に説明すれば、単語の意味を聞いてくる生徒は実際問題
全くいないと思います。
とりあえず、回答まで。
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お名前: 杏樹
投稿日: 2005/10/14(01:37)
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みなさま、こんにちは。
英語教育とは縁のない私ですが・・・。
〉#だから、教師はたくさんよんでいないと
もしかするとこれが一番の問題ではないでしょうか。
多読は自分が実際にやってみないと、人には指導できないと思います。
ですから、教師に多読を普及させるには、まず教師自身に多読をしてもらう。
教師に多読を実践してもらうのが、もしかすると一番の難関かもしれません。
…と、ふと思いました。
------------------------------
こんにちは。
"杏樹"さんは[url:kb:758]で書きました:
〉〉#だから、教師はたくさんよんでいないと
〉もしかするとこれが一番の問題ではないでしょうか。
〉多読は自分が実際にやってみないと、人には指導できないと思います。
〉ですから、教師に多読を普及させるには、まず教師自身に多読をしてもらう。
〉教師に多読を実践してもらうのが、もしかすると一番の難関かもしれません。
〉…と、ふと思いました。
先日SSSのご協力を得て地元で多読講演会を開催した際、近隣の中学高校へPRに行きました。「学校にもこういう英語の本があってもいいねぇ。」と、本を揃えることには積極的な姿勢が見られました。そこで、「やってみたい子どもだけで部活のような課外授業もできますけれど、特に生徒には適切な指導が必要です。まずは先生がたくさん読んで子どもたちにアドバイスできるようになってもらいたいですね」と言いました。すると、先生自身はあまり乗り気ぢゃないことが見えてきました。
結局、講演会への教師の参加はなく、でも、先生は生徒にチラシを配ってくれたので、生徒は来てくれました。また生徒の保護者も来てくれました。そこから私設ブッククラブも始められて、多読とはどういうものなのか、今は私がアドバイザーですが、関心をもってくれた保護者を中心に、その本質が僅かずつでも定着させられるかもしれないという期待を持っています。
こんな経験から、あくまでも「学校」を通じて(学校に疎外感を与えてしまわないように)、でもターゲットを先生に絞ってしまわずに生徒や保護者へもアピールしていくのがいいと思います。先生がなかなか動かない(動けない?)場合でも、子どもや保護者から変化をもたらすことができるかもしれません。
世間一般では機関や施設などから「こうしよう」あるいは「こうしてください」と一般の人々に呼びかけることが多いですが、機関や施設の人事異動などで方針が変わると内容も変わって翻弄されてしまうことが多々あります。やはりそれを享受する生徒や保護者からの要望が確たる定着の一番のポイントではないでしょうか。
しかしそれもケース・バイ・ケースだと思います。取り組もうとする地域や学校の状況を把握した上で普及の道筋を考えられたらいいと思います。そして私自身は好きな言葉「3つの"あ"」でコツコツやっていきます。"あ"せらず、"あ"きらめず、"あ"てにせず。
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杏樹さん、はじめまして。iidaです。
〉英語教育とは縁のない私ですが・・・。
〉〉#だから、教師はたくさんよんでいないと
〉もしかするとこれが一番の問題ではないでしょうか。
〉多読は自分が実際にやってみないと、人には指導できないと思います。
〉ですから、教師に多読を普及させるには、まず教師自身に多読をしてもらう。
〉教師に多読を実践してもらうのが、もしかすると一番の難関かもしれません。
〉…と、ふと思いました。
私も同感です。
多読が楽しいと思える人でないと、指導はできませんよね。子供たちは、「先生、どの本がおもしろい?どれがおすすめ?」と聞いてきますから、それに応えられるかどうかが、多読を楽しく進められるかどうかの鍵になりますね。
私は泥縄教師なので、まだまだです。行き帰りの電車の中でせっせと読んでます。
また、英語教えるからには英語力ですよね。したがって、教員の英語力アップのための有効な方法のひとつとしての多読、というアプローチもありますね。
留学する、勉強会に参加する、英会話学校に行く、など教員研修の方法はいろいろありますが、その中に「100万語読む」というの、ありだと思います。
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お名前: yamasina
投稿日: 2005/10/14(17:00)
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marigoldさん、スヌーピーさん、古川さん、杏樹さん、macskaさん、こんにちは。
スヌーピーさんたちのレスを見て感じることは、いざ始めるとなれば実践面でのノウハウは豊富だということです。
問題は始めるかどうか考えている先生の悩みに答えることかもしれません。
それはともかく、marigoldさんに頂いたテーマとしては、ざくっとまとめすぎかとは思いますが、こうさせて頂きます。
#6:「教師にSSS式多読を理解してもらう」
これは、上で提起された「知ってもらう」のあとににちょうど繋がっていきますね。
ところで、普及の最終地点のひとつは指導要領に載ることかな、と実は考えていましたが、当然ここは議論の対象になりうるところでしょうね。まあ、数年ではあり得ないと思いますが。
かつて「読書感想文が読書嫌いを増やした」論もありましたけど、最近はどうなっているのでしょうかね。
ではでは。ありがとうございました。
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お名前: たむ
投稿日: 2005/10/15(11:05)
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「SSS式多読は、学校教育にはそぐわない」というご指摘、
なるほどと考えこんでいます。私は多読教室をはじめたばかり
の新米ですが、学校教育の「強制」とSSS多読の自由な個人
のやることとの矛盾をはやくも感じています。
まあ、学校教育には、実際には、ほとんどの場合、「課外授業」の
一環として取り入れられているのだと思います。公立の中学・高校で
正規の授業として取り入れている事例はそもそもあるのでしょうか?
この点、掲示板をお読みの先生方にぜひお聞きしてみたいのです。
公立の中学・高校で、SSS多読を正規の授業にしている例は
ありますでしょうか?
学校教育にSSS多読を取り入れるのに、私自身がとくに困るのは
「評価」です。期末には評点をつけて提出しなければならないのです。
SSS多読を取り入れる以前、私は「英語の音の訓練」を中心にした
授業をしてきました。このときから、学校(私の場合、職業訓練大学校、
看護学校ですが)で、教師が学生に英語の評点などつけてもなんの
意味もないと思っていましたので、悩んできました。なんとかごまかして
いました(学生さんに説明して、学校の評点など、実際の英語にふれて
みれば何の意味もないことがわかる、制度上テストをせざるをえないが
気にしない!で、また落第点はつけない、など)。
SSS多読を取り入れて、この点がまったく出口なしの気持ちでいます。
来年の春までにはなんとか結論をださなければなりません。
marigoldさん、その1からその5までのご質問は、私にかんする限り
大丈夫です。自信をもって答えます。英検の悪口を言って、保護者に
嫌な顔をされた経験もあります。
ブログ、拝見しました。ご紹介のお医者さんの本、図書館で探した
のですが、みつかりませんでした。Amazonには1冊残っていると、
さてどうしようか思案中です。
ではでは。
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お名前: yksi
投稿日: 2005/10/16(21:10)
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たむさん こんばんは yksiです
〉まあ、学校教育には、実際には、ほとんどの場合、「課外授業」の
〉一環として取り入れられているのだと思います。公立の中学・高校で
〉正規の授業として取り入れている事例はそもそもあるのでしょうか?
〉この点、掲示板をお読みの先生方にぜひお聞きしてみたいのです。
〉公立の中学・高校で、SSS多読を正規の授業にしている例は
〉ありますでしょうか?
9月の多読学会ワークショップでは、数件、正規の授業にしている中学・高校の事例報告がありました。
また、高専(国立ですが)では、3校が正規授業にSSS多読を導入しています。特に新設の沖縄高専では、1, 2年次(高校1,2年と同年代)の英語の授業を、多読中心に展開しており、我々も注目しています。
〉学校教育にSSS多読を取り入れるのに、私自身がとくに困るのは
〉「評価」です。期末には評点をつけて提出しなければならないのです。
〉SSS多読を取り入れる以前、私は「英語の音の訓練」を中心にした
〉授業をしてきました。このときから、学校(私の場合、職業訓練大学校、
〉看護学校ですが)で、教師が学生に英語の評点などつけてもなんの
〉意味もないと思っていましたので、悩んできました。なんとかごまかして
〉いました(学生さんに説明して、学校の評点など、実際の英語にふれて
〉みれば何の意味もないことがわかる、制度上テストをせざるをえないが
〉気にしない!で、また落第点はつけない、など)。
〉SSS多読を取り入れて、この点がまったく出口なしの気持ちでいます。
〉来年の春までにはなんとか結論をださなければなりません。
成績評価は、相対評価では難しいかもしれませんが、達成度で(絶対)評価できるのであれば、全く問題ありません。絶対評価では、設定した目標を超えることができれば、クラス全員にA評価を与えることも可能ですので。
ただ、多読授業の評価を短期間で行うのは難しいと思います。私の職場では、当初小テストで様子を見ながら、学生の進度を観測していましたが、現在は、年度末に長文読解力の筆記試験(定期試験)を行い、これを中心に成績をつけています。英文の水準と設問を適切に設定すれば、担当教員としてほぼ納得のいく評価が行えると思います。
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yksiさん、早速ありがとうございます。
中学・高校での実践例もあるとのこと、国立高専では3校で正規の
授業になっているとのこと、わかりました。私も、もっと出掛けて、
いろいろ見てみなければと思いました。
評価についてのお話しもありがとうございます。
学生に目標を設定させるとは、具体的には語数ですか?
小テストとはどのようなものだったのでしょうか?
来年の春までには、まだ時間がありますので、考えてみたい
と思います。
ひとつ悩みは、実は具体的なことなのですが、31名の学生さんの
うち、1名の方がはっきりやりたくないとの意思表示をしているよう
なのです。まだ話し合いができないのですが、この方にどう対応
したらいいのか…という感じでいます。
全体にはとてもいい雰囲気ではじまりました。ORT, LLLの最初の
ほうで、意外におもしろいという評価が半数ぐらいです。また、
ある学生さんが、ボーっとした雰囲気でいましたので、尋ねたところ、
Little Bear's Friendに感激したとのことでした。評判がとても
いいんだよ、と私も嬉しくなりました。
学生さんの中には、高校の課題読書でハリポタの何巻かを
辞書をたよりに半分くらい読んだという方もいました。早速、
私お気に入りのTwo Livesを貸しました。
ただ、全体にまだ、訳さない・飛ばすことにとまどっている雰囲気も
感じられます。YL 3に挑戦して、訳さないとわからないという人も
いました。これから個別に話していこうと思っています。
ありがとうございました。またよろしくお願いします。
* yamasinaさん、スレッドの趣旨に合わない発言で申し訳ありません。
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お名前: marigold http://www.marigoldgarden.net/
投稿日: 2005/10/17(20:42)
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素晴らしいレスばかりいただき、非常にうれしく思います。
最初にも書きましたが、ここに投稿されている先生方は多読の真髄をよく理解していらっしゃると思います。
ですから、質問事項はここの先生方を試すとかいうつもりは一切なく(そもそも誰かからテストされたり、自分が人をテストすることは私は嫌いですから)、世間一般の旧来の教育観に固まった先生方にこれをつきつけたらどう思われるんだろう、ショック大きすぎるんじゃない? という気持ちで書きました。
ですが、みなさんのレスを読み、「ああなるほど!」とか「そういえばそうだな!」と思うことたくさんあり、刺激にもなりました。
ありがとうございました。
スヌーピーさん [url:kb:756]
〉でも、ここの掲示板で「Student-centered」という考え方を教えて頂いて、英語指導というものを、違った視点から見られるようになりました。
〉この多読三原則に反した教え方を生徒側から見れば
〉「教師側の押し付けてきた内容(多読指導の場合、生徒の好みではなく、教師側の選んだ本)を教え込まれ、テストされる」
〉ということになります。
〉この教え方がいかに、生徒の「英語を吸収しよう」という気持ちを萎えさせてきたか、私にはやっと分かりました。
これを理解している先生が増えたらどんなによいでしょう。
スヌーピーさんのような先生に多読指導を受けるなら、安心ですね。
古河さん [url:kb:757]
〉#だから、教師はたくさんよんでいないと
この、さりげなく追記された文章の、なんと奥深いこと!
杏樹さん [url:kb:758]
〉多読は自分が実際にやってみないと、人には指導できないと思います。
〉ですから、教師に多読を普及させるには、まず教師自身に多読をしてもらう。
〉教師に多読を実践してもらうのが、もしかすると一番の難関かもしれません。
そうですね、予算、時間、それから精神的な余裕の面を考えると多読を自分でするにあたって、先生の負担はあまりに大きいような気がします。
この文を読んで、逆にこれまで多読で100万語達成された先生はどうやって費用や時間をやりくりしておられたのか、非常に気になりました。過去ログにあたってみようと思いました。
macskaさん [url:kb:759]
〉こんな経験から、あくまでも「学校」を通じて(学校に疎外感を与えてしまわないように)、でもターゲットを先生に絞ってしまわずに生徒や保護者へもアピールしていくのがいいと思います。先生がなかなか動かない(動けない?)場合でも、子どもや保護者から変化をもたらすことができるかもしれません。
「学校に疎外感を与えてしまわないように」という表現がいいですね。
学校をできるだけ、敵にまわさないで巻き込むようにする方法が必要かと思いました。
Ms Iidaさん [url:kb:762]
〉留学する、勉強会に参加する、英会話学校に行く、など教員研修の方法はいろいろありますが、その中に「100万語読む」というの、ありだと思います。
留学よりは「100万語読む」方がずっと安くて効果がありますね。本当に先生方の研修にとりいれたらいいですね。
たむさん[url:kb:763]
〉学校教育の「強制」とSSS多読の自由な個人のやることとの矛盾をはやくも感じています。
私が一番、気になってたのが、この件です。
自分自身が、英語本の多読をできたのは、「自分が選んだ本を、自分の都合の良い時間に好きなだけ読める、そして、いやなら読まなくてもよい」というのが大きいと思います。
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それから、英検や大学受験については、多読をやってたらそんなもの簡単に乗り切れるだろう、と 実は思っています。
ところで、以前に読んだ、sakigoroさんのこの投稿が今でも印象に残っています。
SSS誕生よりずっと前の、一学生のかたの学校での自発的な多読実行体験ということで。
Re: アトム英文双書について - SSS めざせ100万語 交流の広場 過去ログ
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-old&c=e&id=496]
受験対策としての多読 - SSS めざせ100万語 交流の広場 過去ログ
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-old&c=e&id=357]
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お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2005/10/18(21:54)
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marigoldさん、こんばんは! そして、ひさしぶり!!
また??方面でお会いしましょう!!!
marigoldさんの今回の最初の投稿からずっと読んでいました。
早く返信したかったけれど、ぼくにとってはとても大事な話題なので、
簡単には返事ができなかった・・・
marigoldさんの気持ちは痛いほど伝わってきました。
実際、この掲示板に投稿してくださる先生方は別として、
marigoldさんのおそれるように生徒を「多読嫌い」に
させてしまう先生はこれからどんどん出てくるでしょうね。
〉素晴らしいレスばかりいただき、非常にうれしく思います。
〉最初にも書きましたが、ここに投稿されている先生方は多読の真髄をよく理解していらっしゃると思います。
〉ですから、質問事項はここの先生方を試すとかいうつもりは一切なく(そもそも誰かからテストされたり、自分が人をテストすることは私は嫌いですから)、世間一般の旧来の教育観に固まった先生方にこれをつきつけたらどう思われるんだろう、ショック大きすぎるんじゃない? という気持ちで書きました。
つい最近、ある有名進学校ではなんとOBWの3を月1冊くらいの
ペースで全訳させるところがあると聞いたばかりです。
大量に全訳させることが「多読」だと思っているのだと考えられます。
おそろしいことです。まちがいなく「多読嫌い」になるでしょうね。
旧来の教育観にかたまった先生方が「多読」をどう解釈するかの
よい(わるい?)例ですね。
〉ですが、みなさんのレスを読み、「ああなるほど!」とか「そういえばそうだな!」と思うことたくさんあり、刺激にもなりました。
〉ありがとうございました。
〉スヌーピーさん [url:kb:756]
〉〉でも、ここの掲示板で「Student-centered」という考え方を教えて頂いて、英語指導というものを、違った視点から見られるようになりました。
〉〉この多読三原則に反した教え方を生徒側から見れば
〉〉「教師側の押し付けてきた内容(多読指導の場合、生徒の好みではなく、教師側の選んだ本)を教え込まれ、テストされる」
〉〉ということになります。
〉〉この教え方がいかに、生徒の「英語を吸収しよう」という気持ちを萎えさせてきたか、私にはやっと分かりました。
〉これを理解している先生が増えたらどんなによいでしょう。
〉スヌーピーさんのような先生に多読指導を受けるなら、安心ですね。
〉古河さん [url:kb:757]
〉〉#だから、教師はたくさんよんでいないと
〉この、さりげなく追記された文章の、なんと奥深いこと!
〉杏樹さん [url:kb:758]
〉〉多読は自分が実際にやってみないと、人には指導できないと思います。
〉〉ですから、教師に多読を普及させるには、まず教師自身に多読をしてもらう。
〉〉教師に多読を実践してもらうのが、もしかすると一番の難関かもしれません。
〉そうですね、予算、時間、それから精神的な余裕の面を考えると多読を自分でするにあたって、先生の負担はあまりに大きいような気がします。
〉この文を読んで、逆にこれまで多読で100万語達成された先生はどうやって費用や時間をやりくりしておられたのか、非常に気になりました。過去ログにあたってみようと思いました。
その通りです。ある英語教育の専門家は「多読は先生の負担が少ない」と
本に書いています。実はもちろん逆ですが、先生が手を抜くことに
徹してくれれば生徒が苦しむことはないと思いますが、
旧来の先生は最終的になんらかのテストをして、手抜き分を
繕おうとするでしょうから、結局生徒は最後に苦しめられるか、
でなければ生徒自ら(全訳を分担する、だれかの全訳を写す)などの
手抜きに走ることになるでしょうね。
いずれにせよ、多読が広がり始めたために、とんでもないやり方を
「多読」と思ってやる先生が増えるでしょう。それはそれで仕方がない。
ピラミッドが高くなるためには裾野は広くなければなりません。
〉macskaさん [url:kb:759]
〉〉こんな経験から、あくまでも「学校」を通じて(学校に疎外感を与えてしまわないように)、でもターゲットを先生に絞ってしまわずに生徒や保護者へもアピールしていくのがいいと思います。先生がなかなか動かない(動けない?)場合でも、子どもや保護者から変化をもたらすことができるかもしれません。
〉「学校に疎外感を与えてしまわないように」という表現がいいですね。
〉学校をできるだけ、敵にまわさないで巻き込むようにする方法が必要かと思いました。
はい、巻き込むというか、挟み撃ちにするために、児童英語と
親たちの多読をすすめていこうと考えています。
多読でいままででは考えられないほど英語が染み込んだ子どもが
中学校に入ってきて先生方を驚嘆かつ納得させてしまう。
また、多読をした親が先生方の説得に乗り出す!
一部の先生方は英語に親しんだ子どもを見て、また親に説得されて
自分も多読をはじめる。そして、多読を教室で利用し始める!
こんなシナリオです。
〉Ms Iidaさん [url:kb:762]
〉〉留学する、勉強会に参加する、英会話学校に行く、など教員研修の方法はいろいろありますが、その中に「100万語読む」というの、ありだと思います。
〉留学よりは「100万語読む」方がずっと安くて効果がありますね。本当に先生方の研修にとりいれたらいいですね。
はい、その通りですね。特に「読む」ことは旧来の先生方にも
比較的受け入れられやすいと思うのですが・・・
〉たむさん[url:kb:763]
〉〉学校教育の「強制」とSSS多読の自由な個人のやることとの矛盾をはやくも感じています。
〉私が一番、気になってたのが、この件です。
〉自分自身が、英語本の多読をできたのは、「自分が選んだ本を、自分の都合の良い時間に好きなだけ読める、そして、いやなら読まなくてもよい」というのが大きいと思います。
たむさんの指摘、marigoldさんの懸念の通りだと思います。
基本的に「学校」と「多読」は相容れない可能性があります。
ものすごーく根本的なところで、互いを否定することになると
思うのです。
だからこそ、どうやって「学校を巻き込む」かについて、
悩みが深いのです。成果をじわじわと広め、深めて、
納得させるしかないのかもしれません。
(とすると、次のぼくの本は出版をやめた方がいいのか?)
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〉それから、英検や大学受験については、多読をやってたらそんなもの簡単に乗り切れるだろう、と 実は思っています。
はい、ぼくもそう思います。実際そういう例が少しずつですが
集まってきています。SEGでも、まもなく大量に多読した(?)
生徒たちがぞくぞくと大学受験を経験します。今年度の入試でも
かなり好成績だったと思いますが、これからは多読した生徒の
数が増えているので、もっとはっきりしてくるはず!
(SEGの多読クラスの成果は本当に目を見張るばかりです!
みなさんもぜひいつか見学してください!)
〉ところで、以前に読んだ、sakigoroさんのこの投稿が今でも印象に残っています。
〉SSS誕生よりずっと前の、一学生のかたの学校での自発的な多読実行体験ということで。
〉Re: アトム英文双書について - SSS めざせ100万語 交流の広場 過去ログ
〉[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-old&c=e&id=496]
sakigoroさんの学生時代、ぼくが英語の先生を始めたばかりの頃は
アトム英文双書しかなかった!
〉受験対策としての多読 - SSS めざせ100万語 交流の広場 過去ログ
〉[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-old&c=e&id=357]
sakigoroさんには本当に感謝です。いつも冷静に多読の成果を語って
くださいます。そして掲示板こそ、「世間」を納得させる最大の
成果だと思っています。親も子どもも、掲示板を通じて多読に
親しんで、それがいつか学校を少しだけ柔軟にさせることを
祈っています。
marigoldさん、みなさん、Happy reading!