Re: 多読を学校教育に普及させるにはどうすればいいか考えよう

[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/25(09:23)]

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751. Re: 多読を学校教育に普及させるにはどうすればいいか考えよう

お名前: pandada45
投稿日: 2005/10/9(09:13)

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pandada45 です。

英語教育関係者ではありません。
でも、英語教育のユーザーの視点からの意見です。

yamasina の多読普及のご意見を読んで、ひとつ作り話を考えました。
 
およそ15年ほど前、まだスノーボードがマイナーな頃、スキーももうこれ以上は
うまくなれないからそんなに楽しくもないしということでスノボをはじめました。

当時は滑れるスキー場やゲレンデも限られ、道具も高くて、レンタルもあまりなく
スノーボードはこんなに楽しいのにもっといろんなところで安く滑れないものかと
よく思っていました。
 
結局、スキー人口の低下、スノボ人口の増加にスキー場も対応せざるを得なくなって
滑れるところが広まってきました。
 
スノボへの移行に伴い、当然、スキースクールは大打撃です。スキー技能認定組織も
食っていけません。
 
「半身ですべるから視野が狭くて危険だ!」
「両足固定で転んだとき危険だ!」
「ゲレンデで座って休むから邪魔だ!」
「リフトから降りるとき転んで危ない!」
 
スキー関係者は何とか自分の市場が取られないように必死です。
 
でも、一部の人は「うちは雪が良くないからスキーだけではもう食べて
いけそうもない。そこでスノボも一緒にすすめよう。」
と考えました。
 
「スノボライセンス制(登録1000円)」
「スノボスクールを卒業すればどこでも滑れる」
「夏のインドアスノボ」
といろいろ工夫を重ねました。
 
それまで、うちはスキーヤーがたくさん来るからスノボは受け入れないぞと
言っていたスキー場も暖冬が来るたびに転向(?)していきました。
今では、スノボはすっかり定着し、スキーヤー減少で閉鎖されそうなスキー場
も復活、スキーヤーとスノーボーダー、スキー業界は共存共栄となました。
 
めでたしめでたし。 
  
ここからはPandada45 の意見です。
 
 TOEIC が広まったのは会社の人事部がうまく仕事に使えるからだと思います。
(英語の実力を正しく測るかは別問題ですが)

多読も企業が現場(実際に英語を使えれようにならなければいけないところ)で
効能を認めて進めてけばやがて新卒採用時の基準になり、

企業(現場の教育 → 採用試験) → 大学(理科系の教養
 → 文系 → 入学試験) → 高校 → 中学 → 児童英語

と広まっていくと思います。

しかし、従来の英語教師は 多読指南書を書くと今までの英語指南書が売れなく
なります。
ましてや、もう亡くなった方の本は変更しようがないですからね。出版社も
反対するでしょう。
英語塾でも高校生あたりが対象では、本を読むだけでは親が納得しないから
といって文法の説明をやめられません。

でも、スノボは結局市民権を得ました。それ以前にもスキーに変わるものは
たぶんいくつも提案されては消えていったと思います。
多読がスノボになれるかは
 
 多読の力(多読は楽しい+役に立つ+お金になる)
 
によると思います。

もちろん伝道者の力は大きいでしょう。でもそれだけでは限りがあります。
普通の人が普通に進めることが支援でしょう。

親が楽しみ、子供に伝える。(子供用スノボレンタルのあるところへ行く)
友達を誘う。(スノボ板は友達の中古を買ったりもらったりして始めたものでした)
他のことを捨てて。(スキー板は捨てました。)

学校が変わるとすれば、就職に敏感な私学からかなあと思いますが。

多読普及の障害の分析と対策はよいと思いますが、
ユーザーの立場に立った行動をお願いします。

あと、何かやるのなら3現主義(現場、現物、現実)でお願いします。

実際に英語でコミュニケーションをとる現場で
その人たち(現物)が、どういう風に(現実)をよく見てほしいと思います。

以上よろしくお願いします。

"yamasina"さんは[url:kb:741]で書きました:
〉こんにちは。
〉多読を学校教育に普及させることは、この掲示板に集うひとの多くにとって共通の願いと思います。
〉しかし、その具体的手段についてはあまりここで語られてきたとは言えません。

〉一方で、

〉>一つには、敵はこちらがどう出ようとも多読普及に手を貸すことは
〉>ないだろう、と思われること。
〉(http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-talk&c=t&id=527)

〉といった、議論に疲れてしまった諦め気分の発言とともに、挑発的行動もやむなしという風潮があります。

〉そのような行動に移る前に、今一度平和的手段でなにができるか考えたいのです。

〉1.なにが普及を阻害しているか
〉2.それに対してどうできるか

〉を整理することによって、いくらかでも道筋や光明が見いだせたら、と思います。
〉(最終的成果のひとつとしては、学校の英語の先生向けのFAQ作成が可能ではないかと)

〉1.なにが普及を阻害しているか
〉「頑固な教育関係者が悪い」などというひとくくりの話ではなく、もう少しブレイクします。まず、相手が何を考えているか考えまし

ょう。

〉ご苦労なさって多読を導入されている(しようとしている)先生方が、ぶつかった障害などを教えて頂けませんか。(あまり、苦労話

は言いたくないかと存じますが。まず「予算が…」とかでしょうか?)
〉また、文部科学省の役人や学習指導要領を作成するひとから、中学高校の先生までレベルは様々と思いますが、酒井先生が上記諦念に

至ってしまった議論の嫌な思い出を少し開陳していただけないでしょうか。
〉そのほか、我々が友人に勧めたときの反応や、児童英語のお母さんの疑問なども参考になるかもしれません。

〉おそらく、頑迷な意見、誤解から素朴な疑問まで、相手の立場に応じていろいろ出たと思うのです。役人と現場の先生では当然異なる

視点の意見疑問議論となるでしょうから。

〉このスレッドでは、まず1.の阻害要因、疑問、議論のポイントを収集して、ある程度集まったら、別のスレッドでそれぞれの問題の

解決方法を可能かどうかを含め議論したいと思いますが、どうでしょうか。

〉ではでは

〉追記:古川さんへ
〉このようなことは、多読学会のほうで取組まれているかなあとも思うのですが、あまり資料が開示されていないようです。ワークショ

ップのプログラムを見ても興味深い内容が列挙されていますが、要旨だけでもwebに載せて、多くのひとが見られるようにできないでし

ょうか。


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752. テーマに沿った投稿1号ありがとうございます

お名前: yamasina
投稿日: 2005/10/9(23:04)

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Pandada45 さん、テーマに沿った投稿第1号、ありがとうございます。
スノボの話は示唆に富んでいますね。本当によいものは、多少の抵抗勢力など蹴散らして自然に普及していくものだと思います。また、商売人は風向きを見て変わっていくものですよね。

>多読も企業が現場(実際に英語を使えれようにならなければいけないところ)で
>効能を認めて進めてけばやがて新卒採用時の基準になり、
>企業(現場の教育 → 採用試験) → 大学(理科系の教養
> → 文系 → 入学試験) → 高校 → 中学 → 児童英語
>と広まっていくと思います。
#1:「企業に効能を認めさせる」
いいですね。学校教育が大学入試などの影響下にあることはよく言われることです。
どうすれば、これが実現できるか考えてみましょう。

>英語塾でも高校生あたりが対象では、本を読むだけでは親が納得しないから
>といって文法の説明をやめられません。
#2:「親に納得させる」
学校教育に普及するためには、これも大事でしょうね。しかも手強そう。

> 多読の力(多読は楽しい+役に立つ+お金になる)
>によると思います。
#3:「お金になる」
「楽しい」「役に立つ」はここの人には自明ですので、「お金」に絞りましょう。
学校教育への普及という視点では直接的でないようにも思われますが、ご指摘の通り、お金は大事だよ〜、です。

もう一つスレッドをたてさせてもらって、そこでそれぞれの具体的手段について考えていきたいと思います(ただし、もう少しこの話題への参加者が増えてからのつもりです)。

>もちろん伝道者の力は大きいでしょう。でもそれだけでは限りがあります。
>普通の人が普通に進めることが支援でしょう。
>親が楽しみ、子供に伝える。(子供用スノボレンタルのあるところへ行く)
>友達を誘う。(スノボ板は友達の中古を買ったりもらったりして始めたものでした)
>他のことを捨てて。(スキー板は捨てました。)
このへんは、すでにみなさん取り組まれている活動ですね。これらは、上記#1-3で挙げられた普及のためのポイントに対する手段としても有効そうです。これからの一連の議論(続けばですが)の結末として、有効かつ可能な手段としてこれらの活動だけが残るのかもしれません。が、一度議論してみるのも無駄ではないと考えてやっています。

>多読普及の障害の分析と対策はよいと思いますが、
>ユーザーの立場に立った行動をお願いします。
英語ユーザーかつ多読ユーザーで、我が子が将来(数年後)受ける英語教育がよりよくなってほしいという立場で行動しています。
>あと、何かやるのなら3現主義(現場、現物、現実)でお願いします。
3現主義については具体的にピンときませんので、私の行動がそれにそぐわないと思われたときにご指摘/ご指導ください。
ではでは。今後ともよろしくお願いします。


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764. Re: pandada45さんへ

お名前: たむ
投稿日: 2005/10/15(12:04)

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何日もたってしまいましたが、ご覧になっていますでしょうか。

pandada45さんの「変わるのは企業の現場から」というご指摘、
目が開かれるような感じがしました。実際、自分の英語体験を
ふりかえっても、現場でのコミュニケーションに困った経験から
英語の勉強について考え始めたのでした。はじめ従来の学校
英語教育はどうでもいい、という感じでしたが、困っているのは
私だけではないという事例をたくさん知るようになって、ガンは
ここにあると思うようになりました。

しかし、pandada45さんの言われるとおり、変わっていくのは
企業などの現場からなのだろうと納得しました。学校は、とくに
公立の学校は、大学進学率や就職率を気にはしているでしょう
が、英語教育の結果を問われることはあまりない、したがって
変わる必要などあまり感じない保守的(守旧派!)組織なの
でしょう、と思います。

3現主義、まったく同感です。英語は実際に、どういうレベルでも
いいですが、使えなければ話しにならない。とくに英語人が意味の
あることをしゃべったときに聞き取れなければ、すべてが始まらない
でしょう。その点、学校英語教育はあまりに無力で無駄です。さらに
無用のコンプレックスやトラウマを生み出すという点、また社会人に
なってから学校英語の方法を「継続・深化」させようとしても、新たな
挫折が待っている点で、有害でさえあると思っています。

一つ私の関係した事例を申し上げますと、航空会社の整備士の方たち
の話しです。仕事の必要から、アメリカの整備士の資格を取る必要もある
のだそうですが、会社は「英語が必要」!ということから2・3カ月の訓練を
私どもの英会話学校に依頼してきます。こちらもそれなりの努力はします
が、実際、試験を受けるために渡米するとき、英語がとても不安だと皆さん
口にされます。アメリカのホテルから電話してきて、ぜんぜんわからない、
と言ってこられた方もいました。しかし、ほとんどの方が実際には試験に
受かるのです。聞いてみますと、試験官の英語はほとんどわからないが、
こんなことを聞いているのだろうという推測で、なんとか答えるという
話しです。筆記試験の比重がおおきいのかもしれません。

さらに、このあとです。何年かして、この整備士の一人の方にお会いする
機会があり、資格は生きていますか、仕事につながっていますか、と
お尋ねしたところ、まったく役に立たない、という返事です。資格はある
けれど、実際には英語人のパイロットなどと話をしなければならないが、
その点がまったくダメなので、結局仕事を取るにはいたらないのだ、と
いうことでした。

まとまりませんが、私の直面している「現場」はこんなところです。
pandada45さんの「現場」はどんなところなんでしょう?


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765. Re: たむさんへ

お名前: pandada45
投稿日: 2005/10/15(16:07)

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pandada45 です。

たむさん こんにちは。

一部上場の電機メーカーに24年勤めています。
数年前から研究開発部門に属しています。理工学部系の出身が多い部署ですね。

以前は半分外資(今はもう違いますけど)ということもあり、社内英語教育は
熱心だと思います。私もTOEIC IPテストを1985年には受験して360点でした。
(時々TOEIC IPテストは受けますが最近は受験者中で最年長ですね。)

職場の若い人を見ても、新入社員のほうが英語ができる、ということがあるか
は判りません。って言うことは、ほとんど会社の仕事に影響するまでの変化
は無いと考えられます。

以前より社員の海外出張などは多くなっていますが(中国が多いですが…)
仕事で本当に必要ならば通訳を雇うなり、現地駐在の人が通訳をするなりと
コスト、品質にあわせて使い分けているようです。
日本にいる場合は、外国人が職場に来るなど特別なことがあると少しでも
英語の話せる人をさがすのが実態ですね。

今の仕事では英語まったくできなくても仕事ができる人のほうが絶対的に
優先です。
まして、仕事時間に英語を勉強するなんていう余裕はありませんねえ。


>> 3現主義、まったく同感です。英語は実際に、どういうレベルでも
>> いいですが、使えなければ話しにならない。とくに英語人が意味の
>> あることをしゃべったときに聞き取れなければ、すべてが始まらない
>> でしょう。その点、学校英語教育はあまりに無力で無駄です。さらに
>> 無用のコンプレックスやトラウマを生み出すという点、また社会人に
>> なってから学校英語の方法を「継続・深化」させようとしても、新たな
>> 挫折が待っている点で、有害でさえあると思っています。


だからこそ、学校英語はそのままの方法を継続すれば成果もあがる方法に
して欲しいですよね。

最近職場で就業時間後に多読をはじめました。4人ほどが始めましたので
今後の進み方が楽しみです。

それでは、現場でも Happy Reading!

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